水野誠一の発言 (経済・産業委員会)
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○水野誠一君 さて、国内に炭鉱を有することの意義について多くの識者がそれぞれの立場や見識に基づいた発言をされていますが、その中で九州大学の内野健一教授の意見を拝読しました。平成九年に衆議院の石炭対策特別委員会で参考人として出席されております。
会議録からごく簡単に御紹介しますと、第一に、国内炭鉱は言うまでもなく貴重な国内資源の生産基盤であり、海外で開発を行うにも自国にその基盤を有していることの意義は大きいということ。第二に、専門家の育成など技術基盤の維持についての貢献、海外炭の輸入においても専門的な知識を持つ人材の供給ベースが必要ということ。第三に、技術の国際協力のための役割。第四に、世界的に採掘レベルの深度も増す中で、新しい技術開発の場としての意義。
国内炭鉱が持つ機能としてあるいは意義として、この内野先生の整理は非常に明快なものがあると私は受けとめました。
さて、エネルギーの選択には経済性、安全性、環境性、供給安定性などいろんな物差しがあるわけですが、例えば経済性、供給安定性については原子力が優位と通産省はおっしゃっています。それから、環境性では風力を初めとする新エネルギーに優位性があるわけであります。ただし、さらにその前提に、エネルギー資源の有限性という問題があるわけであります。これは通産省の試算だったと思いますが、ある条件のもとでは石油の残存量というのはあと四十三年ぐらいしかもたない、あるいはウランでもある条件のもとでは七十三年ぐらいしかもたないんじゃないか、こういう深刻な有限性の問題があるわけであります。
九三年に社会経済国民会議が実施した国会議員対象のアンケートがございますが、このデータを見ても、国会議員の七〇%以上が需給逼迫による停電が将来起こり得ると回答している。また、海外からのエネルギー供給が途絶する可能性があるという回答も五〇%を上回っておる。供給確保の確かさ、エネルギーセキュリティー性とでもいうべき軸も依然としてあるはずでありまして、今後これらの複数の物差しをどうバランスさせるかという点がまさにエネルギー政策の根幹になるのではないかと思っております。
過去四十年、段階的な縮小、構造調整がその目的でありました国内石炭政策は、その円滑な完了を図るというまさに終局、最終局面を迎えているわけであります。しかし、例えば加藤委員などからも指摘のあったように、新しいクリーンコールテクノロジーといった石炭利用に関する研究も進んできているようでありますし、通産省も石炭の役割は今後も重要で、輸入炭の安定輸入のためにも国内炭鉱の技術保持は重要とお考えになっていると理解をしております。
実際に日本が産油国などからエネルギー輸出問題で首を絞められる可能性等についてここで議論をしても仕方がないと思いますが、例えば輸入炭の相場にしてもぴたっと安定したものでないことがある、また今後上昇の可能性というのが大いにあるということは先ほど御答弁をいただいたわけであります。それに為替変動の要素を加えればもっとその予測が大変難しい状況になると思います。
長期的なエネルギーセキュリティーあるいはエネルギーミックスの観点からも石炭政策の種を残す意味で、平成十八年度以降の国内炭鉱の何らかの役割をしっかりと位置づけておく必要があるのではないでしょうか。手放しで国内炭鉱の消滅を迎えるようなことになると、これは一度消滅した技術を復活させるということはほとんど不可能になるということも聞いておりますが、その点についてはいかがでしょうか。