白浜一良の発言 (憲法調査会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○白浜一良君 前回の本調査会で、私ども基本的な考えは述べました。現憲法の三原則、普遍的原理であるということと、憲法九条を堅持するということ、その上で幅広く憲法を論じていこうと、こういう基本的立場を述べたわけでございますが、前回の総括的な皆様方の御意見を伺いましてちょっと所感を三点にわたって述べたいと、このように思います。
一つは、現憲法の制定過程、GHQが大きな影響を持ったというのは、これは事実だろうと思います。しかし、その過程があるから自主憲法というのは私は間違いだと思います。少なくとも、戦後五十年、この憲法が現実社会の中で生き続けたわけでございます。特に九条に関して申し上げましたら、さきの大戦の反省といいますか、二度と戦争というのはあってほしくないという、そういう国民感情が強くあったのはこれは間違いない事実でございまして、ですから、制定過程に問題があるから自主憲法と、こういう拙速な議論は私は余り正確じゃない、このように思うわけでございます。
二点目に申し上げたいことは、とはいえ、戦後五十数年たちまして時代も大きく変わりました。いわゆる現憲法には明確に規定されていない新しい理念もあるのは事実でございます。たびたび皆様方から御発言されたような、例えば環境権であるとかプライバシー権であるとか、そういう新しい理念が必要だということもございますし、また二十一世紀のいわゆる国際社会における新しい日本のあり方という観点でいえば、現憲法のままでいいのかというそういう議論も当然でございまして、私は、そういう意味では幅広く憲法を議論していく、そういう時期ではないか、このようにも考えているわけでございます。
それから、三点目に申し上げたいことは、これは拙速であってはならないということでございまして、国の形と憲法は一体であるという、こういう観点から申し上げますと、やはり世論の支持がなければ憲法を論ずることはできないわけでございまして、その意味では、本調査会が会長のもとで国民とともに憲法を論じていこうという、そういう方向性を示されたことを私は正しいと思いますし、各界各層の意見交換の中でどのように国民に支持が広がっていくか、世論形成がなされていくかというそこが一番大事であって、拙速であってはならない。
前回の議論を通しまして要約的にこの三点を申し上げておきたい、このように思います。