平山陽子の発言 (憲法調査会)

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○参考人(平山陽子君) 東京大学医学部六年の平山陽子です。
 私のテーマは、憲法調査会に期待することです。皆さんの議論の中で再三言われていた憲法と現実の乖離という点について、日々医療現場で学んでいる医学生の立場から申し上げたいと思います。
 私は、憲法の精神をもっと大学教育に実践的に取り入れる必要があると考えています。理由を医学部における一つの例をもとに述べたいと思います。
 インフォームド・コンセントというのは既に一般的によく知られている概念ですけれども、医療現場では単に訴訟対策という視点で語られることが少なくありません。そのような場合、形式的な説明や一方的な告知で終わってしまいがちです。
 しかし、憲法十三条の個人の尊重、生命、自由、幸福追求の権利や、二十五条の生存権に照らしてみれば、患者さんが自分自身の病について知り、価値観に基づいて治療法を選択するという権利は最大限尊重されるべきであり、そういった視点に立てば、医者の側も患者さんのために納得いくまで説明し、困難な選択をともに行うという本来のインフォームド・コンセントを行うことができると考えます。
 また、この問題について、教育とは別ですけれども、患者さんへの説明といったことには現在全く診療報酬制度がついていません。現行の医療制度のもとでは三分間診療を余儀なくされています。こういったことも医師、患者間のコミュニケーション不足の原因となっています。これは、憲法二十五条の国の社会保障義務という項目にも反していると思われます。
 最近、医療現場での不祥事が相次ぎ、医療改革は国民からの切実な要求となっています。しかし、現在の医学教育では疾患の生物学的側面のみが重視され、人権や倫理といった社会真理的側面は軽視されがちです。これでは国民の求めている医療改革はできないと思います。
 以上をまとめますと、医学教育には人権や倫理といった視点が欠けています。憲法の視点を取り入れることが国民の求める医療改革の第一歩だと思います。また、こういった問題は、医学部のみならず、大学の理系教育において考えられることではないかと私は思っています。したがいまして、当調査会にはこういった大学教育の問題点の調査と、憲法の視点からの改善の提案をお願いしたいと思います。
 以上で私の発表を終わらせていただきます。ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 平山陽子

speaker_id: 27443

日付: 2000-04-05

院: 参議院

会議名: 憲法調査会