石川貴夫の発言 (憲法調査会)

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○参考人(石川貴夫君) 早稲田大学政治経済学部政治学科四年の石川貴夫です。
 本日、発言の機会をいただきましたことを大変感謝いたしますとともに、国民の一人として小渕前首相の御回復を心よりお祈り申し上げます。
 さて、憲法とは国の形であると言います。我が国の憲法は、我が国の偉大なる歴史、誇りに満ちた今、そして希望と責任ある未来の象徴であるべきです。
 昨今において、日本国憲法は第二次世界大戦後の占領軍からの押しつけであるという議論があります。事の真偽を断ずるに足る知識は私にはありません。しかし、少なくともそのような疑念がわくこと自体に大きな問題があると言わざるを得ません。
 我々国民が我が国の憲法に対して、日本国民の日本国民による我が国と世界の平和を目指すものであると確信できないとすれば、それは国家の存在意義そのものが危機的な状況であると思います。また、前文に加えて条文は百三カ条に及ぶにもかかわらず、日本国憲法は半世紀以上前の全くそのままの姿です。それが今日我々国民の求めるものであるとは思えません。
 我が国の最高法規であるはずの日本国憲法は、守られてきたのではなく実は置き去りにされてきたと言う方が正しいのではないでしょうか。それはつまり護憲ではなく棄憲です。
 国内外において国民の命さえも満足に守れない憲法などあってよいはずがありません。国民の命と安全を保障するために現実に存在している自衛隊を明確に定義できない憲法などあってよいはずがありません。さらに、日本国民に恩恵を保障したとしても、我が国の援助を求める諸外国からの要請にこたえられない憲法などあってよいはずがありません。憲法違反を問うよりも憲法が現実違反であることを問題にすべきです。同時に、時の政治権力が恣意的に憲法を曲解するようなすき間も決してあってはなりません。解釈の変更は余りに危険なレトリックだと感じます。
 熟慮過程を経ずに憲法を変えるべきではありません。しかし、憲法は神聖不可侵なものでは決してなく、あくまでも我々日本国民の民主主義への不断の努力の象徴であるはずです。その努力を怠り、しり込みしてしまうことは、まさに不名誉な恐れであると思います。
 確かに、現行の日本国憲法にはすばらしい点がたくさんあると思います。しかし、それをより今日に適した形にしていくことは当然のことです。改悪になる可能性があるから国会は決して発議しないというのは、実は主権者である我々国民を信頼していないからだとしか思えません。
 我々は今、希望と勇気と責任を持って新しい時代を切り開いていくべきです。恐れに彩られた停滞は、まさに退行を意味するに等しいと考えます。もし論憲に終わってしまっては、それは取り返すことのできない歴史的な過ちになると私は確信します。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 石川貴夫

speaker_id: 10439

日付: 2000-04-05

院: 参議院

会議名: 憲法調査会