猪瀬直樹の発言 (行政監視委員会)

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○参考人(猪瀬直樹君) 後ろの方から言いますと、財投債と財投機関債は別なのでちょっとこんがらないようにしてほしいんですけれども、財投機関債はあっていいだろうと。あっていいだろうというか、財投機関債を発行するというか、市場で財投機関債が買われるかどうかというのはその企業の透明性が問われるということになるわけで、透明性が問われるというのは、つまり情報公開度がより高いかどうかということが財投機関債によって問われてくるわけですね。
 もっとも、過度な期待はしているわけじゃないんですけれども、とりあえずそうでないと。こう言っては中国の人に悪いけれども、中国の会社みたいなんですね。わけわからない、中身が見えない、そういうことになっちゃうので、はっきり言って、今はアメリカから見れば日本の特殊法人は中国だと思われていますから、中国の人に申しわけないけれども、わけわからない、見えない、何をやっているかさっぱりわからない、そういうことで財投機関債を買うわけがない。
 だから、透明性を高めていくしかない。透明性を高めていけばおのずから問題点が出てくる。おのずから問題点が出てくれば改善せざるを得ない、売れなければしようがないわけですから。とはいいつつも、基本的には財投機関債は余り売れないと思うんですね。でも、一応そういうものを発行するというと意識が変わってきますから、とりあえずコスト意識が多少出てくる。そういう非常に絶望的な状況の中での話をとりあえずしているわけですね。
 それからもう一つ、最初の方の質問になりますけれども、問題は、特殊法人というものが認可法人その他含めていっぱいあってわけわからなくなっているということで、実はこれは総務庁とかそういうところに統計はありますけれども、だれもわからなくなっちゃっているんですね。つまり、日本人がだれもわからなくなっちゃっている。どこで何をやっているかわからないということが起きているのが一番怖いですね。だから、そういう一応統計を出したりいろんな数字を出した人もわからない。つまり、ある意味では日本の国家の中枢、中枢というかそういうところがきちんと何かシステム、きちんと自分たちが何をやっているかということを把握するような状況になっていないということだと思いますね。
 行政監察局とか会計検査院とかいろいろやっていますけれども、とりあえずはデータを集めたりしているけれども、本当にその実態を把握しているわけじゃないということですね。そこが一番怖いんですね。だから、出先機関が勝手に何かやっていても本社がよくわかっていない構造ができているんだというふうに思えばいいと思うんです。
 いずれにしろ、日本で公共事業というものが、多分戦後復興は、高度経済成長まではそういう官僚の役割というのは非常に大きかったと思うんですね。それも積極的な、前向きな役割があったはずなんですが、戦後の復興と高度成長を達成した後に何が目標かというと、国家的目標がなくなったんです。なくなった後にとりあえずインフラの整備ということになったんですね。田中角栄の日本列島改造以降、ほぼインフラの整備というのは国家目標にかわる議員先生方と役所の一つの暗黙の目標だったんですね。したがって、公共事業というのはどんどんふえていく、ふえていくということでどんどん肥大化していったんですね。
 だから、今、五十万社六百万人の雇用が土建業界であるわけですが、これがずっと公共事業と財投のいろいろなお金が入り込んで、予算と財投が、税金と財投が入り込んで、そこでブロイラーみたいにできちゃってもう身動きがとれなくなっちゃった。これがだから産業構造の転換を邪魔しているわけです。そういう日本の最大の問題になっていることが一番問題だということなんですね。

発言情報

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発言者: 猪瀬直樹

speaker_id: 12449

日付: 2000-03-27

院: 参議院

会議名: 行政監視委員会