行政監視委員会
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会
会議録情報#0
平成十二年三月二十七日(月曜日)
午後一時開会
─────────────
委員の異動
三月十三日
辞任 補欠選任
魚住裕一郎君 益田 洋介君
池田 幹幸君 岩佐 恵美君
三月十四日
辞任 補欠選任
木村 仁君 釜本 邦茂君
山内 俊夫君 斉藤 滋宣君
脇 雅史君 市川 一朗君
三月十五日
辞任 補欠選任
市川 一朗君 脇 雅史君
釜本 邦茂君 木村 仁君
斉藤 滋宣君 山内 俊夫君
富樫 練三君 小池 晃君
石井 一二君 島袋 宗康君
三月十六日
辞任 補欠選任
木村 仁君 釜本 邦茂君
脇 雅史君 野間 赳君
角田 義一君 櫻井 充君
小池 晃君 富樫 練三君
島袋 宗康君 石井 一二君
三月十七日
辞任 補欠選任
釜本 邦茂君 木村 仁君
野間 赳君 脇 雅史君
江田 五月君 角田 義一君
阿曽田 清君 平野 貞夫君
三月二十一日
辞任 補欠選任
櫻井 充君 江田 五月君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 浜田卓二郎君
理 事
岩井 國臣君
田中 直紀君
江田 五月君
岩佐 恵美君
渡辺 秀央君
委 員
阿南 一成君
有馬 朗人君
岩瀬 良三君
海老原義彦君
木村 仁君
武見 敬三君
山内 俊夫君
脇 雅史君
岡崎トミ子君
小林 元君
小宮山洋子君
角田 義一君
長谷川 清君
松前 達郎君
加藤 修一君
益田 洋介君
小泉 親司君
富樫 練三君
梶原 敬義君
平野 貞夫君
田名部匡省君
石井 一二君
事務局側
常任委員会専門
員 田中 久雄君
参考人
作家 猪瀬 直樹君
東洋大学経済学
部教授 松原 聡君
野村総合研究所
研究理事 富田 俊基君
─────────────
本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
〇会計検査の要請に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関
する調査
(財政投融資対象機関の点検に関する件)
─────────────
この発言だけを見る →午後一時開会
─────────────
委員の異動
三月十三日
辞任 補欠選任
魚住裕一郎君 益田 洋介君
池田 幹幸君 岩佐 恵美君
三月十四日
辞任 補欠選任
木村 仁君 釜本 邦茂君
山内 俊夫君 斉藤 滋宣君
脇 雅史君 市川 一朗君
三月十五日
辞任 補欠選任
市川 一朗君 脇 雅史君
釜本 邦茂君 木村 仁君
斉藤 滋宣君 山内 俊夫君
富樫 練三君 小池 晃君
石井 一二君 島袋 宗康君
三月十六日
辞任 補欠選任
木村 仁君 釜本 邦茂君
脇 雅史君 野間 赳君
角田 義一君 櫻井 充君
小池 晃君 富樫 練三君
島袋 宗康君 石井 一二君
三月十七日
辞任 補欠選任
釜本 邦茂君 木村 仁君
野間 赳君 脇 雅史君
江田 五月君 角田 義一君
阿曽田 清君 平野 貞夫君
三月二十一日
辞任 補欠選任
櫻井 充君 江田 五月君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 浜田卓二郎君
理 事
岩井 國臣君
田中 直紀君
江田 五月君
岩佐 恵美君
渡辺 秀央君
委 員
阿南 一成君
有馬 朗人君
岩瀬 良三君
海老原義彦君
木村 仁君
武見 敬三君
山内 俊夫君
脇 雅史君
岡崎トミ子君
小林 元君
小宮山洋子君
角田 義一君
長谷川 清君
松前 達郎君
加藤 修一君
益田 洋介君
小泉 親司君
富樫 練三君
梶原 敬義君
平野 貞夫君
田名部匡省君
石井 一二君
事務局側
常任委員会専門
員 田中 久雄君
参考人
作家 猪瀬 直樹君
東洋大学経済学
部教授 松原 聡君
野村総合研究所
研究理事 富田 俊基君
─────────────
本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
〇会計検査の要請に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関
する調査
(財政投融資対象機関の点検に関する件)
─────────────
浜
浜田卓二郎#1
○委員長(浜田卓二郎君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
去る三月十三日、魚住裕一郎君及び池田幹幸君が委員を辞任され、その補欠として益田洋介君及び岩佐恵美君が選任されました。
また、去る同月十七日、阿曽田清君が委員を辞任され、その補欠として平野貞夫君が選任されました。
─────────────
この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
去る三月十三日、魚住裕一郎君及び池田幹幸君が委員を辞任され、その補欠として益田洋介君及び岩佐恵美君が選任されました。
また、去る同月十七日、阿曽田清君が委員を辞任され、その補欠として平野貞夫君が選任されました。
─────────────
浜
浜田卓二郎#2
○委員長(浜田卓二郎君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
浜
浜
浜田卓二郎#4
○委員長(浜田卓二郎君) 次に、会計検査の要請に関する件についてお諮りいたします。
行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査のため、会計検査院に対し、外務省、国際協力銀行及び国際協力事業団に関し、本委員会が第百四十五回国会において行った政府開発援助に関する決議のうち、被援助国の実情に即した国別援助計画の作成、事業の重点化と事業間の連携強化、評価制度の充実、ODAの不正防止及び重債務貧困国に対する債務救済の各事項に関する実施状況について会計検査を行い、その結果を本委員会に報告するよう議長を経由して要請いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査のため、会計検査院に対し、外務省、国際協力銀行及び国際協力事業団に関し、本委員会が第百四十五回国会において行った政府開発援助に関する決議のうち、被援助国の実情に即した国別援助計画の作成、事業の重点化と事業間の連携強化、評価制度の充実、ODAの不正防止及び重債務貧困国に対する債務救済の各事項に関する実施状況について会計検査を行い、その結果を本委員会に報告するよう議長を経由して要請いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
浜
浜
浜田卓二郎#6
○委員長(浜田卓二郎君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に作家猪瀬直樹君、東洋大学経済学部教授松原聡君及び野村総合研究所研究理事富田俊基君を参考人として出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に作家猪瀬直樹君、東洋大学経済学部教授松原聡君及び野村総合研究所研究理事富田俊基君を参考人として出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
浜
浜
浜田卓二郎#8
○委員長(浜田卓二郎君) 次に、行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。
財政投融資対象機関の点検に関する件について参考人の方々から意見を聴取いたします。
この際、参考人の皆様に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多忙のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。参考人の皆様から財政投融資対象機関の点検に関する件について忌憚のない御意見をお述べいただき、調査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願いいたします。
議事の進め方でございますが、まず参考人の方々からそれぞれ二十分程度御意見をお述べいただきまして、その後、委員からの質疑にお答えいただく方法で進めてまいりたいと存じます。
それでは、まず猪瀬参考人からお願いいたします。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。猪瀬参考人。
この発言だけを見る →財政投融資対象機関の点検に関する件について参考人の方々から意見を聴取いたします。
この際、参考人の皆様に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多忙のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。参考人の皆様から財政投融資対象機関の点検に関する件について忌憚のない御意見をお述べいただき、調査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願いいたします。
議事の進め方でございますが、まず参考人の方々からそれぞれ二十分程度御意見をお述べいただきまして、その後、委員からの質疑にお答えいただく方法で進めてまいりたいと存じます。
それでは、まず猪瀬参考人からお願いいたします。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。猪瀬参考人。
猪
猪瀬直樹#9
○参考人(猪瀬直樹君) それでは意見を述べさせていただきます。
「日本国の研究」という本を書きまして、文芸春秋に九六年の秋から冬にかけて連載しまして、九七年に本にしました。今は文庫になっております。その後「続・日本国の研究」というのを九九年の三月に、一年前に出しました。
「日本国の研究」というタイトルにあえてしましたのは、これは単に特殊法人の問題だけではなくて、ここに現在の日本の危機的な状況が集中的にあらわれているというふうに思った次第であります。
司馬遼太郎さんが「この国のかたち」という本を書いておりますけれども、昭和五年、六年ごろから敗戦までの十数年間の日本は別国の観があり、自国を滅ぼしたばかりか他国にも迷惑をかけた、こういう言い方がありますけれども、基本的に一つの体制が制度疲労を起こすのは大体五十年ぐらいからそれ以降ではないかというふうに思います。実際に、昭和に入ったころには明治維新から六十年ぐらいたっていますけれども、まるで別の国のようであるというふうに司馬遼太郎さんがお書きになりました。
戦後また五十年ぐらいたって、もちろん既に五十年たつ前からいろいろ問題が出てきていたわけですけれども、現在の日本の、これはもう新聞やテレビでもよく言われるようになりましたのでだれでも知っているようになりましたけれども、小渕政権になってから特にふえましたが、日本国の財政赤字というのは六百四十五兆円に上っている、これは国内総生産五百兆円を上回っている、まるであたかも日本列島の中に見えない姿でかつての中国大陸が存在して、無数の不良債権が実感しにくい形で蓄積しているというふうに考えられるんじゃないかと。まさに今、日本はあの輝かしい戦後復興や高度経済成長を過ぎて、一生懸命頑張ってきたわけですけれども、まさに別国の観があるというふうに思わないではいられません。
そういうことで「日本国の研究」という本を書きました。きょうの参考資料として一部コピーして、回っていると思いますけれども、ぜひ最初から終わりまで、これは抜粋ですから、読んでいただければ問題点は一目瞭然ではないかというふうに思います。
僕が「日本国の研究」を書いて思ったのは、財政投融資の現場、つまり郵政民営化論というのがありますけれども、これは財政投融資の入り口でありますが、財政投融資の出口である特殊法人を含めた公益法人の財団法人、社団法人、もう少し言い直しますと、特殊法人、認可法人、社団法人、財団法人、こういった直接霞が関の建物の中にある役所ではなくほかのところに散らばっている、そういう役所に準ずる世界、国営企業だと思いますけれども、そうした国営企業並びに国営企業に準ずる会社が物すごい形でたくさんの税金のむだ遣いをしている、そういうことが明らかになってまいりました。
僕は、そういう財政投融資の現場を見ながらつぶさにいろいろと資料を請求し、そしてそれに対してさらにその資料の裏づけをとったり、あるいはまたそれについて質問したりということを繰り返して「日本国の研究」ができたわけですけれども、これほどひどくなっているとは思わなかったですね。
日本道路公団の問題は、既に皆さんも御承知だと思いますけれども、「日本国の研究」が書かれた後、新聞やテレビにも載りましたが、日本道路公団の下に七十近い子会社がある、これが全部株式会社である、この社長が全部道路公団の出身者である、こういう構造があって、これは日本道路公団の例を一つ挙げれば大体ほかのところもみんな同じパターンになっているのでわかりやすいかと思いますから説明しますが、日本道路公団の中に厚生会という互助会、冠婚葬祭のときにいろいろと金一封とか、入院したときにはお見舞金とか渡すような互助会がありますけれども、そういう互助会が出資して財団法人道路施設協会をつくっている、その財団法人道路施設協会の下に七十近い株式会社がある、こういう構図でありますが、そうすると日本道路公団と七十近い株式会社は直接の関係がないという建前になっています。これが非常に奇妙でありました。
この道路施設協会が全国のサービスエリア、パーキングエリアを全部持っている。つまり、道路公団本体から特別に借りて大家さんになって、そして民間企業に、例えばレストランならレストランが、あるいは売店が、あるいはガソリンスタンドがそのパーキングエリア、サービスエリアに入るときに大家さんになって一定の売り上げからお金を取る、つまり料率、例えばレストランだったら売り上げの二〇%を取るというふうな形で道路施設協会に自動的にお金が転がり込む、こういうシステムになっている。こういうシステムになっている道路施設協会が、僕の調べた当時では七十億円程度のお金を日本道路公団に支払い、売り上げが七百億円近くあった。利益が百億円ぐらいある。それで、道路公団の総裁が任期が終わると道路施設協会の理事長に天下る、こういう構造になっていた。
全国のサービスエリア、パーキングエリアというのはもう膨大な数でありまして、コーヒーカップのマークがあればパーキングエリアであり、フォークとナイフのマークがあればサービスエリアでありますけれども、十五キロごとにあるわけですから大変な利権になっている。
この道路施設協会が、先ほど申し上げましたように、出資して七十近い株式会社をつくっている。この株式会社、切符切りのおじさんから道路の清掃の会社から各地域のメンテナンスの会社からあらゆる会社を持っているわけです。そして、その七十近い株式会社と道路施設協会の総売り上げが僕の調査した当時では五千五百億円もあった。道路公団は二十二兆円の累積赤字を抱えながら我々利用者にその借金のツケを回す、あるいは財政投融資から借りたお金で四苦八苦して、財投のお金が二兆何千億円あって実際に道路工事に使うお金は一兆何千億円しかない、あとは返却していく、借りては返していく、こういうふうな非常に生産性の上がらない財務体質になったまま、しかしながら子会社やその他は大もうけしていて連結決算にもしていない。会計検査院が例えばチェックするとしたら、民間の七十近い株式会社は会計検査院が入っていく権利がありませんからそういうものはチェックされないということであります。
それで、いろいろとこの本に書いたり発言しておりましたが、その後日本道路公団と道路施設協会側では改善策を講じたいというふうなことを言っておりまして、結局どうなったかといいますと、道路施設協会は一つでは競争力がないので分割する、分割して二つになりましたと。九八年の秋から財団法人ハイウェイ交流センターというのが一つできた、それからもう一つは道路サービス機構だと。二つに分かれたのでこれで健全な競争をする、こういうふうなことを言っています。さらに、七十近い子会社は道路施設協会が直接出資するのではなく、都銀とか地銀とか生保とか損保とかゼネコンなどに株を渡すと。
ところが、一応そういう建前的な改革はしたけれども、実際には日本道路公団が特にこの七十近い子会社に仕事を与える場合に九〇%以上は随意契約であると、こういうことで一応建前上はあたかも競争するように見せながら、実質は全く変わっていない、こういうことが現実であります。つまり、一応問題点を指摘して、そして違うじゃないか、こんなことをやっていたらおかしいじゃないかということを言うと、とりあえずは形を変えて、じゃ直しましたよと形ばかり直してそれで終わってしまう、こういうことが言えるんじゃないかと思います。
住都公団というのがあります。今は都市基盤整備公団に名前は変わりましたけれども、この住都公団に当時資料を請求しましたら、財務諸表その他たくさんの数字を並べたデータをくれました。その数字を幾ら見ていてもよくわからない。どうも僕は頭がおかしいんじゃないかと思って公認会計士の人にこれを見てくれと言ったけれども、やっぱりわからないと。そういうわからない数字を出してくるということであります。
それで、何がわからなかったかというと、空き室、つまりどのくらいその分譲住宅が売れたか売れないか、そういう一番基本的な問題ですけれども、空き室率を算定したいとこちらは思ったわけですが、その空き室率がどうしてもわからない。たくさんの財務諸表を含めた数字をこちらに渡してくれるんですが、幾ら読んでも空き室率が実態とどうしても違ってくる。我々が見ている感覚と違う数字しか出てこない。おかしいじゃないかと。これはしようがないからケーススタディーをとって、現場でいろいろ調べてみた。数えてみたりした。夜になると電気が消えますから、電気が消えたところへ行って郵便受けを一戸一戸調べてこのマンションにどのぐらい入っているかと世帯数をチェックする、そういう例えば現象的なところでとりあえずチェックしながら実際の数字と照らし合わせてみる、そういうケーススタディーをとってやってみる。
そうすると、夜ですから電気がついているところ、消えているところというのはよくわかります。ずっとあるところで歩いていくと、真っ暗なビルが建っている。ビル丸ごと真っ暗で、つまりこれはでき上がっているのにもかかわらず売っていないわけです。それで数字の違いの意味がわかってきた。つまり、空き室率というのは、例えばマンションが百戸あって二十戸しか入っていなかったら空き室率は八〇%だと。ところが、横に真っ暗な全然売り出していないマンションがあった。そうすると、それは空き室率一〇〇%のはずですが、そこで当局の数字がおかしいのがわかったんです。
それで、住都公団に行って確認してみたら、その真っ暗な、つまり売り出していない空き室率一〇〇%のはずの建物というのはこれは空き室じゃない、こう言うわけです。なぜならば、空き室とは募集したものに対してどのくらい入ったかが空き室である、こう言うわけです。そうすると、それは一〇〇%空き室なのにもかかわらず建設中という建前になるわけです。そういうふうに当局の出してくる数字が合っているかどうかと一々チェックしていかないと信用できない。だから、そこのところが一番問題だと。
それでわかったので、おかしいじゃないかということで資金運用部、大蔵省理財局の方に僕は言いました。どうもおかしいということがいろいろあって、その後紆余曲折して住都公団の分譲は廃止になりました。都市基盤整備公団になっていくわけですけれども、あと賃貸でやっていくということになるわけです。
要するに、今、道路公団とか住都公団の例を挙げただけでもう既に十分にいろんな問題点がおわかりだと思いますが、つまり当局の出している数字だけではわからない。これはきちんと、もちろん会計検査院や総務庁の行政監察局とかいろいろありますけれども、これをきちっとチェックしていかないと、そういうチェックだけではわからない。あるいはいろいろなメディアがある、新聞社があってテレビ局があって、そういうメディアがあるけれども、そういうメディアもきちんと調べていない、そういうことになる。
したがって、この財政投融資の現場というものを今たまたま挙げただけですけれども、ほかにもたくさんあります。もう氷山の一角であります。こういう形でお金がどんどん我々の郵便貯金やいろんなものがそこへ融資されていくんだけれども、それが本当に返ってくるのかどうか、これが非常に怪しいですね。そのお金が返ってこなければ郵便貯金に税金を投入することになるわけでありまして、ほとんどもう危機的状況に来ていたんですね。そういう危機的状況に来ていたということを僕自身もこのときに初めて気がついた。こんなにひどい状況になっているとは思わなかった。それで、国民に警鐘を鳴らすためにこういう本を書いた。それでも、警鐘を鳴らしたとしても、それほど浸透しなかったですね、残念ながら。
小泉純一郎さんが郵政三事業民営化と、こうおっしゃいました。僕はそれは正しいと思う。正しいと思うけれども、どうしても話が入り口の方へ行っちゃった。僕は虎ノ門と言ったんですね。つまり、霞が関、永田町があります。皆さんは永田町にいて、霞が関に役所があります。もう一つ、虎ノ門があるぞと。つまり、特殊法人、認可法人、社団法人、財団法人がある虎ノ門。霞が関、永田町、虎ノ門、この三つで考えないと、虎ノ門という見えない地下茎のようなものがあって、そこの部分に光を当てていかない限りはこの問題は解決しないと。
僕は虎ノ門ということで一生懸命主張したんですけれども、郵政三事業民営化という話の方が郵便局が近所にあるものだからわかりやすくて、郵便局へ行けない、こういうふうなところで話が全部終わっちゃった。郵便局へ行けないんだけれども、それだけじゃないよと。入り口よりも出口が大事ですよと、入り口と同時に出口が一番大事ですよということを強調して、改めて強調してとりあえず最初の僕の意見にさせていただきたいと思います。
以上です。
この発言だけを見る →「日本国の研究」という本を書きまして、文芸春秋に九六年の秋から冬にかけて連載しまして、九七年に本にしました。今は文庫になっております。その後「続・日本国の研究」というのを九九年の三月に、一年前に出しました。
「日本国の研究」というタイトルにあえてしましたのは、これは単に特殊法人の問題だけではなくて、ここに現在の日本の危機的な状況が集中的にあらわれているというふうに思った次第であります。
司馬遼太郎さんが「この国のかたち」という本を書いておりますけれども、昭和五年、六年ごろから敗戦までの十数年間の日本は別国の観があり、自国を滅ぼしたばかりか他国にも迷惑をかけた、こういう言い方がありますけれども、基本的に一つの体制が制度疲労を起こすのは大体五十年ぐらいからそれ以降ではないかというふうに思います。実際に、昭和に入ったころには明治維新から六十年ぐらいたっていますけれども、まるで別の国のようであるというふうに司馬遼太郎さんがお書きになりました。
戦後また五十年ぐらいたって、もちろん既に五十年たつ前からいろいろ問題が出てきていたわけですけれども、現在の日本の、これはもう新聞やテレビでもよく言われるようになりましたのでだれでも知っているようになりましたけれども、小渕政権になってから特にふえましたが、日本国の財政赤字というのは六百四十五兆円に上っている、これは国内総生産五百兆円を上回っている、まるであたかも日本列島の中に見えない姿でかつての中国大陸が存在して、無数の不良債権が実感しにくい形で蓄積しているというふうに考えられるんじゃないかと。まさに今、日本はあの輝かしい戦後復興や高度経済成長を過ぎて、一生懸命頑張ってきたわけですけれども、まさに別国の観があるというふうに思わないではいられません。
そういうことで「日本国の研究」という本を書きました。きょうの参考資料として一部コピーして、回っていると思いますけれども、ぜひ最初から終わりまで、これは抜粋ですから、読んでいただければ問題点は一目瞭然ではないかというふうに思います。
僕が「日本国の研究」を書いて思ったのは、財政投融資の現場、つまり郵政民営化論というのがありますけれども、これは財政投融資の入り口でありますが、財政投融資の出口である特殊法人を含めた公益法人の財団法人、社団法人、もう少し言い直しますと、特殊法人、認可法人、社団法人、財団法人、こういった直接霞が関の建物の中にある役所ではなくほかのところに散らばっている、そういう役所に準ずる世界、国営企業だと思いますけれども、そうした国営企業並びに国営企業に準ずる会社が物すごい形でたくさんの税金のむだ遣いをしている、そういうことが明らかになってまいりました。
僕は、そういう財政投融資の現場を見ながらつぶさにいろいろと資料を請求し、そしてそれに対してさらにその資料の裏づけをとったり、あるいはまたそれについて質問したりということを繰り返して「日本国の研究」ができたわけですけれども、これほどひどくなっているとは思わなかったですね。
日本道路公団の問題は、既に皆さんも御承知だと思いますけれども、「日本国の研究」が書かれた後、新聞やテレビにも載りましたが、日本道路公団の下に七十近い子会社がある、これが全部株式会社である、この社長が全部道路公団の出身者である、こういう構造があって、これは日本道路公団の例を一つ挙げれば大体ほかのところもみんな同じパターンになっているのでわかりやすいかと思いますから説明しますが、日本道路公団の中に厚生会という互助会、冠婚葬祭のときにいろいろと金一封とか、入院したときにはお見舞金とか渡すような互助会がありますけれども、そういう互助会が出資して財団法人道路施設協会をつくっている、その財団法人道路施設協会の下に七十近い株式会社がある、こういう構図でありますが、そうすると日本道路公団と七十近い株式会社は直接の関係がないという建前になっています。これが非常に奇妙でありました。
この道路施設協会が全国のサービスエリア、パーキングエリアを全部持っている。つまり、道路公団本体から特別に借りて大家さんになって、そして民間企業に、例えばレストランならレストランが、あるいは売店が、あるいはガソリンスタンドがそのパーキングエリア、サービスエリアに入るときに大家さんになって一定の売り上げからお金を取る、つまり料率、例えばレストランだったら売り上げの二〇%を取るというふうな形で道路施設協会に自動的にお金が転がり込む、こういうシステムになっている。こういうシステムになっている道路施設協会が、僕の調べた当時では七十億円程度のお金を日本道路公団に支払い、売り上げが七百億円近くあった。利益が百億円ぐらいある。それで、道路公団の総裁が任期が終わると道路施設協会の理事長に天下る、こういう構造になっていた。
全国のサービスエリア、パーキングエリアというのはもう膨大な数でありまして、コーヒーカップのマークがあればパーキングエリアであり、フォークとナイフのマークがあればサービスエリアでありますけれども、十五キロごとにあるわけですから大変な利権になっている。
この道路施設協会が、先ほど申し上げましたように、出資して七十近い株式会社をつくっている。この株式会社、切符切りのおじさんから道路の清掃の会社から各地域のメンテナンスの会社からあらゆる会社を持っているわけです。そして、その七十近い株式会社と道路施設協会の総売り上げが僕の調査した当時では五千五百億円もあった。道路公団は二十二兆円の累積赤字を抱えながら我々利用者にその借金のツケを回す、あるいは財政投融資から借りたお金で四苦八苦して、財投のお金が二兆何千億円あって実際に道路工事に使うお金は一兆何千億円しかない、あとは返却していく、借りては返していく、こういうふうな非常に生産性の上がらない財務体質になったまま、しかしながら子会社やその他は大もうけしていて連結決算にもしていない。会計検査院が例えばチェックするとしたら、民間の七十近い株式会社は会計検査院が入っていく権利がありませんからそういうものはチェックされないということであります。
それで、いろいろとこの本に書いたり発言しておりましたが、その後日本道路公団と道路施設協会側では改善策を講じたいというふうなことを言っておりまして、結局どうなったかといいますと、道路施設協会は一つでは競争力がないので分割する、分割して二つになりましたと。九八年の秋から財団法人ハイウェイ交流センターというのが一つできた、それからもう一つは道路サービス機構だと。二つに分かれたのでこれで健全な競争をする、こういうふうなことを言っています。さらに、七十近い子会社は道路施設協会が直接出資するのではなく、都銀とか地銀とか生保とか損保とかゼネコンなどに株を渡すと。
ところが、一応そういう建前的な改革はしたけれども、実際には日本道路公団が特にこの七十近い子会社に仕事を与える場合に九〇%以上は随意契約であると、こういうことで一応建前上はあたかも競争するように見せながら、実質は全く変わっていない、こういうことが現実であります。つまり、一応問題点を指摘して、そして違うじゃないか、こんなことをやっていたらおかしいじゃないかということを言うと、とりあえずは形を変えて、じゃ直しましたよと形ばかり直してそれで終わってしまう、こういうことが言えるんじゃないかと思います。
住都公団というのがあります。今は都市基盤整備公団に名前は変わりましたけれども、この住都公団に当時資料を請求しましたら、財務諸表その他たくさんの数字を並べたデータをくれました。その数字を幾ら見ていてもよくわからない。どうも僕は頭がおかしいんじゃないかと思って公認会計士の人にこれを見てくれと言ったけれども、やっぱりわからないと。そういうわからない数字を出してくるということであります。
それで、何がわからなかったかというと、空き室、つまりどのくらいその分譲住宅が売れたか売れないか、そういう一番基本的な問題ですけれども、空き室率を算定したいとこちらは思ったわけですが、その空き室率がどうしてもわからない。たくさんの財務諸表を含めた数字をこちらに渡してくれるんですが、幾ら読んでも空き室率が実態とどうしても違ってくる。我々が見ている感覚と違う数字しか出てこない。おかしいじゃないかと。これはしようがないからケーススタディーをとって、現場でいろいろ調べてみた。数えてみたりした。夜になると電気が消えますから、電気が消えたところへ行って郵便受けを一戸一戸調べてこのマンションにどのぐらい入っているかと世帯数をチェックする、そういう例えば現象的なところでとりあえずチェックしながら実際の数字と照らし合わせてみる、そういうケーススタディーをとってやってみる。
そうすると、夜ですから電気がついているところ、消えているところというのはよくわかります。ずっとあるところで歩いていくと、真っ暗なビルが建っている。ビル丸ごと真っ暗で、つまりこれはでき上がっているのにもかかわらず売っていないわけです。それで数字の違いの意味がわかってきた。つまり、空き室率というのは、例えばマンションが百戸あって二十戸しか入っていなかったら空き室率は八〇%だと。ところが、横に真っ暗な全然売り出していないマンションがあった。そうすると、それは空き室率一〇〇%のはずですが、そこで当局の数字がおかしいのがわかったんです。
それで、住都公団に行って確認してみたら、その真っ暗な、つまり売り出していない空き室率一〇〇%のはずの建物というのはこれは空き室じゃない、こう言うわけです。なぜならば、空き室とは募集したものに対してどのくらい入ったかが空き室である、こう言うわけです。そうすると、それは一〇〇%空き室なのにもかかわらず建設中という建前になるわけです。そういうふうに当局の出してくる数字が合っているかどうかと一々チェックしていかないと信用できない。だから、そこのところが一番問題だと。
それでわかったので、おかしいじゃないかということで資金運用部、大蔵省理財局の方に僕は言いました。どうもおかしいということがいろいろあって、その後紆余曲折して住都公団の分譲は廃止になりました。都市基盤整備公団になっていくわけですけれども、あと賃貸でやっていくということになるわけです。
要するに、今、道路公団とか住都公団の例を挙げただけでもう既に十分にいろんな問題点がおわかりだと思いますが、つまり当局の出している数字だけではわからない。これはきちんと、もちろん会計検査院や総務庁の行政監察局とかいろいろありますけれども、これをきちっとチェックしていかないと、そういうチェックだけではわからない。あるいはいろいろなメディアがある、新聞社があってテレビ局があって、そういうメディアがあるけれども、そういうメディアもきちんと調べていない、そういうことになる。
したがって、この財政投融資の現場というものを今たまたま挙げただけですけれども、ほかにもたくさんあります。もう氷山の一角であります。こういう形でお金がどんどん我々の郵便貯金やいろんなものがそこへ融資されていくんだけれども、それが本当に返ってくるのかどうか、これが非常に怪しいですね。そのお金が返ってこなければ郵便貯金に税金を投入することになるわけでありまして、ほとんどもう危機的状況に来ていたんですね。そういう危機的状況に来ていたということを僕自身もこのときに初めて気がついた。こんなにひどい状況になっているとは思わなかった。それで、国民に警鐘を鳴らすためにこういう本を書いた。それでも、警鐘を鳴らしたとしても、それほど浸透しなかったですね、残念ながら。
小泉純一郎さんが郵政三事業民営化と、こうおっしゃいました。僕はそれは正しいと思う。正しいと思うけれども、どうしても話が入り口の方へ行っちゃった。僕は虎ノ門と言ったんですね。つまり、霞が関、永田町があります。皆さんは永田町にいて、霞が関に役所があります。もう一つ、虎ノ門があるぞと。つまり、特殊法人、認可法人、社団法人、財団法人がある虎ノ門。霞が関、永田町、虎ノ門、この三つで考えないと、虎ノ門という見えない地下茎のようなものがあって、そこの部分に光を当てていかない限りはこの問題は解決しないと。
僕は虎ノ門ということで一生懸命主張したんですけれども、郵政三事業民営化という話の方が郵便局が近所にあるものだからわかりやすくて、郵便局へ行けない、こういうふうなところで話が全部終わっちゃった。郵便局へ行けないんだけれども、それだけじゃないよと。入り口よりも出口が大事ですよと、入り口と同時に出口が一番大事ですよということを強調して、改めて強調してとりあえず最初の僕の意見にさせていただきたいと思います。
以上です。
浜
松
松原聡#11
○参考人(松原聡君) 松原です。
お配りしたレジュメに沿ってお話ししていきたいと思うんですが、まず財投機関というよりは財投のシステム自体について私がどう考えても不思議でしようがないところから話に入っていきたいと思います。
そもそも、財投機関というものがあって郵貯、年金等のお金が流れているわけですけれども、では何でそういう機関があるのかということを考えていきますと、理屈としては公共性が高い、しかし市場で、マーケットで資金調達するのが困難あるいは調達しようとすると非常に高い金利がついちゃうと。しかし、ここは税金とは違うところで、一般道と高速道路の違いでありまして、税金を投入しておしまいかというとそうではなくて、そこから料金を徴収して貸したお金が返ってくる、返済可能だということであります。
しかし、よく考えてみますとこれは非常に不思議なことでありまして、例えば返済が可能であるのであればマーケットで最初から資金調達すればいいと。一番いい例が電力会社でありまして、三十年という社債も出せているんですね。ですから、マーケットだと本当に短い、不利なお金しか調達できないかというとそうではなくて、非常に公共性が高い電力会社が全額マーケットで資金調達できていると。
では、何で財投機関ができないのだという問題が当然出てくるわけです。そうしますと、どうも返せないんじゃないかという疑問が出てくるわけでありまして、残念ながら財投制度の中で財投機関二つが実際返せないということで国鉄清算事業団と国有林野事業は事実上のデフォルトになったわけであります。
それから、もう一点の疑問は資金の配分でありまして、毎年毎年四十兆、五十兆というお金を五十前後の財投機関に配分しているわけですけれども、これを資金運用審議会、人がやっているわけであります。
ここがまた税金と違うところでありまして、税金であれば予算配分というのは各省庁がやって使っていけばいいわけですけれども、この財投というのは公的な金融ですから返ってくるところに貸さない限りは困るわけでありまして、そのことを資金運用審議会が本当にその能力があるのかと、二十年、三十年という形でお金を貸して本当に返ってくるかどうかのチェックができているのかと。しかし、返すべきお金は郵貯などの有償資金でありますから、いつかはどこかで必ず返さなきゃいけない。そのときに、ではだれが責任をとるのかというと、残念ながら配分した資金運用審議会ではなくて我々国民が責任をとるというのが国鉄清算事業団が破綻した際に我々のたばこ等から何十年にわたってお金を取っていくという形になったわけであります。
そういうふうに見ていきますと、どうも財投機関というものがお金が返ってくるものとして、しかし市場では調達できないから回しているわけですけれども、そもそも返ってくるという保証があるのか、そこに郵貯などの返さなきゃいけないお金をつぎ込むことのきっちりとした根拠があるのか、あるいはお金を貸すときに、渡すときに、もしデフォルトになったときにそれを一体どうやって担保するのか、民間金融機関では当たり前である土地を担保にとるとかいうことが一切なしに、事実上政府の信用みたいなものでお金を貸しちゃっていると。そのあたりの無理が非常に出ているのではないかと思うわけであります。
具体的に二点だけ御説明いたしますと、例えば四十兆、五十兆円のお金を毎年毎年五十前後の財投機関に配分していきます。平成七年度は十兆円使い残し、不用額として戻ってきています。要するに、一生懸命配分して、これは資金運用審議会で一生懸命やったんでしょうけれども、現実には一年たって四十兆、五十兆のうち十兆円が使えないで完全に不用額となっていると。
ちなみに、平成十年度も六兆円が不用額であります。その中で一番悪かったのは住宅金融公庫でありまして、十兆円配分してもらって六兆円ぐらいしか使わない、四兆円戻しているんですね。お金のうちの四割を使い残しちゃうようなところに十兆円そもそもつぎ込んだことに積極的な意義があったのかというのが一点目の具体例であります。
二点目の具体例の問題としては、本当に返せるところに貸しているのか、そのチェックがきっちりきいているのかという問題提起であります。
これは国鉄清算事業団でありまして、まず返せないだろうなというのが明確になった段階以降も毎年毎年一兆円以上のお金を貸し続けていきまして、例えば平成六年は一兆六千億円、破綻の直前でも一兆円ぐらいのお金をそこに貸し付けているわけでありまして、ピークには十五兆円ものお金がそこにつぎ込まれているけれども、事実上返ってこないという状態になっちゃうと。
問題なのはここでありまして、だれが見ても返ってこないというところに一兆円を超すお金を毎年毎年継続的につぎ込めちゃうという事実と、もう一つは、実はお金がそこに入っている限りは返済もされているわけですから、いわば追い貸しのような状態ですから一般の民間の金融機関で言うところの不良債権にはならないんですね、返済が滞っていないわけですから。返済のお金はどんどん追い貸しして貸しているからそういう問題が表に出ないままきている、こういうことでありまして、このことを考えますと、今も、現在もなおかつ返せないところにお金が行っている可能性が高くて、しかしその実情はなかなか表に出てこなくて、しかしかつての国鉄清算事業団のように、あるとき突然国民の目の前に何十兆円という借金が出てくると、そのうちの十兆円ぐらいは財投のお金だったと、でも郵貯に返さなきゃいけない、どうするんだという問題が突然出てくるんですね。そのあたりのチェックが全くきかないままお金は貸せちゃうようなシステムなんだというのを国鉄清算事業団の例で御説明しました。
次に二番目でありまして、そういう財投機関がやはり返すべきお金をつぎ込んでいるわけですから返せないと困るわけでありまして、そのあたりのチェックが本当に可能なのかという議論に進んでいかざるを得ないわけです。これは長い財投システムの検討の議論の中で、要するに人が配るとかいうのではなくてマーケットにある程度任せる必要があるだろうというところで議論が煮詰まってきまして、その切り札として出てきたのが財投機関債であります。
例えば、これは住宅金融公庫が十兆円必要だというときに、資金運用審議会が十兆円配分するのではなくて住宅金融公庫が住宅金融公庫債という債券を出して自分でそのお金を調達しなさい、こういうように変えていこうという、そういう方向性が決まったわけであります。こうなれば住宅金融公庫は六兆円しか貸せないときに十兆円引き受ける必要がないわけですから、六兆円をぴったり自分で調達すればいいと。まさにマーケットに乗るわけですけれども、現実には、ここが非常に厳しくてこれから先の問題になりますけれども、現実には個別の財投機関が今言ったような民間で言うところの社債、財投機関債を出すのが非常に難しい。それは、要するにマーケットが判断すると返ってこない、まともな金利では貸せないと。極端な話、ジャンクボンドになっちゃうような可能性が高くて、ほとんど個別に財投機関債を出せる財投機関が残念ながらなかったんですね。
ここまでようやく、要するにマーケットに乗せようと、個別の財投機関は自分で資金を調達しなさいというところまで来たんですが、現実には財投改革が本格化するときに個別の財投機関債を出せる財投機関は極めて少数だろう、まずないんじゃないかというような状況でありまして、約五十ある財投機関の大半は自分では資金調達ができない、こういう状態であります。
それでどうするかというと、かわりに財投債という国債のようなものを出すことにしました。財投債と財投機関債はこれは雲泥の差でありまして、財投機関債は自分で調達するんですが、財投債は政府の信用で何十兆円か集めてくれて、これをただ配分するだけでありますから、残念ながら財投債に頼る限りは今まで長い間かけてきた財投改革の議論は全く無意味になってしまう。現実には今その方向に非常に強く進んでいる、こういうことになります。そうなりますと、先ほど言いました本当に返せるところに貸せているのかという問題は財投債ではクリアできないわけでありますから、今まで議論してきたところは残念ながら今の財投改革には生かされない、その可能性が非常に高いということです。
それならということでありまして、個別の財投機関、平成十二年度ですと四十八ありますが、それが本当に返せるかどうかということをやはり国民の目あるいは国会の場でチェックしなければいけないということになっていくわけであります。ちょうど今、情報公開法は既に成立しましたけれども、その第二弾といたしまして特殊法人の情報公開法が行革本部の下で、特殊法人情報公開検討委員会というところで議論が進められております。私、今そこで参与としてその議論に参加している最中でありまして、ちょうど今週の水曜日ですからあさってにどういう特殊法人、認可法人を対象にするかということが中間的にまとまりまして、パブリックコメントにこれからかかっていきます。
それで、私が問題提起したかったのがレジュメでいうところの三番目でありまして、もちろん特殊法人その他ですから財投機関じゃない特殊法人もたくさんあります。しかし、財投機関の中で幾つかが今のままでいきますと特殊法人の情報公開の対象外になる可能性が非常に高くなっております。それをこの三のところの表で私まとめました。ここでは平成十一年度計画となっておりますが、十二年度に関しても全く同じです。
表でいうと上から三つ目の関西空港、これはまだ検討中です。先週の議論でちょっと入る方に傾きましたので、まだちょっと予断を許さないんですけれども、入るかもしれません。次の中部国際空港、これは指定法人になるんですが、これは検討しておりません。これは入らない可能性が高くなっております。それから、下から二つ目の民間都市開発推進機構、これも未検討。それから、最後の電源開発株式会社、これはもう対象外ということが決まっております。
その意味で、まず第一番目に問題提起したいのは、四十八の財投機関のうち、せっかく今やっている特殊法人等情報公開法の対象外になってしまうと。この特殊法人等情報公開法は、単に情報をオープンにしようというのではなくて国民の開示請求に対してこたえるという制度でありますから、これがきっちりできれば、先ほど猪瀬さんがお話しになった道路公団なんかも今までとは違って正式な国民の権利としてこの情報公開法に基づいていろいろな資料請求ができるんです。そのことである程度財投機関の情報公開は進む、本当に返せるかどうかのチェックも可能になると思うんですが、まず第一に相当大きな財投を受けている機関のうちの幾つかがここに書きましたように対象外になってしまう心配が非常に高まっているということが一点であります。
それからもう一点は、ぜひこれは私としては強調したいところなんですが、財投機関というのは平成十二年度は四十八です。その前は五十幾つありまして、もっと、六十ぐらいあったときもあります。そのときそのときによって資金運用審議会がチェックしていきますし、特殊法人が統廃合されましたらそれに従って財投機関の数も変わってくるんですが、我々がチェックしなければいけないのはその年その年の最新の財投機関だけではなくて、今は財投機関ではなくてもかつて財投のお金が入っていたような機関、これはだんだん見えなくなっちゃうんですけれども、実はこれも非常に問題が大きいわけです。
例えば、この表の一番最初に載せました東京湾横断道路株式会社、これは既に道路ができましたから財投のお金はもう入っていませんから財投機関四十八の中には入っていないんですね。しかし、この表にありますように四千八百六十六億円の財投が既にそこにつぎ込まれておりまして、なおかつ予定の半分しか通行量がないと。このお金が返ってこない可能性が非常に高まっているわけです。
そのような意味で、新たに財投のお金を受ける機関だけではなくて、既に財投のお金を受けていて今は財投の対象になっていない機関もきっちりと我々は監視する必要がある、こういうことであります。
それから、情報公開に即しましてもう一点、私がどうしても不思議でならない点をお話ししたいのは、財投というのは毎年五十兆とかいうお金が入りまして、平成十年末で四百兆円の貸し出し残があるわけです。しかし、これは本当に何でかわからないんですけれども、財投白書というものが世の中に存在していないんですね。
きょう持ってまいりましたのは、かつて「図説 財政投融資」というのがありました。これは東洋経済から出ているんですけれども、大蔵省の理財局が出しております。これはいわゆる普通の白書に相当するものでありまして、二百何十ページあります。これが平成四年でなくなりまして、次は大蔵省理財局編で「財政投融資ハンドブック」というのが出まして、これも財投白書に相当していたものなんですけれども、これもなくなっちゃいまして、かわりに出てきましたのがこういう財投リポートという四、五十ページのリポートであります。まず大きな問題は、白書であれば本屋さんに行って注文すればすぐ手に入るんですけれども、この財投リポートというのはただなんですけれども、ただというのは逆に言うと非常に入手が困難になりました。
これだけ国民の関心が高くて、かつ国家予算に匹敵する、年度によっては国家予算よりも多い金額が配分されて、残が四百兆円もあって、場合によってはいつ破綻するかわからないような、そういう財投のシステムについての白書が存在しないというのは極めておかしな事態で、それはとてもこのような財投リポートで代替できるような話ではないだろうと、こういうことです。
ちなみに一点だけ最後にお話しさせていただきたいのは、例えば、先ほど住宅金融公庫が十兆円の予算を受けて六兆円しか使わなくて四兆円残しちゃったと、それは大蔵省の財政金融統計月報の七月号、これは毎年毎年出ておりまして、これにはそういうデータが詳しく出ているんですね。我々はそういうところで使い残しの不用額ということで金額はわかるんですが、ここがずるいなと思いましたのは、「財政投融資リポート」でしたら予算十兆円と実行額六兆円というところまでしか出ていなくて、不用額四兆円という欄がないんですね。小さくなっちゃった分それを外したのかもしれませんけれども、しかし普通の我々が見るときに、十兆円と六兆円という数字が並んだだけであるとどういう意味を持っているのかわからないんですね。やはりそれは、国民の知る権利に対応するためには、四兆円使い残しましたと、全部の財投機関を足し算したら六兆円使い残しましたというのがはっきりわかる形に出すべきなのに、残念ながらこの財投リポートはそこまで出ていないと。
そのような意味で、私自身は財投機関というのは基本的にはマーケットでお金を調達すべきだ、調達できないようなところに郵貯などの返さなきゃいけないお金をつぎ込むのがおかしいと。調達できないところがあって、本当にそれが国民にとって必要なものであれば、むしろ税金で担保すべきですね、最初から。あたかも返せるという前提でお金を貸しちゃって突然返せなくなりましたというよりは、最初から税金で対応する方がよっぽどましだろうと。逆に、返せるところはどんどん自分で資金調達すればいい、こういう考えになっております。しかし、残念ながらそういう方向ではなくて、せっかく財投改革の議論が進みましたけれども、現実には財投債で対応する可能性が非常に高い。
そうなると、残された手は個別の財投機関に対する情報の開示請求みたいなところで本当に返せるかどうかをきっちり聞いていかなきゃいけない。そのためには、まず財投白書がないこと自体が非常におかしいということ、それから第二に今ちょうど議論している特殊法人等情報公開法の中で幾つかの財投機関がそこから落ちる可能性が非常に高い、これも非常におかしいんじゃないか、私自身は委員会の中で一生懸命頑張っているんですけれども、ちょっと旗色が悪くて今のままですと落ちちゃう可能性が非常に高い、こういうところであります。
以上です。
この発言だけを見る →お配りしたレジュメに沿ってお話ししていきたいと思うんですが、まず財投機関というよりは財投のシステム自体について私がどう考えても不思議でしようがないところから話に入っていきたいと思います。
そもそも、財投機関というものがあって郵貯、年金等のお金が流れているわけですけれども、では何でそういう機関があるのかということを考えていきますと、理屈としては公共性が高い、しかし市場で、マーケットで資金調達するのが困難あるいは調達しようとすると非常に高い金利がついちゃうと。しかし、ここは税金とは違うところで、一般道と高速道路の違いでありまして、税金を投入しておしまいかというとそうではなくて、そこから料金を徴収して貸したお金が返ってくる、返済可能だということであります。
しかし、よく考えてみますとこれは非常に不思議なことでありまして、例えば返済が可能であるのであればマーケットで最初から資金調達すればいいと。一番いい例が電力会社でありまして、三十年という社債も出せているんですね。ですから、マーケットだと本当に短い、不利なお金しか調達できないかというとそうではなくて、非常に公共性が高い電力会社が全額マーケットで資金調達できていると。
では、何で財投機関ができないのだという問題が当然出てくるわけです。そうしますと、どうも返せないんじゃないかという疑問が出てくるわけでありまして、残念ながら財投制度の中で財投機関二つが実際返せないということで国鉄清算事業団と国有林野事業は事実上のデフォルトになったわけであります。
それから、もう一点の疑問は資金の配分でありまして、毎年毎年四十兆、五十兆というお金を五十前後の財投機関に配分しているわけですけれども、これを資金運用審議会、人がやっているわけであります。
ここがまた税金と違うところでありまして、税金であれば予算配分というのは各省庁がやって使っていけばいいわけですけれども、この財投というのは公的な金融ですから返ってくるところに貸さない限りは困るわけでありまして、そのことを資金運用審議会が本当にその能力があるのかと、二十年、三十年という形でお金を貸して本当に返ってくるかどうかのチェックができているのかと。しかし、返すべきお金は郵貯などの有償資金でありますから、いつかはどこかで必ず返さなきゃいけない。そのときに、ではだれが責任をとるのかというと、残念ながら配分した資金運用審議会ではなくて我々国民が責任をとるというのが国鉄清算事業団が破綻した際に我々のたばこ等から何十年にわたってお金を取っていくという形になったわけであります。
そういうふうに見ていきますと、どうも財投機関というものがお金が返ってくるものとして、しかし市場では調達できないから回しているわけですけれども、そもそも返ってくるという保証があるのか、そこに郵貯などの返さなきゃいけないお金をつぎ込むことのきっちりとした根拠があるのか、あるいはお金を貸すときに、渡すときに、もしデフォルトになったときにそれを一体どうやって担保するのか、民間金融機関では当たり前である土地を担保にとるとかいうことが一切なしに、事実上政府の信用みたいなものでお金を貸しちゃっていると。そのあたりの無理が非常に出ているのではないかと思うわけであります。
具体的に二点だけ御説明いたしますと、例えば四十兆、五十兆円のお金を毎年毎年五十前後の財投機関に配分していきます。平成七年度は十兆円使い残し、不用額として戻ってきています。要するに、一生懸命配分して、これは資金運用審議会で一生懸命やったんでしょうけれども、現実には一年たって四十兆、五十兆のうち十兆円が使えないで完全に不用額となっていると。
ちなみに、平成十年度も六兆円が不用額であります。その中で一番悪かったのは住宅金融公庫でありまして、十兆円配分してもらって六兆円ぐらいしか使わない、四兆円戻しているんですね。お金のうちの四割を使い残しちゃうようなところに十兆円そもそもつぎ込んだことに積極的な意義があったのかというのが一点目の具体例であります。
二点目の具体例の問題としては、本当に返せるところに貸しているのか、そのチェックがきっちりきいているのかという問題提起であります。
これは国鉄清算事業団でありまして、まず返せないだろうなというのが明確になった段階以降も毎年毎年一兆円以上のお金を貸し続けていきまして、例えば平成六年は一兆六千億円、破綻の直前でも一兆円ぐらいのお金をそこに貸し付けているわけでありまして、ピークには十五兆円ものお金がそこにつぎ込まれているけれども、事実上返ってこないという状態になっちゃうと。
問題なのはここでありまして、だれが見ても返ってこないというところに一兆円を超すお金を毎年毎年継続的につぎ込めちゃうという事実と、もう一つは、実はお金がそこに入っている限りは返済もされているわけですから、いわば追い貸しのような状態ですから一般の民間の金融機関で言うところの不良債権にはならないんですね、返済が滞っていないわけですから。返済のお金はどんどん追い貸しして貸しているからそういう問題が表に出ないままきている、こういうことでありまして、このことを考えますと、今も、現在もなおかつ返せないところにお金が行っている可能性が高くて、しかしその実情はなかなか表に出てこなくて、しかしかつての国鉄清算事業団のように、あるとき突然国民の目の前に何十兆円という借金が出てくると、そのうちの十兆円ぐらいは財投のお金だったと、でも郵貯に返さなきゃいけない、どうするんだという問題が突然出てくるんですね。そのあたりのチェックが全くきかないままお金は貸せちゃうようなシステムなんだというのを国鉄清算事業団の例で御説明しました。
次に二番目でありまして、そういう財投機関がやはり返すべきお金をつぎ込んでいるわけですから返せないと困るわけでありまして、そのあたりのチェックが本当に可能なのかという議論に進んでいかざるを得ないわけです。これは長い財投システムの検討の議論の中で、要するに人が配るとかいうのではなくてマーケットにある程度任せる必要があるだろうというところで議論が煮詰まってきまして、その切り札として出てきたのが財投機関債であります。
例えば、これは住宅金融公庫が十兆円必要だというときに、資金運用審議会が十兆円配分するのではなくて住宅金融公庫が住宅金融公庫債という債券を出して自分でそのお金を調達しなさい、こういうように変えていこうという、そういう方向性が決まったわけであります。こうなれば住宅金融公庫は六兆円しか貸せないときに十兆円引き受ける必要がないわけですから、六兆円をぴったり自分で調達すればいいと。まさにマーケットに乗るわけですけれども、現実には、ここが非常に厳しくてこれから先の問題になりますけれども、現実には個別の財投機関が今言ったような民間で言うところの社債、財投機関債を出すのが非常に難しい。それは、要するにマーケットが判断すると返ってこない、まともな金利では貸せないと。極端な話、ジャンクボンドになっちゃうような可能性が高くて、ほとんど個別に財投機関債を出せる財投機関が残念ながらなかったんですね。
ここまでようやく、要するにマーケットに乗せようと、個別の財投機関は自分で資金を調達しなさいというところまで来たんですが、現実には財投改革が本格化するときに個別の財投機関債を出せる財投機関は極めて少数だろう、まずないんじゃないかというような状況でありまして、約五十ある財投機関の大半は自分では資金調達ができない、こういう状態であります。
それでどうするかというと、かわりに財投債という国債のようなものを出すことにしました。財投債と財投機関債はこれは雲泥の差でありまして、財投機関債は自分で調達するんですが、財投債は政府の信用で何十兆円か集めてくれて、これをただ配分するだけでありますから、残念ながら財投債に頼る限りは今まで長い間かけてきた財投改革の議論は全く無意味になってしまう。現実には今その方向に非常に強く進んでいる、こういうことになります。そうなりますと、先ほど言いました本当に返せるところに貸せているのかという問題は財投債ではクリアできないわけでありますから、今まで議論してきたところは残念ながら今の財投改革には生かされない、その可能性が非常に高いということです。
それならということでありまして、個別の財投機関、平成十二年度ですと四十八ありますが、それが本当に返せるかどうかということをやはり国民の目あるいは国会の場でチェックしなければいけないということになっていくわけであります。ちょうど今、情報公開法は既に成立しましたけれども、その第二弾といたしまして特殊法人の情報公開法が行革本部の下で、特殊法人情報公開検討委員会というところで議論が進められております。私、今そこで参与としてその議論に参加している最中でありまして、ちょうど今週の水曜日ですからあさってにどういう特殊法人、認可法人を対象にするかということが中間的にまとまりまして、パブリックコメントにこれからかかっていきます。
それで、私が問題提起したかったのがレジュメでいうところの三番目でありまして、もちろん特殊法人その他ですから財投機関じゃない特殊法人もたくさんあります。しかし、財投機関の中で幾つかが今のままでいきますと特殊法人の情報公開の対象外になる可能性が非常に高くなっております。それをこの三のところの表で私まとめました。ここでは平成十一年度計画となっておりますが、十二年度に関しても全く同じです。
表でいうと上から三つ目の関西空港、これはまだ検討中です。先週の議論でちょっと入る方に傾きましたので、まだちょっと予断を許さないんですけれども、入るかもしれません。次の中部国際空港、これは指定法人になるんですが、これは検討しておりません。これは入らない可能性が高くなっております。それから、下から二つ目の民間都市開発推進機構、これも未検討。それから、最後の電源開発株式会社、これはもう対象外ということが決まっております。
その意味で、まず第一番目に問題提起したいのは、四十八の財投機関のうち、せっかく今やっている特殊法人等情報公開法の対象外になってしまうと。この特殊法人等情報公開法は、単に情報をオープンにしようというのではなくて国民の開示請求に対してこたえるという制度でありますから、これがきっちりできれば、先ほど猪瀬さんがお話しになった道路公団なんかも今までとは違って正式な国民の権利としてこの情報公開法に基づいていろいろな資料請求ができるんです。そのことである程度財投機関の情報公開は進む、本当に返せるかどうかのチェックも可能になると思うんですが、まず第一に相当大きな財投を受けている機関のうちの幾つかがここに書きましたように対象外になってしまう心配が非常に高まっているということが一点であります。
それからもう一点は、ぜひこれは私としては強調したいところなんですが、財投機関というのは平成十二年度は四十八です。その前は五十幾つありまして、もっと、六十ぐらいあったときもあります。そのときそのときによって資金運用審議会がチェックしていきますし、特殊法人が統廃合されましたらそれに従って財投機関の数も変わってくるんですが、我々がチェックしなければいけないのはその年その年の最新の財投機関だけではなくて、今は財投機関ではなくてもかつて財投のお金が入っていたような機関、これはだんだん見えなくなっちゃうんですけれども、実はこれも非常に問題が大きいわけです。
例えば、この表の一番最初に載せました東京湾横断道路株式会社、これは既に道路ができましたから財投のお金はもう入っていませんから財投機関四十八の中には入っていないんですね。しかし、この表にありますように四千八百六十六億円の財投が既にそこにつぎ込まれておりまして、なおかつ予定の半分しか通行量がないと。このお金が返ってこない可能性が非常に高まっているわけです。
そのような意味で、新たに財投のお金を受ける機関だけではなくて、既に財投のお金を受けていて今は財投の対象になっていない機関もきっちりと我々は監視する必要がある、こういうことであります。
それから、情報公開に即しましてもう一点、私がどうしても不思議でならない点をお話ししたいのは、財投というのは毎年五十兆とかいうお金が入りまして、平成十年末で四百兆円の貸し出し残があるわけです。しかし、これは本当に何でかわからないんですけれども、財投白書というものが世の中に存在していないんですね。
きょう持ってまいりましたのは、かつて「図説 財政投融資」というのがありました。これは東洋経済から出ているんですけれども、大蔵省の理財局が出しております。これはいわゆる普通の白書に相当するものでありまして、二百何十ページあります。これが平成四年でなくなりまして、次は大蔵省理財局編で「財政投融資ハンドブック」というのが出まして、これも財投白書に相当していたものなんですけれども、これもなくなっちゃいまして、かわりに出てきましたのがこういう財投リポートという四、五十ページのリポートであります。まず大きな問題は、白書であれば本屋さんに行って注文すればすぐ手に入るんですけれども、この財投リポートというのはただなんですけれども、ただというのは逆に言うと非常に入手が困難になりました。
これだけ国民の関心が高くて、かつ国家予算に匹敵する、年度によっては国家予算よりも多い金額が配分されて、残が四百兆円もあって、場合によってはいつ破綻するかわからないような、そういう財投のシステムについての白書が存在しないというのは極めておかしな事態で、それはとてもこのような財投リポートで代替できるような話ではないだろうと、こういうことです。
ちなみに一点だけ最後にお話しさせていただきたいのは、例えば、先ほど住宅金融公庫が十兆円の予算を受けて六兆円しか使わなくて四兆円残しちゃったと、それは大蔵省の財政金融統計月報の七月号、これは毎年毎年出ておりまして、これにはそういうデータが詳しく出ているんですね。我々はそういうところで使い残しの不用額ということで金額はわかるんですが、ここがずるいなと思いましたのは、「財政投融資リポート」でしたら予算十兆円と実行額六兆円というところまでしか出ていなくて、不用額四兆円という欄がないんですね。小さくなっちゃった分それを外したのかもしれませんけれども、しかし普通の我々が見るときに、十兆円と六兆円という数字が並んだだけであるとどういう意味を持っているのかわからないんですね。やはりそれは、国民の知る権利に対応するためには、四兆円使い残しましたと、全部の財投機関を足し算したら六兆円使い残しましたというのがはっきりわかる形に出すべきなのに、残念ながらこの財投リポートはそこまで出ていないと。
そのような意味で、私自身は財投機関というのは基本的にはマーケットでお金を調達すべきだ、調達できないようなところに郵貯などの返さなきゃいけないお金をつぎ込むのがおかしいと。調達できないところがあって、本当にそれが国民にとって必要なものであれば、むしろ税金で担保すべきですね、最初から。あたかも返せるという前提でお金を貸しちゃって突然返せなくなりましたというよりは、最初から税金で対応する方がよっぽどましだろうと。逆に、返せるところはどんどん自分で資金調達すればいい、こういう考えになっております。しかし、残念ながらそういう方向ではなくて、せっかく財投改革の議論が進みましたけれども、現実には財投債で対応する可能性が非常に高い。
そうなると、残された手は個別の財投機関に対する情報の開示請求みたいなところで本当に返せるかどうかをきっちり聞いていかなきゃいけない。そのためには、まず財投白書がないこと自体が非常におかしいということ、それから第二に今ちょうど議論している特殊法人等情報公開法の中で幾つかの財投機関がそこから落ちる可能性が非常に高い、これも非常におかしいんじゃないか、私自身は委員会の中で一生懸命頑張っているんですけれども、ちょっと旗色が悪くて今のままですと落ちちゃう可能性が非常に高い、こういうところであります。
以上です。
浜
富
富田俊基#13
○参考人(富田俊基君) 御指名をいただきました野村総合研究所の富田俊基と申します。
財政投融資対象機関の点検と題しまして意見を申し述べさせていただきます。お手元の資料も御参照ください。
アダム・スミスが「神の見えざる手」と名づけ、またハイエクが「遠隔通信システム」と呼んだように、市場、マーケットは、それが存在する限り、効率的な資源配分をもたらします。中でも、金融資本市場は時間を超えて現在と将来との間で効率的な資源配分を決定する中核的な市場であります。
しかし、金融資本市場においても市場が不完全であったり、市場が存在しない場合があります。例えば、貸し出しに際して審査の費用が巨額にかかり、借り手が効率的な市場へのアクセスを制約されることがあるからです。また、企業が事業を行おうとしても、完成するまでに長い期間を要し、民間企業には負い切れないリスクが発生する場合や、インフラ事業のように利益が社会に広く拡散し、企業がコストを回収できない場合もあります。
このように、民間では供給できない、あるいは供給できたとしてもそれが過小となる分野が存在します。こうした市場の失敗を是正して社会的目標を実現するために、政府が高い信用力を利用して低い金利で長期資金を調達し、財投機関を通じて政策的に資源配分を行う、これが財投です。つまり、財投とは長期金融の手法を用いて社会的目標を実現するための政策的手段であります。このため、財投に類似した仕組みは、我が国だけではなく、欧米にも存在するのです。
一ページの表にごらんいただきますように、欧米主要国の財投の主な対象分野は住宅、中小企業、社会資本整備などであります。フランスは住宅に、またイギリスでは起債統制が行われているので地方自治体向けの融資に特化しております。アメリカとドイツでは、我が国と同様に、財投の対象は広範囲にわたっております。
このように財投が存在する理由は市場の失敗にあります。しかし、それを是正しようとする政治も失敗する可能性があります。社会目標の実現を重視する余り、政府による介入が過大となり、経済効率が犠牲になるという政府の失敗、政治の失敗が生じ得るのであります。
こうした政治の失敗の背景には三つの要因があると考えられます。
第一は、市場にわからないことについて政治が確実にわかるという保証がないことであります。神の見えざる手が導くことができないことについて、政府が完全な情報を持っているという保証はありません。
第二は、政策を実施する財投機関に親方日の丸と言われる非効率が発生する懸念であります。民間企業がROEなどの指標によって管理されるべきであるのに対しまして、財投機関は政治が目標を与えます。この目標は民間企業に比べ多様で複雑であります。このため、特殊法人は廃止につながるような極端な非効率も、また民営化につながるような徹底的な効率の追求も避けようとします。このため、そこそこの効率性を維持することになってしまいかねません。
第三は、政治のありようにかかわる問題であります。財投機関が利用できるとほぼ十年国債の金利で長期間にわたって融資を受けることができます。国債の金利がベースであるので民間金利に比べて長期低利であります。個人や企業は政治家を利用して財投資金の配分をふやそうとします。また、政治家も財投機関を利用して特定のグループに利益を誘導することで得票をふやそうとするでありましょう。このため、財投による長期低利資金の供給が過大に傾き、民業を圧迫するという問題も指摘されております。
以上、三つの理由から政府の介入も過剰となり、市場経済を攪乱する可能性があります。そこで二〇〇一年度に財政投融資改革が行われるものと理解しております。
我が国の財投は、入り口の郵貯、公的年金と出口の政府系金融機関、公団、事業団などの財投機関とを中間の資金運用部がつなぐ仕組みをとってきました。この仕組みのもとでは入り口に資金が集まると出口の財投機関が肥大化し、非効率な財投機関も生き残ってしまうという政治の失敗が生じるのではないかと指摘されてきました。
そこで、今回の改革で入り口と出口を分断し、古い財投を解体することが決まりました。
二ページをごらんください。
二〇〇一年四月から郵貯と公的年金は中間の資金運用部への預託を廃止し、それぞれの省が市場で資金を運用することになります。民間金融機関であればこうした自主運用は当然のことでありますが、引き続き官のまま、しかも縦割りで市場運用することになります。しかし、市場運用にはリスクがつきものです。もし運用に失敗すればだれが責任をとるのか。損失は国民の負担となってはね返ってこざるを得ないのです。
郵貯、年金の自主運用が始まると財投機関は文字どおりの兵糧攻めに遭うことになります。今回の改革では、個々の財投機関は民間企業のようにみずからの力で財投機関債を発行して市場から資金を調達することが求められています。市場の評価にさらすことによって財投機関に運営効率化へのインセンティブが働くことが期待されているようです。
しかし、市場は財投機関の効率性を評価できるでしょうか。国営だから債務超過であっても倒産することはない、財務内容が悪いほど民営化されることはないと考える投資家もいるかもしれません。他方、これだけ国債が累増しているのだから財投機関への補助金が削減されたり民営化されたり、あるいは廃止されるかもしれないと予想する投資家もいるでしょう。
このように、財投機関はステータスがあいまいでありますので、財務内容がいかにディスクローズされたところで民間企業の社債のように財務内容に応じて投資家の信用評価が一定の期待値に落ちつくことはありません。市場は、財投機関の行う政策だけではなく、効率性も評価できない、つまり市場は財投機関を点検できないのです。
こうしたあいまいな財投機関債が市場の評価を得るためには二つの方法があります。
第一は、財投機関の発行する債券に政府保証をつけることです。しかし、政府保証をつけると幾ら非効率な機関であっても国民の負担で存在が保証されることになり、改革は進みません。政府保証債の発行は徹底して抑制するべきであります。
市場の混乱を避けるための第二の方法は、財投機関というあいまいなステータスから隔離された債券、つまり財投事業に裏打ちされた資産担保証券、ABSを発行することです。これをつくり出して高い格付を取得するためには、個々の財投事業について契約の明確化、事業の標準化、キャッシュフローの確実性などが不可欠となります。したがって、ABS、資産担保証券を発行する過程で財投機関の運営効率化が促進されることになります。
しかし、資産担保証券によっては十分な資金調達が困難であったり、政策遂行が困難なほど高い金利を市場から求められる場合には、その事業が政治の決定で必要とされる限り、資金を安定的に供給するという責務が政府に生じます。このため、各財投機関が必要とする資金を国の信用で一括して調達する財投債が発行されねばなりません。
市場から見ると財投債は国債と同じです。ただし、国債の担保が将来の税収であるのに対して、財投債は財投機関の貸付金の回収や料金収入を担保としております。そこで、財投機関を点検し、財投債の償還確実性を精査し、償還確実性を高める手法が必要です。それが政策コスト分析であります。
財投は金融的手法を用いる政策手段です。予算とは異なって長期の融資です。返済には長期間を要します。このため、財投計画の策定に当たっては、確実に返済されるかどうか、返済までにどれほどの国民負担が発生するのかを推計し、判断の材料にする必要があります。これが政策コスト分析と呼ばれるものです。
資料の三ページにごらんのように、政策コスト分析は財投機関が融資や事業を行うことによって将来にわたって発生する補助金などのすべての国民負担を現時点で推計し明らかにする仕組みであります。
具体的には、個別財投機関の各プロジェクトごとに将来の受取利子や料金収入などのキャッシュインフローと借入金利子の支払いなどのキャッシュアウトフローを推計し、毎年の差額を国債利子で割り引いて現在価値を求めるのであります。融資機関の場合には、将来のデフォルトや返済遅延、そして繰り上げ償還などが推計されねばなりません。また、事業実施機関の場合は、将来の施設利用を見通し、そして料金収入が推計されます。
政策コスト分析の導入によって、当座は税負担が発生しないので財投を拡大してもよいという財政錯覚を取り除き、政治の失敗を抑制し、財投機関の効率化、スリム化に役立ちます。
四ページにごらんいただきますように、昨年、五つの財投機関の政策コストが発表されました。この分析結果が財投計画に反映されねばなりません。さらに、この分析をすべての財投機関、さらには政府が保証を行っているすべての政府事業に導入する必要があります。また、経済環境の変化とともに政策コストも変動いたしますので政策コスト分析を毎年繰り返し行うことが必要です。
資料の五ページにありますように、アメリカでは一九九〇年に連邦信用計画の改革、日本でいいます財投の改革を行い、九二年から政策コスト分析を導入しております。一九九九年末二千三百四十億ドルの直接融資の政策コストは五百億ドル、融資保証残高九千七百六十億ドルの政策コストは二百九十億ドルと推計されております。この政策コスト分析を毎年積み重ねていく過程で、アメリカでは奨学金の直接融資制度に比べて国民負担が大きい融資保証を縮小し、学生金融公庫、サリーメイと呼ばれておりますけれども、その民営化を九六年に決定いたしました。
我が国も政策コスト分析を武器に財投機関を不断に精査し、非効率な財投機関や民業を圧迫する財投機関があればそれを政治の決定で切り離していくことが必要であります。単に財投機関債を発行して、これだけで財投改革をやろうというのは政治のなすべきことを市場にゆだねようという倒錯した発想と言わねばなりません。私は、政策コスト分析が財投機関の点検、そして財投改革の中心になるべきものと考えております。そして、政策コスト分析を軸として政策評価法の活用、外部監査の導入、情報公開の促進など財投機関に多面的な規律づけが必要と考えます。
御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →財政投融資対象機関の点検と題しまして意見を申し述べさせていただきます。お手元の資料も御参照ください。
アダム・スミスが「神の見えざる手」と名づけ、またハイエクが「遠隔通信システム」と呼んだように、市場、マーケットは、それが存在する限り、効率的な資源配分をもたらします。中でも、金融資本市場は時間を超えて現在と将来との間で効率的な資源配分を決定する中核的な市場であります。
しかし、金融資本市場においても市場が不完全であったり、市場が存在しない場合があります。例えば、貸し出しに際して審査の費用が巨額にかかり、借り手が効率的な市場へのアクセスを制約されることがあるからです。また、企業が事業を行おうとしても、完成するまでに長い期間を要し、民間企業には負い切れないリスクが発生する場合や、インフラ事業のように利益が社会に広く拡散し、企業がコストを回収できない場合もあります。
このように、民間では供給できない、あるいは供給できたとしてもそれが過小となる分野が存在します。こうした市場の失敗を是正して社会的目標を実現するために、政府が高い信用力を利用して低い金利で長期資金を調達し、財投機関を通じて政策的に資源配分を行う、これが財投です。つまり、財投とは長期金融の手法を用いて社会的目標を実現するための政策的手段であります。このため、財投に類似した仕組みは、我が国だけではなく、欧米にも存在するのです。
一ページの表にごらんいただきますように、欧米主要国の財投の主な対象分野は住宅、中小企業、社会資本整備などであります。フランスは住宅に、またイギリスでは起債統制が行われているので地方自治体向けの融資に特化しております。アメリカとドイツでは、我が国と同様に、財投の対象は広範囲にわたっております。
このように財投が存在する理由は市場の失敗にあります。しかし、それを是正しようとする政治も失敗する可能性があります。社会目標の実現を重視する余り、政府による介入が過大となり、経済効率が犠牲になるという政府の失敗、政治の失敗が生じ得るのであります。
こうした政治の失敗の背景には三つの要因があると考えられます。
第一は、市場にわからないことについて政治が確実にわかるという保証がないことであります。神の見えざる手が導くことができないことについて、政府が完全な情報を持っているという保証はありません。
第二は、政策を実施する財投機関に親方日の丸と言われる非効率が発生する懸念であります。民間企業がROEなどの指標によって管理されるべきであるのに対しまして、財投機関は政治が目標を与えます。この目標は民間企業に比べ多様で複雑であります。このため、特殊法人は廃止につながるような極端な非効率も、また民営化につながるような徹底的な効率の追求も避けようとします。このため、そこそこの効率性を維持することになってしまいかねません。
第三は、政治のありようにかかわる問題であります。財投機関が利用できるとほぼ十年国債の金利で長期間にわたって融資を受けることができます。国債の金利がベースであるので民間金利に比べて長期低利であります。個人や企業は政治家を利用して財投資金の配分をふやそうとします。また、政治家も財投機関を利用して特定のグループに利益を誘導することで得票をふやそうとするでありましょう。このため、財投による長期低利資金の供給が過大に傾き、民業を圧迫するという問題も指摘されております。
以上、三つの理由から政府の介入も過剰となり、市場経済を攪乱する可能性があります。そこで二〇〇一年度に財政投融資改革が行われるものと理解しております。
我が国の財投は、入り口の郵貯、公的年金と出口の政府系金融機関、公団、事業団などの財投機関とを中間の資金運用部がつなぐ仕組みをとってきました。この仕組みのもとでは入り口に資金が集まると出口の財投機関が肥大化し、非効率な財投機関も生き残ってしまうという政治の失敗が生じるのではないかと指摘されてきました。
そこで、今回の改革で入り口と出口を分断し、古い財投を解体することが決まりました。
二ページをごらんください。
二〇〇一年四月から郵貯と公的年金は中間の資金運用部への預託を廃止し、それぞれの省が市場で資金を運用することになります。民間金融機関であればこうした自主運用は当然のことでありますが、引き続き官のまま、しかも縦割りで市場運用することになります。しかし、市場運用にはリスクがつきものです。もし運用に失敗すればだれが責任をとるのか。損失は国民の負担となってはね返ってこざるを得ないのです。
郵貯、年金の自主運用が始まると財投機関は文字どおりの兵糧攻めに遭うことになります。今回の改革では、個々の財投機関は民間企業のようにみずからの力で財投機関債を発行して市場から資金を調達することが求められています。市場の評価にさらすことによって財投機関に運営効率化へのインセンティブが働くことが期待されているようです。
しかし、市場は財投機関の効率性を評価できるでしょうか。国営だから債務超過であっても倒産することはない、財務内容が悪いほど民営化されることはないと考える投資家もいるかもしれません。他方、これだけ国債が累増しているのだから財投機関への補助金が削減されたり民営化されたり、あるいは廃止されるかもしれないと予想する投資家もいるでしょう。
このように、財投機関はステータスがあいまいでありますので、財務内容がいかにディスクローズされたところで民間企業の社債のように財務内容に応じて投資家の信用評価が一定の期待値に落ちつくことはありません。市場は、財投機関の行う政策だけではなく、効率性も評価できない、つまり市場は財投機関を点検できないのです。
こうしたあいまいな財投機関債が市場の評価を得るためには二つの方法があります。
第一は、財投機関の発行する債券に政府保証をつけることです。しかし、政府保証をつけると幾ら非効率な機関であっても国民の負担で存在が保証されることになり、改革は進みません。政府保証債の発行は徹底して抑制するべきであります。
市場の混乱を避けるための第二の方法は、財投機関というあいまいなステータスから隔離された債券、つまり財投事業に裏打ちされた資産担保証券、ABSを発行することです。これをつくり出して高い格付を取得するためには、個々の財投事業について契約の明確化、事業の標準化、キャッシュフローの確実性などが不可欠となります。したがって、ABS、資産担保証券を発行する過程で財投機関の運営効率化が促進されることになります。
しかし、資産担保証券によっては十分な資金調達が困難であったり、政策遂行が困難なほど高い金利を市場から求められる場合には、その事業が政治の決定で必要とされる限り、資金を安定的に供給するという責務が政府に生じます。このため、各財投機関が必要とする資金を国の信用で一括して調達する財投債が発行されねばなりません。
市場から見ると財投債は国債と同じです。ただし、国債の担保が将来の税収であるのに対して、財投債は財投機関の貸付金の回収や料金収入を担保としております。そこで、財投機関を点検し、財投債の償還確実性を精査し、償還確実性を高める手法が必要です。それが政策コスト分析であります。
財投は金融的手法を用いる政策手段です。予算とは異なって長期の融資です。返済には長期間を要します。このため、財投計画の策定に当たっては、確実に返済されるかどうか、返済までにどれほどの国民負担が発生するのかを推計し、判断の材料にする必要があります。これが政策コスト分析と呼ばれるものです。
資料の三ページにごらんのように、政策コスト分析は財投機関が融資や事業を行うことによって将来にわたって発生する補助金などのすべての国民負担を現時点で推計し明らかにする仕組みであります。
具体的には、個別財投機関の各プロジェクトごとに将来の受取利子や料金収入などのキャッシュインフローと借入金利子の支払いなどのキャッシュアウトフローを推計し、毎年の差額を国債利子で割り引いて現在価値を求めるのであります。融資機関の場合には、将来のデフォルトや返済遅延、そして繰り上げ償還などが推計されねばなりません。また、事業実施機関の場合は、将来の施設利用を見通し、そして料金収入が推計されます。
政策コスト分析の導入によって、当座は税負担が発生しないので財投を拡大してもよいという財政錯覚を取り除き、政治の失敗を抑制し、財投機関の効率化、スリム化に役立ちます。
四ページにごらんいただきますように、昨年、五つの財投機関の政策コストが発表されました。この分析結果が財投計画に反映されねばなりません。さらに、この分析をすべての財投機関、さらには政府が保証を行っているすべての政府事業に導入する必要があります。また、経済環境の変化とともに政策コストも変動いたしますので政策コスト分析を毎年繰り返し行うことが必要です。
資料の五ページにありますように、アメリカでは一九九〇年に連邦信用計画の改革、日本でいいます財投の改革を行い、九二年から政策コスト分析を導入しております。一九九九年末二千三百四十億ドルの直接融資の政策コストは五百億ドル、融資保証残高九千七百六十億ドルの政策コストは二百九十億ドルと推計されております。この政策コスト分析を毎年積み重ねていく過程で、アメリカでは奨学金の直接融資制度に比べて国民負担が大きい融資保証を縮小し、学生金融公庫、サリーメイと呼ばれておりますけれども、その民営化を九六年に決定いたしました。
我が国も政策コスト分析を武器に財投機関を不断に精査し、非効率な財投機関や民業を圧迫する財投機関があればそれを政治の決定で切り離していくことが必要であります。単に財投機関債を発行して、これだけで財投改革をやろうというのは政治のなすべきことを市場にゆだねようという倒錯した発想と言わねばなりません。私は、政策コスト分析が財投機関の点検、そして財投改革の中心になるべきものと考えております。そして、政策コスト分析を軸として政策評価法の活用、外部監査の導入、情報公開の促進など財投機関に多面的な規律づけが必要と考えます。
御清聴ありがとうございました。
浜
浜田卓二郎#14
○委員長(浜田卓二郎君) どうもありがとうございました。
以上で参考人の方々からの意見陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
本日の質疑形式ですが、総質疑時間は二時間程度、おおむね午後四時までとし、大会派順に各会派十五分質疑を行います。
会派内における質疑者はあらかじめ特定いたしませんので、質疑を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を待って御発言されますようお願いいたします。
なお、質疑及び答弁とも御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、自由民主党・自由国民会議所属委員で質疑のある方は挙手をお願いいたします。
この発言だけを見る →以上で参考人の方々からの意見陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
本日の質疑形式ですが、総質疑時間は二時間程度、おおむね午後四時までとし、大会派順に各会派十五分質疑を行います。
会派内における質疑者はあらかじめ特定いたしませんので、質疑を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を待って御発言されますようお願いいたします。
なお、質疑及び答弁とも御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、自由民主党・自由国民会議所属委員で質疑のある方は挙手をお願いいたします。
山
山内俊夫#15
○山内俊夫君 立っていた方がやりやすいので、立たせてやらせていただきます。
ただいま御指名いただきました自民党の山内俊夫と申します。
きょうは三先生方、大変お忙しい中、ありがとうございました。時間が十五分ということでございますので限られておりますから、私から各先生方に一つずつ質問させていただきたいと思います。
共通質問は、今回の財政投融資対象機関の点検に関する題名に関して、財投の最大課題は何かということがまず一つでございます。
それでは、まず猪瀬先生に少し御質問させていただきたいと思いますが、郵政民営化ということが、これは先生のPHP研究所のレポートの中に、既に私は見させていただいたんですが、郵政のこれは入り口論でしかあり得ないということを言っております。
私、個人的には小泉純一郎さんがおっしゃっているように入り口・出口一体廃止論じゃないんです。賛成論者なんですけれども、実は特殊法人に対する先生の持論の中に、「日本国の研究」という本の中に、先ほど私が言いましたように、小泉純一郎さんの入り口・出口一体廃止論なんだけれども、そうじゃないと、もっと大切なことがあると。先ほども話がありましたように、大蔵省の資金運用部、この中間が実は大変おかしくなっているんだという議論だったと思うんです。私も、財投の資金であります郵政から集まっているほぼ二百五十兆及び簡易保険の百兆円という、この三百五、六十兆のお金というのはもっと有効に運用されるべきであると考えております。
そういったところで、先生からきょう初めて私は聞かせていただいたんですが、入り口と中間と出口論、一つだけこのあたりを先生にもう少し詳しくお聞きしたいんですが、その出口論のところは私も大変大切なことだろうと思いますので、そこを少し詳しくお話しいただけたらと思います。
この発言だけを見る →ただいま御指名いただきました自民党の山内俊夫と申します。
きょうは三先生方、大変お忙しい中、ありがとうございました。時間が十五分ということでございますので限られておりますから、私から各先生方に一つずつ質問させていただきたいと思います。
共通質問は、今回の財政投融資対象機関の点検に関する題名に関して、財投の最大課題は何かということがまず一つでございます。
それでは、まず猪瀬先生に少し御質問させていただきたいと思いますが、郵政民営化ということが、これは先生のPHP研究所のレポートの中に、既に私は見させていただいたんですが、郵政のこれは入り口論でしかあり得ないということを言っております。
私、個人的には小泉純一郎さんがおっしゃっているように入り口・出口一体廃止論じゃないんです。賛成論者なんですけれども、実は特殊法人に対する先生の持論の中に、「日本国の研究」という本の中に、先ほど私が言いましたように、小泉純一郎さんの入り口・出口一体廃止論なんだけれども、そうじゃないと、もっと大切なことがあると。先ほども話がありましたように、大蔵省の資金運用部、この中間が実は大変おかしくなっているんだという議論だったと思うんです。私も、財投の資金であります郵政から集まっているほぼ二百五十兆及び簡易保険の百兆円という、この三百五、六十兆のお金というのはもっと有効に運用されるべきであると考えております。
そういったところで、先生からきょう初めて私は聞かせていただいたんですが、入り口と中間と出口論、一つだけこのあたりを先生にもう少し詳しくお聞きしたいんですが、その出口論のところは私も大変大切なことだろうと思いますので、そこを少し詳しくお話しいただけたらと思います。
猪
猪瀬直樹#16
○参考人(猪瀬直樹君) 今、国会に財政投融資改革三法案というのが出ているはずなんで、財政投融資が大蔵省資金運用部を経由してというか、郵便貯金その他が大蔵省資金運用部から特殊法人等に貸し付けられるわけですけれども、それは一部郵政省と厚生省で自主運用というのをやっておりましたが、今度は全額自主運用という形になっていくということであります。
いずれにしろ、先ほど松原さん、富田さんがそれぞれ言われたことに僕も基本的に、若干ニュアンスは違うところあるんですけれども、政策コスト分析しなきゃいけないということ、つまり特殊法人のお金がどういうふうに、どのぐらいどうやってやったらいいかという政策コスト分析をしなければいけないということ、それから基本的に情報公開ですね。特殊法人の情報公開は、前に情報公開法ができたときに特殊法人は除く、今後いずれやるというふうなことだったんですが、それが今回議論されているわけです。特殊法人の情報公開についてきちんとできたらかなりの部分、つまり出口の部分がかなり改善されるだろう。
それからもう一つは財投機関債、つまり財投機関が自分で債券を発行する。これはわずかなものですけれども、とりあえず財投機関債はないよりはましだろうと。ある程度財務内容が明らかにならないと債券は発行できませんので、隠していたらだれも債券を買ってくれない。
こういうことになりますので、財投機関債、そして情報公開ということによって出口の問題がある程度見えるようになってくれば多少の改善は進むだろうということであります。だから、入り口というのは本来は問題なんですけれども、分けて考えて、出口は出口でどうするかということをまず考えて、最後に入り口、出口一体でなくすというか、そういう方向に持っていくわけであります。まず、出口は出口できちんと個別に今のような問題を検討していかないとだめなんです。
以上です。
この発言だけを見る →いずれにしろ、先ほど松原さん、富田さんがそれぞれ言われたことに僕も基本的に、若干ニュアンスは違うところあるんですけれども、政策コスト分析しなきゃいけないということ、つまり特殊法人のお金がどういうふうに、どのぐらいどうやってやったらいいかという政策コスト分析をしなければいけないということ、それから基本的に情報公開ですね。特殊法人の情報公開は、前に情報公開法ができたときに特殊法人は除く、今後いずれやるというふうなことだったんですが、それが今回議論されているわけです。特殊法人の情報公開についてきちんとできたらかなりの部分、つまり出口の部分がかなり改善されるだろう。
それからもう一つは財投機関債、つまり財投機関が自分で債券を発行する。これはわずかなものですけれども、とりあえず財投機関債はないよりはましだろうと。ある程度財務内容が明らかにならないと債券は発行できませんので、隠していたらだれも債券を買ってくれない。
こういうことになりますので、財投機関債、そして情報公開ということによって出口の問題がある程度見えるようになってくれば多少の改善は進むだろうということであります。だから、入り口というのは本来は問題なんですけれども、分けて考えて、出口は出口でどうするかということをまず考えて、最後に入り口、出口一体でなくすというか、そういう方向に持っていくわけであります。まず、出口は出口できちんと個別に今のような問題を検討していかないとだめなんです。
以上です。
山
山内俊夫#17
○山内俊夫君 ありがとうございました。
先生が今この特殊法人、すなわち出口のスリム化に失敗したらもう永遠に行革はできなくなるということもおっしゃっておりまして、私も確かにそのとおりだと思います。
特に、一般会計八十五兆円ぐらいことしなんかも組んでおりますけれども、それについてはほぼこういう議会、予算委員会等々でかなりチェックされるんですが、特殊法人になり、そこからまただんだん政府から遠くなればなるほどチェックができなくなる、甘くなるという、そういうような話がありまして、特に松原先生がそのあたりを少し述べておられまして、先ほど言いました財投の最大の課題というのをまず一つお答えいただけたらと思いますのと、二百四十にも上る野放し認可法人というのがあると、こう聞いております。
その野放しの認可法人ですね、これは「ジス・イズ読売」で「財政伏魔殿を洗う 特殊法人 利権に潜む野放し二百四十法人」、このようなレポートも書かれております。そういったところで、認可法人というのはいろいろあって六種類ぐらいあると聞いておりますが、我々はもうほとんどわからないような状況が一つあります。
例えば、日本ガス機器検査協会、これは指定法人なんですね。ところが、高圧ガス保安協会というのは民間法人化された特殊法人とか、私立学校教職員共済組合は特殊法人、それで公立学校共済組合は認可法人、これは非常に使い分けをされておりますので、なかなか我々一般的にこういったことを言われてもわからないのが実態であります。
でも、先ほどのお話を聞いておりますと、基本的にはやはり情報公開があれば、政府から遠くなればなったでもチェックはかなりできるんだと、これができなければこの財政改革、財投改革はできないだろうと言われておりますが、そのあたりを少し詳しく御説明いただきたいと思います。
この発言だけを見る →先生が今この特殊法人、すなわち出口のスリム化に失敗したらもう永遠に行革はできなくなるということもおっしゃっておりまして、私も確かにそのとおりだと思います。
特に、一般会計八十五兆円ぐらいことしなんかも組んでおりますけれども、それについてはほぼこういう議会、予算委員会等々でかなりチェックされるんですが、特殊法人になり、そこからまただんだん政府から遠くなればなるほどチェックができなくなる、甘くなるという、そういうような話がありまして、特に松原先生がそのあたりを少し述べておられまして、先ほど言いました財投の最大の課題というのをまず一つお答えいただけたらと思いますのと、二百四十にも上る野放し認可法人というのがあると、こう聞いております。
その野放しの認可法人ですね、これは「ジス・イズ読売」で「財政伏魔殿を洗う 特殊法人 利権に潜む野放し二百四十法人」、このようなレポートも書かれております。そういったところで、認可法人というのはいろいろあって六種類ぐらいあると聞いておりますが、我々はもうほとんどわからないような状況が一つあります。
例えば、日本ガス機器検査協会、これは指定法人なんですね。ところが、高圧ガス保安協会というのは民間法人化された特殊法人とか、私立学校教職員共済組合は特殊法人、それで公立学校共済組合は認可法人、これは非常に使い分けをされておりますので、なかなか我々一般的にこういったことを言われてもわからないのが実態であります。
でも、先ほどのお話を聞いておりますと、基本的にはやはり情報公開があれば、政府から遠くなればなったでもチェックはかなりできるんだと、これができなければこの財政改革、財投改革はできないだろうと言われておりますが、そのあたりを少し詳しく御説明いただきたいと思います。
松
松原聡#18
○参考人(松原聡君) 御質問にお答えいたします。
まず、後ろの方の御質問からお答えいたしますと、二百四十一といいますのは、独立行政法人が五十九今度新たにできまして、それに特殊法人七十八、認可法人が八十五ですか、それから民間法人化された特殊法人、認可法人というのを足し算していきますと二百四十一になりまして、私は、それは似通っているということで政府系法人、丸ごと特殊法人を情報公開の網にかぶせるべきだと言っているんですが、残念ながら現段階ですと二百四十一のうちの百五十弱しか網にかぶらないで、残りの九十以上が外れちゃう可能性が高いんです。
本日の議論に即してお話しいたしますと、財投機関の中にも国の特別会計がもちろんありますし、それから特殊法人がありますし、それから認可法人がありますし、実は認可法人でも特殊法人でもないのも入っているんです。
少しだけお話しいたしますと、特殊法人以外のをちょっと言いますと、生物系特定産業技術研究推進機構というのは認可法人であります。財投を受けているんです。それから情報処理振興事業協会、基盤技術研究促進センター、そういうところが財投機関の中での特殊法人ではない認可法人です。それから、両方入らないというのがありまして、中部国際空港株式会社、これは指定法人ですから政府設立法人じゃないんですね。しかし、財投のお金が入っております。民間都市開発推進機構なども同様であります。
したがいまして、特殊法人全体、二百四十一全部に網をかぶせるべきだという議論と、ここでの議論に即しましたときに、財投機関四十八で、その枠から外れちゃうというのはもっと問題が大きいです、それは公的なお金が入っているわけですから。入っているのに外れちゃうところが、先ほどの表でお話ししましたように、電源開発とかそういうようなところが出てくるのが問題だと思います。
それから、一点だけ、一番大きな問題が何かというときに、参考人の中でも議論が分かれましたのであえてもう一度言いますと、私は政策評価は必要だと思うんですが、それは財投債としてやるとなると、すべての四十八の財投機関を一つ一つチェックしても、結局最後はまとめるんですね。そうすると、もうごちゃごちゃになってよくわからないんじゃないかと。
例えば、道路公団は国幹審、国土幹線自動車道の審議会で決まるわけですから、それに従って自分ではただ粛々と道路をつくるしかないのが道路公団でありますし、そういうところと例えば日本育英会とかをそれぞれ政策チェックしても、しょせん財投債にしたらそれをまとめちゃうわけですから、財投債にすると、恐らく幾ら政策チェックをかけても、しょせん最後はまとめちゃって配分するだけの話になりますからチェックがかからない。どちらかというと、私は、個別の機関について財投機関債できっちりチェックしていって、それでジャンクボンドみたいな八とか九みたいな金利がつかないと出ない、でも必要だとなればその分を政府が担保するとかというやり方もあり得ると思うんです。
少なくとも、私は財投改革に関しては、財投債は幾ら政策チェックをかけても最後まとめちゃったら同じだと、こういう立場に立っております。
以上です。
この発言だけを見る →まず、後ろの方の御質問からお答えいたしますと、二百四十一といいますのは、独立行政法人が五十九今度新たにできまして、それに特殊法人七十八、認可法人が八十五ですか、それから民間法人化された特殊法人、認可法人というのを足し算していきますと二百四十一になりまして、私は、それは似通っているということで政府系法人、丸ごと特殊法人を情報公開の網にかぶせるべきだと言っているんですが、残念ながら現段階ですと二百四十一のうちの百五十弱しか網にかぶらないで、残りの九十以上が外れちゃう可能性が高いんです。
本日の議論に即してお話しいたしますと、財投機関の中にも国の特別会計がもちろんありますし、それから特殊法人がありますし、それから認可法人がありますし、実は認可法人でも特殊法人でもないのも入っているんです。
少しだけお話しいたしますと、特殊法人以外のをちょっと言いますと、生物系特定産業技術研究推進機構というのは認可法人であります。財投を受けているんです。それから情報処理振興事業協会、基盤技術研究促進センター、そういうところが財投機関の中での特殊法人ではない認可法人です。それから、両方入らないというのがありまして、中部国際空港株式会社、これは指定法人ですから政府設立法人じゃないんですね。しかし、財投のお金が入っております。民間都市開発推進機構なども同様であります。
したがいまして、特殊法人全体、二百四十一全部に網をかぶせるべきだという議論と、ここでの議論に即しましたときに、財投機関四十八で、その枠から外れちゃうというのはもっと問題が大きいです、それは公的なお金が入っているわけですから。入っているのに外れちゃうところが、先ほどの表でお話ししましたように、電源開発とかそういうようなところが出てくるのが問題だと思います。
それから、一点だけ、一番大きな問題が何かというときに、参考人の中でも議論が分かれましたのであえてもう一度言いますと、私は政策評価は必要だと思うんですが、それは財投債としてやるとなると、すべての四十八の財投機関を一つ一つチェックしても、結局最後はまとめるんですね。そうすると、もうごちゃごちゃになってよくわからないんじゃないかと。
例えば、道路公団は国幹審、国土幹線自動車道の審議会で決まるわけですから、それに従って自分ではただ粛々と道路をつくるしかないのが道路公団でありますし、そういうところと例えば日本育英会とかをそれぞれ政策チェックしても、しょせん財投債にしたらそれをまとめちゃうわけですから、財投債にすると、恐らく幾ら政策チェックをかけても、しょせん最後はまとめちゃって配分するだけの話になりますからチェックがかからない。どちらかというと、私は、個別の機関について財投機関債できっちりチェックしていって、それでジャンクボンドみたいな八とか九みたいな金利がつかないと出ない、でも必要だとなればその分を政府が担保するとかというやり方もあり得ると思うんです。
少なくとも、私は財投改革に関しては、財投債は幾ら政策チェックをかけても最後まとめちゃったら同じだと、こういう立場に立っております。
以上です。
山
山内俊夫#19
○山内俊夫君 ありがとうございました。
今、話がありましたように、我々に比較的目に触れない部分、いわば総務庁の調査機関に入らない法人というのは物すごくありますね。このあたりも野放しにしておけば本当に垂れ流しという状況になってくるということで、確かにこの財投の入り口だけじゃなくて本当は中身、出口をきっちりと押さえるということを、我々もきょう大変貴重な意見をいただいたんですが、時間が大分迫ってまいりましたので富田先生にも先ほどと同じようなこの最大の課題点と、それと先生が先ほどアメリカの例を挙げておられましたが、アメリカが財投債というものを発行していく場合、国営のまま自主運用を行うということに対して非常に矛盾を持っているということもレポートでお聞きをいたしております。
その矛盾点は何かというところなんですが、例えばアメリカのクリントンが一九九九年一月の一般教書の中でアメリカも政府的な資金をやっていこうと言い始めるとFRBのグリーンスパンがだめだ、そうなってくると大変なことになるよということで結果的にはトーンダウンをしたということを聞いておりますが、そのあたりをちょっと詳しく御説明いただけたらと思うんです。
この発言だけを見る →今、話がありましたように、我々に比較的目に触れない部分、いわば総務庁の調査機関に入らない法人というのは物すごくありますね。このあたりも野放しにしておけば本当に垂れ流しという状況になってくるということで、確かにこの財投の入り口だけじゃなくて本当は中身、出口をきっちりと押さえるということを、我々もきょう大変貴重な意見をいただいたんですが、時間が大分迫ってまいりましたので富田先生にも先ほどと同じようなこの最大の課題点と、それと先生が先ほどアメリカの例を挙げておられましたが、アメリカが財投債というものを発行していく場合、国営のまま自主運用を行うということに対して非常に矛盾を持っているということもレポートでお聞きをいたしております。
その矛盾点は何かというところなんですが、例えばアメリカのクリントンが一九九九年一月の一般教書の中でアメリカも政府的な資金をやっていこうと言い始めるとFRBのグリーンスパンがだめだ、そうなってくると大変なことになるよということで結果的にはトーンダウンをしたということを聞いておりますが、そのあたりをちょっと詳しく御説明いただけたらと思うんです。
富
富田俊基#20
○参考人(富田俊基君) 私は、今回の財投の問題の最大の課題と申しますか、混同してはならないことがあると思うんです。
それは、政治がなすべきことと市場が行うことを混同してしまっては、やはり我が国の根幹が揺らいでしまう。先ほど、どなたか参考人は財投計画は資金運用審議会が決めるなんておっしゃっていましたけれども、これは国会でそれぞれの財投機関の政府関係機関予算として決まっているわけでありまして、これは政治が決めること、また財投機関の整理合理化、民営化もこれは政治が決めることであります。それがゆえに、サッチャーはイギリスの財投機関を随分どんどん民営化できるところを民営化して、財投の縮小ということを行ったわけであります。市場というのは、この政策が望ましいとか、あるいはこの財投機関が必要だというふうなことを決める力は全くありません。もしできるのであれば、それは民間企業として企業が行うことのできる事業なわけです。
そういう意味で、政治と市場の基本的な役割は何かということをやはり肝に銘じておく必要があるというふうに私は思います。これが最大の課題であります。
それから二番目の御質問でありますけれども、昨年、クリントン大統領がアメリカの公的年金基金の一部を株式運用するという提案を予算教書でいたしました。しかし、このレジュメの二ページに御紹介しておりますとおり、クリントンが予算教書で発表した翌日にFRB、連銀議長のグリーンスパンが即座に反論されております。
三段論法風になっておりまして、政府が運用するとなると運用において政治的な思惑が働くことを排除できない、そしてまた、これまでアメリカは公的年金のお金で国債を買っていた、国債で運用していた、非市場性国債で運用していたと。これを減らして株式を購入するとなりますと、マーケットにそれだけ国債が供給されて金利上昇要因になるということで、株式を幾ら買っても、金利が上がるとなると本当に株が上がるかどうかは疑問であると。そういうことから、三段論法の最後には、アメリカ経済の効率を阻害して国民の生活水準を低下させかねないというふうな指摘をなさいまして、これをもう何回もやって、クリントン大統領も去年の八月にこの提案は、つまり株式による公的年金の自主運用ということについては提案を引き下げております。したがって、引き続きこの社会保障年金基金につきましては非市場性国債で運用すると。
非市場性ということは、官がやるわけですから、マーケットに影響を与えないための方法でもあるわけです。一度購入したものはずっと保有し続ける。市場で金利が変動いたしましても持っている国債の値段が下がることはない、上がったり下がったりすることはないという形で、まさに国が行うべき運用としてはやはりこの非市場性国債しかないというのが私は一つの結論だろうというふうに存じます。
この発言だけを見る →それは、政治がなすべきことと市場が行うことを混同してしまっては、やはり我が国の根幹が揺らいでしまう。先ほど、どなたか参考人は財投計画は資金運用審議会が決めるなんておっしゃっていましたけれども、これは国会でそれぞれの財投機関の政府関係機関予算として決まっているわけでありまして、これは政治が決めること、また財投機関の整理合理化、民営化もこれは政治が決めることであります。それがゆえに、サッチャーはイギリスの財投機関を随分どんどん民営化できるところを民営化して、財投の縮小ということを行ったわけであります。市場というのは、この政策が望ましいとか、あるいはこの財投機関が必要だというふうなことを決める力は全くありません。もしできるのであれば、それは民間企業として企業が行うことのできる事業なわけです。
そういう意味で、政治と市場の基本的な役割は何かということをやはり肝に銘じておく必要があるというふうに私は思います。これが最大の課題であります。
それから二番目の御質問でありますけれども、昨年、クリントン大統領がアメリカの公的年金基金の一部を株式運用するという提案を予算教書でいたしました。しかし、このレジュメの二ページに御紹介しておりますとおり、クリントンが予算教書で発表した翌日にFRB、連銀議長のグリーンスパンが即座に反論されております。
三段論法風になっておりまして、政府が運用するとなると運用において政治的な思惑が働くことを排除できない、そしてまた、これまでアメリカは公的年金のお金で国債を買っていた、国債で運用していた、非市場性国債で運用していたと。これを減らして株式を購入するとなりますと、マーケットにそれだけ国債が供給されて金利上昇要因になるということで、株式を幾ら買っても、金利が上がるとなると本当に株が上がるかどうかは疑問であると。そういうことから、三段論法の最後には、アメリカ経済の効率を阻害して国民の生活水準を低下させかねないというふうな指摘をなさいまして、これをもう何回もやって、クリントン大統領も去年の八月にこの提案は、つまり株式による公的年金の自主運用ということについては提案を引き下げております。したがって、引き続きこの社会保障年金基金につきましては非市場性国債で運用すると。
非市場性ということは、官がやるわけですから、マーケットに影響を与えないための方法でもあるわけです。一度購入したものはずっと保有し続ける。市場で金利が変動いたしましても持っている国債の値段が下がることはない、上がったり下がったりすることはないという形で、まさに国が行うべき運用としてはやはりこの非市場性国債しかないというのが私は一つの結論だろうというふうに存じます。
山
山内俊夫#21
○山内俊夫君 最後にお礼だけ申し上げます。
富田先生に私は実は資産担保の証券化、ABS、これもちょっとお聞きしたかったんですが、これはまた次の機会に譲ることにいたしまして、三先生方、本当にありがとうございました。
終わります。
この発言だけを見る →富田先生に私は実は資産担保の証券化、ABS、これもちょっとお聞きしたかったんですが、これはまた次の機会に譲ることにいたしまして、三先生方、本当にありがとうございました。
終わります。
浜
岡
岡崎トミ子#23
○岡崎トミ子君 きょうは参考人の皆様、ありがとうございました。
お話を伺いまして、財投資金の流れ全体の透明性を高めることと政策評価を充実させて出先機関、その存在意義を含めてチェックをすることが大変急務である、それを今は具体化していく段階だということを再認識いたしました。
私自身は財投については、特に環境破壊と財政危機の一因となっております公共事業とのかかわり、それともう一つは全国の資金を一たん中央に集めて極めて中央集権的に地方に再配分している構図、このようなことに関してどのように分権型に持っていくのかということ、この二つの点に関心を持ってまいりました。
参考人の皆様には財投機関の点検の視点と国会の役割を中心にお尋ねしてまいりたいと思います。
最初に猪瀬先生ですが、この「日本国の研究」、大変大きな反響を呼びました。九七年にまとめて出版されまして、その後財投機関の改革への機運が高まったと私も思っております。今月七日に財投関連三法案が国会に提出されましたが、この間に特殊法人改革の一環としてこれまでに幾つかの財投機関の統廃合がされております。
そこで、「日本国の研究」の後の一連の改革への取り組みと財投機関の現状をどう評価されておりますでしょうか。これが一つです。
もう一つは、郵貯と年金の自主運用に伴って開始されることが想定されております財投機関債の発行について、少なくともやらないよりはいいんだというふうに評価されていらっしゃるようなんですけれども、財投債の発行についてその実効性を疑う専門家の方もいらっしゃると思います。
この財投機関債の発行が始まって、やらないよりはよかったと言えるようにするためには、財投対象機関の何がどのように変わる必要があるのか、私たち国会議員はどこに注目をして点検していくべきだとお考えでしょうか、まずお願いします。
この発言だけを見る →お話を伺いまして、財投資金の流れ全体の透明性を高めることと政策評価を充実させて出先機関、その存在意義を含めてチェックをすることが大変急務である、それを今は具体化していく段階だということを再認識いたしました。
私自身は財投については、特に環境破壊と財政危機の一因となっております公共事業とのかかわり、それともう一つは全国の資金を一たん中央に集めて極めて中央集権的に地方に再配分している構図、このようなことに関してどのように分権型に持っていくのかということ、この二つの点に関心を持ってまいりました。
参考人の皆様には財投機関の点検の視点と国会の役割を中心にお尋ねしてまいりたいと思います。
最初に猪瀬先生ですが、この「日本国の研究」、大変大きな反響を呼びました。九七年にまとめて出版されまして、その後財投機関の改革への機運が高まったと私も思っております。今月七日に財投関連三法案が国会に提出されましたが、この間に特殊法人改革の一環としてこれまでに幾つかの財投機関の統廃合がされております。
そこで、「日本国の研究」の後の一連の改革への取り組みと財投機関の現状をどう評価されておりますでしょうか。これが一つです。
もう一つは、郵貯と年金の自主運用に伴って開始されることが想定されております財投機関債の発行について、少なくともやらないよりはいいんだというふうに評価されていらっしゃるようなんですけれども、財投債の発行についてその実効性を疑う専門家の方もいらっしゃると思います。
この財投機関債の発行が始まって、やらないよりはよかったと言えるようにするためには、財投対象機関の何がどのように変わる必要があるのか、私たち国会議員はどこに注目をして点検していくべきだとお考えでしょうか、まずお願いします。
猪
猪瀬直樹#24
○参考人(猪瀬直樹君) 後ろの方から言いますと、財投債と財投機関債は別なのでちょっとこんがらないようにしてほしいんですけれども、財投機関債はあっていいだろうと。あっていいだろうというか、財投機関債を発行するというか、市場で財投機関債が買われるかどうかというのはその企業の透明性が問われるということになるわけで、透明性が問われるというのは、つまり情報公開度がより高いかどうかということが財投機関債によって問われてくるわけですね。
もっとも、過度な期待はしているわけじゃないんですけれども、とりあえずそうでないと。こう言っては中国の人に悪いけれども、中国の会社みたいなんですね。わけわからない、中身が見えない、そういうことになっちゃうので、はっきり言って、今はアメリカから見れば日本の特殊法人は中国だと思われていますから、中国の人に申しわけないけれども、わけわからない、見えない、何をやっているかさっぱりわからない、そういうことで財投機関債を買うわけがない。
だから、透明性を高めていくしかない。透明性を高めていけばおのずから問題点が出てくる。おのずから問題点が出てくれば改善せざるを得ない、売れなければしようがないわけですから。とはいいつつも、基本的には財投機関債は余り売れないと思うんですね。でも、一応そういうものを発行するというと意識が変わってきますから、とりあえずコスト意識が多少出てくる。そういう非常に絶望的な状況の中での話をとりあえずしているわけですね。
それからもう一つ、最初の方の質問になりますけれども、問題は、特殊法人というものが認可法人その他含めていっぱいあってわけわからなくなっているということで、実はこれは総務庁とかそういうところに統計はありますけれども、だれもわからなくなっちゃっているんですね。つまり、日本人がだれもわからなくなっちゃっている。どこで何をやっているかわからないということが起きているのが一番怖いですね。だから、そういう一応統計を出したりいろんな数字を出した人もわからない。つまり、ある意味では日本の国家の中枢、中枢というかそういうところがきちんと何かシステム、きちんと自分たちが何をやっているかということを把握するような状況になっていないということだと思いますね。
行政監察局とか会計検査院とかいろいろやっていますけれども、とりあえずはデータを集めたりしているけれども、本当にその実態を把握しているわけじゃないということですね。そこが一番怖いんですね。だから、出先機関が勝手に何かやっていても本社がよくわかっていない構造ができているんだというふうに思えばいいと思うんです。
いずれにしろ、日本で公共事業というものが、多分戦後復興は、高度経済成長まではそういう官僚の役割というのは非常に大きかったと思うんですね。それも積極的な、前向きな役割があったはずなんですが、戦後の復興と高度成長を達成した後に何が目標かというと、国家的目標がなくなったんです。なくなった後にとりあえずインフラの整備ということになったんですね。田中角栄の日本列島改造以降、ほぼインフラの整備というのは国家目標にかわる議員先生方と役所の一つの暗黙の目標だったんですね。したがって、公共事業というのはどんどんふえていく、ふえていくということでどんどん肥大化していったんですね。
だから、今、五十万社六百万人の雇用が土建業界であるわけですが、これがずっと公共事業と財投のいろいろなお金が入り込んで、予算と財投が、税金と財投が入り込んで、そこでブロイラーみたいにできちゃってもう身動きがとれなくなっちゃった。これがだから産業構造の転換を邪魔しているわけです。そういう日本の最大の問題になっていることが一番問題だということなんですね。
この発言だけを見る →もっとも、過度な期待はしているわけじゃないんですけれども、とりあえずそうでないと。こう言っては中国の人に悪いけれども、中国の会社みたいなんですね。わけわからない、中身が見えない、そういうことになっちゃうので、はっきり言って、今はアメリカから見れば日本の特殊法人は中国だと思われていますから、中国の人に申しわけないけれども、わけわからない、見えない、何をやっているかさっぱりわからない、そういうことで財投機関債を買うわけがない。
だから、透明性を高めていくしかない。透明性を高めていけばおのずから問題点が出てくる。おのずから問題点が出てくれば改善せざるを得ない、売れなければしようがないわけですから。とはいいつつも、基本的には財投機関債は余り売れないと思うんですね。でも、一応そういうものを発行するというと意識が変わってきますから、とりあえずコスト意識が多少出てくる。そういう非常に絶望的な状況の中での話をとりあえずしているわけですね。
それからもう一つ、最初の方の質問になりますけれども、問題は、特殊法人というものが認可法人その他含めていっぱいあってわけわからなくなっているということで、実はこれは総務庁とかそういうところに統計はありますけれども、だれもわからなくなっちゃっているんですね。つまり、日本人がだれもわからなくなっちゃっている。どこで何をやっているかわからないということが起きているのが一番怖いですね。だから、そういう一応統計を出したりいろんな数字を出した人もわからない。つまり、ある意味では日本の国家の中枢、中枢というかそういうところがきちんと何かシステム、きちんと自分たちが何をやっているかということを把握するような状況になっていないということだと思いますね。
行政監察局とか会計検査院とかいろいろやっていますけれども、とりあえずはデータを集めたりしているけれども、本当にその実態を把握しているわけじゃないということですね。そこが一番怖いんですね。だから、出先機関が勝手に何かやっていても本社がよくわかっていない構造ができているんだというふうに思えばいいと思うんです。
いずれにしろ、日本で公共事業というものが、多分戦後復興は、高度経済成長まではそういう官僚の役割というのは非常に大きかったと思うんですね。それも積極的な、前向きな役割があったはずなんですが、戦後の復興と高度成長を達成した後に何が目標かというと、国家的目標がなくなったんです。なくなった後にとりあえずインフラの整備ということになったんですね。田中角栄の日本列島改造以降、ほぼインフラの整備というのは国家目標にかわる議員先生方と役所の一つの暗黙の目標だったんですね。したがって、公共事業というのはどんどんふえていく、ふえていくということでどんどん肥大化していったんですね。
だから、今、五十万社六百万人の雇用が土建業界であるわけですが、これがずっと公共事業と財投のいろいろなお金が入り込んで、予算と財投が、税金と財投が入り込んで、そこでブロイラーみたいにできちゃってもう身動きがとれなくなっちゃった。これがだから産業構造の転換を邪魔しているわけです。そういう日本の最大の問題になっていることが一番問題だということなんですね。
岡
岡崎トミ子#25
○岡崎トミ子君 猪瀬先生のお書きになられましたこの「日本国の研究」の第一章は朝日連峰の大規模林道についてでございまして、私もこの大規模林道の大崩落のときに先生と御一緒に視察をしたことを思い出しておりますけれども、この御著書のおかげで私はこの大規模林道が注目を集めてとまるに至ったというふうに思っております。私も、もちろん山形県庁に足を運びまして、高橋知事に直接談判をしたこともございました。しかし、大規模林道でとまりましたのはこの事業が初めてで唯一なわけなんですね。政府が胸を張ります公共事業の再評価でも、見直しの対象となりました事業はわずか二%でありまして、中止、休止になっておりません。わずか二%しかなっていないと。
この朝日連峰で大規模林道をとめた成果を一般化するためには何が必要とお考えでしょうか。
この発言だけを見る →この朝日連峰で大規模林道をとめた成果を一般化するためには何が必要とお考えでしょうか。
猪
猪瀬直樹#26
○参考人(猪瀬直樹君) これは非常に難しい問題ですけれども、大規模林道も全国で十三カ所やっていて、既に一兆円使われていて、そして進捗率四割なんですね。このままほっておくとまたどんどん行ってどのくらい金を使うかわからない。たまたま僕が見に行って調べたところだけ中止になりましたけれども、あとはやっているわけですからね。山の上に何もないところに道路をつくっているわけです。車が一台も走っていない。当たり前なんだ、起点と終点がないんだから。そして、毎年雪が解けて崩れる、崩れるとそこでまた工事をやる。さいの河原の石積みみたいなことをやっているわけです、毎年毎年。それで地元の土建業者を食わせるという、そういう構造でしょう。だから、そういう考え方とか思想とかがある限りはどうしようもないんですよね、これは。
だから、もうそれに尽きるわけですけれども、そういう一つ一つの事実をとりあえず積み重ねていって一個一個チェックしていくのが本当は地方議会とかあるいは国会の仕事なんですけれども、地方議会はそういうのは余りやらないんですね。それで、国会はもうちょっと頑張ってほしいけれども、今の状態では展望は薄いと思っています。
この発言だけを見る →だから、もうそれに尽きるわけですけれども、そういう一つ一つの事実をとりあえず積み重ねていって一個一個チェックしていくのが本当は地方議会とかあるいは国会の仕事なんですけれども、地方議会はそういうのは余りやらないんですね。それで、国会はもうちょっと頑張ってほしいけれども、今の状態では展望は薄いと思っています。
岡
岡崎トミ子#27
○岡崎トミ子君 次に、松原先生にお伺いしたいと思いますが、先生は財投対象機関の点検をどういう視点で行って点検の結果をどう反映させるかという問いに明快な答えを出していらっしゃいますが、それはその点検の基準ですね、供給を受けた有償資金を返済可能であるかどうか、それから事業内容に公共性があるかどうかということで、その基準で行った点検の結果によって次の処理ですけれども、一つは完全民営化、そして二つ目に政府系法人のまま個別財投機関債で存続するか、それから三つ目に税金投入で存続するか、四番目に廃止と。
こういう処理を行うということなんですけれども、ところが多くの財投対象機関についてむちゃくちゃな運用実態が明らかになっているわけなんですが、余りに運用がでたらめだという場合、でたらめをそのままにしてその機関の本来の政策的な費用と便益を評価することは非常に困難だというふうに思うんですね。かといって、この機関には本来はこういう意義があるんだ、存続させて運用さえ正せばいいんだという結論を出しては今までと何ら変わりがないというふうに思いますので、むちゃくちゃな運用をしている機関の潜在的な返済可能性とか公共性の判断、その後の処理についてだれがどのように行うべきというふうにお考えでしょうか。
この発言だけを見る →こういう処理を行うということなんですけれども、ところが多くの財投対象機関についてむちゃくちゃな運用実態が明らかになっているわけなんですが、余りに運用がでたらめだという場合、でたらめをそのままにしてその機関の本来の政策的な費用と便益を評価することは非常に困難だというふうに思うんですね。かといって、この機関には本来はこういう意義があるんだ、存続させて運用さえ正せばいいんだという結論を出しては今までと何ら変わりがないというふうに思いますので、むちゃくちゃな運用をしている機関の潜在的な返済可能性とか公共性の判断、その後の処理についてだれがどのように行うべきというふうにお考えでしょうか。
松
松原聡#28
○参考人(松原聡君) 私は、政治のチェックか市場でのチェックかという議論があると思います。
それで、政治のチェックに関しては、例えば現在の予算と同じだけの時間を財投関連の予算の審議にかける、さらに、これは最初にお話ししましたように、政府予算よりもっと厳しいのは、公共性があるかどうかに加えて、本当に返ってくるかどうかまでチェックしなきゃいけないわけで、本来であれば政府予算の倍ぐらいの時間をかけなきゃいけないところを何十分の一の時間で済ませている。逆にそこに物すごい時間をかければ個別の財投機関のチェック、公共性がきっちりできるかというと、私はちょっと難しいのじゃないか、こういう考えに立っております。
では、どうすればいいかというときに、やはりマーケットは大事でありまして、財投機関債を出すということになればいろいろな格付機関によるチェック、外部監査等が出てまいります。それからIR、普通の企業がやっているインベスターリレーションズ、IRをやらざるを得なくなってくる。当然その中で情報もオープンにしなければいけない。さらに、それをやることによって連結決算がこれからどんどん進みますから、今まで不透明だった、猪瀬さんが一生懸命あぶり出そうとしてきたことが連結決算の中で自動的に出てくる可能性も高いわけです。
例えば、総務庁が調べまして、当時八十五あった特殊法人の子会社が千あったんですね。しかし、さっき猪瀬さんがおっしゃった道路公団が七十幾つ持っていたよというのは、実は四つしかその千の中に入っていないんですね。そのもう一つ先ですから、道路施設協会のまた子会社になっていると実は千の中に入ってこなかったわけです。しかし、それが連結決算をとられることになれば自動的にあぶり出されてくる。
こういうのを考えますと、私は、やはり一生懸命国会で審査して時間をかけろということよりは、財投機関債を出して、そこでマーケットにチェックしてもらって、自分たちもインベスターリレーションズやりなさい、連結決算をやりなさいと。その結果オーケーであればもう民間でもやっていけるし、全然だめだ、とんでもないジャンクボンドでだれも買わないということになったときに、そこで初めて国会が、政治が本当にそれが必要なのか、必要だったら税金でやりましょう、要らなければもう断固として廃止する、その判断をすればいいと思う。その前提が私はやっぱりマーケットでの最初のふるい分けじゃないか、こう考えているんです。
この発言だけを見る →それで、政治のチェックに関しては、例えば現在の予算と同じだけの時間を財投関連の予算の審議にかける、さらに、これは最初にお話ししましたように、政府予算よりもっと厳しいのは、公共性があるかどうかに加えて、本当に返ってくるかどうかまでチェックしなきゃいけないわけで、本来であれば政府予算の倍ぐらいの時間をかけなきゃいけないところを何十分の一の時間で済ませている。逆にそこに物すごい時間をかければ個別の財投機関のチェック、公共性がきっちりできるかというと、私はちょっと難しいのじゃないか、こういう考えに立っております。
では、どうすればいいかというときに、やはりマーケットは大事でありまして、財投機関債を出すということになればいろいろな格付機関によるチェック、外部監査等が出てまいります。それからIR、普通の企業がやっているインベスターリレーションズ、IRをやらざるを得なくなってくる。当然その中で情報もオープンにしなければいけない。さらに、それをやることによって連結決算がこれからどんどん進みますから、今まで不透明だった、猪瀬さんが一生懸命あぶり出そうとしてきたことが連結決算の中で自動的に出てくる可能性も高いわけです。
例えば、総務庁が調べまして、当時八十五あった特殊法人の子会社が千あったんですね。しかし、さっき猪瀬さんがおっしゃった道路公団が七十幾つ持っていたよというのは、実は四つしかその千の中に入っていないんですね。そのもう一つ先ですから、道路施設協会のまた子会社になっていると実は千の中に入ってこなかったわけです。しかし、それが連結決算をとられることになれば自動的にあぶり出されてくる。
こういうのを考えますと、私は、やはり一生懸命国会で審査して時間をかけろということよりは、財投機関債を出して、そこでマーケットにチェックしてもらって、自分たちもインベスターリレーションズやりなさい、連結決算をやりなさいと。その結果オーケーであればもう民間でもやっていけるし、全然だめだ、とんでもないジャンクボンドでだれも買わないということになったときに、そこで初めて国会が、政治が本当にそれが必要なのか、必要だったら税金でやりましょう、要らなければもう断固として廃止する、その判断をすればいいと思う。その前提が私はやっぱりマーケットでの最初のふるい分けじゃないか、こう考えているんです。
岡
岡崎トミ子#29
○岡崎トミ子君 富田参考人にお伺いいたします。
先生のお書きになりました「国債累増のつけを誰が払うのか」という、これは財政改革法を棚上げにして国債を乱発するというやり方はもう限界に達したということについて冷静な議論で告発されていらっしゃいますけれども、つまり歳出ルールについてちょっとお伺いしたいのです。
原資の運用の一環として政府機関等に資金を出す場合、あるいは政府保証債の発行に当たってその出し方に制限をかける方法と財投対象機関に対して歳出ルールをかけてやる方法があるかと思いますけれども、この歳出ルールについてその必要性と必要である場合のあり方について教えていただきたいというふうに思います。
この発言だけを見る →先生のお書きになりました「国債累増のつけを誰が払うのか」という、これは財政改革法を棚上げにして国債を乱発するというやり方はもう限界に達したということについて冷静な議論で告発されていらっしゃいますけれども、つまり歳出ルールについてちょっとお伺いしたいのです。
原資の運用の一環として政府機関等に資金を出す場合、あるいは政府保証債の発行に当たってその出し方に制限をかける方法と財投対象機関に対して歳出ルールをかけてやる方法があるかと思いますけれども、この歳出ルールについてその必要性と必要である場合のあり方について教えていただきたいというふうに思います。