山下芳生の発言 (選挙制度に関する特別委員会)
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○山下芳生君 選挙制度の改革に関する意見を述べたいと思います。
初めに、選挙制度を改革する際に、私は民主政治のもとでは守らなければならないルールというものがあると考えております。
一つは、与党だけではなくて野党も合意し得る改革でなければならないということであります。なぜならば、仮に政権与党が数の力で自分たちに都合のよい選挙制度に改変することが許されるなら、これは幾ら選挙をやっても政権与党は負けることはない、すなわち永久政権に道を開くことにもなりかねないからであります。これは民主政治とは相入れません。
したがって、だからこそ今回の参議院の選挙制度の協議会におきましても各会派の代表をみんなそろえて時間をかけて合意点を探求してきたわけであります。
二つ目に、国民の参政権にかかわる問題であり、合理的な理由あるいは理念のない改変は行うべきでないということであります。とりわけ参議院の選挙制度について検討する際、その大前提として、参議院の役割とは何かという議論が不可欠であると考えます。こうした議論抜きに、衆議院が定数削減したから参議院もなどというのは、私はこれは参議院の自己否定につながる議論だと考えます。
以上、二点についてぜひ、特別委員会の設置された当初でございますから、各会派の皆さんの御意見も伺いたいと思います。
その上で、まず参議院の役割について我が党の考え、見解を述べたいと思います。
参議院は、国権の最高機関であって国の唯一の立法機関である国会を衆議院とともに構成し、かつ直接公選制をとっており、これは世界の二院制の中でも極めて民主的な第二院となっていると思います。我が国の二院制と、そのもとでの参議院の意義と役割は、異なった時期に異なった選挙制度で選挙される議員を持つ衆参両院で同じ議案を二回審議することを通じて、国民の要求や意見をより正確により積極的に国会の意思決定に反映できるところにあると思います。とりわけ参議院には解散がありません。長期的な展望を持った審議が可能であり、衆議院だけの審議による不十分さや欠陥が補われ、また誤りがあれば正すことができることも重要であります。
実際、九三年から九四年にかけての政治改革一色とも言える状況の中、参議院が当時徹底審議を尽くして小選挙区制法案の問題点を世論に広く訴えこれを否決したことなどは、その役割の発揮の典型と言えるでありましょう。こうした参議院の役割を踏まえるなら、今日、参議院の総定数を削減する合理的理由はないと考えます。
九五年の参議院の選挙制度改革検討会において駒沢大学の前田教授は、参議院が衆議院と同じことを同じ国民代表の立場で行う、今でも定数は少なくて議員一人の仕事量は衆議院より多い、この上定数を削ることになればどうして院内活動を活性化していけるのであろうかと述べ、また中央大学の清水教授は、参議院が参議院として十分に活動するためには議員数を減らしてしまっては無理である、委員会制度というものを活用する場合、委員会、特に常任委員会の数は多くなくてはならない、数が多くなっても人数が少なければその委員会としては活動できないと述べておられます。これは極めて大事な指摘ではないでしょうか。
そもそも、国会議員というのは国民と議会を結ぶパイプであって、それが細ければ細いほどよいというのは、これまた議会の自己否定にもつながる議論だと思います。また、公務員も民間もリストラを行っているから議員もリストラをという議論は、私は率直に言って俗論だと考えます。福祉や住民サービスのために重要な役割を担っている公務員を一律に削減すること、あるいは日本経済を土台から崩すような安易な人減らしに走る企業のリストラこそを問題にすべきであって、議論の前提が私は逆立ちしていると思います。
我が党は、緊急に求められる参議院の選挙制度の改革として、憲法が保障する選挙権の平等原則を貫くことが大事であると考えております。すなわち、議員一人当たり人口の格差が五倍を超える状況を是正することであります。
以上、我が党の参議院選挙制度改革に関する基本的見解を述べさせていただきました。
参議院の役割などについて活発な調査と討論が行われ、国民的批判にたえ、各会派合意の得られる改革が実現できるよう期待して、意見表明とします。