玉沢徳一郎の発言 (農林水産委員会)

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○国務大臣(玉沢徳一郎君) 極めて重要な指摘でございます。
 私どもとEUは多面的機能フレンズ国を形成いたしまして、そしてシアトルの閣僚会議におきましても多面的機能を閣僚宣言案の中に盛り込むべく一緒に努力をいたしたわけでございます。しかしながら、アメリカ等の考え方は非貿易的関心事項という形で多面的機能の部分をかなり織り込んでいるじゃないかと。こういうような形で宣言案というものは形成されました。この中には多面的機能という言葉がございませんので、私は一番最後まで、約七時間にわたりました会合におきまして多面的機能を入れることを主張したわけです。
 ところが、ケアンズ・グループは、多面的機能という言葉は必ずしも国際的に統一概念となっていない。例えば、OECD等におきましては本年その作業に着手するという状況であります。それからまた、FAOにおきましては、総会におきまして二十一カ国が多面的機能を賛成したわけでありますけれども、十一カ国が反対しまして、文言としては入りましたけれどもコンセンサスにはならないという経過があるわけでございます。
 そういう中におきまして、多面的機能について、フレンズ国五カ国はEUも含めまして多面的機能の重要性を最後まで主張しました。ただ、私は若干懸念を持ちましたことは、EUの最大の関心事項は輸出補助金の撤廃、この撤廃という文言をとるためにこれを最優先にした、こういうことでございます。
 したがいまして、会議の一番最終盤になりまして、EUは多面的機能を主張しているけれども、輸出補助金の撤廃を撤廃するということを最優先事項とするのか、多面的機能を最優先事項とするのかどちらか、こういうふうに迫られたときに、EUの代表は、輸出補助金の撤廃を、撤廃の撤廃という言葉をなくするということを優先にしたい、こういうことを言ったわけでございます。その時点におきまして、EUが何を最優先事項としているかということになったわけでございますが、この文言も含めて四つの問題について委員会においては決着がつかなかった。
 同時に私は、休憩に入る直前におきまして、多面的機能というものが文言に入らない以上この宣言案に賛成するわけにはいかない、こういうことになりまして、一応会議は休憩に入ったわけでございます。休憩に入る直前にEUの方から発言がございまして、今までの意見をずっと見てまいりましていろいろと問題点がありますと、加盟国は十五カ国ありますから、この休憩時間の一時間の間に場合によっては結論が得られないかもしれませんが、暫時待っていただきたい、こういうことでEUは帰ったわけであります。
 我々は一時間後の、あれは二時四十五分に会議に出席をいたしましたところ、要するに別な委員会が開かれたわけです。農業委員会を再開する予定だったけれども、EUが暫時待ってくれということでございますから、農業委員会は休憩のままとしまして、ほかの議題に入りますということでほかの委員会に入った。
 ところが、その後聞きますと、EUの加盟国会議をほぼ同じ時期に二時三十分から始めまして、延々と三時間ぐらいやったと思われます。そこでどういう結論を得たかということについては定かではございません。一説によりますと、宣言案そのものに十カ国が反対して五カ国が賛成したという情報もあります。
 いずれにしろ、彼らは会議に出席してこれをまとめるよりは、会議がもう農業委員会さえ七時間もかかっているわけですから、あとの五つの委員会ではとても結論をできないから、今回はこれは凍結ないしは延期になる、こういうことで出てこなかったものと考えられるわけです。私の感触からいいますならば、EUは多面的機能という言葉を決してあきらめたものではございません。
 そこで、私は一月に日本及びEUの定期閣僚会議に出席をいたしまして、このことをEUのフィシュラー農業委員に強く申し入れをいたしまして、EUが輸出補助金の撤廃、彼らの主張は撤廃というよりも徐々に削減をしていきたいと。そうであるならば、これは多面的機能と関連することではございませんかと、したがいまして多面的機能と輸出補助金の徐々の撤廃ということは整合性があるんではありませんかと、したがってどちらも重要事項としてやっていこうじゃないか、こういうような共通の理解を得たところでございまして、一月十一日の日・EU共同ステートメントにおきましてはこう書いてあります。「双方は、農業協定第二十条に基づいて行われる農業交渉において、農業の多面的機能に関し双方に共有される関心事項を追求することに合意した。」、こういうことになっております。
 そして、今後の作業としましては、OECDで既に各国にペーパーを求めております、多面的機能というのはどういう形でやるべきかと。この作業においてEUと共同作業をやって概念規定を明確にしていこう、こういうことでございますので、EUにおいて多面的機能という文言を捨て去るというようなことはないということをここで明言させていただきたいと思います。

発言情報

speech_id: 114715007X00220000314_013

発言者: 玉沢徳一郎

speaker_id: 24120

日付: 2000-03-14

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会