小渕恵三の発言 (本会議)
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○国務大臣(小渕恵三君) 本岡昭次議員にお答え申し上げます。
冒頭、議員から、定数削減法案の処理と国会の状況についての御指摘がございました。この場で改めて私の考えを申し述べさせていただきます。
定数削減法案につきましては、国家公務員の削減、地方議会の定数削減、民間の経営合理化への取り組みなどを踏まえ、また国民世論の声を十分勘案して、国会においてまず改革を進めることが大切であると考えます。
衆議院議員の任期が本年十月に迫っており、国民への周知、政党や候補者の準備などを考えると、本法案は喫緊の課題であり、先般、国会においてこの問題に対処されたことは大変意義深いと考えます。
そもそも、衆議院議員の比例定数の削減は、昨年六月に自自両党から法案が提出されて以来、三回の国会にわたって各党間で議論されてきた課題であります。今国会におきまして、予算案の国会提出がおくれざるを得ない中で、国会を早期に開会し、定数削減法案の審議に全力を注がれ、また衆議院議長の累次の御努力などもあったと承知しております。
本法案について、こうした経緯を経て、衆参両院において正規のルールに従って手続が進められ、処理されてきたものと承知をいたしております。したがって、暴挙との御指摘は全く当たらないと考えます。
また、官房長官についての御指摘がありましたが、政府として参議院議長などに対し圧力をかけるようなことはあり得ないものと考えております。念のため官房長官に確認したところ、そのようなことは一切ないということでありました。
解散・総選挙についてお触れになりました。
日本経済は、これまでの各般の諸施策により、最悪期を脱し緩やかな改善を続けているとはいえ、自律的な景気回復に至っておりません。本格的な景気回復のためには、そのかぎを握る平成十二年度予算の早期成立が何よりも必要であります。
他方、衆議院の解散は、実際上内閣総理大臣に与えられた大権でもあります。あくまでも国民そして国家を判断の基準に据えつつ、解散して国民の信を問うべき事態に立ち至ったと考えられるときには、これをちゅうちょすることなく断行すべきものであると考えております。
私の秘書官の株式取得についてのお尋ねがありました。
お尋ねの件は、週刊誌の記事に掲載されているが、秘書官本人からは、その記事は全く事実無根であり、一日も早く真相を明らかにするべく、二月三日、名誉毀損罪として週刊誌の編集人と執筆者を刑事告訴した旨報告を受けているところであります。
本件株式の取得の経緯につきまして、既に一昨年の衆議院予算委員会等において答弁いたしておりますが、昭和六十三年に、現在の会社の前身のまたその前身に当たる会社の株式を、当時同社の役員をしていた方から頼まれ秘書官本人がもとより正当な手続を経て譲り受けたものであり、何ら不適切なことはなかったと承知をしております。
したがって、この株式取得について私は全く関知いたしておりません。権威ある国会の場において、何ら根拠を示すこともなく、あたかも私自身が関与しているがごとく質問されたことは、まことに遺憾であります。
新しい時代への転換の認識についてお尋ねがありました。
現在、先進諸国を初めとする多くの国々が、グローバル化や情報技術革命のうねりの中にあります。我が国は、これまで追いつき追い越せを目標に努力を重ねてまいりましたが、もはや世界には目標となるモデルはありません。日本人は、日本のフロンティアをみずから探さなければなりません。
こうした時代には、あすの日本は、個人が組織や集団の中に埋没する社会ではなく、個人が輝き、個人の力がみなぎってくるような社会を築き、日本及び日本人の潜在力を引き出すことが大事と考えます。
そうした自立した個人が能力を十二分に発揮し、そのことが国家や社会を品格あるものにする、そのように国民と国家の関係を変えていく必要があります。ここでは、失敗しても再挑戦が可能な寛容さを社会が持つとともに、社会のセーフティーネットが有効に機能することが必要であると考えます。
教育改革につきまして、本岡議員、力を込めて多くのお尋ねがございました。
まず、御指摘のG8教育大臣会合では、ケルン・サミットを受けまして、教育に係る各国の直面する問題について幅広く議論していただき、政策提言をいただきたいと考えております。
御承知のように、欧米主要国におきましても、教育を重要課題の一つと位置づけていると認識しております。これらの背景にあるものは、いずれの国も教育こそが社会の繁栄と国民生活の向上の基盤であるという観点から、積極的に取り組んでいると認識しております。
私といたしましても、施政方針演説において述べましたように、我が国の教育改革を進めるに当たりましては、創造性の高い人材を育成することが大きな目標でなければならないと考えております。
具体的には、例えば、文化と伝統の礎である美しい日本語を身につけると同時に、国際共通語である英語で意思疎通ができ、インターネットを通じて国際社会の中に自在に入っていけるようにすることであると考えております。
社会のあり方まで含めた抜本的な教育改革が求められる中、現在、与党三党派間の合意による教育改革国民会議をスタートすべく、広く国民各界各層の意見を伺いつつ、準備をいたしており、教育改革を内閣の最重要課題として全力を挙げて取り組む所存でございます。
ケルン憲章についてお尋ねがございました。
御承知のように、ケルン憲章は、私も出席をしましたケルン・サミットにおきまして、生涯学習社会を構築するための基本的な原則や具体的な施策を提起したものであり、我が国の教育改革が目指すべき方向と軌を一にするものであります。
このケルン憲章では、種々示唆に富む提言がなされており、例えば、先生御指摘のように、「教育と技能は、経済的成功、社会における責任、社会的一体感を実現する上で不可欠である。」という点なども含めまして、これからの国際社会の中における我が国のあり方にとって有意義なものと理解をいたしております。
教育基本法についてのお尋ねがございました。
昭和二十二年に制定されました同法の作成過程につきましては、私も、NHKのテレビのドキュメンタリー番組等を通じて、教育刷新委員会での御議論など、その経緯をよく承知いたしております。
教育基本法については、制定以来五十年余りを経ており、教育全般について種々の問題が生じている今日、これらについて大いに議論する中で、家族、地域社会、個人と公、さらには生涯学習の観点も含め、幅広く議論を積み重ねていくことが重要であると考えております。
若者の実情に関し、我が国の社会の現実を直視すべきではないかとのお尋ねがありました。
ある学者の分析として御指摘のような推計があることは承知をいたしておりますが、いずれにしても、学校に適応できない若者やいわゆる自発的失業者、就職後早期に離職する者の増加などの状況があることについては、解決すべき喫緊の課題であると考えます。
このような問題意識に立ち、御指摘の、「将来には、流動性へのパスポートは、教育と生涯学習となるであろう。この流動性のためのパスポートは、すべての人々に提供されなければならない。」というケルン憲章の考え方も含めつつ、教育改革に取り組んでまいりたいと思います。
将来の日本社会を支える子供たちの実態についてのお尋ねがありました。
二十一世紀を担う子供たちがみずから学び、みずから考える力をはぐくむとともに、みずからのあり方、生き方を考え、望ましい職業観や勤労観を身につけていくことは、極めて重要であると考えます。
今後とも、子供たちの実態を適切に把握し、将来の我が国を支え、地域を支える人材の育成に努めてまいります。
社会的セーフティーネットとしての教育の重要性や、学校教育と職業との接続についてのお尋ねがありました。
創造性に富み、チャレンジ精神を持って主体的に生きていく人材を育成することや、望ましい職業観、勤労観を育成し、円滑に職業生活に移行できるようにすることは、重要な課題であると私も考えます。
このため、知識詰め込み型の教育から脱却し、みずから学び、みずから考え、行動し、問題を解決する力など、生きる力を育成する教育を推進し、職業教育や進路指導の改善充実に努めてまいります。
子供が大切にされる町づくり、学校の高度化についてのお尋ねがありました。
充実した学校教育の展開のためには、校舎等の教育環境の整備充実が重要であり、地域コミュニティーの拠点としての学校づくりや教育の情報化等、新しい課題にこたえることができる施設整備に努めてまいります。
今後の学級編制についてのお尋ねでありますが、現在、文部省におきまして、今後の教育のあり方等を視野に入れて鋭意検討いたしておるところであります。学級規模及び学習集団のあり方等につきましては、教育水準の維持向上という観点から、財政負担も十分考慮しつつ、今後とも適切に判断していく必要があると考えております。
中高一貫校についてお尋ねがありました。
中高一貫教育は、これまでの中学校、高等学校に加え、六年間の一貫した学習環境のもとで特色ある教育活動を幅広く展開できるものであり、中高一貫教育校の整備を積極的に促進してまいります。
未来を担う世代に対する思いについてでありますが、私は、あすの時代を担う子供たちのために何ができるのか、何をしなければならないのかを一人の政治家としてまず第一に考えなければならないと思います。
この子供たちにどのような日本を引き継いでいくかという観点に立ちまして、施政方針演説におきまして教育立国を掲げたとおり、教育改革を内閣の最重要課題として位置づけ、子供たちの育成に全力で取り組んでいく所存でございます。
十二年度予算につきまして、従来の公共投資からの転換を図るべきではないかというお尋ねでありました。
そもそも、何をもって御指摘のような従来型と言うのかは明らかではありませんが、十二年度における公共事業予算においては、新たな発展基盤の構築を目指し、物流効率化による経済構造改革の推進、環境対策、少子高齢化対応、情報通信の高度化といった直面する政策課題に対応する分野に重点化を図っておるところであります。
また、公共事業以外につきましても、総額二千五百億円の経済新生特別枠におきまして、申し上げました情報化、高齢化、環境に対応したミレニアム・プロジェクトに特段の予算配分を行うとともに、経済新生対策の一環として実施をされます雇用対策におきましても、中小企業の創業支援等による雇用創出、安定対策等の措置を行っておるところであります。
このように、十二年度予算におきまして、経済運営に万全を期するとともに、二十一世紀に真に必要となる施策に重点的・効率的配分を行っており、こうした施策を通じ公需から民需への転換を図り、我が国経済を民需中心の自律的景気回復を実現させてまいりたいと考えております。
今後の財政再建への取り組みについてのお尋ねがございました。
私は、十二年度末に公債残高が約三百六十四兆に達するなど、我が国財政が極めて厳しい状況にあることは、これを重く受けとめており、財政構造改革という重要な課題を忘れたことは片時もありません。
しかしながら、私は、今、景気の本格的な回復と財政再建という課題の双方を同時に追い求めることはできない、二兎を追う者は一兎をも得ずとなってはならないと考えております。我が国経済がようやく最悪期を脱し緩やかな改善を続けている中にあって、私は、ここで景気の足元を固めることなく財政再建に取りかかるという過ちを犯すべきではないと考えます。むしろ、今重要なことは、せっかく上向きにかかってまいりましたこの景気を本格的な回復軌道に乗せることであると考えます。
我が国経済が低迷を脱し、名実ともに国力の回復が図られ、それにより財政・税制上の諸課題について将来世代のことも展望した議論に取り組む環境を整え、その上で財政構造改革という大きな課題に立ち向かってまいりたいと考えております。
廃棄物・リサイクル対策の推進は我が国における喫緊の課題であります。このため、私は、平成十二年度を循環型社会元年と位置づけ、そのための基本的な枠組みとなる法案を国会に提出するとともに、あわせて廃棄物処理法、再生資源利用促進法等の廃棄物・リサイクル関係法律の整備を図ることにより、実効ある対策を推進してまいりたいと考えております。
農林水産省構造改善局の問題についてのお尋ねがありました。
この問題につきましては、農林水産省として最大限自浄努力を尽くすという観点から、大臣訓令に基づく調査を踏まえ、職員の厳正な処分と事業実施手続の透明化を行ったところであります。今後、綱紀の厳正な保持を図るとともに、さらに事業の実施の改善に取り組んでまいります。
原子力安全行政についてお尋ねでありましたが、我が国におきましては、原子力安全委員会を三条機関化するよりも、行政庁が法令に基づき安全審査を行い、さらに原子力安全委員会が独自の立場からダブルチェックを行うという現在の方法が、安全規制の実効性を高める上で有効なものと認識しております。
昨年の臨界事故を契機として、原子炉等規制法の改正等により安全規制の強化を図るとともに、行政庁の規制体制のさらなる拡充を行うことといたしております。また、原子力安全委員会についても、本年四月に事務局機能を総理府に移し、その独立性と機能の一層の強化を図ることといたしております。
去る一月十七日、神戸市内で行われました阪神・淡路大震災五周年犠牲者追悼式典に参加しての感想についてお尋ねがありました。
同式典には内閣総理大臣として出席し、追悼の辞を述べさせていただきました。
式典におきましては、皇太子殿下のお言葉を賜り、また、兵庫県知事の追悼式辞や御遺族の代表の方々のお言葉等を拝聴させていただきながら、被災者の皆さん方が、震災直後のあの極限状態の中で冷静かつ適切に対応されてきたこと、これまで深い悲しみを乗り越え力を合わせて懸命に復旧・復興のための努力を積み重ねてこられたこと、震災の経験を後世への貴重な財産とすべくかたい決意を誓われていることに深い感銘を受けました。
また、式典における一・一七宣言に込められた被災者の皆様方の復興・再生への前向きの姿勢、温かい支援の手を差し伸べていただいた世界じゅうの皆様への感謝の気持ちには改めて強く心を打たれました。そして、このような被災者の方々の思いにしっかりとこたえていくことこそ、犠牲となられた方々の無念にも報いることになると強く感じた次第であります。
二重ローンの問題についてのお尋ねでありましたが、民間金融機関は、被災者に対し、住宅資金等新規の貸し付けについて低利融資制度の創設を行ったり、既往貸し出しについても、金融機関の自主的な経営判断により、被災者の個々の事情を踏まえ、条件変更等の御相談に応じているものと理解しております。また、住宅金融公庫におきましても、災害復興住宅融資や既存債務の返済条件の緩和につきまして特別措置を講じているところであります。
次に、住宅再建の公的支援についてのお尋ねでありましたが、政府といたしましては、現在、国土庁に設置されました有識者で構成する検討委員会におきまして、本年夏ごろを目途に結論を得るべく、被災者の住宅再建の状況の把握や各種の支援策の評価などを行い、今後の住宅再建支援のあり方について総合的な見地から御検討いただいておるところであります。
さらに、被災者生活再建支援法の見直しについてのお尋ねでありましたが、被災者生活再建支援法は平成十年五月に成立し、昨年四月から支援金支給制度の運用を開始したところであります。また、これに先立ち、法の公布日から適用日までの間に発生する自然災害に対して本制度と同様の措置を講じ、この間に発生いたしました福島県及び栃木県の豪雨災害等の被災者に対して適用いたしました。これらは被災者支援にも大変効果があったものと認識をいたしております。
御指摘の支援金支給額の増額等につきましては、制度の趣旨、財源の確保等の問題もあり、まずは現行制度を円滑かつ適切に運用し、実績を積み重ねることが重要であると考えております。
災害時の危機管理体制の確立についてのお尋ねがありました。
政府といたしましては、阪神・淡路大震災から得られた貴重な教訓に基づき、災害対策基本法の改正により緊急災害対策本部設置時における本部長たる内閣総理大臣の権限を強化するなどしたほか、内閣法等を改正し、内閣危機管理監の設置等により危機管理体制の強化を図り、内閣総理大臣のリーダーシップのもと、内閣危機管理監が中心となりまして関係省庁間の緊密な連携を確保し、迅速かつ的確な対処に努めてきたところであります。
しかしながら、災害対策を初めとする危機管理には終わりはなく、国民に安心感を与える対応の実現を図るべく、諸外国における災害への対応のあり方や仕組みについて絶えず調査研究を行うなどして、さらなる体制の充実強化に努めてまいりたいと考えております。
また、阪神・淡路地域における各種特例措置についてのお尋ねがございました。
これらにつきましては、引き続き平成十二年度予算におきまして所要の措置が施されているところでありますが、平成十三年度以降における取り扱いにつきましては、関係省庁及び地方公共団体におきまして、地元の状況等も踏まえ、延長の必要性等が検討されるものと考えております。
さて、阪神・淡路大震災から五年が経過し、この間、政府、地元地方公共団体、地元住民の方々の一体となった取り組みにより、ピーク時には約四万八千世帯の方々が入居されておられました応急仮設住宅がすべて解消されるなど、被災地の復興は着実に進展してまいりました。
しかしながら、その一方で、恒久住宅での新たな生活になじめない方々がおられること、また、最近では明るい兆しが見られるものの、地域の雇用・経済状況が依然として厳しい状況であることなど、残された課題が存在することも御指摘のとおり事実であります。
政府といたしましては、これまで復旧・復興に向けた地元地方公共団体の取り組みを最大限支援してまいりましたが、今後とも、支援を必要とされる被災者の方々に対するきめ細やかなケア、安定した雇用確保を可能とする産業の一層の復興、安全な市街地の整備などに引き続き取り組んでまいりたいと存じます。
以上、お答えを申し上げましたが、残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣青木幹雄君登壇、拍手〕