松崎俊久の発言 (本会議)

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○松崎俊久君 私は、ただいま議題となりました民主党・新緑風会、日本共産党並びに社会民主党・護憲連合の三会派共同提案による国民福祉委員長狩野安君解任決議案について、賛成の立場から討論を行います。
 賛成の理由を以下申し述べます。
 まず、狩野委員長は昨日行われた委員会において、年金関連七法案の審議を強引に打ち切り、委員会が大混乱する中で強行採決という暴挙を行いました。あのような混乱状態では、果たして採決が正当に行われているのかさえ極めて疑わしいと言わざるを得ません。国民から見れば、またもや国会は何をやっているんだと罵声を浴びせられるような極めて愚かな行為であります。
 本法案は、昨年の臨時国会において衆議院でも強行採決されており、国民の生活に直結する年金法案が衆参両院で強行採決されるというあいた口がふさがらないほどの横暴な国会運営であります。狩野委員長の委員会運営は、憲政史上に汚点を残すものであります。
 国民福祉委員会で審議される案件は、国民生活に深くかかわるものばかりであり、年金法案は決して与党が数の力に任せた暴挙に出て強引に採決するような案件ではないのであります。
 ところが、狩野委員長が行った行為は、昨年の通常国会で大もめにもめたいわゆる盗聴法、住民基本台帳法のときの数こそ力というような、何でもごり押し、力任せ政権の体質そのものであります。そのような運営を行う狩野委員長は直ちに解任しなければ、それこそ国民から参議院は何をやっているのかと批判を受けることでありましょう。
 賛成の第二の理由は、本案に対する国民的議論が全く不十分であるにもかかわらず、審議は尽きた、もう十分だとするような、委員長として大変誤った認識を持っておられるからであります。
 国民は年金法案の審議に大変注目しております。基礎年金の国庫負担率引き上げ問題、無年金障害者、女性の年金権確立の問題、雇用と年金の接続の問題など、国民年金法等改正案だけでも実に多くの課題があるのであります。
 さらに、年金福祉事業団の解散と年金積立金の自主運用にかかわる法案では、百四十兆に上る巨大な年金積立金の運用を厚生省が行うことについての懸念があります。年金加入者のメリットになるのかどうかについても全く見当がつかない点や責任の所在があいまいな点、また運用リスクが余りにも大き過ぎる点、そして結局は厚生省の権益拡大になるのではないかという点など、多くの問題が指摘されておりますが、政府はそのどれ一つとってみても明確な答弁を出しておりません。財投改革の法案が出されておりますけれども、その議論とあわせた審議を深める必要があります。
 さらに、共済組合法案は四本提出されておりますが、国民福祉委員会だけの審議では不十分ではないでしょうか。関係する委員会との合同審査を行う必要がありますし、共済については厚生年金との一元化の議論がまだまだ不十分であると思います。
 狩野委員長は委員会の議論をすべてお聞きになっておられるはずで、これまでの議論で本当に審議は尽くされたとお考えなのか、私にはどうしても理解できません。単に時間数だけを頼りに判断したとしか考えられません。
 年金は社会保障の中核となるものであります。少子高齢社会にふさわしい年金ビジョンを国民は強く求めております。この間の審議で果たしてこれが明らかになったでありましょうか。このような不十分な議論のままに年金法案を通していいのですか。狩野委員長の責任はまさに重大であります。
 そして三つ目には、我々が強く求めた小渕総理の委員会出席や地方公聴会がついに行われなかったことであります。
 先ほどの提案理由説明にもありましたが、私たち野党三党は、一、国民の意思を尊重しながら十分な審議を行うこと、二、さまざまな立場からの御意見を伺い委員会審議に反映させること、三、さらに小渕総理大臣に委員会への出席を求め、総理の年金に対する思い、総理の描くところの年金ビジョンをただすことを一貫して求めてまいりました。
 特に、小渕総理の出席については、委員会における審議開始の前提として、冒頭からその実現を要求してきましたが、結局実現はしませんでした。年金を初めとする社会保障制度について専門家からいろいろな提言を受けておられる小渕総理から、ぜひ小渕年金ビジョンを聞かせていただきたかったのでありますが、ついにその約束は果たされなかったのであります。
 また、昨日の中央公聴会では、公述人の方々から貴重な御意見をいただきました。そうした御意見はぜひ委員会の審議に反映させるのが国会審議のあるべき姿ではないでしょうか。ところが、与党三党は、中央公聴会の設定を委員会採決への通り道、通過儀式としか考えていないと言わざるを得ないのであります。中央公聴会後の質疑がわずか三時間余り、これで参考人の意見が生かされたと言えるでしょうか。さらに言えば、地方公聴会は全く行われておりません。年金のような重要法案については、地方公聴会を行い、広く各界の意見を聞く必要があります。
 狩野委員長には、こうした審議を行うという気持ちはさらさらなかったと言えるのでありましょう。結局、従来の法案審議の時間数や衆議院との比較だけで判断し、そして採決した、それにすぎないのであります。そこには、年金法案の内容をよりよいものに仕上げるために、国民のために制度改革を行うという気持ちが全くなかったと言わざるを得ません。
 以上が国民福祉委員長狩野安君解任決議案に対する賛成の主な理由であります。
 徹底した審議を行い、議論を深めることで国民の不安感、不満感にこたえるべきだったのではないでしょうか。
 我々は、昨日の強行採決を認めることはできません。国民の皆さんに本当に安心できる年金制度の将来像を明らかにしなければなりません。我々は、狩野委員長の解任を求めるとともに、採決の撤回を強く要求し、私の討論を終わります。(拍手)

発言情報

speech_id: 114715254X00820000322_042

発言者: 松崎俊久

speaker_id: 6278

日付: 2000-03-22

院: 参議院

会議名: 本会議