堺屋太一の発言 (本会議)

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○国務大臣(堺屋太一君) 西山登紀子議員にお答えいたします。
 事業者の情報提供についてお尋ねがございました。
 消費者契約法のようなあらゆる事業分野を対象とする包括的な民事ルールにおいて、情報提供を義務として情報の不提供に取り消し等の私法的な効果を発生させた場合には、個別事業分野にとっては抽象度が高いために、事業者にとって予見可能性を欠き、健全なビジネスの発展を阻害しかねない結果になりかねません。
 なお、外国の消費者契約法制度等を見ましても、情報の不提供の場合に契約の取り消しを法律として定めている例があることは承知しておりません。
 次に、消費者の努力義務についてのお尋ねがございました。
 事業者と消費者との間には情報格差あるいは交渉力の格差がございますが、事業者に情報提供努力を求める反面、消費者にも事業者から提供された情報を活用し、その契約内容を理解する努力をしていただきたい。このことによって消費者の十分に合理的な意思決定を可能とし、もって消費者契約における消費者の利益の擁護を図るものであり、これは必要な規定だと考えております。
 重要事項の内容を検討したことについてのお尋ねがございましたが、これは法的安定性、予見可能性を高め、また本法律案の重要事項が取り消しという強い効果を与える要件であることとのバランスをとるという観点から適切な内容のものと考えております。
 第四条第二項の「故意」についてのお尋ねもございましたが、これは民法の詐欺における相手方をだまそうとする意思よりも程度の弱いものでございますので、消費者にとってこれを立証することは民法の詐欺に比べると容易であると考えております。
 また、重要事項は実態に合ったものにすべきではないかとのお尋ねがございましたが、先ほども述べましたように、これは法的安定性、予見可能性を高め、また本法律案の重要事項が取り消しという強い効果を与える要件であることとのバランスを考えますと、適切な内容になっていると考えております。
 なお、点検商法などについては、訪問販売等に関する法律のクーリングオフや民法の詐欺の規定などにより消費者が救済される場合もあると考えております。
 威迫、困惑など消費者を戸惑わせるその他の行為についてのお尋ねがございましたが、これらの行為の意義が必ずしも明確でないことなどから、これらの行為を契約取り消しの対象とすることは取引の安全の確保等にかんがみ適切ではないと考えております。
 無効とすべき契約条項についてのお尋ねがございました。
 これについては、トラブルの実態を踏まえ、国民生活審議会で検討を行って得られたコンセンサスに基づいて規定したものでございます。
 また、第十条の規定により、任意規定に反し、信義則に反する程度に消費者の利益を一方的に害する条項は広く無効とするため、無効とすべき契約条項は本法第八条から第十条までに定める規定で十分であると考えております。
 取り消し権の行使期間についてのお尋ねがございました。これは具体的にどの程度にすべきかにつきましては、国民生活審議会において検討を行い、学識経験者、消費者、さまざまな業種の産業界の代表など幅広い関係者の間で得られたコンセンサスでございまして、追認することができるときから六カ月と規定しております。取り消し権の行使期間としてはこれで適切なものと考えております。
 消費者団体による差しとめ請求権についてのお尋ねがございました。
 消費者団体による差しとめ請求権につきましては、今後、我が国の司法制度改革の流れを踏まえた上で十分な検討を行う必要があると考えております。
 最後に、事業者への行政指導の強化についてお尋ねがございました。
 現在、政府は公正かつ自由な経済社会を実現するために市場メカニズムを積極的に活用するとの観点から広範な分野で規制緩和を推進しており、これに伴って行政の基本が事前規制型から市場ルールに基づく事後チェック型へと転換が求められております。したがって、消費者政策においてもこれと整合的な施策の実施が求められており、御指摘のように行政指導の強化はなじまないものと考えております。
 裁判外紛争処理機関の体制強化充実についてのお尋ねがございましたが、各都道府県の消費生活センター等の裁判外紛争処理機関に対しましては、国民生活センターを通じた情報提供や消費生活相談員に対する研修等により、その体制の強化充実を支援していきたいと考えております。
 また、平成十二年度の予算におきまして、消費生活センターや弁護士会等との消費者契約被害救済のための連携費用をお認めいただいたところであり、この体制の構築に取り組んでまいりたいと考えております。(拍手)
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発言情報

speech_id: 114715254X01820000419_014

発言者: 堺屋太一

speaker_id: 30364

日付: 2000-04-19

院: 参議院

会議名: 本会議