本会議
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会
会議録情報#0
平成十二年四月十九日(水曜日)
午前十時一分開議
━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第十八号
平成十二年四月十九日
午前十時開議
第一 土砂災害警戒区域等における土砂災害防
止対策の推進に関する法律案(内閣提出)
第二 技術士法の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
第三 食品流通構造改善促進法の一部を改正す
る法律案(内閣提出)
第四 運輸施設整備事業団法の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
一、裁判官訴追委員予備員辞任の件
一、裁判官訴追委員予備員等各種委員の選挙
一、消費者契約法案(閣法第五六号)(趣旨説
明)
一、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利
用した移動の円滑化の促進に関する法律案(
趣旨説明)
以下 議事日程のとおり
─────・─────
この発言だけを見る →午前十時一分開議
━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第十八号
平成十二年四月十九日
午前十時開議
第一 土砂災害警戒区域等における土砂災害防
止対策の推進に関する法律案(内閣提出)
第二 技術士法の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
第三 食品流通構造改善促進法の一部を改正す
る法律案(内閣提出)
第四 運輸施設整備事業団法の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
一、裁判官訴追委員予備員辞任の件
一、裁判官訴追委員予備員等各種委員の選挙
一、消費者契約法案(閣法第五六号)(趣旨説
明)
一、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利
用した移動の円滑化の促進に関する法律案(
趣旨説明)
以下 議事日程のとおり
─────・─────
斎
斎藤十朗#1
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
この際、お諮りいたします。
月原茂皓君及び福島瑞穂君から裁判官訴追委員予備員をそれぞれ辞任いたしたいとの申し出がございました。
いずれも許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →この際、お諮りいたします。
月原茂皓君及び福島瑞穂君から裁判官訴追委員予備員をそれぞれ辞任いたしたいとの申し出がございました。
いずれも許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
斎
斎
斎藤十朗#3
○議長(斎藤十朗君) この際、欠員となりました
裁判官訴追委員予備員二名、またあわせて
皇室会議予備議員一名の選挙
を行います。
つきましては、これら各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略し、議長において指名することとし、また、裁判官訴追委員予備員、皇室会議予備議員の職務を行う順序は、これを議長に一任せられたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →裁判官訴追委員予備員二名、またあわせて
皇室会議予備議員一名の選挙
を行います。
つきましては、これら各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略し、議長において指名することとし、また、裁判官訴追委員予備員、皇室会議予備議員の職務を行う順序は、これを議長に一任せられたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
斎
斎藤十朗#4
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
よって、議長は、
裁判官訴追委員予備員に泉信也君及び堂本暁子君を、
皇室会議予備議員に椎名素夫君を、
それぞれ指名いたします。
なお、裁判官訴追委員予備員の職務を行う順序は、泉信也君を第三順位とし、第三順位の阿部幸代君を第四順位に、堂本暁子君を第五順位といたします。
また、皇室会議予備議員の職務を行う順序は、椎名素夫君を第二順位といたします。
─────・─────
この発言だけを見る →よって、議長は、
裁判官訴追委員予備員に泉信也君及び堂本暁子君を、
皇室会議予備議員に椎名素夫君を、
それぞれ指名いたします。
なお、裁判官訴追委員予備員の職務を行う順序は、泉信也君を第三順位とし、第三順位の阿部幸代君を第四順位に、堂本暁子君を第五順位といたします。
また、皇室会議予備議員の職務を行う順序は、椎名素夫君を第二順位といたします。
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斎
斎藤十朗#5
○議長(斎藤十朗君) この際、日程に追加して、
消費者契約法案(閣法第五六号)について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →消費者契約法案(閣法第五六号)について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
斎
堺
堺屋太一#7
○国務大臣(堺屋太一君) 消費者契約法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
現在、我が国では、国民の自由な選択を基礎とした公正で自由な競争が行われる市場メカニズム重視の社会の実現を目指して構造改革が推進されています。こうした中で、政策の基本原則を行政による事前規制から市場参加者が遵守すべき市場ルールの整備へと転換することが求められており、消費者のための新たなシステムづくりが大きな課題となっております。
その一方で、構造改革の進展に伴う商品・サービスの多様化の一層の進展による消費者の選択の自由が拡大する反面、消費者と事業者との間にある情報、交渉力の格差を背景に、消費者が事業者との間で締結する契約、いわゆる消費者契約に係るトラブルが増加しております。
こうした認識のもとに、政府といたしましては、これまで国民生活審議会及び幅広い関係各方面との協議を重ねてまいりましたが、昨年末の国民生活審議会の報告の趣旨に沿い、公正で予見可能性の高い新たな民事ルールを整備すべきとの結論が得られましたので、本法案を提出することといたした次第であります。
この法律の制定により、消費者利益が擁護されるとともに、消費者、事業者双方の契約当事者としての自己責任に基づく行動が促されることによって、消費者と事業者との信頼感が増し、新たな経済活動や業態の創造が容易となり、活発化するものと確信しております。
次に、この法案の趣旨を御説明申し上げます。
この法案は、消費者が事業者との間で締結する契約に係る紛争を公正かつ円滑に解決するため、次の二点について定めることとしております。
第一は、消費者契約の締結について勧誘をする際に、重要事項について事実と異なることを告げたり、事業者に対し消費者がその住居等から退去すべき旨を意思表示したにもかかわらず退去しないなど、事業者の一定の行為により消費者が誤認し、または困惑した場合について、契約の申し込みまたはその承諾の意思表示を取り消すことができることとしております。
第二は、事業者の損害賠償の責任を免除する条項、消費者が支払う損害賠償の額の予定または違約金が一定の限度を超えることになる条項のほか、消費者の利益を一方的に害する条項について、その全部または一部を無効にすることとしております。
そのほか、法の目的、消費者契約の範囲、事業者及び消費者の努力規定、取り消し権の行使期間等、所要の規定を置くこととしております。
以上、消費者契約法案について、その趣旨を御説明申し上げた次第でございます。拍手
─────────────
この発言だけを見る →現在、我が国では、国民の自由な選択を基礎とした公正で自由な競争が行われる市場メカニズム重視の社会の実現を目指して構造改革が推進されています。こうした中で、政策の基本原則を行政による事前規制から市場参加者が遵守すべき市場ルールの整備へと転換することが求められており、消費者のための新たなシステムづくりが大きな課題となっております。
その一方で、構造改革の進展に伴う商品・サービスの多様化の一層の進展による消費者の選択の自由が拡大する反面、消費者と事業者との間にある情報、交渉力の格差を背景に、消費者が事業者との間で締結する契約、いわゆる消費者契約に係るトラブルが増加しております。
こうした認識のもとに、政府といたしましては、これまで国民生活審議会及び幅広い関係各方面との協議を重ねてまいりましたが、昨年末の国民生活審議会の報告の趣旨に沿い、公正で予見可能性の高い新たな民事ルールを整備すべきとの結論が得られましたので、本法案を提出することといたした次第であります。
この法律の制定により、消費者利益が擁護されるとともに、消費者、事業者双方の契約当事者としての自己責任に基づく行動が促されることによって、消費者と事業者との信頼感が増し、新たな経済活動や業態の創造が容易となり、活発化するものと確信しております。
次に、この法案の趣旨を御説明申し上げます。
この法案は、消費者が事業者との間で締結する契約に係る紛争を公正かつ円滑に解決するため、次の二点について定めることとしております。
第一は、消費者契約の締結について勧誘をする際に、重要事項について事実と異なることを告げたり、事業者に対し消費者がその住居等から退去すべき旨を意思表示したにもかかわらず退去しないなど、事業者の一定の行為により消費者が誤認し、または困惑した場合について、契約の申し込みまたはその承諾の意思表示を取り消すことができることとしております。
第二は、事業者の損害賠償の責任を免除する条項、消費者が支払う損害賠償の額の予定または違約金が一定の限度を超えることになる条項のほか、消費者の利益を一方的に害する条項について、その全部または一部を無効にすることとしております。
そのほか、法の目的、消費者契約の範囲、事業者及び消費者の努力規定、取り消し権の行使期間等、所要の規定を置くこととしております。
以上、消費者契約法案について、その趣旨を御説明申し上げた次第でございます。拍手
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斎
円
円より子#9
○円より子君 民主党・新緑風会の円より子です。
質問に先立ちまして、北海道有珠山噴火により、いまだ仮の避難所で不安におびえ、疲労とストレスの多い生活を送られている七千人余りの方々が一日も早くもとの生活に復帰できるような対策がとられること、そして噴火が沈静化し被害が最小で済むよう祈念いたします。
また、突然お倒れになり、今も危険な状態が続いておられると伝えられております小渕前総理の御回復をお祈りするものです。
さて、私は、民主党・新緑風会を代表し、ただいま議題となりました消費者契約法案について質問いたします。
まず、消費者行政の目標と消費者の権利についてお尋ねします。
我が国の国民は今、公正で自由な競争が行われる市場メカニズム重視の社会を目指して規制緩和・撤廃を中心とする構造改革の真っただ中に生きております。また、グローバル化、情報化に伴いまして、商品・サービスの多様化、複雑化が加速する中、私たち消費者にとって契約の重みは一段と増しております。しかし、ここで大事なことは、情報量でも交渉力でも事業者に劣る消費者は、自己責任ということを問われる前に不当な契約から守られる必要があるということです。
先週の参議院本会議では、金融・証券三法の趣旨説明と代表質問が行われました。この金融サービス法は、御存じのとおり、金融商品が多様化、高度化する中で、悪質な販売、勧誘から顧客を守ることを目的としております。物の取引と違って、将来の収益を対象とした複雑で特殊な取引である金融取引に対象を絞った特例法と位置づけられております。
さらに、来年の通常国会には、通産省がインターネット取引の返品、契約トラブルを防ぐ法案を出す予定と聞いております。この電子商取引は、お互い顔が見えず、形のない情報をやりとりするため、通常の取引にはないトラブルが多発します。本人の知らないうちに契約が成立したり、詐欺的商法や違法な薬物売買業者の横行も問題視されております。
このように、私たち消費者を取り巻く状況は一時代前に比べ急速に変化しており、消費者政策、消費者行政はますます重要になってまいりました。
海外に目を転じてみますと、EUの行政執行機関、欧州委員会の打ち出す消費者政策は、遺伝子組みかえ食品の表示義務づけ、インターネット上の個人情報の悪用規制といったぐあいに、次々とグローバルスタンダードになりつつあります。
この欧州委員会では、二十一世紀に向けたアクションプランの中で、向こう三年間を消費者利益や市民のための消費者政策の時代と位置づけております。これについて大臣はどうお考えになられるか、大臣もまた消費者政策の時代との認識をお持ちかどうか、お尋ねいたします。
ちなみに、欧州委員会の消費者政策担当者は、消費者行政の目標とは、企業と消費者を対等のパートナーとして扱い、企業の成功と消費者の満足とを両立させることであると明言しておられるそうですが、これについてもどう思われるか。私は、日本の消費者行政もこうあるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
一九六二年、アメリカのケネディ大統領が特別教書で、安全である権利、知る権利、選ぶ権利、意見を反映させる権利とうたい、国際消費者機構は、この四つに加え、新たに次の四つの権利、生活の基本的ニーズが保障される権利、消費者被害者救済の権利、消費者教育を受ける権利、健全な環境の権利を唱えております。
ケネディから四十年近くたった現在の日本で、この権利が守られているか、国際消費者機構の四つの権利が守られているか、堺屋大臣は胸を張ってイエスとお答えになることができるでしょうか。ぜひ、長官の考える消費者の権利とは何か、そして政府は消費者行政に今後どのように取り組まれるつもりか、御見解を伺いたいと思います。
次に、法案を修正し、よりよいものにするお気持ちがあるかどうか、お伺いいたします。
今回の消費者契約法ですが、残念ながら妥協の産物だと言われております。それは、首相の諮問機関である国民生活審議会が九四年四月に検討を開始してから約六年間、消費者保護の行き過ぎを懸念する業者側と広範な消費者保護を訴える消費者団体側のせめぎ合いが続いたからです。
せめぎ合いの中で、事業者と消費者のバランスをとることに経済企画庁は腐心したと推測いたしますが、法律の目的はどちらにも当たりさわりのない内容にすることではなくて、これによりいかに現在起きている消費者トラブルの解決促進に役立てるかではないでしょうか。業界が受け入れやすい法案で妥協することではないはずです。
大臣もそのことをわかっておられ、表向きは世界にも類を見ないほどの充実した法律と自賛なさっておられるようですが、事業者、消費者双方から批判を浴びて、結果的には中庸をとったと漏らされているとも聞いております。
今からでも遅くありません。ぜひとも修正への努力をお願いしたいと思いますが、それについての御所見を伺います。
次は、法律の内容についてです。
まず、目的です。
昨年十二月十日、民主党は政府案に先駆け、議員立法で消費者契約法を提出いたしました。民主党案は、事業者と消費者の間にある情報の質及び量と交渉力の格差解消を法律の目的としておりますが、政府案では格差のあることを認めているだけです。
なぜ目的に格差の解消をうたわなかったのか。政府案の掲げるこの法律の目的についてまず伺います。
さらに、修正なしのままこの法案が成立した場合に、消費者契約に関するトラブルは減少すると言えるのでしょうか。そのことについても大臣に伺います。
次に、困惑または威迫等による取り消しについて伺います。
政府案では、不退去監禁による取り消しについて、退去すべき旨の意思を示すことが必要だとありますが、そのようなことを消費者の側から言えない状況も多いのではないかと思います。民主党案では、「消費者の私生活又は業務の平穏を害し困惑させることその他消費者が合理的に判断することを妨げること。」も取り消し要件にしております。
消費者の側も契約に対して意識改革を行うこと、言ってみればノーと言える消費者になることも当然必要だと思いますが、現時点ではまだ残念ながらそのような土壌は育っておりません。また、事業者側は、法のすき間を縫って消費者が退去の意思を表明できないような販売方法も考え出すことが予想されます。
消費者を困惑または威迫させる行為に対して政府はどのような救済策をお考えになっているのでしょうか。
次に、情報不提供による取り消しについて伺います。
民主党案では、重要な事項について、正当な理由がある場合を除き、消費者が理解できる程度に情報を提供しない場合、取り消しできるとして立証責任を事業者の側に置いています。政府案では、重要事項につき消費者の利益となる旨を告げ、かつ不利益事実を故意に告げなかったことにより消費者が誤認した場合、取り消しできるとしてありますが、この立証責任は消費者にあります。
大臣は、消費者にとって立証責任は著しく困難ではないと衆議院本会議で答弁なさっておられますが、情報の質量、交渉力に格差がある消費者が故意かどうかを立証するのは決して容易ではありません。本当は故意であるのに、うっかり説明し忘れたとする事業者に対し、消費者は故意であることをどのように立証できるのか、大臣のさらなる見解を伺います。
次に、不意打ち条項について伺います。
民主党案では、契約条項のうち、その類型、交渉の経緯が社会通念上異常であるため、その存在を一般消費者が予測できないと認められる場合は無効としておりますが、政府案にはその規定がありません。
例えば、膨大な分量の契約書に小さな字で書かれていたことが契約の重要事項で、事業者がうっかり説明し忘れたとします。このようなケースでも、契約書を端から端まできちんと読まなかった消費者に責任があるのでしょうか。そうであれば、悪意の事業者は今後そのような契約の方法をどんどんとっていくのではないでしょうか。
読売新聞がことし二月十九、二十日に実施した消費者問題に関する世論調査では、契約内容をすべて読む人は二四・四%となっております。これは消費者の側の問題でもありますが、詳細な契約条項をすべてきちんと読んで理解することを消費者に求めることは酷な話です。また、苦情を全く申し出ない人も一七%に上り、それは申し出ても解決しないと思っているなど、権利の主張に消極的な姿勢があらわれています。
政府自身が業者に甘く、消費者の権利に厳しいと言われる現状では、人々の意識も低くとどまるのかもしれません。これについては子供のうちからきちんとした消費者教育が必要だと思いますが、政府として今どのように取り組まれているか、今後の取り組みも含めて文部大臣に伺います。
次は、取り消し権の行使期間の制限についてです。
政府案では、追認時から六カ月、契約締結時から五年を取り消し権の行使期間としておりますが、実際に被害を受けた人は、それに気づいてから迷った末にようやく相談に行くケースが多いのが実情です。相談に行くまでに六カ月が過ぎてしまうことも少なくないでしょう。民主党案では追認時から三年、契約締結時から十年と規定しております。大臣は民法の考え方をそのまま採用したとおっしゃっていますが、民法が規定された百二年前と現在とでは状況が大きく異なるのではないでしょうか。改めて根拠を伺いたいと思います。
次は、見直し条項についてです。
消費者をめぐるこれまでのトラブルを振り返りますと、訪問販売法や割賦販売法など個別の法律ができても、必ず法のすき間を縫って悪徳商法をしかける事業者が後を絶ちません。今回の消費者契約法も、これまで指摘した点も含め、近い将来必ず見直す必要があると考えます。
長官は、経済社会の変化に応じて法律の見直しを行うのは当然で、あえて見直し規定を置く必要はないと衆議院本会議で答えていらっしゃいますが、見直しを行うのが当然とおっしゃるなら、消費者団体や消費者の実態について実際の相談を通じて最もよく知っている人々の要望どおり、この法案が消費者の権利保護として機能するよう見直し条項を入れるべきだと思いますが、重ねて御所見を伺います。
さて、実効性確保のための施策についても伺います。
この法律を実際に新しいルールとして確立するには、法律の趣旨と具体的な適用事例の徹底が必要です。消費生活センター、国民生活センターの相談件数は毎年増大しており、九八年度で約四十一万件、うち八割の約三十三万件が販売方法、契約・解約に関するトラブルだと言われております。しかし、被害に遭った人の大半がセンターを利用していないのが実情ですし、この法律とセンターのPRがぜひとも必要です。それについてもお答えください。
一つ提案ですが、この法案のPRをし、相談窓口のあることが一般にたとえ知れ渡ったとしても、被害に遭った人が地域の消費生活センターなどに相談をしたとき、今回の消費者契約法で救われるような仕組みがきちんと整っていなければ意味を持ちません。
現在、国民生活センター等では苦情・相談の分類が細かく分かれておりません。今回の消費者契約法の体系と合致しておりません。契約の申し込み、締結、取り消しなど、トラブルの発生段階に応じた苦情処理を行い、どのようなケースのトラブルがこの法案で救われるか、インターネット等を通じて気軽に確認できるような仕組みをつくるべきではないか。センターの項目類型と消費者が情報をすぐ得られるような開示システムの見直しについて、お考えをお聞かせください。
次に、消費生活センターの拡充についてです。
消費生活センターについては、自治体の予算削減で、特に都道府県レベルで縮小・廃止の方向にございます。せっかく法律ができても、その運用を行う現場の体制が充実していないと実効性が担保されません。消費生活センター等に対し経済企画庁としてどのような施策を講ずるおつもりでしょうか。
以上、政府案の問題点を中心に質問いたしましたが、そうはいっても、今回すべての業種を対象に、適用除外を設けなかったこと、不当条項に一般条項が入ったこの法律は高く評価できるものと思います。それだけに運用に当たっては、各地の消費生活センターの拡充を行った上で、レビューをしっかりと行っていただきたいと思っております。
消費者契約法の目指す趣旨が生かされることを心から祈り、私の質問を終わらせていただきます。拍手
〔国務大臣堺屋太一君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →質問に先立ちまして、北海道有珠山噴火により、いまだ仮の避難所で不安におびえ、疲労とストレスの多い生活を送られている七千人余りの方々が一日も早くもとの生活に復帰できるような対策がとられること、そして噴火が沈静化し被害が最小で済むよう祈念いたします。
また、突然お倒れになり、今も危険な状態が続いておられると伝えられております小渕前総理の御回復をお祈りするものです。
さて、私は、民主党・新緑風会を代表し、ただいま議題となりました消費者契約法案について質問いたします。
まず、消費者行政の目標と消費者の権利についてお尋ねします。
我が国の国民は今、公正で自由な競争が行われる市場メカニズム重視の社会を目指して規制緩和・撤廃を中心とする構造改革の真っただ中に生きております。また、グローバル化、情報化に伴いまして、商品・サービスの多様化、複雑化が加速する中、私たち消費者にとって契約の重みは一段と増しております。しかし、ここで大事なことは、情報量でも交渉力でも事業者に劣る消費者は、自己責任ということを問われる前に不当な契約から守られる必要があるということです。
先週の参議院本会議では、金融・証券三法の趣旨説明と代表質問が行われました。この金融サービス法は、御存じのとおり、金融商品が多様化、高度化する中で、悪質な販売、勧誘から顧客を守ることを目的としております。物の取引と違って、将来の収益を対象とした複雑で特殊な取引である金融取引に対象を絞った特例法と位置づけられております。
さらに、来年の通常国会には、通産省がインターネット取引の返品、契約トラブルを防ぐ法案を出す予定と聞いております。この電子商取引は、お互い顔が見えず、形のない情報をやりとりするため、通常の取引にはないトラブルが多発します。本人の知らないうちに契約が成立したり、詐欺的商法や違法な薬物売買業者の横行も問題視されております。
このように、私たち消費者を取り巻く状況は一時代前に比べ急速に変化しており、消費者政策、消費者行政はますます重要になってまいりました。
海外に目を転じてみますと、EUの行政執行機関、欧州委員会の打ち出す消費者政策は、遺伝子組みかえ食品の表示義務づけ、インターネット上の個人情報の悪用規制といったぐあいに、次々とグローバルスタンダードになりつつあります。
この欧州委員会では、二十一世紀に向けたアクションプランの中で、向こう三年間を消費者利益や市民のための消費者政策の時代と位置づけております。これについて大臣はどうお考えになられるか、大臣もまた消費者政策の時代との認識をお持ちかどうか、お尋ねいたします。
ちなみに、欧州委員会の消費者政策担当者は、消費者行政の目標とは、企業と消費者を対等のパートナーとして扱い、企業の成功と消費者の満足とを両立させることであると明言しておられるそうですが、これについてもどう思われるか。私は、日本の消費者行政もこうあるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
一九六二年、アメリカのケネディ大統領が特別教書で、安全である権利、知る権利、選ぶ権利、意見を反映させる権利とうたい、国際消費者機構は、この四つに加え、新たに次の四つの権利、生活の基本的ニーズが保障される権利、消費者被害者救済の権利、消費者教育を受ける権利、健全な環境の権利を唱えております。
ケネディから四十年近くたった現在の日本で、この権利が守られているか、国際消費者機構の四つの権利が守られているか、堺屋大臣は胸を張ってイエスとお答えになることができるでしょうか。ぜひ、長官の考える消費者の権利とは何か、そして政府は消費者行政に今後どのように取り組まれるつもりか、御見解を伺いたいと思います。
次に、法案を修正し、よりよいものにするお気持ちがあるかどうか、お伺いいたします。
今回の消費者契約法ですが、残念ながら妥協の産物だと言われております。それは、首相の諮問機関である国民生活審議会が九四年四月に検討を開始してから約六年間、消費者保護の行き過ぎを懸念する業者側と広範な消費者保護を訴える消費者団体側のせめぎ合いが続いたからです。
せめぎ合いの中で、事業者と消費者のバランスをとることに経済企画庁は腐心したと推測いたしますが、法律の目的はどちらにも当たりさわりのない内容にすることではなくて、これによりいかに現在起きている消費者トラブルの解決促進に役立てるかではないでしょうか。業界が受け入れやすい法案で妥協することではないはずです。
大臣もそのことをわかっておられ、表向きは世界にも類を見ないほどの充実した法律と自賛なさっておられるようですが、事業者、消費者双方から批判を浴びて、結果的には中庸をとったと漏らされているとも聞いております。
今からでも遅くありません。ぜひとも修正への努力をお願いしたいと思いますが、それについての御所見を伺います。
次は、法律の内容についてです。
まず、目的です。
昨年十二月十日、民主党は政府案に先駆け、議員立法で消費者契約法を提出いたしました。民主党案は、事業者と消費者の間にある情報の質及び量と交渉力の格差解消を法律の目的としておりますが、政府案では格差のあることを認めているだけです。
なぜ目的に格差の解消をうたわなかったのか。政府案の掲げるこの法律の目的についてまず伺います。
さらに、修正なしのままこの法案が成立した場合に、消費者契約に関するトラブルは減少すると言えるのでしょうか。そのことについても大臣に伺います。
次に、困惑または威迫等による取り消しについて伺います。
政府案では、不退去監禁による取り消しについて、退去すべき旨の意思を示すことが必要だとありますが、そのようなことを消費者の側から言えない状況も多いのではないかと思います。民主党案では、「消費者の私生活又は業務の平穏を害し困惑させることその他消費者が合理的に判断することを妨げること。」も取り消し要件にしております。
消費者の側も契約に対して意識改革を行うこと、言ってみればノーと言える消費者になることも当然必要だと思いますが、現時点ではまだ残念ながらそのような土壌は育っておりません。また、事業者側は、法のすき間を縫って消費者が退去の意思を表明できないような販売方法も考え出すことが予想されます。
消費者を困惑または威迫させる行為に対して政府はどのような救済策をお考えになっているのでしょうか。
次に、情報不提供による取り消しについて伺います。
民主党案では、重要な事項について、正当な理由がある場合を除き、消費者が理解できる程度に情報を提供しない場合、取り消しできるとして立証責任を事業者の側に置いています。政府案では、重要事項につき消費者の利益となる旨を告げ、かつ不利益事実を故意に告げなかったことにより消費者が誤認した場合、取り消しできるとしてありますが、この立証責任は消費者にあります。
大臣は、消費者にとって立証責任は著しく困難ではないと衆議院本会議で答弁なさっておられますが、情報の質量、交渉力に格差がある消費者が故意かどうかを立証するのは決して容易ではありません。本当は故意であるのに、うっかり説明し忘れたとする事業者に対し、消費者は故意であることをどのように立証できるのか、大臣のさらなる見解を伺います。
次に、不意打ち条項について伺います。
民主党案では、契約条項のうち、その類型、交渉の経緯が社会通念上異常であるため、その存在を一般消費者が予測できないと認められる場合は無効としておりますが、政府案にはその規定がありません。
例えば、膨大な分量の契約書に小さな字で書かれていたことが契約の重要事項で、事業者がうっかり説明し忘れたとします。このようなケースでも、契約書を端から端まできちんと読まなかった消費者に責任があるのでしょうか。そうであれば、悪意の事業者は今後そのような契約の方法をどんどんとっていくのではないでしょうか。
読売新聞がことし二月十九、二十日に実施した消費者問題に関する世論調査では、契約内容をすべて読む人は二四・四%となっております。これは消費者の側の問題でもありますが、詳細な契約条項をすべてきちんと読んで理解することを消費者に求めることは酷な話です。また、苦情を全く申し出ない人も一七%に上り、それは申し出ても解決しないと思っているなど、権利の主張に消極的な姿勢があらわれています。
政府自身が業者に甘く、消費者の権利に厳しいと言われる現状では、人々の意識も低くとどまるのかもしれません。これについては子供のうちからきちんとした消費者教育が必要だと思いますが、政府として今どのように取り組まれているか、今後の取り組みも含めて文部大臣に伺います。
次は、取り消し権の行使期間の制限についてです。
政府案では、追認時から六カ月、契約締結時から五年を取り消し権の行使期間としておりますが、実際に被害を受けた人は、それに気づいてから迷った末にようやく相談に行くケースが多いのが実情です。相談に行くまでに六カ月が過ぎてしまうことも少なくないでしょう。民主党案では追認時から三年、契約締結時から十年と規定しております。大臣は民法の考え方をそのまま採用したとおっしゃっていますが、民法が規定された百二年前と現在とでは状況が大きく異なるのではないでしょうか。改めて根拠を伺いたいと思います。
次は、見直し条項についてです。
消費者をめぐるこれまでのトラブルを振り返りますと、訪問販売法や割賦販売法など個別の法律ができても、必ず法のすき間を縫って悪徳商法をしかける事業者が後を絶ちません。今回の消費者契約法も、これまで指摘した点も含め、近い将来必ず見直す必要があると考えます。
長官は、経済社会の変化に応じて法律の見直しを行うのは当然で、あえて見直し規定を置く必要はないと衆議院本会議で答えていらっしゃいますが、見直しを行うのが当然とおっしゃるなら、消費者団体や消費者の実態について実際の相談を通じて最もよく知っている人々の要望どおり、この法案が消費者の権利保護として機能するよう見直し条項を入れるべきだと思いますが、重ねて御所見を伺います。
さて、実効性確保のための施策についても伺います。
この法律を実際に新しいルールとして確立するには、法律の趣旨と具体的な適用事例の徹底が必要です。消費生活センター、国民生活センターの相談件数は毎年増大しており、九八年度で約四十一万件、うち八割の約三十三万件が販売方法、契約・解約に関するトラブルだと言われております。しかし、被害に遭った人の大半がセンターを利用していないのが実情ですし、この法律とセンターのPRがぜひとも必要です。それについてもお答えください。
一つ提案ですが、この法案のPRをし、相談窓口のあることが一般にたとえ知れ渡ったとしても、被害に遭った人が地域の消費生活センターなどに相談をしたとき、今回の消費者契約法で救われるような仕組みがきちんと整っていなければ意味を持ちません。
現在、国民生活センター等では苦情・相談の分類が細かく分かれておりません。今回の消費者契約法の体系と合致しておりません。契約の申し込み、締結、取り消しなど、トラブルの発生段階に応じた苦情処理を行い、どのようなケースのトラブルがこの法案で救われるか、インターネット等を通じて気軽に確認できるような仕組みをつくるべきではないか。センターの項目類型と消費者が情報をすぐ得られるような開示システムの見直しについて、お考えをお聞かせください。
次に、消費生活センターの拡充についてです。
消費生活センターについては、自治体の予算削減で、特に都道府県レベルで縮小・廃止の方向にございます。せっかく法律ができても、その運用を行う現場の体制が充実していないと実効性が担保されません。消費生活センター等に対し経済企画庁としてどのような施策を講ずるおつもりでしょうか。
以上、政府案の問題点を中心に質問いたしましたが、そうはいっても、今回すべての業種を対象に、適用除外を設けなかったこと、不当条項に一般条項が入ったこの法律は高く評価できるものと思います。それだけに運用に当たっては、各地の消費生活センターの拡充を行った上で、レビューをしっかりと行っていただきたいと思っております。
消費者契約法の目指す趣旨が生かされることを心から祈り、私の質問を終わらせていただきます。拍手
〔国務大臣堺屋太一君登壇、拍手〕
堺
堺屋太一#10
○国務大臣(堺屋太一君) 円より子議員にお答え申し上げます。
まず、消費者政策の時代の認識についてのお尋ねがございました。
消費者行政におきましては、従来までの事前規制による消費者の保護から、消費者と事業者との間にある情報力や交渉力の構造的な格差を考慮いたしまして、消費者、事業者に自己責任に基づいた行動を求められるような消費者のためのシステムを構築することが必要になっております。この意味で、これから御審議いただきます消費者契約法案もその重要な柱になるものだと考えております。
また、これからは消費者行政がますます重要になる時代であると認識しておりまして、来年初めの中央省庁再編成後は消費者行政は内閣府の国民生活局に移ることになっておりますが、従来以上にその役割を存分に果たしていきたいと考えております。
また、欧州委員会の消費者行政の見解についてお尋ねがございました。
我が国の消費者政策の重要な柱となる消費者契約法は、消費者の利益の擁護とともに、予見可能性の高いルールができることによって消費者と事業者との間の信頼関係が増し、新たな経済活動や業態の創造が容易となり、活発化するための制度としてとらえております。このように、この法案の立法を含め、我が国の消費者政策は企業の成功と消費者の満足を両立させるものとして考えております。
次に、アメリカのケネディ大統領の四つの権利に関するお尋ねがございました。
これにつきましては、我が国において毎年行われております内閣総理大臣を会長とする消費者保護会議で決定される各般の施策を通じ、これまで実現されてきたものだと認識しております。
また、消費者の権利とは、さまざまなものが挙げられますが、私は自由な選択が行われることが重要になってきていると考えております。こうした考え方に沿い、今回の消費者契約法案は、我が国では初めて消費者を定義し、消費者に具体的、実体的な権利を与える画期的なものであると思っております。
消費者行政につきましては、今後とも消費者と事業者との間にある情報力、交渉力の格差を踏まえた上で、事業者、消費者に自己責任に基づいた行動を求め得るような消費者のためのシステムづくりに一層積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
また、法案修正に対する考えについてのお尋ねがございました。
本法案は、御指摘のごとく、六年間にわたりまして幅広い関係者に御参加いただいた国民生活審議会において御議論の上、得られましたコンセンサスを条文化したものでございますが、本院においても十分な御審議と御理解をお願いしたいと考えている次第でございます。
本法の目的についてのお尋ねがございました。
法案の目的は、消費者と事業者との間に存在する取引に関する構造的な情報の質及び量並びに交渉力の格差に着目し、消費者に自己責任を求めることが適切でない場合のうち、消費者が契約の全部または一部の効力を否定することができるようにする場合を新たに法律で定めることにより、消費者の利益の擁護を図ることとしております。したがいまして、政府案と民主党案とは、その趣旨におきましても、目的におきましても、大差ないものだと考えております。
また、本法案によりトラブルが減少するのかということについてお尋ねがございましたが、本法と同様の民事ルールである製造物責任法の施行後の状況をかんがみますとき、本法が施行されれば消費者トラブルが顕在化すること等により、消費生活センター等に寄せられている苦情・相談件数の一時的に増加することはあり得ると考えております。しかし他方で、消費者契約にかかわるトラブルについて公正かつ円滑な解決が図られるであろうと考えています。
事業者の消費者を困惑または威迫させる行為についてお尋ねがございましたが、政府案においては、これらの行為は契約取り消しの対象となっておりませんが、民法の強迫や訪問販売法等に関する法律のクーリングオフの規定などにより消費者が救済される場合もあると考えております。
政府案第四条第二項の「故意」の立証についてのお尋ねがございました。これは民法の詐欺における相手方を欺こうとする意思よりも程度の弱いものであり、間接事実の積み上げなどによって立証することが考えられると思っております。
いわゆる不意打ち条項についてもお尋ねがございました。議員御指摘のような場面につきましては、本法案第二章における誤認類型や第三章の規定により相当程度カバーできるものと考えております。また、契約条項に関して法律行為の要素に消費者の錯誤があった場合には、民法第九十五条の錯誤の規定により意思表示は無効になります。こうしたことから、我が国の取引やトラブルの実態に照らして、不意打ち条項を規定する実益は乏しいものだと考えております。
消費者の取り消し権の行使期間につきましてのお尋ねもございました。
本法では、追認できる状態になってから六カ月間に取り消しの意思を通知すればよいということになっておりますが、具体的にこの期間をどの程度にするかにつきましては、国民生活審議会において検討が行われまして、学識経験者、消費者、種々の業種の産業界の代表など幅広い関係者の間で得られたコンセンサスどおり、「追認をすることができる時から六箇月間」「当該消費者契約の締結の時から五年」と規定したものであります。
見直し規定についてのお尋ねもございましたが、経済社会の変化に応じて法律の内容を見直すことは当然のことであるため、見直しを法律上規定する特段の必要性はないと考えております。また、あえて見直し規定を置きますれば、現段階においても法律の内容が不適切であるとの印象を国民に与えかねず、適切ではないのではないかと考えております。
最後に、本法案と国民生活センターや消費生活センターのPRについてのお尋ねがございました。
消費者契約法の周知については、消費者契約法の逐条解説書、いわゆるコンメンタールを作成し、説明会の実施、さまざまな関係各界との連携体制の充実で、法の成立後できるだけ速やかにPRを行っていきたいと考えております。また、国民生活センター及び消費生活センターの周知については、五月の消費者月間を通じて積極的に広報活動を行うとともに、さまざまな出版物やインターネット上での情報提供等を利用し、両センターの周知に努めてまいりたいと考えております。
国民生活センターの苦情・相談の項目類型についてお尋ねがありましたが、国民生活センターが有する苦情・相談情報、とりわけ契約に係るトラブルの情報について、一般消費者の参考に資するような公表方式等を検討してまいりたいと思っております。
また、消費者が情報をすぐ得られるような情報開示システムの見直しについてのお尋ねもございましたが、現在、経済企画庁で運営しておりますホームページ「消費者の窓」を充実することにより、消費者が必要な情報をすぐ得られるような体制整備を図ってまいる予定でございます。
消費生活センターについてのお尋ねもございました。
都道府県の消費生活センターのあり方については、各都道府県において自主的に御判断いただくことでございますが、経済企画庁といたしましては、こうした消費生活センター縮小の動きが適切な苦情処理を妨げることがないように地方自治体に要請を行うとともに、今後とも国民生活センターによる研修、情報提供等による支援に努めてまいりたいと考えております。
こうした点で、法律施行の段階で、さまざまな支援、レビュー等をしっかりとやっていきたいと考えている次第でございます。拍手
〔国務大臣中曽根弘文君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →まず、消費者政策の時代の認識についてのお尋ねがございました。
消費者行政におきましては、従来までの事前規制による消費者の保護から、消費者と事業者との間にある情報力や交渉力の構造的な格差を考慮いたしまして、消費者、事業者に自己責任に基づいた行動を求められるような消費者のためのシステムを構築することが必要になっております。この意味で、これから御審議いただきます消費者契約法案もその重要な柱になるものだと考えております。
また、これからは消費者行政がますます重要になる時代であると認識しておりまして、来年初めの中央省庁再編成後は消費者行政は内閣府の国民生活局に移ることになっておりますが、従来以上にその役割を存分に果たしていきたいと考えております。
また、欧州委員会の消費者行政の見解についてお尋ねがございました。
我が国の消費者政策の重要な柱となる消費者契約法は、消費者の利益の擁護とともに、予見可能性の高いルールができることによって消費者と事業者との間の信頼関係が増し、新たな経済活動や業態の創造が容易となり、活発化するための制度としてとらえております。このように、この法案の立法を含め、我が国の消費者政策は企業の成功と消費者の満足を両立させるものとして考えております。
次に、アメリカのケネディ大統領の四つの権利に関するお尋ねがございました。
これにつきましては、我が国において毎年行われております内閣総理大臣を会長とする消費者保護会議で決定される各般の施策を通じ、これまで実現されてきたものだと認識しております。
また、消費者の権利とは、さまざまなものが挙げられますが、私は自由な選択が行われることが重要になってきていると考えております。こうした考え方に沿い、今回の消費者契約法案は、我が国では初めて消費者を定義し、消費者に具体的、実体的な権利を与える画期的なものであると思っております。
消費者行政につきましては、今後とも消費者と事業者との間にある情報力、交渉力の格差を踏まえた上で、事業者、消費者に自己責任に基づいた行動を求め得るような消費者のためのシステムづくりに一層積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
また、法案修正に対する考えについてのお尋ねがございました。
本法案は、御指摘のごとく、六年間にわたりまして幅広い関係者に御参加いただいた国民生活審議会において御議論の上、得られましたコンセンサスを条文化したものでございますが、本院においても十分な御審議と御理解をお願いしたいと考えている次第でございます。
本法の目的についてのお尋ねがございました。
法案の目的は、消費者と事業者との間に存在する取引に関する構造的な情報の質及び量並びに交渉力の格差に着目し、消費者に自己責任を求めることが適切でない場合のうち、消費者が契約の全部または一部の効力を否定することができるようにする場合を新たに法律で定めることにより、消費者の利益の擁護を図ることとしております。したがいまして、政府案と民主党案とは、その趣旨におきましても、目的におきましても、大差ないものだと考えております。
また、本法案によりトラブルが減少するのかということについてお尋ねがございましたが、本法と同様の民事ルールである製造物責任法の施行後の状況をかんがみますとき、本法が施行されれば消費者トラブルが顕在化すること等により、消費生活センター等に寄せられている苦情・相談件数の一時的に増加することはあり得ると考えております。しかし他方で、消費者契約にかかわるトラブルについて公正かつ円滑な解決が図られるであろうと考えています。
事業者の消費者を困惑または威迫させる行為についてお尋ねがございましたが、政府案においては、これらの行為は契約取り消しの対象となっておりませんが、民法の強迫や訪問販売法等に関する法律のクーリングオフの規定などにより消費者が救済される場合もあると考えております。
政府案第四条第二項の「故意」の立証についてのお尋ねがございました。これは民法の詐欺における相手方を欺こうとする意思よりも程度の弱いものであり、間接事実の積み上げなどによって立証することが考えられると思っております。
いわゆる不意打ち条項についてもお尋ねがございました。議員御指摘のような場面につきましては、本法案第二章における誤認類型や第三章の規定により相当程度カバーできるものと考えております。また、契約条項に関して法律行為の要素に消費者の錯誤があった場合には、民法第九十五条の錯誤の規定により意思表示は無効になります。こうしたことから、我が国の取引やトラブルの実態に照らして、不意打ち条項を規定する実益は乏しいものだと考えております。
消費者の取り消し権の行使期間につきましてのお尋ねもございました。
本法では、追認できる状態になってから六カ月間に取り消しの意思を通知すればよいということになっておりますが、具体的にこの期間をどの程度にするかにつきましては、国民生活審議会において検討が行われまして、学識経験者、消費者、種々の業種の産業界の代表など幅広い関係者の間で得られたコンセンサスどおり、「追認をすることができる時から六箇月間」「当該消費者契約の締結の時から五年」と規定したものであります。
見直し規定についてのお尋ねもございましたが、経済社会の変化に応じて法律の内容を見直すことは当然のことであるため、見直しを法律上規定する特段の必要性はないと考えております。また、あえて見直し規定を置きますれば、現段階においても法律の内容が不適切であるとの印象を国民に与えかねず、適切ではないのではないかと考えております。
最後に、本法案と国民生活センターや消費生活センターのPRについてのお尋ねがございました。
消費者契約法の周知については、消費者契約法の逐条解説書、いわゆるコンメンタールを作成し、説明会の実施、さまざまな関係各界との連携体制の充実で、法の成立後できるだけ速やかにPRを行っていきたいと考えております。また、国民生活センター及び消費生活センターの周知については、五月の消費者月間を通じて積極的に広報活動を行うとともに、さまざまな出版物やインターネット上での情報提供等を利用し、両センターの周知に努めてまいりたいと考えております。
国民生活センターの苦情・相談の項目類型についてお尋ねがありましたが、国民生活センターが有する苦情・相談情報、とりわけ契約に係るトラブルの情報について、一般消費者の参考に資するような公表方式等を検討してまいりたいと思っております。
また、消費者が情報をすぐ得られるような情報開示システムの見直しについてのお尋ねもございましたが、現在、経済企画庁で運営しておりますホームページ「消費者の窓」を充実することにより、消費者が必要な情報をすぐ得られるような体制整備を図ってまいる予定でございます。
消費生活センターについてのお尋ねもございました。
都道府県の消費生活センターのあり方については、各都道府県において自主的に御判断いただくことでございますが、経済企画庁といたしましては、こうした消費生活センター縮小の動きが適切な苦情処理を妨げることがないように地方自治体に要請を行うとともに、今後とも国民生活センターによる研修、情報提供等による支援に努めてまいりたいと考えております。
こうした点で、法律施行の段階で、さまざまな支援、レビュー等をしっかりとやっていきたいと考えている次第でございます。拍手
〔国務大臣中曽根弘文君登壇、拍手〕
中
中曽根弘文#11
○国務大臣(中曽根弘文君) 円より子議員にお答えをいたします。
消費者教育についてのお尋ねでありますが、消費者として正しい態度や知識を身につけることは、学校教育における重要な課題でございます。
このため、従来から、小中高等学校を通じ、社会科や家庭科などにおいて児童生徒の発達段階に応じた適切な指導が行われております。
さらに、新しい学習指導要領におきましては、例えば、中学校では、技術・家庭科において販売方法の特徴と消費者保護について知り、生活に必要な物質、サービスの適切な選択、購入また活用ができるようにすること。また、高等学校では、家庭科におきまして問題の発生しやすい販売方法などを具体的に扱い、消費者の権利と責任について理解し、消費者として主体的に判断できるようにすることなどについて指導するよう充実を図ったところであります。
今後とも消費者教育が各学校において適切に行われるよう努めてまいります。拍手
─────────────
この発言だけを見る →消費者教育についてのお尋ねでありますが、消費者として正しい態度や知識を身につけることは、学校教育における重要な課題でございます。
このため、従来から、小中高等学校を通じ、社会科や家庭科などにおいて児童生徒の発達段階に応じた適切な指導が行われております。
さらに、新しい学習指導要領におきましては、例えば、中学校では、技術・家庭科において販売方法の特徴と消費者保護について知り、生活に必要な物質、サービスの適切な選択、購入また活用ができるようにすること。また、高等学校では、家庭科におきまして問題の発生しやすい販売方法などを具体的に扱い、消費者の権利と責任について理解し、消費者として主体的に判断できるようにすることなどについて指導するよう充実を図ったところであります。
今後とも消費者教育が各学校において適切に行われるよう努めてまいります。拍手
─────────────
斎
西
西山登紀子#13
○西山登紀子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました消費者契約法案について、経済企画庁長官に質問いたします。
我が国の消費者をめぐるトラブルは多発しております。国民生活センターに寄せられた九八年の苦情・相談件数は約六十三万件で、八〇年当時の三・二倍に増加し、その九三%が消費者契約のトラブルで占められています。しかも、消費生活センターに相談するのはトラブルに遭った人の二%程度と言われており、実際の被害はもっと膨大です。これは、従来の政府の消費者行政ではもはや対応できなくなっていることを示しています。
こうしたもとで、日本共産党は、事業者と消費者の間で情報や交渉力などで歴然とした格差があることを踏まえ、消費者の利益を守り、安心して消費生活が営めるルールを確立することは、今日、重要な課題になっていると考えます。
同時に、そのことは、リストラ、下請いじめなど大企業の身勝手な活動から、労働者の生活と権利、中小企業を守るルールの確立とともに、日本経済の民主的発展にとって不可欠な課題であります。
以下、このような立場から本法案の内容についてお尋ねいたします。
まず第一に、事業者の情報提供義務についてです。
本法案は、目的に、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差にかんがみ、消費者の利益の擁護を図るとしています。ところが、事業者には単なる努力規定だけで、情報提供義務が明記されておりません。消費者と事業者の間に格差を認めているのですから、事業者にその情報提供を義務とするのは当然ではありませんか。
情報提供の大切さは、四月からスタートした介護保険の場合を例にとればはっきりします。
今まで行政サービスで行われていた介護サービスの一つ一つに事業者との契約が必要になってきます。介護を受ける側に親切でわかりやすい説明と契約どおりのサービスの提供が行われないと、お年寄りもその家族も安心して事業者を選ぶことができません。もしトラブルが発生したとき、御本人はもとより、お年寄りを抱えた家族がその紛争を解決するための裁判を起こすのは大変です。また、契約を取り消し、別の事業者に依頼できるまで待っている余裕もありません。
このように、消費者が契約するには情報の提供は重要なことであり、それを裏切らない事業者になってこそ、健全な取引ルールと言えるのではないでしょうか。
フランス、ドイツ、イギリス、米国等においては、それぞれの国の事情に違いはありますが、法律で事業者の情報提供義務が消費者契約ルールとして確立しています。日本の事業者にもこうした情報提供に対する責任を明確にするべきではありませんか。世界のこのような流れがあるのに、なぜ本法案では義務としなかったのでしょうか。明快な答弁を求めます。
さらに、法案が、事業者の情報提供義務は免除する一方で、消費者には提供された情報を理解せよとしていることは本末転倒ではありませんか。消費者の理解の努力を求めるこのような規定は削除すべきと考えます。答弁を求めます。
第二に、消費者が契約を取り消すことができる場合についてです。
本法案では、事業者が消費者に対して事実と違うことを告げた場合、またこの絵は必ず値が上がりますなど将来に対する断定的な判断をした場合、また消費者に不利益な事実を提供しなかった場合の三つの場合について契約を取り消すことができると決めています。
しかし、問題は、その対象を商品・サービスの内容と契約条件に限定していることです。なぜ限定する必要があるのでしょうか。これでは、例えば事業者が水道水を検査し、お宅の水道水は発がん性があるとうそをついて浄水器を売りつけたケースなどは対象となりません。
このように、消費者が契約を決める決定的な要因となった事柄であっても、それが商品の内容や取引条件でない場合は取り消しの対象とならないのは問題です。こうした点も含め、取り消しの要件は実際の消費者契約の実態に合った広いものにすべきと考えます。答弁を求めます。
さらに問題は、政府案では、不利益なことを告げなかった場合の取り消しは故意に限定していることです。故意かどうか消費者が立証することは困難であり、この規定は削除するべきです。
また、事業者に禁止される不当な勧誘行為が、帰ってほしいと言ったのに帰らない不退去と、帰らせてほしいと意思表示したのに帰らせてくれない監禁の二つに限定されているのも問題です。どうして消費者を戸惑わせるその他の行為は含まれないのでしょうか。これでは、目的を隠して接近し親しくなって商品を買わせる恋人商法や、職場に長電話をかけて困らせるなどの行為は対象とならないではありませんか。
第三に、無効となる契約の条項についてお尋ねいたします。
本法案は、契約書の中に事業者の損害賠償責任の免除、不当な違約金や超過利息を求める条項が含まれる場合にはその条項が無効になることを定めています。加えて、それ以外にも、消費者の利益を一方的に害する条項を広く取り消しの対象にしています。これは、消費者団体、弁護士の皆さんが強く期待していたもので、積極的な規定と言えます。
しかし、相談員の方からは、どういう条項がそれに該当するのかすぐにわかるよう法律に列挙してほしいとの強い要望が上がっています。日弁連が提案しているように、ブラックリストとグレーリストとして示すべきではありませんか。
第四に取り消しの時効についてです。
契約の取り消し権が行使できるのは、不当な勧誘を受けたと気づいたときから六カ月となっています。日弁連の最新の一一〇番調査からも、相談に来たときには既に六カ月を超え、一年以上が多いというのが実情です。取引の安定性を考慮したとしても、せめて三年とすることが妥当と考えます。答弁を求めます。
第五に、消費者団体による約款の差しとめ請求についてお尋ねいたします。
無効となることを判断された不当な契約条項が、別の地域や、また別の事業者によって使用されていたのでは消費者被害の広がりをとめることはできません。消費者の権利擁護のために日夜奮闘されている消費者団体に不当約款に差しとめ請求権を認めることは、この法の目的からも必要と考えます。大臣のお考えを伺います。
最後に、消費者契約法が実効性を持つためには、国民生活センター、消費生活センターを初め、裁判外紛争処理機関の体制強化が必要であります。
悪質な事業者に対抗するには個人では限界があります。いつでも相談できる窓口が近くにあることは、消費者の利益を守る上で大変重要です。しかし、地域の相談員は臨時や期間採用の待遇が多く、相談窓口も毎日開設している行政はわずかです。ボランティアで日曜電話相談などを開設して消費者の相談を受けているのが実態です。このような状態を改善し、政府として責任の持てる体制を確保することが重要と考えます。大臣の見解を求めます。
我が党は、消費者の皆さんの期待にこたえ、消費者の権利の確立という立場から、消費者契約法がただいま提起したことを含む実効性のある法律となるよう、他会派の皆さんとも共同して取り組むことを述べて、質問を終わります。拍手
〔国務大臣堺屋太一君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →我が国の消費者をめぐるトラブルは多発しております。国民生活センターに寄せられた九八年の苦情・相談件数は約六十三万件で、八〇年当時の三・二倍に増加し、その九三%が消費者契約のトラブルで占められています。しかも、消費生活センターに相談するのはトラブルに遭った人の二%程度と言われており、実際の被害はもっと膨大です。これは、従来の政府の消費者行政ではもはや対応できなくなっていることを示しています。
こうしたもとで、日本共産党は、事業者と消費者の間で情報や交渉力などで歴然とした格差があることを踏まえ、消費者の利益を守り、安心して消費生活が営めるルールを確立することは、今日、重要な課題になっていると考えます。
同時に、そのことは、リストラ、下請いじめなど大企業の身勝手な活動から、労働者の生活と権利、中小企業を守るルールの確立とともに、日本経済の民主的発展にとって不可欠な課題であります。
以下、このような立場から本法案の内容についてお尋ねいたします。
まず第一に、事業者の情報提供義務についてです。
本法案は、目的に、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差にかんがみ、消費者の利益の擁護を図るとしています。ところが、事業者には単なる努力規定だけで、情報提供義務が明記されておりません。消費者と事業者の間に格差を認めているのですから、事業者にその情報提供を義務とするのは当然ではありませんか。
情報提供の大切さは、四月からスタートした介護保険の場合を例にとればはっきりします。
今まで行政サービスで行われていた介護サービスの一つ一つに事業者との契約が必要になってきます。介護を受ける側に親切でわかりやすい説明と契約どおりのサービスの提供が行われないと、お年寄りもその家族も安心して事業者を選ぶことができません。もしトラブルが発生したとき、御本人はもとより、お年寄りを抱えた家族がその紛争を解決するための裁判を起こすのは大変です。また、契約を取り消し、別の事業者に依頼できるまで待っている余裕もありません。
このように、消費者が契約するには情報の提供は重要なことであり、それを裏切らない事業者になってこそ、健全な取引ルールと言えるのではないでしょうか。
フランス、ドイツ、イギリス、米国等においては、それぞれの国の事情に違いはありますが、法律で事業者の情報提供義務が消費者契約ルールとして確立しています。日本の事業者にもこうした情報提供に対する責任を明確にするべきではありませんか。世界のこのような流れがあるのに、なぜ本法案では義務としなかったのでしょうか。明快な答弁を求めます。
さらに、法案が、事業者の情報提供義務は免除する一方で、消費者には提供された情報を理解せよとしていることは本末転倒ではありませんか。消費者の理解の努力を求めるこのような規定は削除すべきと考えます。答弁を求めます。
第二に、消費者が契約を取り消すことができる場合についてです。
本法案では、事業者が消費者に対して事実と違うことを告げた場合、またこの絵は必ず値が上がりますなど将来に対する断定的な判断をした場合、また消費者に不利益な事実を提供しなかった場合の三つの場合について契約を取り消すことができると決めています。
しかし、問題は、その対象を商品・サービスの内容と契約条件に限定していることです。なぜ限定する必要があるのでしょうか。これでは、例えば事業者が水道水を検査し、お宅の水道水は発がん性があるとうそをついて浄水器を売りつけたケースなどは対象となりません。
このように、消費者が契約を決める決定的な要因となった事柄であっても、それが商品の内容や取引条件でない場合は取り消しの対象とならないのは問題です。こうした点も含め、取り消しの要件は実際の消費者契約の実態に合った広いものにすべきと考えます。答弁を求めます。
さらに問題は、政府案では、不利益なことを告げなかった場合の取り消しは故意に限定していることです。故意かどうか消費者が立証することは困難であり、この規定は削除するべきです。
また、事業者に禁止される不当な勧誘行為が、帰ってほしいと言ったのに帰らない不退去と、帰らせてほしいと意思表示したのに帰らせてくれない監禁の二つに限定されているのも問題です。どうして消費者を戸惑わせるその他の行為は含まれないのでしょうか。これでは、目的を隠して接近し親しくなって商品を買わせる恋人商法や、職場に長電話をかけて困らせるなどの行為は対象とならないではありませんか。
第三に、無効となる契約の条項についてお尋ねいたします。
本法案は、契約書の中に事業者の損害賠償責任の免除、不当な違約金や超過利息を求める条項が含まれる場合にはその条項が無効になることを定めています。加えて、それ以外にも、消費者の利益を一方的に害する条項を広く取り消しの対象にしています。これは、消費者団体、弁護士の皆さんが強く期待していたもので、積極的な規定と言えます。
しかし、相談員の方からは、どういう条項がそれに該当するのかすぐにわかるよう法律に列挙してほしいとの強い要望が上がっています。日弁連が提案しているように、ブラックリストとグレーリストとして示すべきではありませんか。
第四に取り消しの時効についてです。
契約の取り消し権が行使できるのは、不当な勧誘を受けたと気づいたときから六カ月となっています。日弁連の最新の一一〇番調査からも、相談に来たときには既に六カ月を超え、一年以上が多いというのが実情です。取引の安定性を考慮したとしても、せめて三年とすることが妥当と考えます。答弁を求めます。
第五に、消費者団体による約款の差しとめ請求についてお尋ねいたします。
無効となることを判断された不当な契約条項が、別の地域や、また別の事業者によって使用されていたのでは消費者被害の広がりをとめることはできません。消費者の権利擁護のために日夜奮闘されている消費者団体に不当約款に差しとめ請求権を認めることは、この法の目的からも必要と考えます。大臣のお考えを伺います。
最後に、消費者契約法が実効性を持つためには、国民生活センター、消費生活センターを初め、裁判外紛争処理機関の体制強化が必要であります。
悪質な事業者に対抗するには個人では限界があります。いつでも相談できる窓口が近くにあることは、消費者の利益を守る上で大変重要です。しかし、地域の相談員は臨時や期間採用の待遇が多く、相談窓口も毎日開設している行政はわずかです。ボランティアで日曜電話相談などを開設して消費者の相談を受けているのが実態です。このような状態を改善し、政府として責任の持てる体制を確保することが重要と考えます。大臣の見解を求めます。
我が党は、消費者の皆さんの期待にこたえ、消費者の権利の確立という立場から、消費者契約法がただいま提起したことを含む実効性のある法律となるよう、他会派の皆さんとも共同して取り組むことを述べて、質問を終わります。拍手
〔国務大臣堺屋太一君登壇、拍手〕
堺
堺屋太一#14
○国務大臣(堺屋太一君) 西山登紀子議員にお答えいたします。
事業者の情報提供についてお尋ねがございました。
消費者契約法のようなあらゆる事業分野を対象とする包括的な民事ルールにおいて、情報提供を義務として情報の不提供に取り消し等の私法的な効果を発生させた場合には、個別事業分野にとっては抽象度が高いために、事業者にとって予見可能性を欠き、健全なビジネスの発展を阻害しかねない結果になりかねません。
なお、外国の消費者契約法制度等を見ましても、情報の不提供の場合に契約の取り消しを法律として定めている例があることは承知しておりません。
次に、消費者の努力義務についてのお尋ねがございました。
事業者と消費者との間には情報格差あるいは交渉力の格差がございますが、事業者に情報提供努力を求める反面、消費者にも事業者から提供された情報を活用し、その契約内容を理解する努力をしていただきたい。このことによって消費者の十分に合理的な意思決定を可能とし、もって消費者契約における消費者の利益の擁護を図るものであり、これは必要な規定だと考えております。
重要事項の内容を検討したことについてのお尋ねがございましたが、これは法的安定性、予見可能性を高め、また本法律案の重要事項が取り消しという強い効果を与える要件であることとのバランスをとるという観点から適切な内容のものと考えております。
第四条第二項の「故意」についてのお尋ねもございましたが、これは民法の詐欺における相手方をだまそうとする意思よりも程度の弱いものでございますので、消費者にとってこれを立証することは民法の詐欺に比べると容易であると考えております。
また、重要事項は実態に合ったものにすべきではないかとのお尋ねがございましたが、先ほども述べましたように、これは法的安定性、予見可能性を高め、また本法律案の重要事項が取り消しという強い効果を与える要件であることとのバランスを考えますと、適切な内容になっていると考えております。
なお、点検商法などについては、訪問販売等に関する法律のクーリングオフや民法の詐欺の規定などにより消費者が救済される場合もあると考えております。
威迫、困惑など消費者を戸惑わせるその他の行為についてのお尋ねがございましたが、これらの行為の意義が必ずしも明確でないことなどから、これらの行為を契約取り消しの対象とすることは取引の安全の確保等にかんがみ適切ではないと考えております。
無効とすべき契約条項についてのお尋ねがございました。
これについては、トラブルの実態を踏まえ、国民生活審議会で検討を行って得られたコンセンサスに基づいて規定したものでございます。
また、第十条の規定により、任意規定に反し、信義則に反する程度に消費者の利益を一方的に害する条項は広く無効とするため、無効とすべき契約条項は本法第八条から第十条までに定める規定で十分であると考えております。
取り消し権の行使期間についてのお尋ねがございました。これは具体的にどの程度にすべきかにつきましては、国民生活審議会において検討を行い、学識経験者、消費者、さまざまな業種の産業界の代表など幅広い関係者の間で得られたコンセンサスでございまして、追認することができるときから六カ月と規定しております。取り消し権の行使期間としてはこれで適切なものと考えております。
消費者団体による差しとめ請求権についてのお尋ねがございました。
消費者団体による差しとめ請求権につきましては、今後、我が国の司法制度改革の流れを踏まえた上で十分な検討を行う必要があると考えております。
最後に、事業者への行政指導の強化についてお尋ねがございました。
現在、政府は公正かつ自由な経済社会を実現するために市場メカニズムを積極的に活用するとの観点から広範な分野で規制緩和を推進しており、これに伴って行政の基本が事前規制型から市場ルールに基づく事後チェック型へと転換が求められております。したがって、消費者政策においてもこれと整合的な施策の実施が求められており、御指摘のように行政指導の強化はなじまないものと考えております。
裁判外紛争処理機関の体制強化充実についてのお尋ねがございましたが、各都道府県の消費生活センター等の裁判外紛争処理機関に対しましては、国民生活センターを通じた情報提供や消費生活相談員に対する研修等により、その体制の強化充実を支援していきたいと考えております。
また、平成十二年度の予算におきまして、消費生活センターや弁護士会等との消費者契約被害救済のための連携費用をお認めいただいたところであり、この体制の構築に取り組んでまいりたいと考えております。拍手
─────────────
この発言だけを見る →事業者の情報提供についてお尋ねがございました。
消費者契約法のようなあらゆる事業分野を対象とする包括的な民事ルールにおいて、情報提供を義務として情報の不提供に取り消し等の私法的な効果を発生させた場合には、個別事業分野にとっては抽象度が高いために、事業者にとって予見可能性を欠き、健全なビジネスの発展を阻害しかねない結果になりかねません。
なお、外国の消費者契約法制度等を見ましても、情報の不提供の場合に契約の取り消しを法律として定めている例があることは承知しておりません。
次に、消費者の努力義務についてのお尋ねがございました。
事業者と消費者との間には情報格差あるいは交渉力の格差がございますが、事業者に情報提供努力を求める反面、消費者にも事業者から提供された情報を活用し、その契約内容を理解する努力をしていただきたい。このことによって消費者の十分に合理的な意思決定を可能とし、もって消費者契約における消費者の利益の擁護を図るものであり、これは必要な規定だと考えております。
重要事項の内容を検討したことについてのお尋ねがございましたが、これは法的安定性、予見可能性を高め、また本法律案の重要事項が取り消しという強い効果を与える要件であることとのバランスをとるという観点から適切な内容のものと考えております。
第四条第二項の「故意」についてのお尋ねもございましたが、これは民法の詐欺における相手方をだまそうとする意思よりも程度の弱いものでございますので、消費者にとってこれを立証することは民法の詐欺に比べると容易であると考えております。
また、重要事項は実態に合ったものにすべきではないかとのお尋ねがございましたが、先ほども述べましたように、これは法的安定性、予見可能性を高め、また本法律案の重要事項が取り消しという強い効果を与える要件であることとのバランスを考えますと、適切な内容になっていると考えております。
なお、点検商法などについては、訪問販売等に関する法律のクーリングオフや民法の詐欺の規定などにより消費者が救済される場合もあると考えております。
威迫、困惑など消費者を戸惑わせるその他の行為についてのお尋ねがございましたが、これらの行為の意義が必ずしも明確でないことなどから、これらの行為を契約取り消しの対象とすることは取引の安全の確保等にかんがみ適切ではないと考えております。
無効とすべき契約条項についてのお尋ねがございました。
これについては、トラブルの実態を踏まえ、国民生活審議会で検討を行って得られたコンセンサスに基づいて規定したものでございます。
また、第十条の規定により、任意規定に反し、信義則に反する程度に消費者の利益を一方的に害する条項は広く無効とするため、無効とすべき契約条項は本法第八条から第十条までに定める規定で十分であると考えております。
取り消し権の行使期間についてのお尋ねがございました。これは具体的にどの程度にすべきかにつきましては、国民生活審議会において検討を行い、学識経験者、消費者、さまざまな業種の産業界の代表など幅広い関係者の間で得られたコンセンサスでございまして、追認することができるときから六カ月と規定しております。取り消し権の行使期間としてはこれで適切なものと考えております。
消費者団体による差しとめ請求権についてのお尋ねがございました。
消費者団体による差しとめ請求権につきましては、今後、我が国の司法制度改革の流れを踏まえた上で十分な検討を行う必要があると考えております。
最後に、事業者への行政指導の強化についてお尋ねがございました。
現在、政府は公正かつ自由な経済社会を実現するために市場メカニズムを積極的に活用するとの観点から広範な分野で規制緩和を推進しており、これに伴って行政の基本が事前規制型から市場ルールに基づく事後チェック型へと転換が求められております。したがって、消費者政策においてもこれと整合的な施策の実施が求められており、御指摘のように行政指導の強化はなじまないものと考えております。
裁判外紛争処理機関の体制強化充実についてのお尋ねがございましたが、各都道府県の消費生活センター等の裁判外紛争処理機関に対しましては、国民生活センターを通じた情報提供や消費生活相談員に対する研修等により、その体制の強化充実を支援していきたいと考えております。
また、平成十二年度の予算におきまして、消費生活センターや弁護士会等との消費者契約被害救済のための連携費用をお認めいただいたところであり、この体制の構築に取り組んでまいりたいと考えております。拍手
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斎
福
福島瑞穂#16
○福島瑞穂君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、ただいま議題となりました消費者契約法について質問いたします。
民法が制定されて百年以上経過をしました。民法が前提としている対等な個人間の契約の前提となっている環境も一部において激変しました。情報を持つ事業者と情報を持たない圧倒的に多くの消費者に二分されるという事態が出現しております。商品やサービスについての情報を独占し流通過程にアクセスすることのできる事業者と一個人としての消費者とでは、契約の段階において情報力や交渉力において極めて大きな格差があります。
民法のみでは消費者は救済されないという事態が生じています。民法の特別法である消費者契約法の成立が待たれたゆえんです。その意味で、消費者契約法案の上程を歓迎するものです。
ただし、法案の多くの内容についてはさまざまな疑問があり、質問をいたします。すべて経済企画庁長官にお尋ねします。
第一に、この消費者契約法案と最近提出された金融商品の販売等に関する法律案との関係はどうなるのでしょうか。郵貯や簡保、そしてリスクの大きい先物取引はなぜか消費者契約法の対象となり、共済は金融商品の販売等に関する法律の対象となるとされています。
ところで、消費者契約法とは、消費者が契約の全部または一部の効力を否定することができるようにする場合を新たに法律で定めるものであるのに対し、金融商品の販売等に関する法律は、契約の効力を否定せず説明義務違反に対する損害賠償責任を課すもので、法律の効果が全く異なります。
しかるに、一般の消費者にとって自分のケースが果たしてどちらの法律によるのか、なかなか判断できないと考えます。
行政縦割りの中でこのように全く異なる法律が二つ出たのではないでしょうか。しかし、これでは国民には難し過ぎて混乱するのではないでしょうか。
第二に、説明義務について質問します。
第三条一項の事業者の説明義務について、これは事業者への法的義務ではないと経済企画庁長官は答えていますが、これまで裁判で認められてきた水準をいささかでも軽減するものではないと言えるでしょうか。消費者契約法制定の背景にある情報力の格差を考えれば、事業者の説明義務は法的義務とすべきではないでしょうか。
事業者の情報提供努力義務と消費者の理解努力の間には程度の差があるのですか。対等なのでしょうか。もし、この二つの努力義務が対等であるとすれば、消費者契約法案が事業者と消費者の構造的な格差ゆえに提案されたことと矛盾しないでしょうか。
第三に、四条二項に、事業者が重要事項または重要事項に関連する事項について、消費者の利益になる旨を告げ、かつ消費者の不利益となる事実を故意に告げずとありますが、故意を消費者が立証することは著しく困難と考えます。立証責任の軽減の方法、転換など何か考えていますか。
第四に、第四条三項では、退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず退去しない、退去したい旨の意思を示したにもかかわらず退去させないことだけになっています。被害が多くある電話での執拗な勧誘や、家族や本人に対する心身の不安をあおったような行為などは救済されるのでしょうか。
第五に、表示をしただけでは勧誘行為がないのでしょうか。勧誘行為がない場合は消費者契約法の対象にならないと長官は回答していますが、勧誘行為は不可欠の要件でしょうか。インターネットを通じた取引は消費者契約法の対象になるのでしょうか。
第六に、本法の施行状況がどのようになっているかや、電子商取引など新しい商品・サービスの参入等を考えると、施行状況を検証し、施行後も発生している消費者被害の防止の観点から、法案の将来的な見直しが必要だと考えますが、どうでしょうか。
先ほど長官は、見直し規定を置くと国民はこの法律に欠陥があると考えるのではないかとおっしゃいました。しかし、変化の激しい契約の世界において見直しは必要であり、見直し規定の存在はこの法律の価値をいささかも減ずるものではないと考えます。
第七に、実効性の確保の観点からすると、消費生活センター、国民生活センターの強化充実は欠かせないと考えますが、センターの縮小が言われている中で、実効化策を具体的に検討していますか。
最後に、契約によって三万円、五万円、十万円、二十万円という貴重なお金を失ったとしても、個人で裁判費用や弁護士費用を払って裁判に訴えようとする人は少ないと思います。割に合わないからです。訴えられないことを見越して、数多くの人をだまし暴利をむさぼっている悪質な業者もいます。だからこそ、消費者団体に団体訴権を付与することが必要だと考えますが、いかがでしょうか。諸外国には例もありますし、要件を絞ればそれは可能です。また、消費者被害の未然防止などの観点から、消費者団体に差しとめ請求権の付与を検討するお考えはありますか。
以上、お尋ねいたします。拍手
〔国務大臣堺屋太一君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →民法が制定されて百年以上経過をしました。民法が前提としている対等な個人間の契約の前提となっている環境も一部において激変しました。情報を持つ事業者と情報を持たない圧倒的に多くの消費者に二分されるという事態が出現しております。商品やサービスについての情報を独占し流通過程にアクセスすることのできる事業者と一個人としての消費者とでは、契約の段階において情報力や交渉力において極めて大きな格差があります。
民法のみでは消費者は救済されないという事態が生じています。民法の特別法である消費者契約法の成立が待たれたゆえんです。その意味で、消費者契約法案の上程を歓迎するものです。
ただし、法案の多くの内容についてはさまざまな疑問があり、質問をいたします。すべて経済企画庁長官にお尋ねします。
第一に、この消費者契約法案と最近提出された金融商品の販売等に関する法律案との関係はどうなるのでしょうか。郵貯や簡保、そしてリスクの大きい先物取引はなぜか消費者契約法の対象となり、共済は金融商品の販売等に関する法律の対象となるとされています。
ところで、消費者契約法とは、消費者が契約の全部または一部の効力を否定することができるようにする場合を新たに法律で定めるものであるのに対し、金融商品の販売等に関する法律は、契約の効力を否定せず説明義務違反に対する損害賠償責任を課すもので、法律の効果が全く異なります。
しかるに、一般の消費者にとって自分のケースが果たしてどちらの法律によるのか、なかなか判断できないと考えます。
行政縦割りの中でこのように全く異なる法律が二つ出たのではないでしょうか。しかし、これでは国民には難し過ぎて混乱するのではないでしょうか。
第二に、説明義務について質問します。
第三条一項の事業者の説明義務について、これは事業者への法的義務ではないと経済企画庁長官は答えていますが、これまで裁判で認められてきた水準をいささかでも軽減するものではないと言えるでしょうか。消費者契約法制定の背景にある情報力の格差を考えれば、事業者の説明義務は法的義務とすべきではないでしょうか。
事業者の情報提供努力義務と消費者の理解努力の間には程度の差があるのですか。対等なのでしょうか。もし、この二つの努力義務が対等であるとすれば、消費者契約法案が事業者と消費者の構造的な格差ゆえに提案されたことと矛盾しないでしょうか。
第三に、四条二項に、事業者が重要事項または重要事項に関連する事項について、消費者の利益になる旨を告げ、かつ消費者の不利益となる事実を故意に告げずとありますが、故意を消費者が立証することは著しく困難と考えます。立証責任の軽減の方法、転換など何か考えていますか。
第四に、第四条三項では、退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず退去しない、退去したい旨の意思を示したにもかかわらず退去させないことだけになっています。被害が多くある電話での執拗な勧誘や、家族や本人に対する心身の不安をあおったような行為などは救済されるのでしょうか。
第五に、表示をしただけでは勧誘行為がないのでしょうか。勧誘行為がない場合は消費者契約法の対象にならないと長官は回答していますが、勧誘行為は不可欠の要件でしょうか。インターネットを通じた取引は消費者契約法の対象になるのでしょうか。
第六に、本法の施行状況がどのようになっているかや、電子商取引など新しい商品・サービスの参入等を考えると、施行状況を検証し、施行後も発生している消費者被害の防止の観点から、法案の将来的な見直しが必要だと考えますが、どうでしょうか。
先ほど長官は、見直し規定を置くと国民はこの法律に欠陥があると考えるのではないかとおっしゃいました。しかし、変化の激しい契約の世界において見直しは必要であり、見直し規定の存在はこの法律の価値をいささかも減ずるものではないと考えます。
第七に、実効性の確保の観点からすると、消費生活センター、国民生活センターの強化充実は欠かせないと考えますが、センターの縮小が言われている中で、実効化策を具体的に検討していますか。
最後に、契約によって三万円、五万円、十万円、二十万円という貴重なお金を失ったとしても、個人で裁判費用や弁護士費用を払って裁判に訴えようとする人は少ないと思います。割に合わないからです。訴えられないことを見越して、数多くの人をだまし暴利をむさぼっている悪質な業者もいます。だからこそ、消費者団体に団体訴権を付与することが必要だと考えますが、いかがでしょうか。諸外国には例もありますし、要件を絞ればそれは可能です。また、消費者被害の未然防止などの観点から、消費者団体に差しとめ請求権の付与を検討するお考えはありますか。
以上、お尋ねいたします。拍手
〔国務大臣堺屋太一君登壇、拍手〕
堺
堺屋太一#17
○国務大臣(堺屋太一君) 福島瑞穂議員にお答えいたします。
まず最初に、金融商品取引等に関する法律と本法との関係についての御質問がございました。
金融商品取引等に関する法律は極めて限られた範囲を対象としておりますのに対して、本法は労働契約を除いてすべてに例外なくかかっております。そういうことから、当然にその仕組みに違いがあり、程度にも違いがあるのは当然だと考えております。今後も、特定の問題があらわれましたときには、特別法が提案されることはあり得ると考えております。
次に、事業者の情報提供についてのお尋ねがございました。
第三条第一項に規定する努力を果たさなかったとしても何らの私法的な効果も発生しないので、情報提供義務違反を理由とする損害賠償請求など、これまで裁判で認められていた事業者の説明義務の水準をいささかも軽減するものではございません。これは、提供義務を書いてございますが、従来のものを軽減するわけではございません。
また、消費者契約法のような、あらゆる事業分野を対象とする包括的な民事ルールにおきましては、情報提供を義務とし、情報の不提供に対して私法的な効果を発生させた場合、個別事業分野にとって抽象度が高いために、事業者にとって予見可能性を欠き、健全なビジネスの発展を阻害する結果になりかねないと考えております。
次に、事業者及び消費者に求められる努力義務の程度についてのお尋ねがございました。
本法案の第三条は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差にかんがみ、事業者には情報を提供する努力を求める一方で、消費者には事業者から提供された情報を理解する努力を求めるのみにとどめており、努力の内容に差を設けているものであります。
また、事業者の努力については「努めなければならない。」と規定しているのに対し、消費者の努力については、努力するものとすると規定することによって、求める努力の程度に、若干消費者の方を弱めているところでございます。
第四条第二項の「故意」についてお尋ねがございましたが、これは民法の詐欺における相手方を欺こうとする意思よりも程度の弱いものであるため、消費者の立証負担が軽減されるものであって、消費者にとってこれを立証することは民法の詐欺に比べると容易になっていると考えております。
事業者の電話による執拗な勧誘や、家族や本人に対する心身の不安をあおるような行為についてお尋ねがありました。
これらの行為については、消費者は必ずしも政府案の規定により救済されることはありませんが、訪問販売等に関する法律のクーリングオフや、民法の強迫・不法行為の規定などにより救済される場合もあると考えております。
第四条の「勧誘」についてお尋ねがございましたが、これは取引の安全の確保にかんがみ要件化したものであります。単なる表示は勧誘に当たりませんが、一方、インターネット取引において、例えば消費者からメールによる問い合わせを受けた事業者が回答の中で不実告知を行った場合には、本法案の規定による取り消しの対象となり得るものと考えております。
本法の施行状況の検証及び法案の将来的な見直しについてお尋ねがございました。
これらにつきましては、地方の消費生活センターや国民生活センターを結ぶオンラインネットワークシステム、いわゆるPIO—NETの活用を通じて情報を正確に収集整理し、こうして得られた情報に基づき適切に対処してまいりたいと考えております。
国民生活センター、消費生活センターについてのお尋ねがありました。
地方自治体の消費生活センターのあり方については、各自治体において自主的に判断されるべき事項でありますが、経済企画庁といたしましては、こうした消費生活センター縮小の動きが適切な苦情処理を妨げることがないように地方自治体に要請を行うとともに、今後とも国民生活センターによる研修、情報提供等を充実させ、支援に努めてまいりたいと考えております。
最後に、消費者団体による差しとめ請求権についてお尋ねがございましたが、これはドイツなど一部の国には認められておりますが、今後、日本の司法制度の流れを踏まえまして、十分な検討を行う必要がある事項だと考えております。拍手
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この発言だけを見る →まず最初に、金融商品取引等に関する法律と本法との関係についての御質問がございました。
金融商品取引等に関する法律は極めて限られた範囲を対象としておりますのに対して、本法は労働契約を除いてすべてに例外なくかかっております。そういうことから、当然にその仕組みに違いがあり、程度にも違いがあるのは当然だと考えております。今後も、特定の問題があらわれましたときには、特別法が提案されることはあり得ると考えております。
次に、事業者の情報提供についてのお尋ねがございました。
第三条第一項に規定する努力を果たさなかったとしても何らの私法的な効果も発生しないので、情報提供義務違反を理由とする損害賠償請求など、これまで裁判で認められていた事業者の説明義務の水準をいささかも軽減するものではございません。これは、提供義務を書いてございますが、従来のものを軽減するわけではございません。
また、消費者契約法のような、あらゆる事業分野を対象とする包括的な民事ルールにおきましては、情報提供を義務とし、情報の不提供に対して私法的な効果を発生させた場合、個別事業分野にとって抽象度が高いために、事業者にとって予見可能性を欠き、健全なビジネスの発展を阻害する結果になりかねないと考えております。
次に、事業者及び消費者に求められる努力義務の程度についてのお尋ねがございました。
本法案の第三条は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差にかんがみ、事業者には情報を提供する努力を求める一方で、消費者には事業者から提供された情報を理解する努力を求めるのみにとどめており、努力の内容に差を設けているものであります。
また、事業者の努力については「努めなければならない。」と規定しているのに対し、消費者の努力については、努力するものとすると規定することによって、求める努力の程度に、若干消費者の方を弱めているところでございます。
第四条第二項の「故意」についてお尋ねがございましたが、これは民法の詐欺における相手方を欺こうとする意思よりも程度の弱いものであるため、消費者の立証負担が軽減されるものであって、消費者にとってこれを立証することは民法の詐欺に比べると容易になっていると考えております。
事業者の電話による執拗な勧誘や、家族や本人に対する心身の不安をあおるような行為についてお尋ねがありました。
これらの行為については、消費者は必ずしも政府案の規定により救済されることはありませんが、訪問販売等に関する法律のクーリングオフや、民法の強迫・不法行為の規定などにより救済される場合もあると考えております。
第四条の「勧誘」についてお尋ねがございましたが、これは取引の安全の確保にかんがみ要件化したものであります。単なる表示は勧誘に当たりませんが、一方、インターネット取引において、例えば消費者からメールによる問い合わせを受けた事業者が回答の中で不実告知を行った場合には、本法案の規定による取り消しの対象となり得るものと考えております。
本法の施行状況の検証及び法案の将来的な見直しについてお尋ねがございました。
これらにつきましては、地方の消費生活センターや国民生活センターを結ぶオンラインネットワークシステム、いわゆるPIO—NETの活用を通じて情報を正確に収集整理し、こうして得られた情報に基づき適切に対処してまいりたいと考えております。
国民生活センター、消費生活センターについてのお尋ねがありました。
地方自治体の消費生活センターのあり方については、各自治体において自主的に判断されるべき事項でありますが、経済企画庁といたしましては、こうした消費生活センター縮小の動きが適切な苦情処理を妨げることがないように地方自治体に要請を行うとともに、今後とも国民生活センターによる研修、情報提供等を充実させ、支援に努めてまいりたいと考えております。
最後に、消費者団体による差しとめ請求権についてお尋ねがございましたが、これはドイツなど一部の国には認められておりますが、今後、日本の司法制度の流れを踏まえまして、十分な検討を行う必要がある事項だと考えております。拍手
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斎
水
水野誠一#19
○水野誠一君 参議院クラブを代表しまして、今議題となっております消費者契約法案について質問をさせていただきます。
繰り返しになりますが、国民生活センターや全国の消費生活センターに寄せられた苦情・相談件数は、平成十年度において約四十一万件とこの十年で三倍に増加し、そのうち約八割を占める三十二万件が販売方法、契約、解約に関するもので占められていると聞いております。さらに、こうした数字も実際のトラブル件数に比べればわずか数%にすぎず、まさに氷山の一角であると説明されております。まことに憂慮すべき事態を示すデータであると言わざるを得ません。
国民の生活様式が多様化し、また産業構造やコミュニケーション手段がますます高度化、複雑化する中で、経済取引をめぐる消費者の置かれた環境は刻々と変化を遂げております。
時代のニーズに応じてさまざまな商品やサービスが市場に登場し、消費者はみずからの賢明な選択を通じてそれらの価値を享受するわけですが、その供給される価値が多様化し、消費者にとって選択の自由が拡大すること自体はまさに喜ばしい経済社会の発展過程であると考えます。
しかし一方で、そうした商品やサービスの価値多様化の進展は、ある意味では必然的に情報について詳しい者とそうでない者、すなわち情報の偏在や偏りを生み出しました。その結果として顕在化したのが本法案の提案理由にある消費者と事業者の間の情報力や交渉力の圧倒的格差と申せましょう。
消費者契約法の制定そのものに対する慎重論の中には、規制緩和の流れに逆行する、適正な活動をしている多くの事業者を萎縮させるといった指摘もございました。しかし、公正なルールの確立、消費者、事業者双方の自己責任を問い得る環境整備といった法案の趣旨が貫かれさえすれば、それが即、規制緩和の流れに逆行し、事業者の萎縮などを招くものにはならないと考えます。
さらに、現状を放置することによって、一部の悪徳事業者のために多くの良心的事業者がこうむる経済的デメリットや、新事業、新業態を創造し経済を活性化させるための環境整備の必要性を考え合わせれば、きちんとした手続で契約が結ばれるようにするための一般ルールを定める本法案の意義は極めて重大なものであると考えます。
そこで、まず重要になることは、何をもって公正なルールとするかを明確に認識しておくことではないかと考えます。契約行為における公正とは、お互いが十分な情報を持ち、お互いが自由な判断を許されることではないか。そして、さらに重要なのは、当事者それぞれがその情報と判断にはっきりと責任を持つことではないかと考えますが、まずは経済企画庁長官にこの点についての御認識を伺いたいと思います。
次に、消費者の啓蒙と教育のあり方に関して伺います。
規制緩和が進み、個人の判断が尊重される世の中において、契約の持つ意味はますます増大していくものと考えます。
過去にも、マルチまがい商法や安易なクレジットカード利用による多重債務者の急増などといった問題が取りざたされるたびに消費者教育の重要性がうたわれてきました。しかし、我が国の消費者教育政策はいまだ道半ばといった印象を否めません。
さらに、今後はインターネットの普及などによってこれまで存在しなかった全く新しい流通が始まります。流通の経路はますます多様化し複雑化することが予想されます。その中で、広い意味での情報の偏在は今後も存在し続けるであろうというのが私の率直な見解であり、そうであればこそ、消費者一人一人に対する啓蒙教育の重要性は今後ますます増大していくものと考えます。
教育政策全般にも言えることでありますが、消費者教育の難しさの一つには、その到達点をいかなるところに設定するかという問題があると思います。この点につき長官の御所見を伺いたいと思います。
関連して、高齢者への対応について伺います。
消費者契約法制定の背景には、もう一つ、金融ビッグバンなどの規制緩和、介護保険の導入などにより、高齢者がサービスを購買する機会が広がるという社会情勢があります。
九二年に経済企画庁が行った高齢化に伴う消費問題の総合調査では、高齢者のみで暮らす世帯がふえる中で、新たなシルバー向け製品やサービスが増加している一方、高齢者を対象とした悪質商法がますます巧妙化する傾向が明らかにされています。
当時のアンケートでは、回答した全国の消費生活センターのうち三六%が過去五年間に高齢者からの苦情がふえたと回答しており、高齢者の判断力の低下、孤独感、健康不安をねらった商法に絡むトラブルの相談が大半を占めていたと言われております。
以降、有料老人ホームをめぐる契約トラブルの問題や、あり得ない高配当をうたって老後の蓄えから貴重なとらの子をだまし取るといった事件も後を絶たず、そのたびに高齢者向けの情報提供、消費者教育の重要性が指摘されてきたところであります。
消費者契約法の意義は大変重要であると考えますが、これをもって高齢者を取り巻くトラブルに歯どめがかかると考えるのは余りにも非現実的と言わざるを得ません。殊に、高齢者にとっては法律の意義や効果を啓蒙するチャネルが限られることも念頭に置かなければいけません。
高齢化社会に向かう中で、本法案をまさに実効あるものとするためには、特に高齢者に対するきめ細かい消費者啓蒙、情報提供のための施策が車の両輪として講じられるべきだと考えますが、この点につき経済企画庁長官の御所見を伺いたいと思います。
最後に、今後の消費者行政のあり方について伺います。
消費者契約法の民法や個別業法との関係については、従来、事業者と消費者との間のトラブルが宅建業法や訪問販売法といった個別の業法で調整されていたのに対し、消費者契約法はどの事業にも適用できる共通ルールであり、既に施行されている製造物責任法と並ぶ消費者保護法の車の両輪として、基本法である民法と個別業法の中間に位置づけられるものと説明されております。
もともと消費者契約法には、規制緩和後の消費者と事業者との公正なルールをつくるという目標がございました。経済取引に関しては規制をなるべく取り払い、事業者や消費者の自由な決定に任せる、問題が起きた場合には明確なルールに従って解決するという流れをさらに推し進める法案であると理解をしております。
つまり、我が国の消費者行政が、行政による事前規制から司法などによる事後監視・救済型、ルール重視型行政へと移行することを示すものであると考えますが、今後の消費者行政における政府の役割について、長官の御所見を伺いたいと思います。
また、本法案は、およそ六年間という長い真剣な議論が重ねられた末に実を結ぼうとしている重要法案であります。その過程では、有識者、弁護士会、消費者団体などからも、これからの消費者行政のあり方を正面から見据えた数多くの貴重な提案が積み重ねられました。政府においては、その一つ一つを柔軟かつ真摯に受けとめ、法律の実効性を確かなものとしていくことが当然の責務であると考えます。
さらに、民主党から修正案も提起されている中、さらなる議論とブラッシュアップの可能性などの点についても長官の姿勢をお示しいただくことをお願いしまして、質問を終わります。拍手
〔国務大臣堺屋太一君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →繰り返しになりますが、国民生活センターや全国の消費生活センターに寄せられた苦情・相談件数は、平成十年度において約四十一万件とこの十年で三倍に増加し、そのうち約八割を占める三十二万件が販売方法、契約、解約に関するもので占められていると聞いております。さらに、こうした数字も実際のトラブル件数に比べればわずか数%にすぎず、まさに氷山の一角であると説明されております。まことに憂慮すべき事態を示すデータであると言わざるを得ません。
国民の生活様式が多様化し、また産業構造やコミュニケーション手段がますます高度化、複雑化する中で、経済取引をめぐる消費者の置かれた環境は刻々と変化を遂げております。
時代のニーズに応じてさまざまな商品やサービスが市場に登場し、消費者はみずからの賢明な選択を通じてそれらの価値を享受するわけですが、その供給される価値が多様化し、消費者にとって選択の自由が拡大すること自体はまさに喜ばしい経済社会の発展過程であると考えます。
しかし一方で、そうした商品やサービスの価値多様化の進展は、ある意味では必然的に情報について詳しい者とそうでない者、すなわち情報の偏在や偏りを生み出しました。その結果として顕在化したのが本法案の提案理由にある消費者と事業者の間の情報力や交渉力の圧倒的格差と申せましょう。
消費者契約法の制定そのものに対する慎重論の中には、規制緩和の流れに逆行する、適正な活動をしている多くの事業者を萎縮させるといった指摘もございました。しかし、公正なルールの確立、消費者、事業者双方の自己責任を問い得る環境整備といった法案の趣旨が貫かれさえすれば、それが即、規制緩和の流れに逆行し、事業者の萎縮などを招くものにはならないと考えます。
さらに、現状を放置することによって、一部の悪徳事業者のために多くの良心的事業者がこうむる経済的デメリットや、新事業、新業態を創造し経済を活性化させるための環境整備の必要性を考え合わせれば、きちんとした手続で契約が結ばれるようにするための一般ルールを定める本法案の意義は極めて重大なものであると考えます。
そこで、まず重要になることは、何をもって公正なルールとするかを明確に認識しておくことではないかと考えます。契約行為における公正とは、お互いが十分な情報を持ち、お互いが自由な判断を許されることではないか。そして、さらに重要なのは、当事者それぞれがその情報と判断にはっきりと責任を持つことではないかと考えますが、まずは経済企画庁長官にこの点についての御認識を伺いたいと思います。
次に、消費者の啓蒙と教育のあり方に関して伺います。
規制緩和が進み、個人の判断が尊重される世の中において、契約の持つ意味はますます増大していくものと考えます。
過去にも、マルチまがい商法や安易なクレジットカード利用による多重債務者の急増などといった問題が取りざたされるたびに消費者教育の重要性がうたわれてきました。しかし、我が国の消費者教育政策はいまだ道半ばといった印象を否めません。
さらに、今後はインターネットの普及などによってこれまで存在しなかった全く新しい流通が始まります。流通の経路はますます多様化し複雑化することが予想されます。その中で、広い意味での情報の偏在は今後も存在し続けるであろうというのが私の率直な見解であり、そうであればこそ、消費者一人一人に対する啓蒙教育の重要性は今後ますます増大していくものと考えます。
教育政策全般にも言えることでありますが、消費者教育の難しさの一つには、その到達点をいかなるところに設定するかという問題があると思います。この点につき長官の御所見を伺いたいと思います。
関連して、高齢者への対応について伺います。
消費者契約法制定の背景には、もう一つ、金融ビッグバンなどの規制緩和、介護保険の導入などにより、高齢者がサービスを購買する機会が広がるという社会情勢があります。
九二年に経済企画庁が行った高齢化に伴う消費問題の総合調査では、高齢者のみで暮らす世帯がふえる中で、新たなシルバー向け製品やサービスが増加している一方、高齢者を対象とした悪質商法がますます巧妙化する傾向が明らかにされています。
当時のアンケートでは、回答した全国の消費生活センターのうち三六%が過去五年間に高齢者からの苦情がふえたと回答しており、高齢者の判断力の低下、孤独感、健康不安をねらった商法に絡むトラブルの相談が大半を占めていたと言われております。
以降、有料老人ホームをめぐる契約トラブルの問題や、あり得ない高配当をうたって老後の蓄えから貴重なとらの子をだまし取るといった事件も後を絶たず、そのたびに高齢者向けの情報提供、消費者教育の重要性が指摘されてきたところであります。
消費者契約法の意義は大変重要であると考えますが、これをもって高齢者を取り巻くトラブルに歯どめがかかると考えるのは余りにも非現実的と言わざるを得ません。殊に、高齢者にとっては法律の意義や効果を啓蒙するチャネルが限られることも念頭に置かなければいけません。
高齢化社会に向かう中で、本法案をまさに実効あるものとするためには、特に高齢者に対するきめ細かい消費者啓蒙、情報提供のための施策が車の両輪として講じられるべきだと考えますが、この点につき経済企画庁長官の御所見を伺いたいと思います。
最後に、今後の消費者行政のあり方について伺います。
消費者契約法の民法や個別業法との関係については、従来、事業者と消費者との間のトラブルが宅建業法や訪問販売法といった個別の業法で調整されていたのに対し、消費者契約法はどの事業にも適用できる共通ルールであり、既に施行されている製造物責任法と並ぶ消費者保護法の車の両輪として、基本法である民法と個別業法の中間に位置づけられるものと説明されております。
もともと消費者契約法には、規制緩和後の消費者と事業者との公正なルールをつくるという目標がございました。経済取引に関しては規制をなるべく取り払い、事業者や消費者の自由な決定に任せる、問題が起きた場合には明確なルールに従って解決するという流れをさらに推し進める法案であると理解をしております。
つまり、我が国の消費者行政が、行政による事前規制から司法などによる事後監視・救済型、ルール重視型行政へと移行することを示すものであると考えますが、今後の消費者行政における政府の役割について、長官の御所見を伺いたいと思います。
また、本法案は、およそ六年間という長い真剣な議論が重ねられた末に実を結ぼうとしている重要法案であります。その過程では、有識者、弁護士会、消費者団体などからも、これからの消費者行政のあり方を正面から見据えた数多くの貴重な提案が積み重ねられました。政府においては、その一つ一つを柔軟かつ真摯に受けとめ、法律の実効性を確かなものとしていくことが当然の責務であると考えます。
さらに、民主党から修正案も提起されている中、さらなる議論とブラッシュアップの可能性などの点についても長官の姿勢をお示しいただくことをお願いしまして、質問を終わります。拍手
〔国務大臣堺屋太一君登壇、拍手〕
堺
堺屋太一#20
○国務大臣(堺屋太一君) 水野誠一議員にお答えいたします。
まず、何をもって公正なルールとするかとのお尋ねがございました。
近年、規制が緩和されるに伴い、消費者の選択の自由が拡大する反面、消費者、事業者の自己責任もまた重みを増しております。しかしながら、消費者と事業者との間には、契約の締結、取引に関する情報の量及び質並びに交渉力に格差が存在するため、消費者に自己責任を求めることが適切でないという場合もございます。公正なルールには、このような場合に対等な当事者のルールである現行の民法に特例を設け、消費者が契約による拘束からの離脱を可能にする救済の手段を与えるものと考えております。本法案は、このような意味で公正なルールの策定をねらいとしたものと言えるでありましょう。
情報の偏在が進むという認識から、消費者教育政策の到達点についてのお尋ねがございました。
現在の日本の経済は、規制緩和や情報化の進展に伴いまして、商品や販売方法の多様化、複雑化が進んでいることは御指摘のとおりでございます。このため、消費者一人一人が豊かな生活を実現していくためには、早い段階から消費者としての基本的な知識を身につけるとともに、自己責任の意識を持ちつつ、主体的に行動し得る能力を培うように消費者教育に取り組んでいく必要があると考えております。
こうした認識のもとに、消費者契約の分野については、消費者取引に係る諸制度に関する基本的な知識、判断能力、あるいは契約上のトラブル解決能力を段階的、体系的に身につけるように消費者教育の体制の構築に努めてまいりたいと考えております。
高齢者に対する啓発についてのお尋ねがございました。
御指摘のとおり、現在我が国は、高齢化が急速に進展する一方で、介護保険制度の導入等に伴う新しいサービスもふえており、高齢者も契約を締結する機会がますますふえていくものと考えております。
このため、高齢者が安心して適切な選択ができるように、高齢者にも消費者契約法を含めた契約に関する適切な知識や消費者としての役割の理解を深めていただく観点から、いろんな媒体を通じて、できるだけわかりやすい方法を工夫しながら、適切な啓蒙活動に取り組んでまいりたいと考えております。
今後の消費者行政における政府の役割についてお尋ねがございました。
昨年七月八日に閣議決定いたしました「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」の中で示されているように、これからの政府の役割は、各人が好みによって製品やサービスを選べるように経済社会のルールを定め、これが守られるように監視し、生じた事故、紛争を適切迅速に処理することにあると考えております。
消費者行政におきましても、従来までの事前規制による消費者保護から、消費者と事業者との間にある情報力、交渉力の構造的な格差を踏まえた上で、事業者、消費者に自己責任に基づいた行動を求めるような消費者のためのシステムの構築が求められております。すなわち、従来からなされていた個別の財・サービスの特性に即したトラブルの防止策に加えて、包括的な民事ルールの制定が必要になっております。
こうした観点から、消費者安全の分野においては平成六年に製造物責任法が制定されたところであり、これに続いて消費者取引の分野において消費者契約法が立法されますれば、消費者安全と消費者取引におけるいわば車の両輪をなすことによって、総合的な消費者被害の防止・救済策の確立に資するものと考えております。
最後に、法律の実効性の確保についてのお尋ねがございましたが、消費者契約法案が成立いたしますれば、国会における御審議を踏まえつつ、消費者契約法の逐条解説、いわゆるコンメンタールの作成、有識者、弁護士会、消費者団体等と連絡体制を十分にとりまして、説明会の実施、消費者相談に携わる方々への研修の実施等によって、法律の実効性を確保するための各般の施策に努力したいと思っております。
また、さらなる改善の余地についてお尋ねがございましたが、本法案は、六年間にわたって幅広い関係者等に御参加いただきまして、国民生活審議会において議論していただいた上でのコンセンサスを条文化したものでございます。さらに、さきに出されました民主党案のすぐれたところも既に十分反映されているものと考えております。こうした経緯を踏まえまして、本院においても十分な御審議と御理解をお願いしたいと考えております。拍手
この発言だけを見る →まず、何をもって公正なルールとするかとのお尋ねがございました。
近年、規制が緩和されるに伴い、消費者の選択の自由が拡大する反面、消費者、事業者の自己責任もまた重みを増しております。しかしながら、消費者と事業者との間には、契約の締結、取引に関する情報の量及び質並びに交渉力に格差が存在するため、消費者に自己責任を求めることが適切でないという場合もございます。公正なルールには、このような場合に対等な当事者のルールである現行の民法に特例を設け、消費者が契約による拘束からの離脱を可能にする救済の手段を与えるものと考えております。本法案は、このような意味で公正なルールの策定をねらいとしたものと言えるでありましょう。
情報の偏在が進むという認識から、消費者教育政策の到達点についてのお尋ねがございました。
現在の日本の経済は、規制緩和や情報化の進展に伴いまして、商品や販売方法の多様化、複雑化が進んでいることは御指摘のとおりでございます。このため、消費者一人一人が豊かな生活を実現していくためには、早い段階から消費者としての基本的な知識を身につけるとともに、自己責任の意識を持ちつつ、主体的に行動し得る能力を培うように消費者教育に取り組んでいく必要があると考えております。
こうした認識のもとに、消費者契約の分野については、消費者取引に係る諸制度に関する基本的な知識、判断能力、あるいは契約上のトラブル解決能力を段階的、体系的に身につけるように消費者教育の体制の構築に努めてまいりたいと考えております。
高齢者に対する啓発についてのお尋ねがございました。
御指摘のとおり、現在我が国は、高齢化が急速に進展する一方で、介護保険制度の導入等に伴う新しいサービスもふえており、高齢者も契約を締結する機会がますますふえていくものと考えております。
このため、高齢者が安心して適切な選択ができるように、高齢者にも消費者契約法を含めた契約に関する適切な知識や消費者としての役割の理解を深めていただく観点から、いろんな媒体を通じて、できるだけわかりやすい方法を工夫しながら、適切な啓蒙活動に取り組んでまいりたいと考えております。
今後の消費者行政における政府の役割についてお尋ねがございました。
昨年七月八日に閣議決定いたしました「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」の中で示されているように、これからの政府の役割は、各人が好みによって製品やサービスを選べるように経済社会のルールを定め、これが守られるように監視し、生じた事故、紛争を適切迅速に処理することにあると考えております。
消費者行政におきましても、従来までの事前規制による消費者保護から、消費者と事業者との間にある情報力、交渉力の構造的な格差を踏まえた上で、事業者、消費者に自己責任に基づいた行動を求めるような消費者のためのシステムの構築が求められております。すなわち、従来からなされていた個別の財・サービスの特性に即したトラブルの防止策に加えて、包括的な民事ルールの制定が必要になっております。
こうした観点から、消費者安全の分野においては平成六年に製造物責任法が制定されたところであり、これに続いて消費者取引の分野において消費者契約法が立法されますれば、消費者安全と消費者取引におけるいわば車の両輪をなすことによって、総合的な消費者被害の防止・救済策の確立に資するものと考えております。
最後に、法律の実効性の確保についてのお尋ねがございましたが、消費者契約法案が成立いたしますれば、国会における御審議を踏まえつつ、消費者契約法の逐条解説、いわゆるコンメンタールの作成、有識者、弁護士会、消費者団体等と連絡体制を十分にとりまして、説明会の実施、消費者相談に携わる方々への研修の実施等によって、法律の実効性を確保するための各般の施策に努力したいと思っております。
また、さらなる改善の余地についてお尋ねがございましたが、本法案は、六年間にわたって幅広い関係者等に御参加いただきまして、国民生活審議会において議論していただいた上でのコンセンサスを条文化したものでございます。さらに、さきに出されました民主党案のすぐれたところも既に十分反映されているものと考えております。こうした経緯を踏まえまして、本院においても十分な御審議と御理解をお願いしたいと考えております。拍手
斎
斎
斎藤十朗#22
○議長(斎藤十朗君) この際、日程に追加して、
高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
斎
二
二階俊博#24
○国務大臣(二階俊博君) 高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
我が国においては、諸外国に例を見ないほど急速に高齢化が進展し、平成二十七年には国民の四人に一人が六十五歳以上の高齢者となる本格的な高齢社会が到来すると予測されていること、身体障害者が社会のさまざまな活動に参加する機会を確保することが求められていること等から、高齢者、身体障害者等が自立した日常生活及び社会生活を営むことができる環境を整備することが急務となっております。そのためには、公共交通機関を利用した移動の果たす役割が極めて大きいことから、その移動について、所要設備の整備等により身体の負担を軽減し、その利便性及び安全性の向上を促進することが不可欠となっております。
このような状況を踏まえ、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化を促進するための各般の施策を総合的に講じることが必要であるため、この法律案を提案することとした次第であります。
次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、主務大臣は、移動円滑化を総合的かつ計画的に推進するため、移動円滑化の促進に関する基本方針を定めることとしております。
第二に、公共交通事業者は、旅客施設の新設や大改良あるいは車両等の導入を行うときは、これらを移動円滑化のために必要な一定の基準に適合させなければならないこととするとともに、既にその事業の用に供している旅客施設及び車両等についても、当該基準に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならないこととしております。
第三に、市町村は、多数の旅客が利用する鉄道駅等の旅客施設を中心とした地区について、基本方針に基づき、移動円滑化のための事業の重点的かつ一体的な推進に関する基本構想を作成することができることとし、基本構想が作成されたときは、関係する公共交通事業者、道路管理者及び都道府県公安委員会は、これに即して事業を実施するための計画をそれぞれ作成し、これに基づいて当該事業を実施することとしております。また、国及び地方公共団体は、基本構想に定められた駅前広場、通路等の一般交通用施設や駐車場、公園等の公共用施設の整備等、必要な措置を講ずるよう努めなければならないこととしております。さらに、基本構想に定められた事業を促進するため、土地区画整理事業の換地計画において定める保留地の特例措置、また、主務大臣の認定を受けた計画に基づく公共交通事業者による事業に関する助成を地方公共団体が行う場合の地方債の特例措置を講ずることとしております。
第四に、主務大臣は、公共交通事業者による移動円滑化のための事業の実施に関する情報の収集、提供等を行う法人を指定することができることとしております。
その他、移動円滑化を促進するに当たっての国、地方公共団体及び国民の責務を定めるとともに、運輸施設整備事業団が移動円滑化のための事業を実施する公共交通事業者に対して補助金を交付することができることとしております。
政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、本法律案につきましては、衆議院におきまして、本法の施行後五年を経過した場合においてこの法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとする修正が行われております。
以上が高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案の趣旨でございます。拍手
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この発言だけを見る →我が国においては、諸外国に例を見ないほど急速に高齢化が進展し、平成二十七年には国民の四人に一人が六十五歳以上の高齢者となる本格的な高齢社会が到来すると予測されていること、身体障害者が社会のさまざまな活動に参加する機会を確保することが求められていること等から、高齢者、身体障害者等が自立した日常生活及び社会生活を営むことができる環境を整備することが急務となっております。そのためには、公共交通機関を利用した移動の果たす役割が極めて大きいことから、その移動について、所要設備の整備等により身体の負担を軽減し、その利便性及び安全性の向上を促進することが不可欠となっております。
このような状況を踏まえ、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化を促進するための各般の施策を総合的に講じることが必要であるため、この法律案を提案することとした次第であります。
次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、主務大臣は、移動円滑化を総合的かつ計画的に推進するため、移動円滑化の促進に関する基本方針を定めることとしております。
第二に、公共交通事業者は、旅客施設の新設や大改良あるいは車両等の導入を行うときは、これらを移動円滑化のために必要な一定の基準に適合させなければならないこととするとともに、既にその事業の用に供している旅客施設及び車両等についても、当該基準に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならないこととしております。
第三に、市町村は、多数の旅客が利用する鉄道駅等の旅客施設を中心とした地区について、基本方針に基づき、移動円滑化のための事業の重点的かつ一体的な推進に関する基本構想を作成することができることとし、基本構想が作成されたときは、関係する公共交通事業者、道路管理者及び都道府県公安委員会は、これに即して事業を実施するための計画をそれぞれ作成し、これに基づいて当該事業を実施することとしております。また、国及び地方公共団体は、基本構想に定められた駅前広場、通路等の一般交通用施設や駐車場、公園等の公共用施設の整備等、必要な措置を講ずるよう努めなければならないこととしております。さらに、基本構想に定められた事業を促進するため、土地区画整理事業の換地計画において定める保留地の特例措置、また、主務大臣の認定を受けた計画に基づく公共交通事業者による事業に関する助成を地方公共団体が行う場合の地方債の特例措置を講ずることとしております。
第四に、主務大臣は、公共交通事業者による移動円滑化のための事業の実施に関する情報の収集、提供等を行う法人を指定することができることとしております。
その他、移動円滑化を促進するに当たっての国、地方公共団体及び国民の責務を定めるとともに、運輸施設整備事業団が移動円滑化のための事業を実施する公共交通事業者に対して補助金を交付することができることとしております。
政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、本法律案につきましては、衆議院におきまして、本法の施行後五年を経過した場合においてこの法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとする修正が行われております。
以上が高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案の趣旨でございます。拍手
─────────────
斎
堀
堀利和#26
○堀利和君 私は、民主党・新緑風会を代表し、ただいま議題となりました法律案につきまして、関係大臣に質問を行いたいと思います。
我が国では、一九七三年が福祉元年と言われております。同様に、私は一九九四年を国における福祉の町づくり元年と呼ばせていただいております。国における福祉の町づくりは、厚生省の身体障害者福祉モデル都市事業が七三年にスタートし、以降、関係事業が推進されてきました。当時のこうした施策は福祉施策として認識され、運輸省や建設省に働きかけても、それは厚生省の問題と突き放されてしまいました。
八一年、国際障害者年で高らかにうたわれた完全参加と平等やノーマライゼーションの理念は着実に私たちの社会へ浸透してきました。また、八〇年代後半には「電車に乗せろ」と障害者による行動も始まり、運輸省と直接話し合いを持つこととなりました。さらには、地方自治体が先駆的に取り組んできた福祉の町づくり条例制定の動きも全国に広がってきたのです。
これらの大きな流れを受けて、国もようやく動き出しました。九四年には、建設省で生活福祉空間づくり大綱の策定、ハートビル法の制定、運輸省では交通施設利用円滑化対策費補助金の創設及び財団法人交通アメニティ推進機構、現在の交通エコロジー・モビリティ財団の創設、厚生省もそれまでの事業を障害者や高齢者にやさしいまちづくり推進事業に改め、大幅に拡充してまいりました。九四年がまさに国における福祉元年となったわけでございます。
そこで、まず建設大臣と運輸大臣にお聞きいたします。
今日でも福祉の町づくりやバリアフリー施策が高齢者や障害者のための福祉施策であり、厚生省が所管すべきとお考えではないと思いますが、こうした施策の意義と政策目標についてその御所見をお聞きしたいと思います。
九四年の国における福祉の町づくり元年に先立ち、九三年には運輸省において交通バリアフリー法の制定に向けた合意がおおむねでき上がりつつあり、そのことが運輸委員であった私のところに伝えられました。ちょうどそのころ私どもも法案大綱を準備していたところであり、この運輸省の決断には大変感激いたしました。ところが、その後運輸省からJRが反対しこの話はなくなりましたと報告を受けたのです。私のそのときの落胆がどれほどのものかお察しいただけると思います。それでも、運輸省がこうしたバリアフリーの施策に一般予算を初めてつけたことは極めて高く評価できます。
ところで、運輸大臣、これまで紆余曲折はあったものの、二十一世紀を直前に交通バリアフリー法が制定されるに至ったことは、超高齢社会を迎える我が国にとって至って意義深いものであると考えます。
そこで、お伺いいたします。
この間、予算措置及びモビリティ財団を通じて出された補助金等の施策において、その成果と限界はどのようなものでしたか。また、JRを初めとする交通事業者の対応はいかがであったでしょうか。お聞きしたいと思います。
さて、今回の交通バリアフリー法案をめぐっては、本法案と私ども民主党の高齢者、障害者等の移動の自由を確保するための法律案の両案が衆議院で審議され、よりよい法律を目指して切磋琢磨してまいりました。法律の題名からもわかりますように、本法案は移動の円滑化の促進として設備整備法の内容になっており、一方、民主党案は移動の自由を確保するとして、どちらかといえば権利性を強く意識したものになっております。
そこで、運輸大臣にお伺いしたいと思います。
フランスでは、交通基本法において国民に交通権を認めているところです。また、アメリカやイギリスでは、個別法での交通権を定めた法律はないものの、障害者関係の法律において権利性を明確にした上で差別禁止をうたっております。我が国でも、障害者基本法の第三条「基本的理念」において権利性を明記しております。運輸大臣は、このような権利性についてどのようにお考えか。また、本法案にそれを反映させるつもりはなかったのでしょうか。お伺いしたいと思います。
次に、法案の対象者についてお伺いします。
本法案においては、その対象の定義は高齢者、身体障害者等となっております。民主党案では、高齢者、障害者等としながらも、その対象をより広い概念で移動制約者としていたところでありました。
私は、九二年の運輸委員会において、交通弱者という文言ではなく、また障害者と対象を限定するのでもなく、モビリティーハンディキャップ、すなわち移動制約者との概念でとらえるべきと指摘いたしました。その後、運輸省内においても行政上移動制約者という文言が使われ、そのような認識に立ってこられたと思います。
なぜ本法案ではこの移動制約者という概念を盛り込まなかったのか、運輸大臣にその理由を伺いたいと思います。
私は、本法案の対象を移動制約者とすることは極めて重要だと考えています。
一つには、高齢者、身体障害者と限定することで、多額の予算や事業者負担が特定の者のためだけに使われてよいのかという批判の声が上がらないとも限らず、それは高齢者、障害者が社会のお荷物として認識され、大変生きにくい環境をつくってしまうおそれがあるからにほかなりません。
二つには、移動制約者の中には妊産婦、バギーを引いた親子連れ、大きな旅行かばんを持った頑強な若者も含まれていることです。いわば、すべての国民に開かれた普遍的な概念であるからです。私はこの視点が最も大切であると思います。
バリアフリーと並んでユニバーサルデザインとかユニバーサルサービスという概念があります。これは、バリアフリーよりももっと根源的であり、わかりやすく言いますと、設計の段階からすべての人が同等に利用できるものにするという概念であります。
運輸大臣並びに建設大臣はこの視点をどのようにお考えか、お示しいただきたいと思います。
これも、私が運輸委員会に所属していた九一年、新潟県のJR越後線小針駅で車いす生活の方が定期券の販売を拒否された事件のことでした。この小針駅は駅員一人で、改札口の前には十数段の階段がある駅舎でした。JR東日本の説明では、駅員一人で毎日の利用に対応できないというものです。しかし、幸いなことに、反対側のホームはその外を通っている道と段差がなく、そこのさくに出入りできる扉をつけて、駅員一人でも対応できるように改善されました。
私は、この経験から、一つ一つの駅についても利用者や事業者、自治体関係者で協議し、知恵を出し合えば不可能が可能となることもあり得ると確信いたしました。
また、先般公表された交通エコロジー・モビリティ財団の鉄道ターミナルのバリアフリー度調査報告でも、視覚障害者用点字ブロックが誤った方法で敷設されていたり不十分であったことが明らかになりました。
そこで、運輸大臣にお伺いしたいのですが、本法案に定められた国の基本方針や市町村の基本構想に利用者の声をどう反映させるか、お聞きしたいと思います。
視覚障害者は、交通機関を何とか利用できます。しかし、ホームからの転落事故は後を絶ちません。ここ十年間でも死亡事故は十五件に上っているわけです。常に生命の危険にさらされています。
例えば、ドイツでは駅などに常駐して移動制約者のサポートをする交通ボランティアがあります。日本でもこうしたシステムを検討すべきと思いますが、運輸大臣はいかがお考えでしょうか。
いよいよ介護保険制度がスタートし、高齢者の通院や日常生活支援の移送サービスも今後ますます期待されます。そこで、ドア・ツー・ドアのスペシャル・トランスポート・サービス、STSの充実が不可欠と思われますが、残念なことに本法案にこのことが全く言及されていません。運輸大臣、STSについてどのようにお考えか、その御所見をお聞かせください。
最後に、民主党・新緑風会も私も、だれでも、いつでも、安全に利用できる公共交通システムを一日も早く確立することをお誓い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。拍手
〔国務大臣二階俊博君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →我が国では、一九七三年が福祉元年と言われております。同様に、私は一九九四年を国における福祉の町づくり元年と呼ばせていただいております。国における福祉の町づくりは、厚生省の身体障害者福祉モデル都市事業が七三年にスタートし、以降、関係事業が推進されてきました。当時のこうした施策は福祉施策として認識され、運輸省や建設省に働きかけても、それは厚生省の問題と突き放されてしまいました。
八一年、国際障害者年で高らかにうたわれた完全参加と平等やノーマライゼーションの理念は着実に私たちの社会へ浸透してきました。また、八〇年代後半には「電車に乗せろ」と障害者による行動も始まり、運輸省と直接話し合いを持つこととなりました。さらには、地方自治体が先駆的に取り組んできた福祉の町づくり条例制定の動きも全国に広がってきたのです。
これらの大きな流れを受けて、国もようやく動き出しました。九四年には、建設省で生活福祉空間づくり大綱の策定、ハートビル法の制定、運輸省では交通施設利用円滑化対策費補助金の創設及び財団法人交通アメニティ推進機構、現在の交通エコロジー・モビリティ財団の創設、厚生省もそれまでの事業を障害者や高齢者にやさしいまちづくり推進事業に改め、大幅に拡充してまいりました。九四年がまさに国における福祉元年となったわけでございます。
そこで、まず建設大臣と運輸大臣にお聞きいたします。
今日でも福祉の町づくりやバリアフリー施策が高齢者や障害者のための福祉施策であり、厚生省が所管すべきとお考えではないと思いますが、こうした施策の意義と政策目標についてその御所見をお聞きしたいと思います。
九四年の国における福祉の町づくり元年に先立ち、九三年には運輸省において交通バリアフリー法の制定に向けた合意がおおむねでき上がりつつあり、そのことが運輸委員であった私のところに伝えられました。ちょうどそのころ私どもも法案大綱を準備していたところであり、この運輸省の決断には大変感激いたしました。ところが、その後運輸省からJRが反対しこの話はなくなりましたと報告を受けたのです。私のそのときの落胆がどれほどのものかお察しいただけると思います。それでも、運輸省がこうしたバリアフリーの施策に一般予算を初めてつけたことは極めて高く評価できます。
ところで、運輸大臣、これまで紆余曲折はあったものの、二十一世紀を直前に交通バリアフリー法が制定されるに至ったことは、超高齢社会を迎える我が国にとって至って意義深いものであると考えます。
そこで、お伺いいたします。
この間、予算措置及びモビリティ財団を通じて出された補助金等の施策において、その成果と限界はどのようなものでしたか。また、JRを初めとする交通事業者の対応はいかがであったでしょうか。お聞きしたいと思います。
さて、今回の交通バリアフリー法案をめぐっては、本法案と私ども民主党の高齢者、障害者等の移動の自由を確保するための法律案の両案が衆議院で審議され、よりよい法律を目指して切磋琢磨してまいりました。法律の題名からもわかりますように、本法案は移動の円滑化の促進として設備整備法の内容になっており、一方、民主党案は移動の自由を確保するとして、どちらかといえば権利性を強く意識したものになっております。
そこで、運輸大臣にお伺いしたいと思います。
フランスでは、交通基本法において国民に交通権を認めているところです。また、アメリカやイギリスでは、個別法での交通権を定めた法律はないものの、障害者関係の法律において権利性を明確にした上で差別禁止をうたっております。我が国でも、障害者基本法の第三条「基本的理念」において権利性を明記しております。運輸大臣は、このような権利性についてどのようにお考えか。また、本法案にそれを反映させるつもりはなかったのでしょうか。お伺いしたいと思います。
次に、法案の対象者についてお伺いします。
本法案においては、その対象の定義は高齢者、身体障害者等となっております。民主党案では、高齢者、障害者等としながらも、その対象をより広い概念で移動制約者としていたところでありました。
私は、九二年の運輸委員会において、交通弱者という文言ではなく、また障害者と対象を限定するのでもなく、モビリティーハンディキャップ、すなわち移動制約者との概念でとらえるべきと指摘いたしました。その後、運輸省内においても行政上移動制約者という文言が使われ、そのような認識に立ってこられたと思います。
なぜ本法案ではこの移動制約者という概念を盛り込まなかったのか、運輸大臣にその理由を伺いたいと思います。
私は、本法案の対象を移動制約者とすることは極めて重要だと考えています。
一つには、高齢者、身体障害者と限定することで、多額の予算や事業者負担が特定の者のためだけに使われてよいのかという批判の声が上がらないとも限らず、それは高齢者、障害者が社会のお荷物として認識され、大変生きにくい環境をつくってしまうおそれがあるからにほかなりません。
二つには、移動制約者の中には妊産婦、バギーを引いた親子連れ、大きな旅行かばんを持った頑強な若者も含まれていることです。いわば、すべての国民に開かれた普遍的な概念であるからです。私はこの視点が最も大切であると思います。
バリアフリーと並んでユニバーサルデザインとかユニバーサルサービスという概念があります。これは、バリアフリーよりももっと根源的であり、わかりやすく言いますと、設計の段階からすべての人が同等に利用できるものにするという概念であります。
運輸大臣並びに建設大臣はこの視点をどのようにお考えか、お示しいただきたいと思います。
これも、私が運輸委員会に所属していた九一年、新潟県のJR越後線小針駅で車いす生活の方が定期券の販売を拒否された事件のことでした。この小針駅は駅員一人で、改札口の前には十数段の階段がある駅舎でした。JR東日本の説明では、駅員一人で毎日の利用に対応できないというものです。しかし、幸いなことに、反対側のホームはその外を通っている道と段差がなく、そこのさくに出入りできる扉をつけて、駅員一人でも対応できるように改善されました。
私は、この経験から、一つ一つの駅についても利用者や事業者、自治体関係者で協議し、知恵を出し合えば不可能が可能となることもあり得ると確信いたしました。
また、先般公表された交通エコロジー・モビリティ財団の鉄道ターミナルのバリアフリー度調査報告でも、視覚障害者用点字ブロックが誤った方法で敷設されていたり不十分であったことが明らかになりました。
そこで、運輸大臣にお伺いしたいのですが、本法案に定められた国の基本方針や市町村の基本構想に利用者の声をどう反映させるか、お聞きしたいと思います。
視覚障害者は、交通機関を何とか利用できます。しかし、ホームからの転落事故は後を絶ちません。ここ十年間でも死亡事故は十五件に上っているわけです。常に生命の危険にさらされています。
例えば、ドイツでは駅などに常駐して移動制約者のサポートをする交通ボランティアがあります。日本でもこうしたシステムを検討すべきと思いますが、運輸大臣はいかがお考えでしょうか。
いよいよ介護保険制度がスタートし、高齢者の通院や日常生活支援の移送サービスも今後ますます期待されます。そこで、ドア・ツー・ドアのスペシャル・トランスポート・サービス、STSの充実が不可欠と思われますが、残念なことに本法案にこのことが全く言及されていません。運輸大臣、STSについてどのようにお考えか、その御所見をお聞かせください。
最後に、民主党・新緑風会も私も、だれでも、いつでも、安全に利用できる公共交通システムを一日も早く確立することをお誓い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。拍手
〔国務大臣二階俊博君登壇、拍手〕
二
二階俊博#27
○国務大臣(二階俊博君) 堀議員にお答えを申し上げます。
堀議員が今日まで障害者の皆さんの常に先頭に立って福祉政策に、バリアフリーの社会を築くために御尽力をいただいてまいりましたことに、まずもって心から敬意を表したいと存じます。拍手
交通バリアフリー施策の意義と目標についてでありますが、交通のバリアフリー化により高齢者、身体障害者の方々が移動する際の身体の負担を軽減し、その利便性、安全性を向上することが不可欠であります。そして、これは交通に責任を有する運輸省、建設省、警察庁、自治省の各省庁がみずからの問題として取り組むべき重要な意義を有すると考えております。今回の法案は、まさにこのような考えに基づいて四省庁で連携して提案申し上げているものであります。
このため、本法案では、高齢者、身体障害者等の方々がみずからの意思に基づいて生活をし、あらゆる分野の活動に積極的に参加できるような交通体系の形成に寄与することを目標としております。
次に、交通エコロジー・モビリティ財団につきまして、この補助制度の限界、新たな補助制度の成果についてお答えを申し上げます。
平成十年度まで交通エコロジー・モビリティ財団を通じましてエレベーター、エスカレーターの整備に対し一〇%を限度とする国庫補助を行っていたところであり、その額は年間一億円程度でありました。
この制度を利用して施設整備が行われる駅は年間十数駅にとどまり、本格的な高齢社会の到来を目前に控え、バリアフリー化が十分に進んでいるとはとても言えないような状態でありました。このため、平成十年度第三次補正予算において、補助率を国、地方合わせて三分の二とし、さらに予算額も五十億円を確保するなど、大幅な拡充を実施したところであります。
また、本法案を提出するに際しましても、物理的な制約や交通事業者の投資余力の限界といった要因もありましたが、JRを初めとする交通事業者は、旅客施設、車両等のバリアフリー化を進めるという基本的な考え方に賛同し、前向きな意向を示しているものと考えております。
次に、交通権についてでありますが、交通権については、憲法上いまだ明示されているものではなく、学説、判例においても確定されたものではないと承知をいたしております。
また、仮に交通権に関する新たな立法措置を講ずるといたしましても、法律として規定するためには、その内容を明確化する必要があると考えます。いかなる交通サービス水準を享受することが権利であるかという点につきまして、社会的合意が形成されておらず、内容が明確になっていないことから、権利として本法案に規定することは適当ではないのではないかと考えております。
次に、移動制約者という概念を盛り込まなかった理由についてお尋ねがございました。
本法案では、具体的に講ずべき施策の対象として、「日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受ける者」と規定しております。一方、民主党案では、「「移動制約者」とは、主として身体的理由により移動に関し制約を受ける者をいう。」と規定されております。私は、本法案と民主党案との間には大きな差はないと考えております。
次に、ユニバーサルデザインについてでありますが、本法案に基づき、身体の負担を軽減する施設等が整備されれば、その効果は、高齢者、身体障害者といった方々だけではなく、健常者を含むすべての人に及ぶものと考えております。
なお、御指摘のとおり、バリアフリー基準を作成する際には、ユニバーサルデザインの考え方を十分踏まえながら検討してまいる所存でございます。
次に、基本方針や基本構想等に利用者の声がどのように反映されるのかというお尋ねがございました。
私はかねてから、利用者のニーズ、地域の実情等に対応して、交通のバリアフリー化を進めることが重要であると考えてまいりました。したがいまして、国の基本方針の策定に当たりましては、閣議決定したパブリックコメント手続を活用することにより、高齢者、身体障害者等にとどまらず、広く多くの国民の皆さんの意見をお伺いすることといたしております。また、基本構想や特定事業計画につきましても、必要とあらば、国が定める基本方針の中で高齢者、身体障害者等の意見把握の措置について規定することを考えております。
次に、ボランティア制度の導入についてのお尋ねがございました。
バリアフリー化の推進に当たっては、ハード面の整備のみならず、現場の第一線で働く駅職員や利用客等が高齢者や身体障害者の皆さんのニーズをよく理解し、お互いに温かいサポートをすることが極めて重要であると認識しております。
御指摘のようなボランティア制度を浸透させるためには国民の理解と協力が不可欠であることから、本法案では国民の協力についての努力義務も定めていることでありますが、これを第一歩として、今後、ボランティア制度の導入等について真剣に考えてまいりたいと思っております。
また、現在、交通エコロジー・モビリティ財団では、交通ボランティア体験講座の開催や交通ボランティアネットワークの構築についての検討を行っております。運輸省としましても、こうした取り組みを積極的に支援し、人的なサポートの強化を図ってまいりたいと考えております。
最後に、スペシャル・トランスポート・サービスにつきましてのお尋ねでありますが、このような輸送サービスの重要性は今後ますます高まるものと考えておりますので、促進方策などの検討を進めていく所存でございます。拍手
〔国務大臣中山正暉君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →堀議員が今日まで障害者の皆さんの常に先頭に立って福祉政策に、バリアフリーの社会を築くために御尽力をいただいてまいりましたことに、まずもって心から敬意を表したいと存じます。拍手
交通バリアフリー施策の意義と目標についてでありますが、交通のバリアフリー化により高齢者、身体障害者の方々が移動する際の身体の負担を軽減し、その利便性、安全性を向上することが不可欠であります。そして、これは交通に責任を有する運輸省、建設省、警察庁、自治省の各省庁がみずからの問題として取り組むべき重要な意義を有すると考えております。今回の法案は、まさにこのような考えに基づいて四省庁で連携して提案申し上げているものであります。
このため、本法案では、高齢者、身体障害者等の方々がみずからの意思に基づいて生活をし、あらゆる分野の活動に積極的に参加できるような交通体系の形成に寄与することを目標としております。
次に、交通エコロジー・モビリティ財団につきまして、この補助制度の限界、新たな補助制度の成果についてお答えを申し上げます。
平成十年度まで交通エコロジー・モビリティ財団を通じましてエレベーター、エスカレーターの整備に対し一〇%を限度とする国庫補助を行っていたところであり、その額は年間一億円程度でありました。
この制度を利用して施設整備が行われる駅は年間十数駅にとどまり、本格的な高齢社会の到来を目前に控え、バリアフリー化が十分に進んでいるとはとても言えないような状態でありました。このため、平成十年度第三次補正予算において、補助率を国、地方合わせて三分の二とし、さらに予算額も五十億円を確保するなど、大幅な拡充を実施したところであります。
また、本法案を提出するに際しましても、物理的な制約や交通事業者の投資余力の限界といった要因もありましたが、JRを初めとする交通事業者は、旅客施設、車両等のバリアフリー化を進めるという基本的な考え方に賛同し、前向きな意向を示しているものと考えております。
次に、交通権についてでありますが、交通権については、憲法上いまだ明示されているものではなく、学説、判例においても確定されたものではないと承知をいたしております。
また、仮に交通権に関する新たな立法措置を講ずるといたしましても、法律として規定するためには、その内容を明確化する必要があると考えます。いかなる交通サービス水準を享受することが権利であるかという点につきまして、社会的合意が形成されておらず、内容が明確になっていないことから、権利として本法案に規定することは適当ではないのではないかと考えております。
次に、移動制約者という概念を盛り込まなかった理由についてお尋ねがございました。
本法案では、具体的に講ずべき施策の対象として、「日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受ける者」と規定しております。一方、民主党案では、「「移動制約者」とは、主として身体的理由により移動に関し制約を受ける者をいう。」と規定されております。私は、本法案と民主党案との間には大きな差はないと考えております。
次に、ユニバーサルデザインについてでありますが、本法案に基づき、身体の負担を軽減する施設等が整備されれば、その効果は、高齢者、身体障害者といった方々だけではなく、健常者を含むすべての人に及ぶものと考えております。
なお、御指摘のとおり、バリアフリー基準を作成する際には、ユニバーサルデザインの考え方を十分踏まえながら検討してまいる所存でございます。
次に、基本方針や基本構想等に利用者の声がどのように反映されるのかというお尋ねがございました。
私はかねてから、利用者のニーズ、地域の実情等に対応して、交通のバリアフリー化を進めることが重要であると考えてまいりました。したがいまして、国の基本方針の策定に当たりましては、閣議決定したパブリックコメント手続を活用することにより、高齢者、身体障害者等にとどまらず、広く多くの国民の皆さんの意見をお伺いすることといたしております。また、基本構想や特定事業計画につきましても、必要とあらば、国が定める基本方針の中で高齢者、身体障害者等の意見把握の措置について規定することを考えております。
次に、ボランティア制度の導入についてのお尋ねがございました。
バリアフリー化の推進に当たっては、ハード面の整備のみならず、現場の第一線で働く駅職員や利用客等が高齢者や身体障害者の皆さんのニーズをよく理解し、お互いに温かいサポートをすることが極めて重要であると認識しております。
御指摘のようなボランティア制度を浸透させるためには国民の理解と協力が不可欠であることから、本法案では国民の協力についての努力義務も定めていることでありますが、これを第一歩として、今後、ボランティア制度の導入等について真剣に考えてまいりたいと思っております。
また、現在、交通エコロジー・モビリティ財団では、交通ボランティア体験講座の開催や交通ボランティアネットワークの構築についての検討を行っております。運輸省としましても、こうした取り組みを積極的に支援し、人的なサポートの強化を図ってまいりたいと考えております。
最後に、スペシャル・トランスポート・サービスにつきましてのお尋ねでありますが、このような輸送サービスの重要性は今後ますます高まるものと考えておりますので、促進方策などの検討を進めていく所存でございます。拍手
〔国務大臣中山正暉君登壇、拍手〕
中
中山正暉#28
○国務大臣(中山正暉君) 堀利和先生に御答弁申し上げたいと思います。
視覚障害者として草の根障害運動から国政にお出ましいただいて、そして障害者の声を国政に反映させるために御活躍をなさっておられることに心からまずもって敬意を表したいと思います。
八代英太議員が参議院に御登場になられて、この国会議事堂も改造されましたし、それからまた、今、車いすの郵政大臣として大変御活躍でございますし、それによって首相官邸にもバリアフリー化が最近取り入れられたこと、これも私は障害者の方々にとりましてそういう意味での国政に対する反映が御同慶の至りと、かように考えております。
福祉の町づくりやバリアフリー施策の意義と、そしてその政策目標についてのお尋ねでございました。
町づくりを進めていくに当たりましては、高齢者、身体障害者を含むすべての人が安心して生き生きと暮らすことのできる生活空間を創造することが極めて重要であると考えておりまして、その実現に向けて、建設省におきましては、歩道等の歩行空間のバリアフリー化、それからハートビル法に基づく建築物のバリアフリー化、市街地再開発事業等市街地整備と一体となったバリアフリー化、それから公共賃貸住宅等住宅のバリアフリー化などに積極的に取り組んでいるところでございます。
今後とも、関係省庁と連携をしつつ、本法案に基づく旅客施設及び周辺のエリアの一体的なバリアフリー化を含め、生活空間のバリアフリー化を総合的に推進し、高齢者、身体障害者等に対しまして優しい町づくりを一層進めてまいりたいと考えております。
それから、ユニバーサルデザイン、ユニバーサルサービスという視点についてのお尋ねがございました。
ユニバーサルデザインというのは、あらゆる環境において多様な考察により人間をとらえ、きめ細かく設計することで、すべての人々に対しても適合するデザインを提供すること。アメリカの建築家で工業デザイナーのロン・メイス氏が提唱して始まったわけでございます。
いわゆるユニバーサルサービスにつきましても、これはすべての地域におけるすべての利用者に対し利用しやすい料金で一定の品質を持ったサービスを提供すること。これは欧米で主に電話それからまた郵便分野に関して発達した概念でございます。
ユニバーサルデザイン、ユニバーサルサービスとは、すべての人が利用しやすいデザインを提供する、またすべての人に一定水準のサービスを提供するという考え方であると理解をいたしております。
福祉社会の実現に当たりましては、高齢者それから身体障害者等を含むすべての人が安心して日常生活を営み、積極的に社会参加ができる環境を整備することが重要であると考えておりまして、本法案に基づく鉄道駅等の旅客施設の周辺の重点的かつ一体的なバリアフリー化の実施に際しましても、こうした考え方を十分に踏まえて取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。拍手
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この発言だけを見る →視覚障害者として草の根障害運動から国政にお出ましいただいて、そして障害者の声を国政に反映させるために御活躍をなさっておられることに心からまずもって敬意を表したいと思います。
八代英太議員が参議院に御登場になられて、この国会議事堂も改造されましたし、それからまた、今、車いすの郵政大臣として大変御活躍でございますし、それによって首相官邸にもバリアフリー化が最近取り入れられたこと、これも私は障害者の方々にとりましてそういう意味での国政に対する反映が御同慶の至りと、かように考えております。
福祉の町づくりやバリアフリー施策の意義と、そしてその政策目標についてのお尋ねでございました。
町づくりを進めていくに当たりましては、高齢者、身体障害者を含むすべての人が安心して生き生きと暮らすことのできる生活空間を創造することが極めて重要であると考えておりまして、その実現に向けて、建設省におきましては、歩道等の歩行空間のバリアフリー化、それからハートビル法に基づく建築物のバリアフリー化、市街地再開発事業等市街地整備と一体となったバリアフリー化、それから公共賃貸住宅等住宅のバリアフリー化などに積極的に取り組んでいるところでございます。
今後とも、関係省庁と連携をしつつ、本法案に基づく旅客施設及び周辺のエリアの一体的なバリアフリー化を含め、生活空間のバリアフリー化を総合的に推進し、高齢者、身体障害者等に対しまして優しい町づくりを一層進めてまいりたいと考えております。
それから、ユニバーサルデザイン、ユニバーサルサービスという視点についてのお尋ねがございました。
ユニバーサルデザインというのは、あらゆる環境において多様な考察により人間をとらえ、きめ細かく設計することで、すべての人々に対しても適合するデザインを提供すること。アメリカの建築家で工業デザイナーのロン・メイス氏が提唱して始まったわけでございます。
いわゆるユニバーサルサービスにつきましても、これはすべての地域におけるすべての利用者に対し利用しやすい料金で一定の品質を持ったサービスを提供すること。これは欧米で主に電話それからまた郵便分野に関して発達した概念でございます。
ユニバーサルデザイン、ユニバーサルサービスとは、すべての人が利用しやすいデザインを提供する、またすべての人に一定水準のサービスを提供するという考え方であると理解をいたしております。
福祉社会の実現に当たりましては、高齢者それから身体障害者等を含むすべての人が安心して日常生活を営み、積極的に社会参加ができる環境を整備することが重要であると考えておりまして、本法案に基づく鉄道駅等の旅客施設の周辺の重点的かつ一体的なバリアフリー化の実施に際しましても、こうした考え方を十分に踏まえて取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。拍手
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斎