福島瑞穂の発言 (本会議)

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○福島瑞穂君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、ただいま議題となりました消費者契約法について質問いたします。
 民法が制定されて百年以上経過をしました。民法が前提としている対等な個人間の契約の前提となっている環境も一部において激変しました。情報を持つ事業者と情報を持たない圧倒的に多くの消費者に二分されるという事態が出現しております。商品やサービスについての情報を独占し流通過程にアクセスすることのできる事業者と一個人としての消費者とでは、契約の段階において情報力や交渉力において極めて大きな格差があります。
 民法のみでは消費者は救済されないという事態が生じています。民法の特別法である消費者契約法の成立が待たれたゆえんです。その意味で、消費者契約法案の上程を歓迎するものです。
 ただし、法案の多くの内容についてはさまざまな疑問があり、質問をいたします。すべて経済企画庁長官にお尋ねします。
 第一に、この消費者契約法案と最近提出された金融商品の販売等に関する法律案との関係はどうなるのでしょうか。郵貯や簡保、そしてリスクの大きい先物取引はなぜか消費者契約法の対象となり、共済は金融商品の販売等に関する法律の対象となるとされています。
 ところで、消費者契約法とは、消費者が契約の全部または一部の効力を否定することができるようにする場合を新たに法律で定めるものであるのに対し、金融商品の販売等に関する法律は、契約の効力を否定せず説明義務違反に対する損害賠償責任を課すもので、法律の効果が全く異なります。
 しかるに、一般の消費者にとって自分のケースが果たしてどちらの法律によるのか、なかなか判断できないと考えます。
 行政縦割りの中でこのように全く異なる法律が二つ出たのではないでしょうか。しかし、これでは国民には難し過ぎて混乱するのではないでしょうか。
 第二に、説明義務について質問します。
 第三条一項の事業者の説明義務について、これは事業者への法的義務ではないと経済企画庁長官は答えていますが、これまで裁判で認められてきた水準をいささかでも軽減するものではないと言えるでしょうか。消費者契約法制定の背景にある情報力の格差を考えれば、事業者の説明義務は法的義務とすべきではないでしょうか。
 事業者の情報提供努力義務と消費者の理解努力の間には程度の差があるのですか。対等なのでしょうか。もし、この二つの努力義務が対等であるとすれば、消費者契約法案が事業者と消費者の構造的な格差ゆえに提案されたことと矛盾しないでしょうか。
 第三に、四条二項に、事業者が重要事項または重要事項に関連する事項について、消費者の利益になる旨を告げ、かつ消費者の不利益となる事実を故意に告げずとありますが、故意を消費者が立証することは著しく困難と考えます。立証責任の軽減の方法、転換など何か考えていますか。
 第四に、第四条三項では、退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず退去しない、退去したい旨の意思を示したにもかかわらず退去させないことだけになっています。被害が多くある電話での執拗な勧誘や、家族や本人に対する心身の不安をあおったような行為などは救済されるのでしょうか。
 第五に、表示をしただけでは勧誘行為がないのでしょうか。勧誘行為がない場合は消費者契約法の対象にならないと長官は回答していますが、勧誘行為は不可欠の要件でしょうか。インターネットを通じた取引は消費者契約法の対象になるのでしょうか。
 第六に、本法の施行状況がどのようになっているかや、電子商取引など新しい商品・サービスの参入等を考えると、施行状況を検証し、施行後も発生している消費者被害の防止の観点から、法案の将来的な見直しが必要だと考えますが、どうでしょうか。
 先ほど長官は、見直し規定を置くと国民はこの法律に欠陥があると考えるのではないかとおっしゃいました。しかし、変化の激しい契約の世界において見直しは必要であり、見直し規定の存在はこの法律の価値をいささかも減ずるものではないと考えます。
 第七に、実効性の確保の観点からすると、消費生活センター、国民生活センターの強化充実は欠かせないと考えますが、センターの縮小が言われている中で、実効化策を具体的に検討していますか。
 最後に、契約によって三万円、五万円、十万円、二十万円という貴重なお金を失ったとしても、個人で裁判費用や弁護士費用を払って裁判に訴えようとする人は少ないと思います。割に合わないからです。訴えられないことを見越して、数多くの人をだまし暴利をむさぼっている悪質な業者もいます。だからこそ、消費者団体に団体訴権を付与することが必要だと考えますが、いかがでしょうか。諸外国には例もありますし、要件を絞ればそれは可能です。また、消費者被害の未然防止などの観点から、消費者団体に差しとめ請求権の付与を検討するお考えはありますか。
 以上、お尋ねいたします。(拍手)
   〔国務大臣堺屋太一君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 福島瑞穂

speaker_id: 21055

日付: 2000-04-19

院: 参議院

会議名: 本会議