堺屋太一の発言 (本会議)

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○国務大臣(堺屋太一君) 福島瑞穂議員にお答えいたします。
 まず最初に、金融商品取引等に関する法律と本法との関係についての御質問がございました。
 金融商品取引等に関する法律は極めて限られた範囲を対象としておりますのに対して、本法は労働契約を除いてすべてに例外なくかかっております。そういうことから、当然にその仕組みに違いがあり、程度にも違いがあるのは当然だと考えております。今後も、特定の問題があらわれましたときには、特別法が提案されることはあり得ると考えております。
 次に、事業者の情報提供についてのお尋ねがございました。
 第三条第一項に規定する努力を果たさなかったとしても何らの私法的な効果も発生しないので、情報提供義務違反を理由とする損害賠償請求など、これまで裁判で認められていた事業者の説明義務の水準をいささかも軽減するものではございません。これは、提供義務を書いてございますが、従来のものを軽減するわけではございません。
 また、消費者契約法のような、あらゆる事業分野を対象とする包括的な民事ルールにおきましては、情報提供を義務とし、情報の不提供に対して私法的な効果を発生させた場合、個別事業分野にとって抽象度が高いために、事業者にとって予見可能性を欠き、健全なビジネスの発展を阻害する結果になりかねないと考えております。
 次に、事業者及び消費者に求められる努力義務の程度についてのお尋ねがございました。
 本法案の第三条は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差にかんがみ、事業者には情報を提供する努力を求める一方で、消費者には事業者から提供された情報を理解する努力を求めるのみにとどめており、努力の内容に差を設けているものであります。
 また、事業者の努力については「努めなければならない。」と規定しているのに対し、消費者の努力については、努力するものとすると規定することによって、求める努力の程度に、若干消費者の方を弱めているところでございます。
 第四条第二項の「故意」についてお尋ねがございましたが、これは民法の詐欺における相手方を欺こうとする意思よりも程度の弱いものであるため、消費者の立証負担が軽減されるものであって、消費者にとってこれを立証することは民法の詐欺に比べると容易になっていると考えております。
 事業者の電話による執拗な勧誘や、家族や本人に対する心身の不安をあおるような行為についてお尋ねがありました。
 これらの行為については、消費者は必ずしも政府案の規定により救済されることはありませんが、訪問販売等に関する法律のクーリングオフや、民法の強迫・不法行為の規定などにより救済される場合もあると考えております。
 第四条の「勧誘」についてお尋ねがございましたが、これは取引の安全の確保にかんがみ要件化したものであります。単なる表示は勧誘に当たりませんが、一方、インターネット取引において、例えば消費者からメールによる問い合わせを受けた事業者が回答の中で不実告知を行った場合には、本法案の規定による取り消しの対象となり得るものと考えております。
 本法の施行状況の検証及び法案の将来的な見直しについてお尋ねがございました。
 これらにつきましては、地方の消費生活センターや国民生活センターを結ぶオンラインネットワークシステム、いわゆるPIO—NETの活用を通じて情報を正確に収集整理し、こうして得られた情報に基づき適切に対処してまいりたいと考えております。
 国民生活センター、消費生活センターについてのお尋ねがありました。
 地方自治体の消費生活センターのあり方については、各自治体において自主的に判断されるべき事項でありますが、経済企画庁といたしましては、こうした消費生活センター縮小の動きが適切な苦情処理を妨げることがないように地方自治体に要請を行うとともに、今後とも国民生活センターによる研修、情報提供等を充実させ、支援に努めてまいりたいと考えております。
 最後に、消費者団体による差しとめ請求権についてお尋ねがございましたが、これはドイツなど一部の国には認められておりますが、今後、日本の司法制度の流れを踏まえまして、十分な検討を行う必要がある事項だと考えております。(拍手)
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発言情報

speech_id: 114715254X01820000419_017

発言者: 堺屋太一

speaker_id: 30364

日付: 2000-04-19

院: 参議院

会議名: 本会議