二階俊博の発言 (本会議)
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○国務大臣(二階俊博君) 堀議員にお答えを申し上げます。
堀議員が今日まで障害者の皆さんの常に先頭に立って福祉政策に、バリアフリーの社会を築くために御尽力をいただいてまいりましたことに、まずもって心から敬意を表したいと存じます。(拍手)
交通バリアフリー施策の意義と目標についてでありますが、交通のバリアフリー化により高齢者、身体障害者の方々が移動する際の身体の負担を軽減し、その利便性、安全性を向上することが不可欠であります。そして、これは交通に責任を有する運輸省、建設省、警察庁、自治省の各省庁がみずからの問題として取り組むべき重要な意義を有すると考えております。今回の法案は、まさにこのような考えに基づいて四省庁で連携して提案申し上げているものであります。
このため、本法案では、高齢者、身体障害者等の方々がみずからの意思に基づいて生活をし、あらゆる分野の活動に積極的に参加できるような交通体系の形成に寄与することを目標としております。
次に、交通エコロジー・モビリティ財団につきまして、この補助制度の限界、新たな補助制度の成果についてお答えを申し上げます。
平成十年度まで交通エコロジー・モビリティ財団を通じましてエレベーター、エスカレーターの整備に対し一〇%を限度とする国庫補助を行っていたところであり、その額は年間一億円程度でありました。
この制度を利用して施設整備が行われる駅は年間十数駅にとどまり、本格的な高齢社会の到来を目前に控え、バリアフリー化が十分に進んでいるとはとても言えないような状態でありました。このため、平成十年度第三次補正予算において、補助率を国、地方合わせて三分の二とし、さらに予算額も五十億円を確保するなど、大幅な拡充を実施したところであります。
また、本法案を提出するに際しましても、物理的な制約や交通事業者の投資余力の限界といった要因もありましたが、JRを初めとする交通事業者は、旅客施設、車両等のバリアフリー化を進めるという基本的な考え方に賛同し、前向きな意向を示しているものと考えております。
次に、交通権についてでありますが、交通権については、憲法上いまだ明示されているものではなく、学説、判例においても確定されたものではないと承知をいたしております。
また、仮に交通権に関する新たな立法措置を講ずるといたしましても、法律として規定するためには、その内容を明確化する必要があると考えます。いかなる交通サービス水準を享受することが権利であるかという点につきまして、社会的合意が形成されておらず、内容が明確になっていないことから、権利として本法案に規定することは適当ではないのではないかと考えております。
次に、移動制約者という概念を盛り込まなかった理由についてお尋ねがございました。
本法案では、具体的に講ずべき施策の対象として、「日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受ける者」と規定しております。一方、民主党案では、「「移動制約者」とは、主として身体的理由により移動に関し制約を受ける者をいう。」と規定されております。私は、本法案と民主党案との間には大きな差はないと考えております。
次に、ユニバーサルデザインについてでありますが、本法案に基づき、身体の負担を軽減する施設等が整備されれば、その効果は、高齢者、身体障害者といった方々だけではなく、健常者を含むすべての人に及ぶものと考えております。
なお、御指摘のとおり、バリアフリー基準を作成する際には、ユニバーサルデザインの考え方を十分踏まえながら検討してまいる所存でございます。
次に、基本方針や基本構想等に利用者の声がどのように反映されるのかというお尋ねがございました。
私はかねてから、利用者のニーズ、地域の実情等に対応して、交通のバリアフリー化を進めることが重要であると考えてまいりました。したがいまして、国の基本方針の策定に当たりましては、閣議決定したパブリックコメント手続を活用することにより、高齢者、身体障害者等にとどまらず、広く多くの国民の皆さんの意見をお伺いすることといたしております。また、基本構想や特定事業計画につきましても、必要とあらば、国が定める基本方針の中で高齢者、身体障害者等の意見把握の措置について規定することを考えております。
次に、ボランティア制度の導入についてのお尋ねがございました。
バリアフリー化の推進に当たっては、ハード面の整備のみならず、現場の第一線で働く駅職員や利用客等が高齢者や身体障害者の皆さんのニーズをよく理解し、お互いに温かいサポートをすることが極めて重要であると認識しております。
御指摘のようなボランティア制度を浸透させるためには国民の理解と協力が不可欠であることから、本法案では国民の協力についての努力義務も定めていることでありますが、これを第一歩として、今後、ボランティア制度の導入等について真剣に考えてまいりたいと思っております。
また、現在、交通エコロジー・モビリティ財団では、交通ボランティア体験講座の開催や交通ボランティアネットワークの構築についての検討を行っております。運輸省としましても、こうした取り組みを積極的に支援し、人的なサポートの強化を図ってまいりたいと考えております。
最後に、スペシャル・トランスポート・サービスにつきましてのお尋ねでありますが、このような輸送サービスの重要性は今後ますます高まるものと考えておりますので、促進方策などの検討を進めていく所存でございます。(拍手)
〔国務大臣中山正暉君登壇、拍手〕