川橋幸子の発言 (本会議)
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○川橋幸子君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま大蔵大臣から報告のありました平成十年度決算に関連し、青木首相臨時代理及び関係大臣に質問をいたします。
まず、私は、先週金曜日、森総理が行った異例の釈明会見についてお尋ねしないわけにはまいりません。
天皇を中心とする神の国発言について森総理は、誤解を与えたことを反省し、深くおわびを申し上げると陳謝をされたものの、間違ったことを申し上げたとは思っていないと改めて発言の撤回を拒否されました。与党筋では、この陳謝をもって事実上の撤回に近いと解釈しているようですが、しかしながらこの問題は、こんなに謝っているのだから許してほしいということでは済まされないものがあります。今回の釈明会見では、総理たるものの責任を何ら自覚されていない森総理のお姿が無残なまでに国民の目に明らかになりました。
青木官房長官は、森総理大臣に対してこの釈明会見を強く進言されたと聞いております。また、小渕前総理が病に倒れられた後は首相臨時代理として、密室談合の中でらつ腕を振るわれ、後継森総理を誕生させた責任者のお一人であると伝えられております。
今回の発言は、森総理御自身が十分に意を尽くさなかったと述べておられるわけですから、いま一度発言の撤回を官房長官から進言されるおつもりはありませんか。
また、今回の発言及びそれに対する総理の責任のとり方を見ると、まさしく総理としての資質を欠いているとしか言いようがありません。森総理大臣を誕生させた首相臨時代理としての資格と責任において、森内閣の退陣を強く進言されるべきではないでしょうか。お尋ねいたします。
いずれにせよ、森総理の資質については、間もなく行われる総選挙において国民が判断を下すことになるでしょう。その発言が真意ではなくリップサービスであったとすれば、自公保の連立政権の本質は、復古的な保守勢力に対して気兼ねをしなければならないような政権基盤にあることを指摘し、次に十年度決算についての質問に移ります。
まず、決算の早期提出について伺います。
決算審査の結果は次々年度の予算に反映すべきことがこれまでも繰り返し指摘され、そのたび宮澤大蔵大臣は、ごもっともでございますと答弁されてきました。
しかるに、十年度決算は、昨年十一月二十九日に会計検査院が例年より二週間近く早く内閣に回付しており、内閣からの国会への提出は、やる気になれば去年の臨時国会中にできたにもかかわらずことしの通常国会へと延期され、その後は審議されることなく今日に至っております。この間我が党は、決算の重要性及び参議院の役割といった視点から今国会中における早期審査を要求し続けてまいりましたが、本日ようやく、解散直前の政局騒然とした中で審査を開始しようとしているわけでございます。このような状況を大蔵大臣はどのようにお考えになるのか、誠意ある答弁を求めます。
次に、小渕前総理が自分は世界一の借金王と言われましたように、我が国の公債残高は国、地方を合わせて六百四十五兆円、我が国GDPの規模の一・三倍にも上っています。ムーディーズが日本の国債の格付を再度引き下げる方向との報道もあります。大蔵大臣は、十三年度予算編成においては国債発行額を十二年度より縮減したいという意向や、財政構造改革についてもぼつぼつ政治が考えていかなければならないとの御発言を衆議院予算委員会で述べておられます。今後の景気回復について政府はこのところ割合自信のありそうな見通しを述べておられますが、財政再建、財政構造改革に取り組む時期について、大蔵大臣としてのお考えを明確にお示しください。
次に、税収見積もりの狂いについて伺います。
十年度予算における見積もりと決算後の実績の乖離はついに九兆円を超える過去最高の額に上ってしまいました。なぜこのような巨額の狂いが生じてしまったのでしょうか。十一年度決算ではどのような見通しになるのか。また、今年度については予定どおり実績を確保する自信がおありなのか。選挙前における公共事業の大盤振る舞いや福祉に名をかりたばらまきには、もう国民はうんざりしております。未来に対する責任を感じる人がふえてきております。これらについて、大蔵大臣の答弁を求めます。
次に、公共事業の政策評価について伺います。
公共事業と景気回復、そして財政再建が我が国の将来に三重苦のような困難を示しております。我が党では、公共事業コントロール法を提案するとともに、長期にわたる大型公共事業の政策評価については時のアセスを住民参加のもとで実施すべきことを主張しております。政府は今後、公共事業のあり方についての政策評価をどのように行っていくのか、基本的な哲学を大蔵大臣にお尋ねいたします。
さて、公共事業改革に関連して、吉野川可動堰問題をめぐる中山建設大臣の発言についてお尋ねいたします。
吉野川可動堰に関する住民投票で計画反対の票が九〇%以上に上ったことを踏まえ、中山建設大臣は地元市民団体の人々にゼロからの話し合いを表明されました。しかし、最近になってから大臣は、市民団体のメンバーの一人を名指しで、二回の逮捕歴がある、国をつぶそうと逮捕された人が吉野川を守ろうというのはおかしい、彼がいなければ行きますなどと発言し、対話を拒否しておられます。
三十年も前のベトナム反戦運動が高まった当時のことを大臣は問題にされているようでございますが、一体それと吉野川堰とはどんな関係があるのでしょうか。そのような事実をだれから聞いたかは別にしても、閣僚たるものが一私人の過去の逮捕歴を公の場で口にすることなど、到底許されるものではありません。片や豊島の産廃処理問題では、中坊公平氏とおっしゃるすぐれたリーダーがおられ、行政と住民の間で解決の道筋が見えたというニュースが報じられております。そのようなときに、吉野川堰問題では、建設大臣ともあろう人がこのような常軌を逸した言動で対話を拒否しておられることは、まことに悲しむべきことです。
このような発言については、閣僚としての資質を問われるものであり、直ちに撤回し、閣僚を辞任すべきものと思いますが、官房長官、中山建設大臣の所見を求めます。
今国会においては、新潟少女監禁事件、桶川のストーカー被害女性の殺人事件などの痛ましい事件の頻発とこれに対する警察の不祥事、不手際が相次いだことを背景として、いわゆる犯罪被害者権利保護法、児童虐待防止法、ストーカー行為規制法など、一連の法律が予想以上の速いテンポで成立いたしました。
これに関連して、政府の男女共同参画審議会では女性に対する暴力に関してかねてより検討を進めており、その基本的方策のあり方について中間まとめを行い、この五月中に広く意見募集をしているところであります。
ついては、男女共同参画担当大臣として、こうした状況の変化を踏まえ、審議会に対して結論の取りまとめを急ぐよう要望するとともに、答申が得られた際は速やかに新たな法的措置を講ずべきと考えます。官房長官の所見を求めます。
ことしは二〇〇〇年という節目の年であります。一九七五年の国際女性年から始まった四半世紀にわたる世界各国の努力の総決算が、この六月五日からニューヨークで開催される女性二〇〇〇年会議において行われることとなっております。昨年、我が国でも男女共同参画社会基本法が成立したことは、私も評価しております。
先ごろ発表された総理府の世論調査では、日本は男性の方が優遇されていると答えた人が七七%にも上り、五年前に比べますと、政治の場や法律、制度の上で男性優遇を感じている人が五ポイント程度ふえております。
また、総選挙を控え、ことしの政府の白書は、女性が初めて参政権を得た直後に実施された総選挙において三十九人の初の女性代議士が誕生した記録がいまだかつて破られていないと述べております。
現在、女性の衆議院議員は二十五人、全体に占める女性議員比率は五%であり、この比率は世界各国の順位の中では百二十六位と、先進国は無論のこと、途上国を含めても最低水準に近くなっております。その原因はどこにあると総理府では分析しているのでございましょうか。女性の側の努力が必要なことはもちろんですが、各国においては、立候補者のクオータ制、すなわち立候補者についての一定数の割り当て制が政党内部の規約や法律によって義務づけられていることが大きく影響していると伝えられております。
最近の例では、フランスの憲法改正による男女同数条項の採用、お隣韓国における政党法による三〇%条項の採用があります。男女共同参画社会基本法は、第二条に積極的改善措置を定め、第十条には企業や政党などの中間団体を含めた国民の努力義務を定め、そしてさらに第十六条においては、国民の理解を深めるための国の義務を定めております。
政治における男女共同参画について日本の現状を踏まえると、政府は諸外国におけるクオータ制等の採用につき、政党に対して正確な情報提供を行う義務があるのではないかと考えます。男女共同参画担当大臣としての官房長官の答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕