海野義孝の発言 (本会議)
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○海野義孝君 私は、公明党・改革クラブを代表して、ただいま議題となりました平成十年度の決算につきまして質問いたします。
平成十年度の一般会計決算は、九千五百八十六億円の純剰余金が発生しました。九年度に一兆六千百七十四億円の決算上の不足が生じたことと比較して、財政は好転したように見えますが、剰余金発生の背後には十六兆九千五百億円の特例公債を発行しているという事情があります。このことを勘案するならば、我が国の財政状況は依然として厳しいものと見られますが、十年度決算についての大蔵大臣の所見をお聞きしたいと思います。
また、歳入の大半を占める租税及び印紙収入は、十年度についに五十兆円を割り込み、昭和六十二年度の水準にまで大きく後退しております。十一年度三月末の税収の水準を見ても、十年度の三月末に比較して七%の落ち込みであり、このまま推移すれば十一年度税収の決算額は極めて低水準になると見込まれますが、十一年度の税収について大蔵大臣の見通しを伺います。
次に、政策評価制度について伺います。
政策評価は、中央省庁等改革の重要な柱の一つとして、平成十三年一月からの導入に向け、その検討、準備が進められております。多元的、客観的な政策評価を行うため、総務庁において、全政府的見地から府省横断的に評価を行う必要がある場合等になされる政策評価と、各府省の所管行政に対する政策評価が行われることになっております。
これらの新たな政策評価制度は、社会情勢の変化に基づき政策を見直すという評価機能が欠如していたことに対する反省に立った上で、効率的な行政サービスを必要最小限のコストで提供するという観点から導入されたものであります。その意味では、各府省及び総務省でなされた政策評価の結果を予算編成の過程において活用し、事後の行政活動に反映させることは、我が国の危機的な財政を立て直すという意味においても大変に重要な課題であると言えます。
そこで、今後、政策評価の結果をどのように予算編成に反映させていくお考えか、具体的な手法を含め宮澤大蔵大臣の所見をお伺いします。
次に、政府による政策評価とあわせ、会計検査院による会計検査の充実強化について取り上げたいと思います。
政府による政策評価機能の強化は言うまでもないことですが、行政改革会議の最終報告においては、評価は政府の部外からもなされることが重要であるとして、検査院による評価に対して期待が表明されております。一方、国会においては国会法及び会計検査院法を改正し、国会からの検査要請を可能にするなど、検査院と国会の連携を強化して検査の充実拡大を図る措置が講じられております。
しかし、今後ますます重要になると見られる会計検査院の役割と機能にかんがみるとき、現行の行政機構の一機関としての位置づけでは、その活動内容、範囲に限界があるのではないでしょうか。
その政策評価が内外から高い評価を得ている米国の会計検査院は、米国議会に所属し、検査院長は議会にかわって検査を行うと位置づけられております。また、英国の会計検査院は下院にかわって検査を行うものとされ、財政監督は大蔵省と決算委員会と会計検査院が三位一体となることによって効果を上げていると言われております。
我が国においても、決算委員会と会計検査院との連携をさらに強化することによって政策評価の実を上げるため、組織上、国会と検査院が一体となって財政監督を行うことも視野に入れて検査院の充実強化を図る必要があると思いますが、官房長官の所見を伺います。
次に、特殊法人改革について伺います。
日本輸出入銀行と海外経済協力基金が統合され、国際協力銀行が発足し、また、住宅・都市整備公団が都市基盤整備公団に改組されるなど、形の上では特殊法人の整理統合が進められました。しかし、総裁や理事長ポストが多少減っただけで実質的に特殊法人のスリム化は進んでいないとの主張もあります。政府では、一連の整理統合についてどう評価しているのでしょうか。
また、特殊法人の担うべき役割は何なのか、その運営は効率的に行われているのかといった点については今後も絶えず見直していくことが必要であります。
その一環として、総理大臣の諮問機関である経済戦略会議は、平成十一年二月の答申において、特殊法人を含む国の会計の連結決算を作成すること、特殊法人の財産の明細を公表することなどを提言しています。政府としてこれらにどう取り組むつもりか、官房長官からお答えいただきたいと思います。
また、特殊法人改革がいまだ不十分と思われる事例として石油公団を取り上げてみたいと思います。
石油公団については、平成九年以降、膨大な不良債権の存在や情報開示について多くの指摘があり、通産省により一連の改革が行われました。しかし、本年二月にはアラビア石油がペルシャ湾沖の原油採掘権を失うなど、我が国の石油資源の自主開発等を含め、エネルギー政策は大きな転換点に立たされております。現に、石油公団のあり方について厳しい見方がなされており、エネルギー政策の中で石油公団という特殊法人をどのように見直されるつもりか、財投改革の視点も踏まえ、通産大臣の見解をお伺いいたします。
次に、平成十年度決算検査報告の指摘事項について伺います。
検査報告には、不当事項として、海上自衛隊の地域通信処理システム、LACSをめぐる調達手続において、国の会計制度の基本原則を著しく逸脱した事案が指摘されております。
防衛装備品の調達をめぐっては、十年九月に元調達実施本部長らが過大請求事件に関連し逮捕されておりますが、今回の事案はその事後に発生しております。同じく検査報告で指摘された自衛艦の検査、修理の契約をめぐる事案や、石油会社の担当者が逮捕された航空ジェット燃料入札談合事件とあわせ、防衛庁の入札をめぐる不透明な状況に変化はないと言わざるを得ません。
参議院は、平成八、九年度決算に関する内閣に対する警告決議において、防衛庁と契約企業との関係の適正化等を求めておりますが、同決議に対し防衛庁としてどのような施策を実施していくのか、また各自衛隊の現場への周知徹底をどのように図っていくのか、瓦防衛庁長官の責任ある答弁を求めます。
最後に、財政構造改革について我が党の基本計画について申し述べます。
二〇〇一年から二〇〇二年度にかけ、景気回復軌道を安定的なものにすることを背景に二〇〇一年中に財政再建の考え方を整理し、二〇〇二年の通常国会に「新・財政構造改革法案」(仮称)を提出する考えであります。そして、二〇〇三年度から五カ年計画単位で本格的財政再建に取り組む考えであります。
具体的な改革につきましては、これまで答弁を求めてまいりました諸施策の実現のほかに、地方分権と市町村合併、消費税の福祉目的税としての位置づけ、公共事業の徹底見直しと効率化など予算の歳出・歳入構造の抜本的改革、政府保有資産の売却等々であります。
財政再建は喫緊の課題であり、景気回復と並行して基本計画の策定に早期に着手すべきであります。大蔵大臣の御所見を伺い、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕