宮澤喜一の発言 (予算委員会)

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○国務大臣(宮澤喜一君) これからの日本経済の問題として、新しく業を起こすその創業という問題をお取り上げになられましたことは私は非常な御見識だと思います。とにかく日本人はリスクをとりたくないと言われている国民でございますから、どうしてもそれを直していかなきゃならぬと思いますが、政府も昨年そういうことで臨時国会を中小企業国会と銘打って、確かにおっしゃいますように金融でも税制でもかなりの新しい施策を出しました。
 その中で今お話しのキャピタルロスのお話でございますが、エンジェル税制の特例を確かに今までやってきましたが、それは、キャピタルロスを生じた場合にそれを何年間か繰り越して計算ができるというにとどまっておりましたものを、キャピタルゲインがありました場合にその課税を軽減する。それは今おっしゃいましたように半分にするということでございますから、創業者利益なら半分になりますのでいわば四分の一になる、それはかなりの思い切りだと私ども思っています。
 そこで、今おっしゃいましたことは、キャピタルゲインがあった場合に、あるいはキャピタルロスがあった場合に、それをその他の所得と通算するしないという問題でございます。
 これは白浜委員がよく御存じでございますのでくどくは申しませんが、今の所得税の体系の中で、これは御存じのように総合課税で累進ということになっております。その例外として幾つかのものをその外に置いております。利子所得もそうでございますし、殊にキャピタルゲイン、株によるもの、あるいは土地によるもの、譲渡所得も外に置いてございます。これは概して累進という高い税率から切りまして、フラットの税率なりなんなり、余り累進のかからないような課税をして優遇しているわけでございますので、そこで、こっち側にロスが出ましたときにこっち側の所得と通算いたしますと、それは今度は高い累進の税率を巻き込むということになります。
 つまり、表現は悪うございますが、税を取る側から言えば、利益が生じたときも分離して低い課税をしておりますと言っておきながら、損が出たときには今度高い累進税率の対象になるものと通算いたしますといいますと、取るものを取らないのみならず取れるものを取らない、こういうことになりますから、分類所得の基本のところで、どうしてもそこのところのいわば説明がつかないと申し上げたのがいいのかもしれません。そんなことをするぐらいなら、むしろキャピタルゲインの方をずっと小さくするということの方が私はまだいいんじゃないか。
 ちょっとこだわるようなのでございますけれども、私はベンチャーキャピタルのためには大抵のことはすべきだという考えでおるのでございますけれども、その他の所得との通算だけは、どうも分類所得税の建前からいってうまく説明ができないというのが正直のところでございます。

発言情報

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発言者: 宮澤喜一

speaker_id: 13804

日付: 2000-03-02

院: 参議院

会議名: 予算委員会