堺屋太一の発言 (予算委員会)
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○国務大臣(堺屋太一君) まず、日本経済がどうなったら本格的回復と見て財政の方に手をつけたらいいか、これ自体大変難しい問題でございまして、まず景気回復の問題、そして同時に構造改革がかなり進んでいる、これが一つの条件になると思います。その次に企業の収益性と投資、これが十分にできてきているということもやはり大きな条件になり、そして新しい産業が芽生えている、そういうような、構造改革と同時に日本の産業界の活力ということも必要になってくると思います。それから、やはり物価の問題でございますが、消費者物価、卸売物価、それから資産物価、そういったものの安定も必要だろうと思っております。
大蔵大臣も御指摘になりましたように、この財政の中期展望というのは、成長率を一定と押さえて、そしてもう二つ、成長率を一%程度上回る長期金利がある、それから税収弾性率が一・一%というようなこと、それから地方交付税その他の点にも条件をつけておりますが、そういった箱の中で考えますと、こういうなかなか財政再建が困難だというような答えが出てまいります。
しかし、国際的にアメリカがどうだったか、イタリアがどうだったか、カナダがどうだったか、それから日本の七〇年代がどうだったか、八〇年代がどうだったか、九〇年代がどうだったか、こういうような数字を見てみますと、必ずしも予定したとおりにいっていない。平均的な予想値としては今言っている数値はおかしくはないんでございますが、不況から脱出したときにはかなり大きな弾性値といいますか、税収がはね上がっているときもございますし、また長期金利を名目成長率が上回っているときもございます。
回復したときにどのような姿に日本がなっているか。例えば、重厚長大に比べまして、情報産業などでございますと、設備投資の割に売り上げが高いものですから利益率が高いということもあります。現在の日本のROAは三%弱でございますが、アメリカは五・九、倍ぐらいいっている。そうすると、法人税の方も違ってくるというような問題もございます。そういうような立ち上がったときの姿というのがやはり大事だと思うんです。
日本は、今いわば一種の構造改革という体質改善の真っ最中でございまして、そのために費用、入院費がかかって所得がないというような財政状態を続けておりまして、ようやく散歩に行けるぐらいまではなってきた。これが、病気が治って復帰したときに、もとの職業、重化学工業を中心としたもとの職業ではなしに違う職業についているというような状態なんですね。健康状態も変わってきております。それから少子高齢化が進むという、家族構成も変わってくる。そういう姿を見て、それでどのような財政を考えていくかということが重要だと思います。
それから、委員御指摘の不動産の件でございますが、資産デフレというのは、不動産デフレ、株の方は上がっておりますから不動産デフレの方ですが……(発言する者あり)株も銘柄によっては大半の銘柄、過半数の銘柄が下がっているような状況でございますが、資産デフレの特に土地について申しますと、土地は、よく言われますように、予測収益還元法という、値段で決まるといいますが、この予測収益自身が家賃が下がったり空き率がふえたりして変わります。
それでもう一つは、将来価格予測というのがあります。将来価格予測でいいますと、人口がふえないものですから住宅がこれ以上要らないというような意識がございまして、これがひとつ足を引っ張っております。我々の考えますのは、経済状況が変わったにもかかわらず社会状況が変わらずに、小さい家に住むのが当たり前だという状況になっているんです。
アメリカあたりで家がいつ広くなったかというと、家でホームパーティーを開く習慣ができたときだというんですが、そういう条件が日本でなくて、依然として土地は高くて、倹約せにゃいかぬものだという意識がありますから、土地需要が非常に抑えられる。これがもう少し浸透してきて資産が積み上がり、土地の値段が安い、以前のように非常に高価なものでないという認識が出てくれば需要が回復する。それにつきましては、やはり規制緩和、それから証券化を含む流動化、そういった制度上の支援が必要だと思っております。
だから、本格的に立ち直る段階でそういうことも含めて検討していかなきゃいけない、相当大きな体系的変化を考えなきゃいけないんじゃないかという気がしております。