予算委員会

2000-03-03 参議院 全325発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成十二年三月三日(金曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二日
    辞任         補欠選任
     上杉 光弘君     岩井 國臣君
     小山 孝雄君     有馬 朗人君
     鴻池 祥肇君     田村 公平君
     谷川 秀善君     岩永 浩美君
     仲道 俊哉君     岩瀬 良三君
     櫻井  充君     谷林 正昭君
     魚住裕一郎君     益田 洋介君
     泉  信也君     入澤  肇君
 三月三日
    辞任         補欠選任
     有馬 朗人君     小山 孝雄君
     岩永 浩美君     谷川 秀善君
     田村 公平君     鴻池 祥肇君
     筆坂 秀世君     富樫 練三君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         倉田 寛之君
    理 事
                竹山  裕君
                長谷川道郎君
                保坂 三蔵君
                溝手 顕正君
                伊藤 基隆君
                峰崎 直樹君
                荒木 清寛君
                笠井  亮君
                照屋 寛徳君
    委 員
                有馬 朗人君
                市川 一朗君
                岩井 國臣君
                岩瀬 良三君
                岩永 浩美君
                大野つや子君
                釜本 邦茂君
                岸  宏一君
                北岡 秀二君
                久野 恒一君
                国井 正幸君
                小山 孝雄君
                鴻池 祥肇君
                斉藤 滋宣君
                田村 公平君
                谷川 秀善君
                中島 眞人君
                浅尾慶一郎君
                木俣 佳丈君
                久保  亘君
                竹村 泰子君
                谷林 正昭君
                直嶋 正行君
                堀  利和君
                本田 良一君
                益田 洋介君
                松 あきら君
                山本  保君
                須藤美也子君
                富樫 練三君
                宮本 岳志君
                清水 澄子君
                三重野栄子君
                入澤  肇君
                高橋 令則君
                奥村 展三君
                松岡滿壽男君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       法務大臣     臼井日出男君
       外務大臣     河野 洋平君
       大蔵大臣     宮澤 喜一君
       文部大臣
       国務大臣
       (科学技術庁長
       官)       中曽根弘文君
       厚生大臣     丹羽 雄哉君
       農林水産大臣   玉沢徳一郎君
       通商産業大臣   深谷 隆司君
       運輸大臣
       国務大臣
       (北海道開発庁
       長官)      二階 俊博君
       郵政大臣     八代 英太君
       労働大臣     牧野 隆守君
       建設大臣
       国務大臣
       (国土庁長官)  中山 正暉君
       自治大臣
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    保利 耕輔君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       青木 幹雄君
       国務大臣
       (金融再生委員
       会委員長)    谷垣 禎一君
       国務大臣
       (総務庁長官)  続  訓弘君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  瓦   力君
       国務大臣
       (経済企画庁長
       官)       堺屋 太一君
       国務大臣
       (環境庁長官)  清水嘉与子君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  松谷蒼一郎君
   政務次官
       外務政務次官   山本 一太君
       大蔵政務次官   林  芳正君
       文部政務次官   河村 建夫君
       厚生政務次官   大野由利子君
       農林水産政務次
       官        金田 勝年君
       通商産業政務次
       官        細田 博之君
       運輸政務次官   中馬 弘毅君
       郵政政務次官   小坂 憲次君
       郵政政務次官   前田  正君
       労働政務次官   長勢 甚遠君
       建設政務次官   加藤 卓二君
       建設政務次官   岸田 文雄君
       自治政務次官   橘 康太郎君
       総務政務次官   持永 和見君
       防衛政務次官   依田 智治君
       防衛政務次官   西川太一郎君
       経済企画政務次
       官        小池百合子君
       科学技術政務次
       官        斉藤 鉄夫君
       環境政務次官   柳本 卓治君
       沖縄開発政務次
       官        白保 台一君
       国土政務次官   増田 敏男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宍戸  洋君
   政府参考人
       警察庁長官    田中 節夫君
   参考人
       日本銀行総裁   速水  優君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成十二年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十二年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十二年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
 議院送付)

    ─────────────
この発言だけを見る →
倉田寛之#1
○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成十二年度総予算三案についての理事会決定事項について御報告いたします。
 本日の質疑の割り当て時間は百二十一分とし、各会派への割り当て時間は、自由民主党・自由国民会議二十七分、民主党・新緑風会三十九分、公明党・改革クラブ十一分、日本共産党十六分、社会民主党・護憲連合十二分、自由党五分、参議院の会七分、二院クラブ・自由連合四分とすること、質疑順位につきましてはお手元に配付いたしておりますとおりでございます。
    ─────────────
この発言だけを見る →
倉田寛之#2
○委員長(倉田寛之君) 平成十二年度一般会計予算、平成十二年度特別会計予算、平成十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。市川一朗君。
この発言だけを見る →
市川一朗#3
○市川一朗君 まず、日銀総裁にお尋ねしたいと思います。
 先日、同僚の長谷川議員との質疑のやりとりの中で、インフレターゲティングについても日銀総裁の見解が述べられました。私は、資産デフレの問題は極めて重要な問題であるという認識を持っておりまして、今、日本経済が抱える大変重要な問題ではないかと。これを解決しませんと、私もそれほど専門家ではございませんが、本当の意味での日本経済の本格的な景気回復といいますか、自律回復に乗るのは難しいのではないかという意味におきまして、しからば、どうしたらいいのだろうかといったようなことについて私どもも議論しておりますし、そういう観点からこの間の日銀総裁の御見解を注意深くお聞きいたしました。
 長谷川議員、若干時間切れで議論が不十分な点もございました。ちょっと切り口は違うかと思いますが、少し変わるかと思いますけれども、改めて少しそういった問題についての日銀総裁としての御見解をいろいろとお聞きしてみたいと思う次第でございます。
 この間のインフレターゲティングについての総裁の考え方は、大きく分けて二つの考え方がある、そのうちの一つのいわゆる調整インフレ論、これは日銀としてはとるわけにはいかない、しかし、もう一つの考え方として、物価安定に向けた強い決意を中央銀行として示すというような意味では検討に値するのではないか、しかしながら、大義名分は物価安定でも、実質その中身が調整インフレ論と変わらなくなってしまう危険性があるので、そう簡単にはいかない、大体こんな御見解だったんじゃないかなというふうに受けとめておるわけでございます。
 そういった中で、日銀が現在いわゆるゼロ金利政策もとっておられまして、それなりに大胆な金融緩和政策は行っているとは思いますけれども、冒頭に申し上げました資産デフレの問題解決の糸口がはっきり見えてきたとはとても言えない状況ではないかと思うわけでございます。
 そうしますと、議論としてはいろいろわかるわけでございますが、このままほっておいていいのかということになるわけでございまして、少なくとも金融政策面で何にも手が打てないのか、何らかの対応はとれないのかというのは、私だけじゃなくて関係者、国民一般のそういう疑問ではないかと思うわけでございますが、金融政策面で何らかの対応はとれないのだろうかというような素朴な疑問に対する日銀総裁としての御見解を改めてお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →
速水優#4
○参考人(速水優君) 御質問のいわゆる資産デフレにつきまして、私どもの考え方を簡単に御説明させていただきます。
 地価とか株価といったような資産価格につきましては、一般的に資産から将来得られるであろうと予想されます収益を現在の価格に引き直したものではないかと思います。このために、資産価格というのは経済主体の将来の見方についての重要な情報を含んでおりまして、その変動は企業や消費者のマインドや経済活動には大きな影響を与えるものだと思います。したがいまして、金融政策運営としても十分注意して見ていかなきゃいけない課題であると考えております。
 ただ、このように人々の期待が重要な役割を果たす資産価格に対しまして、金融政策が直接に働きかけるということは非常に難しいことだと思います。また、必ずしも適当ではないというふうに思っております。諸外国の例を見ましても、資産価格そのものにつきまして金融政策の目標として何かを考えていくといったような例は聞いておりません。
 日本銀行としましては、現在、ゼロ金利政策という大変思い切った金融緩和策をとっております。こうしたもとで、政府の経済政策・対策の効果も相まちまして、景気は持ち直してきておるように思っております。そうした動きを先取りする形で、既に株価の方は昨年の初めごろに比べまして五割以上上昇しておるわけでございます。今後、景気回復がしっかりしたものになってまいりますれば、それがいずれ地価にも反映されてくるものというふうに思っております。
 ただ、地価につきましては、土地の流動化の促進といったようなことを制度面から対策を打っていく必要があるんじゃないか、市場メカニズムが働きやすい環境をつくっていく必要があるんじゃないかということは私どもも痛切に感じております。そういう意味では、自民党におかれましても、金融サービス法というようなものを今考えておられて、近く上程されるというふうに伺っておりますけれども、こういうことで不動産の証券化あるいは買い取り機関、SPCと言っております、そういう流動化の道具がそろうことが大事ではないかと私どもも考えて期待をさせていただいております。
この発言だけを見る →
市川一朗#5
○市川一朗君 やはり金融政策の面だけじゃなくて、多角的に取り組まなきゃいけないテーマであるという認識は私どもも同じ思いを持っているわけでございます。
 ちょっと私の言い方が聞きようによってはあっち行ってこっち行ってということになるかもしれませんが、今、日銀でとられておりますゼロ金利政策は、専門的に言えば、翌日物の話で定期預金とかそういった金利まで直接影響するものではないという専門的な見解もあるかもしれませんが、常識的に言えば、ゼロ金利政策というのは、まさにそのまま今の預金金利ゼロに近い状況に影響しているというふうにみんな受けとめているわけでございますし、事実上そういう面はあると思います。
 そうしますと、このゼロ金利政策というのは、今、日銀がとり得る非常に有効で、かつ思い切った金融政策ということにはなるんですが、しかし一方で、まことにこれは異常な政策といいますか事態であるという面もあるわけでございます。せっかく貯金しておるのに全然金利でもって何かを買ったりすることはできないという点で、私も選挙区で大分年配の方々の支持を受けて来ているわけでございますが、もうみんなから、市川さん、ちゃんとあれ何とかしてよと、こう言われるわけでありまして、そのことと資産デフレをどうするんだという話とのあれは何かかみ合うようでかみ合わないような、私も明快にはどうもぴたっと言えないのでございますけれども、しかしやはりこういう予算委員会の場でしっかりとこの辺の議論はただしておく必要があるし、またその問題についてのしっかりとした取り組みを政治としてもやっていかなきゃいけないというふうに思っております。
 なかなか答えにくい状況だとは思いますけれども、わかりやすく言うと一体いつまでこのゼロ金利の状態が続くのでしょうか、どうすればこういったゼロ金利状態から脱出できるのかといったようなことについて、日銀総裁の立場といいますか、専門家の立場でできるだけわかりやすく現時点でのお考えをお披瀝いただきたいと思います。
この発言だけを見る →
速水優#6
○参考人(速水優君) 市川委員の御質問もまさに私どももその問題を日夜考えておる問題でございますので、明快な答えができないかもしれませんけれども、どういうことを考えているかということだけを申し述べさせていただきます。
 現在のゼロ金利政策といいますのは、歴史的にも前例のない極めて思い切った金融緩和策であることは御承知のとおりでございます。そういう意味で、異常な事態であるということは私どもも十分認識しているつもりでございます。ただ、現在の景気情勢のもとでは、やはりゼロ金利政策を続けていくことによって経済を金融面から最大限下支えしていって、民間の自律的な需要が起き上がってくるまでこれで下支えしていくというのが今私どものやっていることなんです。
 今後どのような状態になったらゼロ金利政策が解除できるかという点でございますけれども、日本銀行はかねてからデフレ懸念の払拭が展望できるような情勢になるまでゼロ金利政策を続けるということを申し続けております。ただ、このデフレ懸念というのを何で判断するのかということになりますと、これは特定の物価指数の動きだけで機械的に判断することはできないと思います。
 例えば、仮に統計上物価の面でインフレ率がマイナスになるとかいうようなことがありましても、その中身、内容ですけれども、例えば構造改革で技術革新とかあるいは流通革命といったようなことがどんどん進んできてコストが下がり、あるいはその価格が、消費者物価も下がっていくといったようなことが十分考えられる。そういうことがまた望ましいことでもございますけれども、そういう物価の下がり方をもってして景気が悪いというふうには判断できないわけですから、ただ特定の項目を見て、一つ二つ見るだけでデフレ懸念は余りないというようなことは決めかねるのではないかと思っております。
 逆に、民間需要の回復によって需給バランスが持続的に改善していくということになっておりませんと、現在はデフレでなくても将来のデフレ懸念はまだ残るんだというふうに考えていくべきだと思います。こういう点、現在景気は持ち直しに転じておりますけれども、先行き民間需要が自律的に回復していくかどうかということにつきましてはなお明確な展望を持てないでいるのが実情でございます。そのために、物価につきましても今は横ばいで推移しておりますけれども、先行きは需要の弱さに由来する潜在的な低下圧力なのか、なお注意してその動きの裏にあるものをよく見ていかなければならないというふうに考えております。
 今後いつゼロ金利政策を解除できるかということにつきましては、以上申し上げたような考え方を踏まえながら、設備投資とか民間消費とか民間需要の回復力の変化に注目してまいりたいというふうに思っております。
この発言だけを見る →
市川一朗#7
○市川一朗君 総裁、結構でございます。
 大蔵大臣にお聞きしたいと思いますが、今の話をストレートにお受けしてよろしいのかどうかちょっと私迷いながら、今私どもは予算の審議をさせていただいているわけでございますけれども、昨日も白浜委員の質問もございましたが、この予算が通って、さて日本経済はどうなるのだろうかといったことでございます。
 今議論いたしましたように、私は、例えば資産デフレの状況というものが非常に重苦しくのしかかっておりますし、それから国債発行残高もふえ続けているといったような状況の中で大変難しい状況なのではないか。とにかく一生懸命取り組んでいかなきゃいけないと。この時点で我二兎を追わずという考え方で小渕内閣が景気回復を最優先した予算を組まれたことに対しては私自身全く大賛成でございますけれども、さてその先はどうなるのだろうかということを危惧している一人でございます。
 それで、大蔵省の方で配っておられます財政の中期展望、これは三・五%を前提として計算すると平成十五年度はむしろ国債費の比率は高まるというような、いわゆる財政事情が単純に言えば悪化するというような資料もございまして、これちょっと事務当局にいろいろと文句をつけたんですが、これは仮定の計算なのでこんなものに余りごちゃごちゃ言わないでくださいよというような話なんです。私から言わせれば、ごちゃごちゃ言っちゃいけないような資料は余り配らないでよと言いたい面もありますが、大先輩の宮澤大蔵大臣にこんな問題でとやかく言うつもりはありませんので、この際こういう問題に対する私のもやもやとした気分を一掃する意味において、こんなものは余りこだわりませんので、いかがでございましょうか、やはり本音のところでどういったことを考えておられますか、ぜひ大蔵大臣としての見解を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →
宮澤喜一#8
○国務大臣(宮澤喜一君) 多少お時間をいただいてよろしければ、まず当面の経済の動きでございますが、一年半ほど日本経済は滑り続けておりましたが、昨年の一―三月にかなり大きな反転がございまして、それは四―六月も続きましたが、七―九月にはちょっともとへ戻ったようなことでございます。十―十二月のところがこれから今月間もなく出てくるんだと思いますが、この辺のところは堺屋長官と私の見方が、合わせたことはございませんが、御答弁を聞いていますと大体同じだと思いますので、違いましたらまた後でお直しいただきたいんですが。
 どうもこれからわかります十―十二月というものは、やはりリストラがあったとかいうことで家計は確かに弱いと考えざるを得ないかと思いますので、ボーナスのこともあったかもしれません、したがいまして十―十二というものはどうも余り期待をできないのではないか、これは間もなくわかるわけでございます。しかし、だからといってもう日本経済は最悪期を出たということははっきりしておりますから、余りそこを一喜一憂しなくてもいいのではないかということは二人とも似たような考え方をしておりますと思います。
 それで、やはりGDPの六割余りが国民消費でございますから、どうしても家計の回復ということが基本でございますと思います。
 それはリストラ、ここは私の意見なんでございますが、ここで労使の交渉が行われておりますので、その結果を云々するのではありませんが、その間にかなりリストラというようなものにも一種の理解といいますか、お互いの落ちつきが出てきたり多少企業の採算もよくなったりしておりますから、したがいまして十―十二はもう済んだことでございますが、一―三のあたりから四―六にかけまして家計の沈滞、マイナスというのはある程度直ってくるんではないだろうか。どうしても収入がふえませんと支出がふえるということは難しゅうございますから、徐々にそれは回復するんではないかという、半分は希望でございますけれども、そういう感じがいたしております。
 他方で、設備投資は、これはやはり少しおくれますが、機械受注が、これは先行指標でございますが、よくなってきておりますので、まあ九月ごろには、もう少し早いかもしれませんが、少しプラスになってくるのではないか。
 そういたしますと、消費が回復し始めて設備投資が多少でもプラスになってくれば、これはもう明らかに民間主導の経済成長に入れる、したがって財政の負担もこの次は今までのようなことでなくて済むのではないか。大まかに堺屋長官もそう考えておられるようにお話を伺いますし、私もまあそういう感じを持っておるわけでございます。
 それで、御質問の本体は、一つは、そうなりますと民間の資金需要が出てくるということでございますから、これは私が言うことではございませんですけれども、日銀の金融についてのお考えのあり方もそこで多少影響を受けてくることは自然であるかもしれない、ただし国債の利子負担は少し大きくなるかもしれないということでございます。
 それで、おっしゃいます財政の構造改善、再建でございますけれども、私は、これは私見でございますが、日本経済が成長の軌道に入ったとまず確認できました後着手をすることですが、それは頭の中ではもういろいろにお互いに考えていることでございますが、どう考えてみましても財政だけの再建ということは可能ではない。
 先ほど中期展望のお話をされまして、あの資料は、おっしゃいますように、私も、委員のような御専門の方から御指摘があるのはもっともだと思っておりますんですが、昭和五十年ごろからやっている話だものですから、どうもミスリードする可能性の方が高いんではないかと。しかし、衆議院の予算委員会からは相変わらず御要求がございます。
 しかし、あれで言っておりますことは、簡単に申しますと、景気がよくなっても金利が上がる、したがって国債の負担は大きくなる、税収はそれほど大きくならない、社会保障の負担というのは減らないだろうといったようなことを考えるとなかなか国債発行というものは減らないなと、何にもしなければ、政策努力をしなければ。この部分が実は一番大事な部分で、それを欠落した資料をごらん願ってもどれだけお役に立つかということは私はごもっともだと思います。
 いずれにしても、財政再建を考えますと、もちろん歳出だけではない、税制もそうでございますが、中央、地方の関連ももうもとから見直さなければならないと思います。
 そして、歳出を考えていきますと、やはり二十一世紀の最初の十年とか二十年とかに日本の経済社会が恐らく非常に変わる、そのことそのものの一環としての財政というふうに考えませんと、どうもちゃんとした解決はないように思います。
 しかし、二十一世紀に多分日本の経済社会は非常に変わるのでございますが、その中でいろいろ考えるにしても、何かそういうマクロの言ってみればフレームワークといいますか、恐らく手法としては、やはりマクロモデルをつくりまして、その中での日本の経済社会、国債との関連というようなものを、そういう中からでないとこのプランはどうも私は生まれないんではないかと思います。
 決して財政側の責任を放棄するという気持ちで申しているのではございません。新しい中央官庁の再編成ができました後の一番大きな仕事の一つは、これから十年なら十年の日本の経済社会というものはどういうものであるべきか、あるいはあり得るかといったようなことをやはりマクロで、数字の裏打ちをして、その中から政策選択をしていく、それに従って財政の再建を考えるということにどうもならざるを得ない、これは私見でございまして、どなたに御相談をしたんでもないのでございますが、そういう問題ではないかと。
 長くなりまして申しわけありません。
この発言だけを見る →
市川一朗#9
○市川一朗君 ありがとうございます。やはり事務当局と議論するよりは非常に胸にじんとくる御答弁をいただいております。
 大変難しい問題でありますが、余計なことを言う前に、せっかく宮澤大蔵大臣もそう言っていただいておりますし、私自身、もともと経済企画庁長官に御見解をお伺いするつもりで御出席賜っておりますので、まず今の点につきまして、長官の御見解をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →
堺屋太一#10
○国務大臣(堺屋太一君) まず、日本経済がどうなったら本格的回復と見て財政の方に手をつけたらいいか、これ自体大変難しい問題でございまして、まず景気回復の問題、そして同時に構造改革がかなり進んでいる、これが一つの条件になると思います。その次に企業の収益性と投資、これが十分にできてきているということもやはり大きな条件になり、そして新しい産業が芽生えている、そういうような、構造改革と同時に日本の産業界の活力ということも必要になってくると思います。それから、やはり物価の問題でございますが、消費者物価、卸売物価、それから資産物価、そういったものの安定も必要だろうと思っております。
 大蔵大臣も御指摘になりましたように、この財政の中期展望というのは、成長率を一定と押さえて、そしてもう二つ、成長率を一%程度上回る長期金利がある、それから税収弾性率が一・一%というようなこと、それから地方交付税その他の点にも条件をつけておりますが、そういった箱の中で考えますと、こういうなかなか財政再建が困難だというような答えが出てまいります。
 しかし、国際的にアメリカがどうだったか、イタリアがどうだったか、カナダがどうだったか、それから日本の七〇年代がどうだったか、八〇年代がどうだったか、九〇年代がどうだったか、こういうような数字を見てみますと、必ずしも予定したとおりにいっていない。平均的な予想値としては今言っている数値はおかしくはないんでございますが、不況から脱出したときにはかなり大きな弾性値といいますか、税収がはね上がっているときもございますし、また長期金利を名目成長率が上回っているときもございます。
 回復したときにどのような姿に日本がなっているか。例えば、重厚長大に比べまして、情報産業などでございますと、設備投資の割に売り上げが高いものですから利益率が高いということもあります。現在の日本のROAは三%弱でございますが、アメリカは五・九、倍ぐらいいっている。そうすると、法人税の方も違ってくるというような問題もございます。そういうような立ち上がったときの姿というのがやはり大事だと思うんです。
 日本は、今いわば一種の構造改革という体質改善の真っ最中でございまして、そのために費用、入院費がかかって所得がないというような財政状態を続けておりまして、ようやく散歩に行けるぐらいまではなってきた。これが、病気が治って復帰したときに、もとの職業、重化学工業を中心としたもとの職業ではなしに違う職業についているというような状態なんですね。健康状態も変わってきております。それから少子高齢化が進むという、家族構成も変わってくる。そういう姿を見て、それでどのような財政を考えていくかということが重要だと思います。
 それから、委員御指摘の不動産の件でございますが、資産デフレというのは、不動産デフレ、株の方は上がっておりますから不動産デフレの方ですが……ヤジ株も銘柄によっては大半の銘柄、過半数の銘柄が下がっているような状況でございますが、資産デフレの特に土地について申しますと、土地は、よく言われますように、予測収益還元法という、値段で決まるといいますが、この予測収益自身が家賃が下がったり空き率がふえたりして変わります。
 それでもう一つは、将来価格予測というのがあります。将来価格予測でいいますと、人口がふえないものですから住宅がこれ以上要らないというような意識がございまして、これがひとつ足を引っ張っております。我々の考えますのは、経済状況が変わったにもかかわらず社会状況が変わらずに、小さい家に住むのが当たり前だという状況になっているんです。
 アメリカあたりで家がいつ広くなったかというと、家でホームパーティーを開く習慣ができたときだというんですが、そういう条件が日本でなくて、依然として土地は高くて、倹約せにゃいかぬものだという意識がありますから、土地需要が非常に抑えられる。これがもう少し浸透してきて資産が積み上がり、土地の値段が安い、以前のように非常に高価なものでないという認識が出てくれば需要が回復する。それにつきましては、やはり規制緩和、それから証券化を含む流動化、そういった制度上の支援が必要だと思っております。
 だから、本格的に立ち直る段階でそういうことも含めて検討していかなきゃいけない、相当大きな体系的変化を考えなきゃいけないんじゃないかという気がしております。
この発言だけを見る →
市川一朗#11
○市川一朗君 大変懇切丁寧にお話しいただきまして、ありがとうございました。
 通産大臣にお尋ねしたいと思いますが、結局私は、いろいろ意見はあるにしても見方はあるにしても、財政は頑張っているんじゃないかなと思うんです。もう目いっぱい頑張っている。あとは、自律回復というのはまさに民間がしっかりやってくれということでございまして、行政の世界ではそれを大部分を所管しておられるのが通産大臣のところでございます。
 通産大臣としてどういう御見解を持っておられるかということに一言で言えばなるわけでございますが、私はやはりこれからひとつぜひやる必要があると思いますのは、将来性の高い産業、それが情報通信産業ということだけにならないと思いますが、そういったものをしっかりと見きわめて、それで何か国を挙げて強力にバックアップするというような政策をきちっとやらないと世界戦争にも負けてしまうんじゃないか。
 きのうもおとといもいろんな議論ございましたね。特許の問題なんかもうまさにこれから先、アメリカの特許をとる勢いはまさに世界戦略みたいなあれで、そういったようなことも含めて、かつて通産省を中心に日本もそういう特定の産業を絞って一生懸命やってきたという経緯がありまして、それについてはいろいろと批判はあったり評価があったり、評価は分かれるわけでございますが、しかしやはり本当の戦いに勝つには、国を挙げて取り組むという部分が日本にも必要なんじゃないかなというふうに思います。
 そういった点も含めて、通産大臣としての思いのたけをひとつじっくりとお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →
深谷隆司#12
○国務大臣(深谷隆司君) 先ほどから委員のお考えも含めて、また大蔵大臣、経済企画庁長官のお話を承っておりました。
 日本の経済全体の流れは、今お話がありましたように、小渕政権が誕生して各般の政策を次々と打ってきたこと、あるいはアジアの経済が極めて好転していることなどを背景にして、ようやく明るみが出てきたという状態であることは間違いがないと思いますが、やはり委員御指摘のように、国の財政出動が全面的に出ていまして、どちらかというと今日の明るみというのは官需でございます。だから、これをどうやって民需にバトンタッチさせていくかということがまさにこれからの正念場ではないかというふうに考えます。
 私どもは、日本の経済あるいは景気回復の大きな力を発揮するところはどこかと考えると、まず一口で言えば中小企業だと思います。やっぱり全事業所の九九%、従業員の七一%を占める、ここが元気が出ないとなかなか容易ではないと。ここにはまだ明るさというものを感じられていないというのが実態でございます。
 そこで、委員にも御協力いただいて、さきの臨時国会は中小企業国会と名づけて、中小企業基本法の考え方そのものも大きく変えて、そして多面的な中小企業の性格をとらえてそこにきめ細かい対策を打ち立てて、予算や税制はこれから御相談いただいておるわけでありますが、その裏づけをつけてきた。そういう意味でいけば、六千六百億円という今までにないような中小企業対策の予算もとり、十二年度も力を入れているわけでございます。
 同時に、私たち考えなければなりませんのは、そういう中小企業に経済の牽引車になってくれとメニューはそろえたんだけれども、それを国民の皆さんにそのままお伝えするという努力に今までやや欠けているところがあったのではないか。やっぱり、せっかくさまざまな政策を立てたら国民の皆様、とりわけ中小企業の皆様にじかに知っていただくことが大事だと考えて、今一月から三月をこれらの周知徹底に全力を挙げようというので、全国の四十七カ所でのシンポジウムあるいは主要な都市のフォーラム、これは先週は富山で私自身が行ってまいりまして、今度は熊本に参ります。あるいは仙台、大阪等を考えておりますが、そういうことで、徹底して中小企業に頑張っていただく体制をつくっていきたい。
 同時に、やっぱり産業界全体が力をつけていかなければなりませんので、これもさきの法律としては、産業競争力強化法案というのを通していただいて、これは選択と集中という新しい動きがぐっとふえてきておりまして、大きな変化につながっていくであろうと思うんです。
 今国会は産業技術力強化法案というのを提出させていただいて、これこそまさに今お話のありましたような産官学一体とした技術開発等々を一気にここで進めていこうという考え方でございます。
 今、先生御指摘のように、やっぱり何がこれから伸びるのか、そういうところを力いっぱい応援するということが最も重要なことであるというお考え、全くそのとおりでございまして、平成九年に既にそのことに着目をして、十五の分野で、例えば情報とかバイオとか、そこいらに力を入れて進めていこうという方向が示されて、これらについてのお手伝いというのを国を挙げてやってきたわけでありますが、確かに情報あるいはバイオに関してはかなり大きな急激な成長を見込んでおられるし、現実にもそうなってきておるわけであります。
 これらのあらゆる技術を、きのうも議論がありましたけれども、日本としてはしっかり取り上げて、まさに世界との競争ですから、同じバイオでもそのもとになるような特許をとっておけばずっと拡大されていくわけですから、そういうところにきちっと通産省としては思いを置いて、積極的な体制をとっていくことがとても大事だと。経済の明るみが出た状況の中で、何が具体的に成果を上げられる方途かということを実務的に考えながら、ぜひ努力をしていきたいと思っております。
この発言だけを見る →
市川一朗#13
○市川一朗君 特に情報とかバイオの関係だと、日本がこれから多分その産業は伸びていくと思いますが、このままいくと枢要な部分はみんな何か特許料でよそへ持っていかれてしまうような状況なんじゃないかということを私も懸念しておりまして、問題をしっかり共有しておるということを確認させていただいて、私もそれほどの専門家でもございませんので、一生懸命頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 経済の問題、これぐらいで打ち切りますので、関係大臣はどうぞ。ありがとうございました。
 外務大臣にちょっとお尋ねしたいと思います。
 広い意味で私、危機管理政策がちょっと平和ぼけした日本、非常におくれているんじゃないかなという問題意識を持っている政治家の一人でございますが、きょう外交問題といいますか安全保障の問題について一、二、問いただしたいと思います。
 やはり何といいましてもアジア太平洋地域の平和と安定ということに関しますと、いろんな問題、心配な問題がいっぱいありますが、北朝鮮問題、それから特に最近台湾の総統選挙を控えたいわゆる中台関係、これは非常に微妙であり、極めて重要なテーマではないかなと思うわけでございます。
 北朝鮮をめぐる問題につきましては、けさの朝刊でも米十万トン支援決定とか、そういう報道もなされておりますし、近く外務大臣、韓国に訪問されるようでございますが、私は非常に重要なテーマだと思っておりますので、現時点における、外務大臣として北朝鮮問題についてどういう認識を持ってどう対応しようとされておられるのか、お答えいただきたいと思います。
この発言だけを見る →
河野洋平#14
○国務大臣(河野洋平君) 委員お尋ねの我が国周辺のもろもろの問題でございますが、議員が御指摘になりましたように、私どもも最も現在重要な問題の一つは朝鮮半島、いわゆる北朝鮮をめぐる問題だと思っております。この北朝鮮の問題は、ここが国際社会の中にもっと入ってきてくれる、あるいは窓をあけてくれるということがございませんと信頼関係というものはなかなかつくれないということがまず一つございます。
 それからもう一つは、何といっても核不拡散という問題があって、この核不拡散問題というものは、これはただ単に北東アジアだけの問題ではなくて国際社会全体の問題ということもございますから、この問題の処理を何としてもしなければならない。さらには、経済問題といいますか人道問題といいますか、こうした問題についても我々はやはり無関心ではいられないわけでございます。さらに、我が国との間には拉致問題がございますし、それから国交を何としても、外交関係をきちんと持つということが必要だということもございます。
 したがいまして、この問題を少しでも前進させたいと、こう考えてこれまでも随分さまざまな作業が行われてきたわけでございますが、まず一つは何といっても北朝鮮内部からの情報がなかなか我々には十分ない、つまり内部がよく見えないということもございます。そうしたことをクリアするために、今私どもはアメリカ、韓国と日本、つまり日米韓三つが協調をして北朝鮮政策というものを練り上げる、そして三カ国で北の情報もそれぞれの立場からとり、その情報分析をともにするという作業をしているわけでございます。そんなこともございますので、私は、先般お許しをいただいてワシントンへ参りましたときにもこの問題について少し話をしてまいりましたし、韓国とも話をしなければいけないなと実は思っているわけでございます。
 一方、北朝鮮は金正日体制というものが、いろいろ判断はございましたけれども、やはり確立をして、あそこはあそこなりに一つの体制というものがちゃんとできているのではないかということになりまして、北との関係を見ておりますと、最近では米朝協議というものも大分進んできた、この七日には米朝協議というものがさらに行われる、これは相当難しい協議になるとは思いますけれども、しかし双方は相当この協議にも期待もかけている部分もあるわけでございます。
 他方、一月にはイタリーが北朝鮮と外交関係を樹立いたしました。仄聞するところによりますと、オーストラリアも最近北朝鮮との外交関係を持つというようなこともありまして、北がしきりに国際社会の中で動く気配がございます。そういう一つの潮どきといいますか潮目といいますか、そういうものを考えて我が国としても北との関係のために話し合いの場をつくる必要があるだろう、積極的につくる必要があるのではないか、こういう意見もございまして、私どもも努力をしておりますが、しかしまだなかなか日朝双方に合意は、完全な合意が、つまり完全な合意というのはテーブルに着いて話し合おうというための合意でございますけれども、そうした合意がまだ発表するところまではいっておりません。しかし、全力を挙げて今、国益を踏まえて北との話し合いが進むように努力中でございます。
この発言だけを見る →
市川一朗#15
○市川一朗君 私もテーブルに着くということは非常に大事だと思っておりますが、その点はまた後で触れさせていただきます。
 もう一つのテーマであります特に中国と台湾の関係でございます。中国と台湾という言い方自体が、表現自体があるいは問題になってしまうのかもしれません。俗に中台関係と言わせていただきますが、けさもたまたまテレビを見ておりましたら、アメリカのロス国務次官補の総統選に向けた発言が報道されておりました。日本のテレビとしては珍しい、そういう報道をしたなと思って興味深く見ておったわけでございますが、あれもなかなか状況は厳しい面もあるかと思いますが、私の、台湾も中国も行っておる立場で言いますと、ぎりぎりのところはやはり大人の解決がきちっと図られる方々同士の関係だという面はあるのでございますが、その点についての外務大臣としての御見解をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →
河野洋平#16
○国務大臣(河野洋平君) 台湾が選挙でございますから、この選挙に絡んでいろいろな発言が、選挙ということになると、しかも三つどもえの選挙をやるわけですからさまざまな発言がある。あるいはまた、この選挙前にも台湾の中でいろいろ御発言があったりしておりまして、これについては我々も関心を持って見ているところでございますが、議員がお話しになりましたように、この問題は基本的には海峡を挟む両岸の話し合いで問題が平和裏に解決されることが何よりも大事なことでございまして、それについて我々が余り深入りした話をするよりは、この海峡を挟んだ両岸に、ぜひ話し合って平和裏に問題を処理してくださいということを言う我々の立場をできるだけ繰り返しお伝えするということが当面一番大事なことではないかというふうに考えております。
この発言だけを見る →
市川一朗#17
○市川一朗君 私は、昨年の夏に民主党の江本議員と御一緒しましてOSCE、欧州安全保障協力機構議員会議の方に参加させていただきました。
 大変興味深く思いましたのは、その場で、専門家はよくわかっているわけですが、ロシアを中心として旧ワルシャワ条約国それとNATO諸国、みんな参加しまして同じテーブルで欧州の安全保障問題について議論しておられる。立場が違いますからそれらの結論というのはなかなか出ないんですけれども、しかし同じテーブルで、いわゆる東西冷戦構造が終わった国におけるヨーロッパ諸国が、アメリカも含めていろいろとあらゆる問題について、あのころはコソボ問題もありました。
 私そこで、議論されておるところで発言の機会がありましたので、コソボ問題に関する小渕総理のサミットにおける発言を紹介しましたら、大変建設的な御意見だということで参加国の大方の大変な評価をいただきまして、外交辞令もあるかもしれませんがよかったなと思っておるわけでございますが、翻ってアジアを見てみますと、全くそういう状況とほど遠い今のような問題をいっぱい抱えているわけでございます。
 これは一朝一夕にはいかない問題だと思いますけれども、私は、日本がアジアにおけるOSCEみたいなものを、そういう機構づくりのイニシアチブをとっていくというような姿勢、それを示すことは、やはり平和的解決、話し合いで問題を解決しようという国なんだということで、これから二十一世紀を迎えて、日本の国として毅然とした態度でいろいろ憲法問題その他も議論していかなきゃならない状況だと思いますけれども、それがとかく、ともすればアジア諸国の誤解を招くような感じがございますが、例えば今のようなアジアでOSCEのような機構をつくっていく、そういった努力を、日本がイニシアチブをとって頑張るという姿勢を示すことが、日本という国が誤解されないで済む一つの極めて重要なアナウンスメント効果にもなるんじゃないかなというふうに思うわけでございます。
 現時点でなかなか簡単ではないという話も外務省の諸君からはいろいろ聞いていますけれども、外務大臣としての御熱意はいかがでございますか。
この発言だけを見る →
河野洋平#18
○国務大臣(河野洋平君) ヨーロッパへ行ってみると、私はもう大変感心することが多いんです。
 ヨーロッパにも二つの考えがあって、例えばEUのような人たちは、むしろ主権を少し削ってでもEUという地域をつくろうとそれぞれの国が相当な主権を譲歩していますね、貨幣を統一しようとか。言ってみれば、国境線もどんどんどんどん低くして一緒になろう一緒になろうという力が出てきている地域と、そうではなくて、やっぱり主権は非常に大事にして、国内問題によそから口を出されることは嫌だということを非常に厳しく言う国と、そこは非常に分かれているんですね。
 しかし、やっぱり一つの流れは、国家主権というものをどこまで主張するかどうかというところは、これは非常にこれから先も議論のあるところで、EUはまさにそこを少しずつ乗り越えて、国家主権よりもむしろ地域というものを考えていくというふうになっていっているように思うのでございます。
 そういうことをアジアに移しかえて考えてみると、アジアはなかなか難しいというのが一般的でございます。しかし、ヨーロッパだって、ドイツとフランスがああやって仲よく一つのEUをつくっているということを考えると、アジアに絶対できないだろうかと、私は多少そういう思いもございます。
 ただ確かに、一つずつ当たってみると、アジアはやっぱりヨーロッパと違って政治制度が明らかに違う。つまり、自由主義と社会主義が全く違う。それを一つにするということが、一つにするわけじゃありませんが、一つのグループの中でうまく話ができるかねと言われると、それはなかなか難しいかもしれない。それから、経済力の差が非常に激しいという点も、これまたなかなか一つでやれるかねと言われると、そこもなかなか難しい。
 確かに言われりゃ難しいことばかりでございますけれども、しかし要は、政治家がそういうものを乗り越えてやろうじゃないかという気持ちになるかどうかということがまず一番大事なところだと思うんですね。
 最近も、小渕総理からの御発言もございまして、日本と韓国と中国とで日中韓の三首脳がテーブルを囲む、こんなことはもう本当に画期的なことで、今までなかったことでございますけれども、それがASEANの会議の折にできたとか、あるいはまた北東アジアの問題を考えるために六カ国で集まって議論をしようじゃないかというような話があったりして、これはまだまだなかなかこの方は難しいのでございますけれども、そういうことをやってみようとか、そういうとにかくアイデアがまず出てきた。アイデアが出てきたら、そのアイデアを何とか実現する方法はないかという努力は、これはお互いにその地域の政治家の努力という、あるいは政治家の思いとでもいいますか、そういうことが大事なんだというふうに思います。
 非常に難しいことではありますけれども、そういう方向に行ってみようじゃないかという気持ちを持つかどうかということがまず一番大事じゃないかというふうに思っております。
この発言だけを見る →
市川一朗#19
○市川一朗君 やっぱりそういう方向を持つことが大事だという御発言を聞いて、私も意を強くした次第でございます。
 参議院もいろいろ立場が違っても、いつも同じテーブルに着いていろいろディスカッションをしておるわけでございまして、やはりそういった中で大事な問題は議論されていくということになると思います。
 外務大臣、もうこれで結構でございます。ありがとうございました。
 危機管理という点で、ちょっと防災問題を二、三お尋ねしたいと思いますが、中山大臣は国土庁長官と建設大臣を兼ねておられますので、ちょうど都合がいいと言っちゃ恐縮でございますが、まとめて一本でちょっとお答えいただきたいと思う次第でございます。
 この間熊本で高潮災害がありまして、私も驚いたんですが、十二人も死者が出たんですね。堤防ができているところで出たと。ああいう災害を見てみますと、やはりもう我々日本人は防災という問題をもっと根本から考え直した方がいいんじゃないかと。要するに、ずばり言えば、危険なところは昔は住まなかったんですよね。やはりそういう危険なところには住まないでいくという考え方をもっと徹底していくようなやり方をしないとだめなんじゃないか。
 例えば、百年に一遍の災害に対応できるような堤防をつくっても、二百年に一遍の災害が来るとひとたまりもないわけですね。堤防は壊れなくてもやっぱり溢水はあるわけでございますし、そういったような問題を繰り返しておるわけにいかないんじゃないか。
 それで、昔は、私も若干記憶があるんですが、土地に古老とか長老とか言われる人がいて、結構昔のことをよく知っているんですよ。ところが、今そういった方もいなくなってきて、何かそういう言い伝えが抜けてしまう。
 昭和五十一年に大災害がありまして、長良川の堤防が決壊しました。あのとき小豆島もやられたんですが、兵庫県である山が山ごと落ちたんですね。私も現地へたまたま行ってみたときに、現地の人から言われたのは、実はここは昔から抜け山と言われていたんですよと。ですから、江戸時代か何かに一回同じようなことが起きているんですね。
 そういったようなことで、これを具体的にどういうふうにしたらいいかというのはわかりませんが、例えば古老にかわるものとして、何か政府が中心になって地図をつくって、どこが危ないかどうかとやっていく。これをやろうとすると、地主の方とか宅地開発専門の方からしますと、そんな、やめてくれという話もありますので、なかなかやれない部分はあるんですが、しかし、やはりそこまでやらないと、ああいう災害が起きてしまいますと、あそこは町営住宅までできているんですね、町営住宅をつくったのはけしからぬなんというテーマでこの問題を取り上げたくないんですが、要は考え方なんですよ、具体の話よりも。
 そういう考え方をやはりしっかりこれからの方向づけとして見据える必要があるんじゃないかなと思うのでございますが、中山大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →
中山正暉#20
○国務大臣(中山正暉君) お答えを申し上げたいと思いますが、先生は、建設省それから国土庁と両方のお役所、最後は事務次官をおやりになった専門家でございますから、かえって釈迦に説法みたいな話になってしまうかもわかりません。
 熊本というのは私のおやじのふるさとでもございまして、あの災害が起こりました際にも大変気を病んだわけでございますが、本当に日本列島というのは、この間もちょっと御答弁で申し上げたかもわかりませんが、赤道あたりでは時速千六百キロぐらいでこの宇宙を飛んでおることになるわけでございまして、公転、太陽の周りは秒速二十九キロで走っていると言います。
 Cの137といいましたか、電波星、電波を発している星が三つほどありまして、それで地表の動きを今精密にはかるような、この間、南鳥島のニュースでも、大体一年に八センチぐらい日本の方へ近づいていると。九千六百万年ぐらいたちますとハワイが日本にひっつくという計算になるそうでございますが、毎年九センチから七センチぐらいハワイが日本の方に向かって太平洋プレートの上を移動しているということでございます。
 日本列島というのは何か四、五回そのプレートの動きによってでき上がったと。初めは隠岐島とか鳥取、島根の方しかなかったそうでございますが、それから山陽、広島のあたりがひっついて、それから、今話題になっております吉野川、私もちょっと苦労しておりますけれども、吉野川の大活断層、中央構造線、あれが後でひっついて、それで四国の土佐、高知の方がひっついたと。それから今度は木曽のいわゆるフォッサマグナ、あれから北がぼんとひっついて、最後に単独で来たのが伊豆半島だそうでございます。伊豆半島が鉄砲玉のようにぶつかって、それでぼんと持ち上がったのが富士山だそうでございますから。その富士山の隣に、特に国土庁長官になります以前から私、飛行機でいつも見ているんですが、箱根は輪のようになっている。あの上にもっと高い山があったそうで、それがぼんと陥没した。熱海の湾の中には富士山よりも高い山があると。それがどんと落ちて、もうしょっちゅうあそこは地震が起こりますが、温泉がわいている。熱い海と書いて熱海とはよくつけたものだなと思います。
 事ほどさように日本列島は、三つのプレートが日本の下に入り込むということでございますから、七割がとにかく山地でございますし、その意味では、防災を踏まえた国土利用のあり方につきまして、建設省といたしまして、昨年六月末に広島市それから呉市を中心に発生しました土砂災害を教訓として、ハードの対策であります土砂災害防止工事とあわせて、土砂災害の危険性のある区域を明らかにして人家の立地抑制等を進めるソフト対策として土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律、これは仮称でございますが、今国会に提出する予定をいたしております。
 また、水害につきましても、土地利用と治水事業の調整を一部行ってきましたけれども、さらに流域全体として効果的な治水対策を進めてまいりたい。「流域での対応を含む効果的な治水のあり方について」という、二月四日に河川審議会に諮問をしたところでございます。
 先般も、御承知のような平成七年一月十七日に阪神・淡路大震災が、例の吉野川から新潟、それから間宮海峡に抜けます大活断層に沿って災害が起こりまして、六千四百三十二名の大変な犠牲者が出て、国費五兆二百億円を入れまして、五年間でこの法律の期限が切れましたものですから、先般、二十三日の日に阪神・淡路復興対策本部の看板をおろしましたが、お話しのように私ども常にこの防災というものをいかに心がけていくか。
 自然災害に対しますのは国土庁、御承知のとおりでございますが、事故災害に対しましても国土庁が調整役を受けることになっておりますので、その意味で万全を期し、常に災害に対する心がけというものを国民に対しても啓蒙しなきゃなりませんので、事業費でございますが、二百三十億円ぐらいでメモリアルセンターというものを神戸につくるという、そんな計画をいたしておりました。
 あらゆる地震災害その他に対する情報を収集してはどうか。一五九六年に伏見の城が崩落をする、これを市村座で「地震加藤」と、加藤清正が蟄居を命じられておりましたが太閤秀吉のところへ駆けつけるというのが、これは歌舞伎の芝居になっておりますので、私は文化庁長官にそういう資料も集めてくれと。そういうものを国民にいわゆる地震というものに対する、災害というものに対して心がけをつくるために、特にそういう資料を集めてほしいと。
 また、良寛和尚という子供に優しい和尚がおりますが、あの方が、災難を受くるときには災難を受くるがよくて候、これが災難を避くる妙法にて候というようなことを書いていらっしゃいます。
 私どもはそういうあきらめの境地ではいけませんので万全を期したい、かように申し上げたいと思います。
この発言だけを見る →
市川一朗#21
○市川一朗君 日本の文化、歴史に詳しい大臣にちょっと細かいことを聞いて恐縮ですが、治水事業で、今現場で起きている難しい問題が一つあるんです。難しいというか厄介な問題なんですが。
 ウルグアイ・ラウンドで構造改善事業にかなり予算がつきまして、それで土地改良が進んでいるんです。大体一町歩、東北あたりですと一町歩にもう一回組みかえようと。ところが、その事業が進む、それに合わせて治水事業が伸びていないものですから、当初予算ベースで比べるとそれほど差はないみたいなんですが、補正予算まで含めるとやっぱりかなり差があるのかなと。その辺は専門的にはわからないんですが、現場では大変そごを来している問題があるんです。結局、最後のところは、排水のところで川を直さないと全体の事業が完成しないんですね。その問題が起きております。
 さっきの大臣の答弁に比べますと水準が細か過ぎちゃって間尺が合わないかもしれませんが、端的で結構です。考え方をお聞かせください。
   〔委員長退席、理事竹山裕君着席〕
この発言だけを見る →
中山正暉#22
○国務大臣(中山正暉君) その問題は、災害対策が重点ということになっておりますものですから、治水事業は国民の生命と財産に直接的にかかわる根幹的な事業として認識いたしておりまして、一方、治水施設の整備水準は、時間雨量、大体五十ミリの降雨に対しまして五五%と大変低いところでございます。長期的な視点に立ちまして治水施設の整備に努めているところでございますけれども、限られた予算の中で実際に災害のあった地域というのがやっぱり重点になるようでございます。再度の災害防止対策を優先的、重点的に実施しているというのが現状ということだと思います。
 農業関係の場合は、これは補正予算で少し伸びているようでございますが、土地改良事業に直結する治水事業が優先的に行われているという感じでは、率直に申しましてそうは言いがたいと、先生の御指摘のとおりだと思っております。
 両事業の整合性につきましては、国及び地方間で事業調整を実施しているところでございますけれども、今後とも引き続き連携を密にしまして事業の効率的また効果的実施に努めてまいりたい。またさらに、治水事業費の確保につきましても、国民の安全確保という社会資本整備の中でも最も根幹的事業でございます治水事業の推進に今後とも全力を挙げてまいりたいと、一同決意をいたしております。
この発言だけを見る →
市川一朗#23
○市川一朗君 どうもありがとうございます。
 突っ込んだ議論はあと国土・環境委員会の場もございますのでそちらに譲りたいと思いますが、防災という観点で、もう一つ私非常に重要だなと思っておりますのは、いわゆる公共事業といいますか公共工事の品質確保という問題だと思います。
 今つまらない事故がいっぱい起きています、トンネルのコンクリートが落ちたりなんかする。ああいうのはもう言語道断なので、ああいうミスを犯しちゃ絶対いけないと私は思いますが、ああいう事故が起きますと、もう大変な事故につながるわけでございますので、私はそういったことが絶対起きないように取り組まなきゃいけないと思いますので、これはまずぜひやっていただかなきゃいけないという前提の中で、日本のそういった問題も含めた公共工事全般についてきちっとした品質確保を図っていく体制が十分できていないんじゃないかなということを危惧しておる一人でございまして、しかし、ぎりぎりの話としては、最後のところは品質確保の問題とコストの問題とが二律背反的な部分があるわけなんですね。
 それで、日本でも会計法という法律がございまして、私がるる述べる必要はないと思いますが、要するに競争入札に付して最低価格で落札するというのを基本にしておって、一応物の考え方としてはやはりそういった国家的なテーマで行われる公共的なものについては、一つは公正さが大事であるということと、それから国民にとって有利でなきゃならないというようなことで、いろいろ議論した結果、ああいう今のような制度になっているんだということでございます。
 それを、じゃしからばどういうふうにやればいいかという点については、解決しなきゃならない問題がいっぱいあるのでございます。簡単に会計法の問題がどうのこうのという問題だけじゃないのでございますが、そういった点についての大臣の御見解と、できましたら、大蔵大臣、こういった問題について大蔵省としてどう考えておられるかにつきましても御見解をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →
中山正暉#24
○国務大臣(中山正暉君) 確かに、先生の御指摘の会計法の問題がありまして、安かろう悪かろうというのが一番困ることだと思っております。公共施設は特に国民生活と経済活動の基盤そのものでございますので、国民のニーズを満足して、また安心して使用できる施設を提供していくために、適正な価格のもとで公共工事の品質確保というものを図ってまいりたい。特に、セメントの崩落事故なんというのがありましたから、建設省でもトンネルを点検いたしましたりいたしておりますけれども、そういう意味でまず施工者の持つ技術力を十分に活用する必要がある。
 それから、価格の競争のみでなく、価格と性能と品質とを総合的に評価できる入札契約制度というものの一層の活用を図らなければならないと思いますし、二つ目には企業評価の充実を図るなどして技術と経営にすぐれた企業に活躍してもらうための環境づくりでございますね。
 それから、発注者は国、都道府県、市町村と多岐にわたりますので、必要に応じて発注体制の不十分な発注者に対しこれを技術的に支援する仕組みをつくること、三千三百以上の市町村があるわけでございますし、市も六百六十四ばかりありますものですから、それなりにちゃんと責任の持てる技術者がいるところとそうでないところの実力の差というものがありますから、そういうものに対する徹底的な指導とか誘導をすることが必要ではないかと思っております。
この発言だけを見る →
宮澤喜一#25
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまお話しになりました会計法二十九条の六は落札の方法でございますが、これについてすら第二項がございますそうで、それは「性質又は目的から前項の規定により難い契約については、」と、つまり落札だけでなくその他の条件の場合には今言われるようなことを考えてよろしいという規定がある由でございますが、大蔵省でもそういう考え、いわゆる総合評価方式ということを昨年以来工事にも導入してもらっておりまして、意識としまして、殊に昨今のようにああいうトンネルの上が落ちるというようなことになりますと、その方の意識はやはりかなりはっきりしてまいりましたから、いわゆる総合評価によって入札を行っていくということをかなり厳しくしていかなければならない、そういう認識は十分持っております。
この発言だけを見る →
市川一朗#26
○市川一朗君 私も、会計法の基本的考え方で最も有利な条件という表現で整理されていると理解しておりますので、最も有利な条件の中には品質確保ということも国民にとっては非常に大事なテーマですから、十分両立し得る概念であるというふうな理解のもとに、この問題ではかなり専門的に追求していきたいと思っております。いいものをつくっていきたいという、その努力をしてみたいと思っておるわけでございます。
 国土庁長官・建設大臣、もうお聞きしませんが、三千三百の市町村の中で技術者が全くゼロという市町村が、数は言いませんが、いっぱいあるんです。しかし、そういうところで結構いろいろなものをつくっているんです、町長さんが発注して。
 ですから、これは本当になかなか心配なことがいっぱいあるんですが、そういった問題も含めまして、ひとつ我々も取り組むつもりでございますので、建設大臣としてもぜひともよろしくお願いしたいと思う次第でございます。
 きょうはどうもありがとうございました。
 最後に、宇宙開発の問題につきまして、科学技術庁長官、お待たせいたしまして恐縮でございます。
 私、いろんな事情で大変宇宙開発について興味を持って、余り表立った応援ができないでおりますことを大変恐縮に存じておりますが、心の応援者でございますが、そういう立場で言いますと、最近の一連のロケットの打ち上げ失敗というのは私も本当に心配なわけでございます。
 私、一番心配していますのは、この流れで、例えば次に失敗した場合なんかを考えますと、第二の航空機産業になってしまうのじゃないか。結局、日本では今は航空機はつくれないでいるわけですね。今の日本の自動車産業の隆盛から見ますと、十分、ずっとやっていれば航空機も相当立派な航空機をつくれるような日本だったんじゃないかと思うんですが、もう全く今となってはどうにもならない。宇宙開発ロケットもあるところまで来た、それが全くだめになってしまうおそれはないのかといったようなことを懸念しているわけでございます。
 原因分析その他進んでおられると思いますが、その点について、そういうおそれのないようにするためにはやはりしっかりとした取り組みをするということを大臣からお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →
中曽根弘文#27
○国務大臣(中曽根弘文君) 昨年十一月のHⅡロケットの打ち上げ失敗に続きまして、ことしはミューⅤロケットの打ち上げが失敗いたしました。国民の皆さんの期待を大きく裏切りましたことを大変申しわけなく思っておりますし、大変私も厳しく受けとめておるところでございます。
 まずは、当然のことでありますけれども、打ち上げ失敗の原因の究明を徹底的に行いまして、そして我が国の宇宙開発体制を立て直し、また信頼性を高めるために必要な対策を講じていかなければならないと思っております。
 宇宙開発につきましては、委員御承知のとおり、衛星による通信あるいは放送、それから気象衛星、天気予報、地図づくり、あるいは船舶とか自動車のGPS、ナビゲーターですね、今自動車にはみんなカーナビがついておりますけれども、こういうもので、広範な分野で国民の生活にもう浸透しているわけであります。また、宇宙のなぞに迫る天文観測、それからこの間の毛利飛行士のスペースシャトル、こういうようなものが続々と打ち上げられているわけでありますけれども、あるいは国民、特に青少年に対しまして大変大きな夢と希望を与える、そういう側面も持っておるわけでございます。
 二十一世紀になりますと、間違いなく宇宙利用時代に突入をするわけでありまして、欧米諸国におきましては精力的に積極的に宇宙開発活動を行っているわけであります。
 我が国といたしましても、今回の打ち上げの失敗を乗り越えまして、また体制を整え、そして宇宙技術の信頼性を高めて、それによりまして宇宙関連産業の発展に必要な基盤を整えるべく、今後も関係者が一丸となって取り組んでいく必要があると思っているわけでございます。
この発言だけを見る →
市川一朗#28
○市川一朗君 バブル期に理工系の優秀な学生が卒業して、専門の分野につかずに商社とか銀行に大量に流れまして、そのツケが今いろいろなところで起きているんじゃないかという指摘をする方がおられまして、私もそういう面もあったなということを感じているわけでございます。
 やはりこういった宇宙開発、ロケットの開発みたいな問題、アメリカはいわゆる軍需産業の中で取り組んできたというテーマもあるわけでございますので、なかなかアメリカのようなわけにはいかないと思いますけれども、そういったことを一生懸命自分のライフワークとしてやっていこうという学生が将来そういった道に歩めるようにするための科学技術教育と、それからそこで学んだ学生の心の問題も含めて、しっかりと取り組む必要があると思いますが、科学技術庁長官であり文部大臣でもあられます中曽根大臣のその辺に関します抱負なり御決意なりをお伺いしたいと思います。
   〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕
この発言だけを見る →
中曽根弘文#29
○国務大臣(中曽根弘文君) 日本の科学技術の将来を考えますと、科学技術、また理工系に関心を持って勉強する人材を高等教育機関において養成していくということは大変重要なことでございます。
 このため、文部省におきましても、大学の理工系学部等におきましては、物づくりを中心に据えた実践的な教育の充実を図るほか、実際の技術現場において就業体験を行い、進路、職業意識を育てるインターンシップ、これの推進などを通じまして、高度な技術系人材の養成に努めているところでございます。
 一つ統計があるわけでございますけれども、例えば金融、保険の分野に就職をした理工系学生というものを調べてみました。理工系の学生の中で金融や保険の分野に行った方が平成二年度が二・八%、平成三年度は二・五%です。いわゆるバブル期は二%から三%台の学生が金融や保険に流れているんですね。その前とその後は一%から一・五%ぐらいという、そういう統計がありまして、そういう意味では理工系の人気が下がっていたのかなというふうに思っております。
 大学志願者総数に占める理工系の志願者の割合というのはしかし最近は増加しておりますけれども、情報産業とかそちらの方に行っているようで、物づくりとか製造技術とか、そういう方に行っているかどうかというのは非常に心配されているところでございます。
 今後とも学校教育全体を通じまして、物づくりを尊重し、そして技術者になることが誇りに思えるような、そういう機運の醸成に努めていきたい、そういうふうに思っております。
この発言だけを見る →
← 戻る