神崎武法の発言 (本会議)
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○神崎武法君 私は、公明党を代表し、森内閣総理大臣の所信表明演説に関し、総理に御所見をお伺いいたします。(拍手)
以下、焦点を絞ってお伺いいたします。
最初に、突然の火山噴火とそれに次ぐ地震の頻発に加え、台風の襲来などによって被災されております有珠山と伊豆諸島の住民の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
公明党は、被災者救援のための街頭募金だけではなく、政府に公共事業予備費の活用を強く要請し、緊急及び復旧対策として二百億円の留保分を含む合計約九百億円を確保することができました。
しかし、有珠山に関しては、約二百世帯の集団移転は避けられないと見られ、三宅島については、全島の四分の一を覆う甚大な降灰被害、東京二十三区などへ避難している約七百人の島への復帰問題、さらには、三宅島及び新島、神津島、式根島での地震災害に対する復旧対策など、むしろ困難な課題が残されております。
観測、予防対策は当然のことながら、被災された方々が心から安心できるよう、万全かつスピーディーな措置をとられることを要望しますが、総理の決意をお伺いいたします。
今回のサミットは、故小渕前総理の強い政治決断によって、初めて福岡、宮崎、沖縄の地で開催されました。クリントン米国大統領が本土復帰後初めて沖縄を訪問し、また、G8首脳及び各国のマスコミが、沖縄県民との直接交流によって、沖縄の歴史、文化、基地の実態を肌で理解されたことは、まことに意義深いものでありました。まさに平和のメッセージが沖縄から世界に向けて発信されたサミットであったと確信をいたします。
さて、沖縄県民の希望は、第一に米軍基地の整理縮小問題の具体的推進であり、第二に普天間基地の移設後の新しい基地の十五年使用期限問題の実現であります。そして第三は、米兵による事件、事故の再発防止問題であります。これらの問題について、総理はどのような対応をお考えか、お伺いいたします。
また、総理の提唱によりまして、非G8各国や国際機関、NGO等との対話が行われ、G8首脳から高い評価を受けられました。このような試みは今後とも継続していくべきであると考えますが、総理のお考えをお伺いいたします。
次に、あっせん利得罪の法制化について、総理のお考えをお伺いいたします。
先月三十日には、建設省発注工事の指名競争入札の選定をめぐり、中堅ゼネコンからわいろを受け取ったとして、中尾元建設大臣が受託収賄罪の容疑で逮捕されました。事件が起こるたびに再発防止が叫ばれますが、政治家による収賄事件は一向に後を絶たない状況であります。昨日は、久世金融再生委員長が、多額の資金提供などを受けていた問題で辞職をいたしております。
国民の怒りは、批判の声を上げるというよりも、政治を無視するまでになっており、今こそ、国民の政治不信、政党不信を抜本的に解消するため、政治が襟を正し、具体的に目に見える形で対処することが強く求められているのであります。
我が党は、昨年五月にあっせん利得罪に関する法案を共同で提出いたしましたが、この際、与党三党でさらに実効性のある法案をつくり上げ、かつ、秋の臨時国会でこれを成立させるべきであると考えます。総理のお考えをお示しいただきたいと思います。
次に、そごう問題に関連してお伺いいたします。
いわゆるそごうの債権放棄の問題に関しては、公明党は、預金保険機構がそごうグループ向け債権を放棄する旨を決定したときから、基本的なスタンスとして、民間企業に血税を投入するということは慎重にならなければならないという立場に立ち、借り主であるそごう百貨店の経営者の責任追及など処理の透明化を図るなど、国民の納得のいく対応策を検討していくべきであると主張してまいりました。
結果として、世論の強い批判や与党内の雰囲気を踏まえ、そごうが自主的な判断に基づいて、債権放棄を取り下げ民事再生法に基づく法的処理による再建策を選択されたことは、銀行と企業のモラルハザードを防止するという観点からも、極めて賢明な判断であったと考えます。
私は、今般の問題を教訓に、預金保険機構は、債権処理に係る厳密なルールを確立し、同種の債権放棄要請があった場合には、原則として応じるべきではないと考えます。このため、金融機関の破綻処理の原則として、費用最小原則などに加え、借り手の株主及び経営者の責任を明確にし、モラルハザードを防止するという原則を、法改正も含め、検討したらどうかと考えます。総理の御所見を伺いたいと思います。
次に、我が国のIT社会に対する基本的な取り組みについて、特に重要と認識する問題に絞って総理にお伺いいたします。
公明党はこれまで、携帯電話の自由化などの規制改革や千三百五十万人に上る通信料金引き下げの署名運動など、党の総力を挙げて取り組んでまいりました。
そこで具体的に、通信料金については、一般的なインターネット料金は、米国などの事例を踏まえても、通信料、プロバイダー料込みで当面三千円から四千円程度、そして我が国が名実ともに情報先進国になるためには、最終的に二千円から三千円台水準がインフラとして不可欠と考えております。
この通信料金の引き下げ問題は、IT革命の成否を占う最大の隘路であり、また決め手でもあります。総理は、通信料金の水準について具体的にいかがお考えでしょうか。また、その実現のためにどう取り組まれるおつもりでしょうか。ぜひとも明言をお願いいたします。
次に、NTTは通信インフラとしての側面と私企業としての側面の両面を持つ企業体であり、そうしたNTTグループの独占力が強化されると、通信・放送市場において、競争による料金の引き下げや使いやすい多様なサービスの実現を国民が享受できないなど、かえって弊害が拡大されることが懸念されます。IT革命の推進のために、通信・放送分野の構造改革及び規制緩和はとりわけ重要であります。
私は、競争政策の観点から、独占禁止法の適用強化が妥当だと考えておりますし、また、通信と放送の融合に向けた既存の通信・放送法制度の見直しを図る場合には、競争政策の観点を盛り込むべきだと考えております。
総理は六月に、NTTの政府保有株の早期売却や、NTT法の改正を含めた完全民営化の実現が必要であり、通信行政の基本である電気通信事業法と放送法の一体化を図り、通信と放送の融合に対応すべきであるという趣旨の発言をされました。この総理の御見解は非常に適切であり、重要と考え、強く支持するものであります。当然、この方針で今後の規制改革を推進されると理解いたしますが、この際、改めて確認をいたします。
また、政府部内で規制改革のための一括法が検討されていると聞いています。こうした総理の方針に沿った内容を盛り込むものと理解していますが、いかがお考えでしょうか。具体的にお伺いいたします。
最後に、公共事業改革についてお伺いいたします。
現在、公共事業については、国民初め、与党内でもさまざまな角度から改革論が出ていますが、私は、以下の四つの観点から、公共事業を大胆に見直すべきだと提案をいたします。
その第一は、公共事業の地方への補助金を今後五年間程度をかけて段階的に廃止することを検討し、その財源を地方に移譲して、地方の単独事業とすべきであります。
今年度予算で国の公共事業費九兆四千億円のうち、地方への国庫補助金は五兆九千億円に達しますが、補助事業は地方自治をゆがめ、特色ある地域づくりを妨げています。事業の必要性、優先順位を最も知っているのは地方の自治体であり、各省のコントロールを排し、地域の実情に応じた公共事業を進めるために、改革は勇気を持って断行されるべきであります。(拍手)
二点目は、行政評価法を次期通常国会で成立させるべきであるということであります。
公共事業については、事前、実施途中、事後の各時点で事業評価を数量的に行い、公表した上で、実施途中の事業であっても、当初設定した政策目的に適合しなくなったときは原則的に中止させるなど、徹底した改革が必要であります。
三点目は、公共事業の情報公開のために電子政府化を推進すべきであるということであります。
特に、大規模な公共事業について、目的、内容、事業額と財源などの情報を、だれでも、いつでもインターネット上からアクセスできるようにすべきであります。
四点目は、国民生活に密着した生活整備事業こそ二十一世紀の公共事業と位置づけられるべきであるということであります。
ごみ問題や道路渋滞、長時間通勤、凶悪犯罪の多発、防災対策のおくれなどの抜本的な解決を求められており、明年は生活新生に明確な第一歩をスタートさせるべきだと考えます。
以上の四点につきまして、総理の見解を求め、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣森喜朗君登壇〕