甘利明の発言 (予算委員会)
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○甘利委員 郡部、農村部では勝利をいたしました。しかし、大都市圏では我が党は敗北をしたわけであります。
都市政策の欠落が今指摘をされているところでありますし、投票率を上げる要因になる階層に対するアピールが不十分ではなかったか。すなわち、都市部のサラリーマン層に対する政策が適切に打てていなかったのではないか、あるいは、彼らの自民党に対する信頼感が失われてしまってはいないかということを反省することだというふうに思っております。
今回の選挙で、私を含めてでありますけれども、多くの自民党の候補者は、投票率が余り上がらない方がいいなということを願いました。上がり過ぎますと……(発言する者あり)これは正直な心情を言っているのでありますが、上がり過ぎると無党派層が行動を起こす、そうすると自民党に不利に働くということを実は思ったわけであります。
しかし、振り返ってみれば、昔は我々は、投票率が上がることを期待したはずであります。理想のお天気というのは、朝方小雨がぱらついて、それからすぐやんで、行楽に行かないで投票に行ってほしい、そういうことを願ったはずでありまして、投票率が上がれば自民党に有利になる、昔はそう願ったはずであります。
何だかんだ言いましても最後に頼れるのは自民党だ、そういった信頼感が今でいう無党派層の人たちの中にもあったはずなんであります。いろいろ欠点はあるけれども、でも最後に頼れるのは自民党、おやじのような存在の自民党だ、それが自民党であったはずなんでありまして、正すべきは正して、変えるべき点はちゅうちょなく変える、同時に、守るべき点はしっかりと守っていく、それが自民党のよさなんであります。さきの総選挙で、自民党の候補者のスローガンの中にこういうのがありました。「変える勇気、守る誇り」。自民党は勇気と同時に誇りを忘れてはいけないと思うのであります。
三、四年前でありましたでしょうか、当時の新進党から自民党にくらがえをする方が何人かありました。そのうちの一人に、入党して一月後くらいだったと思いますけれども、どうですか、もう自民党になれましたかということを私が声をかけましたら、その方は、甘利先生、自民党というのは外からのイメージと全然違って、すごく開かれていて物すごく民主的な党なのですねと、感激の面持ちで返答をされました。これは事実であります。
何を指しているのかと思いましたら、政策決定手順の話でありました。御案内のとおり、自民党は政府の政策を決定する際に、手順を踏んで議論を積み上げていくという政党であります。
まず、政務調査会傘下の各部会で議論を行います。産業政策に関する案件ならば商工部会、外交政策に関する件なら外交部会、それぞれの部会で議員間の、そして議員と役人の間の議論を行いまして問題点を詰めていくわけであります。部会で可決をされますと、政調審議会に進みまして、それをクリアすると総務会にかかる。そこで可決をすると、党としての意思決定となるわけであります。そして、そのすべての段階で、一年生議員であろうと大臣経験者であろうと、対等の論議が保障されているわけであります。
国会開会中には、毎週月曜から金曜まで、毎朝八時からそれぞれの部会が一斉に店開きをするわけであります。多い日には十件以上の会議が自民党本部で朝八時から開催をされておりまして、毎朝けんけんがくがくの政策論議が展開をされる。どこへ出席するのも自由であるし、どんな論陣を展開するのも自由でありまして、そこで政策を勉強し、演説力を鍛えるというわけでありまして、一年生といえども、政府の政策をリードする場が保障されているわけであります。
そうした自民党の伝統的なよさも、国民の皆さんにアピールをする必要があると思うのであります。同時に、そうした伝統的なよさが目詰まり状態を起こしてはいないだろうか、閉塞感を伴ってはいないか、点検をすることも怠ってはならないというふうに思うのであります。
最近、我が党の若い人たちに話を聞きますと、党に閉塞感があるということをよく言われます。平場からの議論の積み上げをなおざりにしてはいけないのでありまして、上が結論を出してしまって会議がガス抜きの場に成り下がってはいけない。伝統的自民党のよさをしっかりと守っていくために、変えるべき点は大胆に変えていく。保守なる改革とは、よき伝統を守るための改革でもあります。もう一度、総裁たる総理の決意を伺います。