棚橋泰文の発言 (労働委員会)
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○棚橋委員 ありがとうございました。
特に、まず学卒未就職者について申し上げるならば、せっかく学校で学んで、そして社会で一生懸命自分の力を試したい、そういう夢を持った若い方々が、自分の能力ではどうしようもない段階で就職ができない、これは大変大きな問題ですし、この点についてはやはり国家の責任が大きいのではないかと思います。ですから、ぜひこの失業対策については最大限の御努力を今後とも払っていただきますことを、まずお願い申し上げます。
と同時に、若年層全体については、今お話にございましたように、やはり職について長くやっていこうという意識が薄い方もふえております。もちろんこれは一概に否定すべき話ではなくて、いわゆるキャリアアップ型の転職を目指す方もいらっしゃるでしょうし、あるいは自分にふさわしい職業を選択していく過程におけるどうしてもやむを得ない事象というところもあると思います。しかしながら、一方で安易に離職されてまたそれを繰り返すというようなことになれば、これはやはり一つの大きな問題をはらむと思いますので、今お話にありましたような施策を中心に、さらに労働省としても政策の推進を進めていただきますことをお願い申し上げる次第でございます。
次に、私は多分これが一番深刻な問題ではないかと思いますが、特に中高年の再就職あるいは中高年の失業問題についてお伺いをしたいと思います。
確かに、完全失業率等でいうならば、若年層の方が中高年よりも一般に高いところが多うございますが、有効求人倍率あるいは一度離職したときに再就職できる可能性等を考えると、中高年の方の失業問題が今一番深刻ではないかと私は思います。先般のそごうグループの問題にしても、あらゆる社員さんあるいは関連の方々がお困りでしょうが、特に一家の世帯主である失業された方の問題というのは非常に深刻ではないかと私は思います。
いろいろお話を伺っていると、私なりに中高年の再就職を阻んでいる要因を大きく二つ考えるならば、第一点はやはり再就職における年収の大幅ダウン、第二点はやはり職業能力の問題ではないかと思います。
第一点の問題でいうならば、どうしても再就職をされる場合においては今までいただいていた年収に比べて大幅に年収がダウンするケースが多うございます。一方で、中高年の御世代というのは、決して自分がぜいたくをするために金がかかるわけではなくて、むしろその世代が一番お金がかかるのは、御承知のように一般的には住宅ローン、それから何よりも子供の教育費でございます。
住宅ローンについてもまた考えていかなければいけないところがございますが、特に、例えば地方に住んでいらっしゃる方がお子さんを東京あるいは三大都市圏の大学に進ませる、そして下宿させる。そうすると、そのお子さんが多少アルバイトをしても、残念ながら相当な部分やはり仕送りをしなければいけない。そういったことを考えると、再就職はしたいけれども大きな年収ダウンでは再就職はとてもできないという、ある意味では悪循環のようなものがありまして、例えば大学における奨学金の問題等も含めて、関係省庁とやはり連携してこういった問題はとらえていく必要があるのではないかと思います。
それからもう一点は、やはり職業能力の問題でして、例えば土木建設業で二十年間勤めた方がその会社の倒産に伴って新しい企業に移転する。それが例えば情報関係の会社で、そこでいきなり最初からばりばりやるというのは、正直言ってほとんど不可能に近いような状態でございます。
労働省の方も、職業能力開発については、ここ数年、特に急ピッチでいろいろな制度を整備していただいておりますが、残念ながら一部においてはまだ十分な利用が進んでいないところもありますし、一方ではこれが再就職に必ずしも有効ではないという声も聞くところがございます。
そこで、考えていかなければいけないのは、特に一番深刻な中高年の方々の再就職対策として、今言ったような年収ダウンの問題、そして何よりも職業能力開発をいかに応援していくか、こういった問題についても関係省庁と連携しながら急ピッチで進めていただかなければならないと思いますが、その点についての御見解をお伺いしたいと思います。