棚橋泰文の発言 (労働委員会)

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○棚橋委員 ありがとうございました。
 最後に、今の中高年の方々の年収ダウンのことに関連いたしまして、一つ抜本的な問題について、やはり労働大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
 我が国は、ホワイトカラーを中心に、今までは賃金体系はいわゆる年功序列型賃金体系をとってまいりました。これはいろいろな御批判もございますが、一方で非常にわかりやすく、また労働者にとっては、若いころには比較的苦労するところはありますけれども、とはいえ生涯において収入が非常にわかりやすく、そしてまた生活設計が立てやすい賃金体系でございました。それが、御承知のように、世界的な大競争時代の中で、この体系を維持することが大変難しくなってきて、いわゆる能力給的な側面も含めた賃金体系に変わらざるを得ないようなことが言われております。
 しかし一方で、特にホワイトカラーを中心に一人一人の労働者の能力あるいは仕事の成果の評価というのは大変難しい問題がありまして、例えば、同じ四十代でありながら、なぜある人は年収六百万円であり、なぜある人は一千二百万円なのか。これがまだブルーカラーの世界であれば、比較的成果において見えるところがあるのかもしれませんが、事務職を中心とするホワイトカラーにおいては、どれだけの付加価値をつけたかという評価が非常に難しいと思いますし、今後、年功序列型賃金制度が崩れざるを得ないとしたら、その評価の点においていろいろな議論が巻き起こってくるのではないかと私は思っております。
 実は、賃金体系が変わっていくに当たっては、まず今言ったような評価の問題、それからその後で、今までは年功序列型賃金体系に基づいて生活、特に生涯生活を設計していた一人一人の労働者が、例えば一番資金的に必要な中高年の時期、お子さんが大体高校前後のころ、こういった時期にきちんとした必要な生活費を稼ぐことができるか等々、本質的な問題をはらんでいると思いますが、今回は、特に労働大臣にお伺いしたいのは、今申し上げた年功序列型賃金体系の崩壊の中で、客観的で能力をきちんと評価するような体制を組むためにどのような対策をとられるかということでございます。
 と申しますのは、今申し上げたように、同じ世代、同じ仕事をしているに当たっても、年収で例えば極端に言えば倍の開きがある。当然のことながら、年収が少ない方は不満に思うでしょうし、そして、なぜ自分の年収が同じ世代で同じ仕事をしているのにもかかわらず、彼に比べて少ないのかという不満が当然出てまいります。ホワイトカラーの仕事を中心にこういったものの評価というのは、どうしても最後は上司、同僚、部下等あるいは顧客の方を中心に主観的にならざるを得ない側面があります。
 しかし、こういった問題が主観的になされるということにやはり大きな疑念とそしてトラブルが発生する可能性がありまして、この点においては、そういったものの評価は少しでも客観的に、本人も含めて第三者が、例えばあなたは年収六百万円で、あなたは年収一千二百万円であるということを納得できるような、ある意味ではアカウンタビリティーに近いような制度が必要ではないかと思います。
 そこで、年功序列型賃金制度の崩壊を前提とする中で、特にそういったホワイトカラーの方々を中心に能力給をいかに客観的に評価するか、そしてそれについて労働省として、いかなる方向にこれを持っていき、いかなる政策を行われるおつもりがあるのか、この点について大臣の御意見を伺いまして、最後の質問とさせていただきたいと思います。

発言情報

speech_id: 114905289X00120000804_014

発言者: 棚橋泰文

speaker_id: 28065

日付: 2000-08-04

院: 衆議院

会議名: 労働委員会