扇千景の発言 (国土・環境委員会)

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○国務大臣(扇千景君) おはようございます。
 第百四十九回国会における御審議に当たりまして、建設行政に取り組む私の所信を申し述べ、委員各位の御理解と御指導を賜りたいと存じます。
 まず、二十一世紀を目前にした今日、また国土交通省への移行を半年後に控えた現時点で建設大臣を拝命したことを重く受けとめております。
 国民の生活基盤をより豊かで快適なものとし、我が国の発展基盤を揺るぎないものにするために、住宅・社会資本の整備を着実に推進し、夢のある二十一世紀へとしっかりと橋渡しをすることが私の最大の務めだと考えているところでございます。そのためには広く知恵を集め、工夫し、努力をしてまいりたいと考えております。
 次に、近年、公共事業に対してさまざまな御批判がありますが、建設省は、国の公共事業のおおむね七割を担う責任官庁として、それらの意見にもしっかり耳を傾けながら、日本経済の新生に資するとともに、二十一世紀の発展基盤を築くため、国民にもわかりやすいビジョンのもとに、真に必要な分野に戦略的、重点的に投資を行ってまいります。また、その際、事業評価、コスト縮減、事業間の連携などにより、効率性と透明性のさらなる向上に努めてまいりたいと存じます。
 公共事業の執行に関しましては、元建設大臣の不祥事によりまして、現在、国民の信頼が大きく揺らいでいるということはまことに遺憾でございます。建設省としましても、これまでも入札、契約制度の改革を進めてきたところでございますけれども、さらに現行制度等を再総点検し、入札、契約における透明性、競争性の向上、地方公共団体等を含めた改革の徹底に全力を尽くしたいと思います。そのための法制度につきましても検討してまいりたいと考えております。
 一方、国土交通省への移行に当たりましては、四省庁が一つに統合されて器だけが大きくなって何も変わらなければ真の行政改革とは申せません。地方分権、規制緩和などによりスリム化を図ることはもとより、統合のメリットを生かし、効率的でスピーディーな政策決定を実現し、国民のためによかったと言えるような、要は行政改革の実を上げるように取り組んでまいりたいと思います。
 以下、具体的な諸課題への取り組みについて申し述べます。
 第一に、二十一世紀にふさわしい都市への新生を目指して、情報通信基盤を含む都市基盤施設の整備、土地の有効利用の促進、中心市街地の整備改善などにより、職住が近接し、魅力と活力にあふれた都市空間の形成に取り組んでまいります。
 第二に、国民だれもが安心して暮らせる生活環境を実現するために、生活空間のバリアフリー化、高齢化、子育て世帯に対応した良質な住宅の供給促進、住宅性能表示制度の普及、シックハウス対策を推進するほか、水環境の改善や多自然型川づくり、沿道環境の改善に向けた環状道路の整備、交差点改良等を着実に進めてまいります。
 第三に、地域間の連携、交流の促進のため、高規格幹線道路、地域高規格道路等の体系的な整備を重点的に進めるとともに、IT革命に戦略的に取り組む観点から、公共施設管理用光ファイバー網やその収容空間の整備、活用と、ノンストップ自動料金収受システムなど高度道路交通システムの実用化等によるスマートウエーの早期実現に取り組んでまいります。
 第四に、有珠山、三宅島の火山噴火活動、神津島、新島の地震災害など、各地で相次いで発生している自然災害につきましては、被災地の一日も早い復旧・復興に取り組むとともに、流域対策と連携した治水対策や総合的な危機管理体制の整備を含む災害対策、地域の安全を支える防災拠点の整備などを推進してまいります。
 以上、建設行政の推進につきまして私の所信を申し述べさせていただきました。
 国民の皆様の期待にこたえて一層の御理解をいただけるよう、国民との対話と情報の一層の公開を重視しつつ、かつ厳正な綱紀の保持になお一層努めつつ、引き続き建設行政の諸課題に全力で取り組んでまいる覚悟でございます。
 今後とも、石渡委員長を初め、委員各位の御指導をよろしくお願い申し上げます。
 引き続きまして、国土行政の基本施策に関する所信を表明させていただきます。
 第百四十九回国会における御審議に当たり、国土行政に関する私の所信を申し上げます。
 まず最初に、神津島の地震により亡くなられた方の御冥福をお祈り申し上げます。それとともに、有珠山や伊豆諸島における噴火、地震により不安で不自由な生活を余儀なくされている方々に心からのお見舞いを申し上げます。今後とも万全の警戒態勢をとるとともに、速やかな復旧・復興や被災者の生活支援を行ってまいります。
 なお、国土庁の防災行政は来年一月には内閣府に移行いたしますが、今後とも予防、応急、復旧・復興の各段階での災害対策に政府一丸となって取り組んでまいります。
 国土庁は、国土計画、大都市圏の整備、地方振興、土地政策、災害対策、水資源政策など、幅広い分野で国土づくりに取り組んできております。私は、これまで国土庁が積み重ねてきました豊富な専門知識、経験と能力を生かして、二十一世紀の国土像をわかりやすく描き、国土交通省という新しい器の中で政策が実を結ぶよう、しっかりとした道筋をつけていきたいと思っております。
 また、来年一月の国土交通省の設置につきましては、単に四省庁を集めただけではなく、四省庁統合による実を上げることが何よりも重要と考えております。統合によってお互いが能力を出し合い、よりスピーディーに、より低コストで、なおかつより質の高い行政サービスができるようになってこそ真の行政改革であると考えております。このため、四省庁の連携施策を検討しつつ、国土交通省の使命、政策の基本的目標や仕事の進め方を示したビジョン策定などに取り組んでまいります。
 次に、国土行政の各分野の重点課題について申し述べます。
 まず、国土計画につきましては、全国総合開発計画である二十一世紀の国土のグランドデザインを推進し、地域主体の地域づくりの定着を図ります。また、二十一世紀の国土計画のあり方についても検討を進め、本年中にその基本的な考え方を取りまとめたいと考えております。
 大都市圏の整備につきましては、三大都市圏の基本計画に基づき、都市空間の修復、更新を行う大都市のリノベーションと広域的な圏域構造の再編整備を推進いたします。また、大深度地下を活用した都市基盤整備を推進します。
 首都機能移転につきましては、国会での御審議に対して協力するとともに、国民に対する多様な広報活動にも取り組んでまいります。
 地方振興につきましては、地域間の連携や交流などを促進します。また、新しい地方開発促進計画の推進、地方産業の振興に取り組むとともに、過疎地域、山村、半島、豪雪地帯、離島、奄美、小笠原等の特定地域の生活環境や産業基盤の整備を進めます。
 土地政策につきましては、土地市場が利便性や収益性が重視される実需中心の市場へと変化する中、土地の有効利用の促進のために、土地情報の整備、提供など市場の条件整備や低未利用地の有効活用に取り組みます。また、新しい十カ年計画に基づき、国土調査を着実に推進いたします。
 水資源政策につきましては、健全な水循環系の確立を基本として、さきに策定されました全国総合水資源計画を踏まえ、七水系六つの新しい水資源開発基本計画の策定などに取り組みます。
 私は、職員とともに、国民の目線に立って国民にわかりやすい行政を心がけ、これら施策の推進と円滑な省庁再編に向けた準備に全力を挙げて取り組んでまいります。
 委員長を初め委員各位の一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げて、ごあいさつとさせていただきます。

発言情報

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発言者: 扇千景

speaker_id: 27625

日付: 2000-08-09

院: 参議院

会議名: 国土・環境委員会