相沢英之の発言 (財政・金融委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(相沢英之君) このたび金融再生委員会委員長を拝命いたしました相沢英之でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 市場及び国民から信頼される金融行政を確立し、我が国金融システムの安定と再生を図るため、微力ながら全力を尽くして任に当たってまいる所存でありますので、当委員会の委員長及び各委員の皆様には御指導のほどよろしくお願いを申し上げます。
 本日は、発言の機会をいただきましたので、現下の金融行政について一言申し述べさせていただきたいと存じます。
 金融再生委員会では、金融再生法に基づく破綻金融機関の迅速な処理及び早期健全化法に基づく健全な金融機関に対する公的資本増強の実施等を通じ、我が国金融システムの安定と再生に全力を挙げて取り組んでおります。
 我が国の金融機関を取り巻く環境は、一時期と比較して確実に安定性を取り戻してきておりますが、平成十四年三月末のペイオフ解禁を控え、さらに揺るぎのない金融システムを構築することが必要であり、引き続き努力してまいる所存です。特に、信用金庫、信用組合等の協同組織金融機関につきましては、新たに優先出資の発行等が認められるとともに、平成十四年三月末までの間、公的資本増強が可能とされたことを踏まえ、適切に対処してまいります。
 特別公的管理下に置かれていた日本債券信用銀行の譲渡に関しましては、本年六月三十日にソフトバンクグループとの間で最終契約書が締結されましたが、その後、特別公的管理銀行に係る譲渡の仕組み、とりわけ瑕疵担保条項については、説明が必ずしも十分ではなかった等の御批判をいただいたところであります。
 こうした状況のもと、金融再生委員会は、ソフトバンクグループの意向をも踏まえ、今国会における御論議や国民の御意見に十分耳を傾けるとともに、その理解を深めていただくために、一カ月譲渡予定日を延期することといたしました。ただし、瑕疵担保条項を見直すことについては、内外からの金融行政への信頼を損なうおそれがある上、契約相手方のソフトバンクグループが合意せず、契約を白紙に戻す意向であること、その場合、かわりの引き受け手が見つからない可能性が高いこと、仮に整理回収機構への譲渡となれば、取引先中小企業の倒産や国民負担の大幅な増加が見込まれること等から困難であると考えております。
 次に、そごう問題について申し上げます。
 金融再生委員会は、去る六月三十日に、金融再生法が定める費用最小化原則を基軸としつつ、さまざまな観点から慎重審議を行った結果、預金保険機構が債権放棄要請を受け入れることもやむを得ないとの苦渋の決断を下しました。その後、そごうは、同社を取り巻く環境の大きな変化等を踏まえ、自主的な経営判断として再建計画を断念し、先月十二日に民事再生法の適用を申請したところであり、今後、こうした法的処理の枠組みの中で適切な再建策が策定されることを期待しております。今回の問題を教訓に、国による債権放棄については、安易に認められるべきでないのは当然との認識のもと、慎重の上にも慎重に対処していくとともに、今後、重要な案件については関係方面や国民から十分な理解を得られるよう努力してまいります。
 委員の皆様方既に御存じのとおり、先月初めに中央省庁等改革の先陣を切って金融監督庁と大蔵省金融企画局が統合され、金融制度の企画立案業務と金融機関等の検査・監督業務が新しく発足した金融庁に一元化されました。
 金融制度の企画立案においては、経済、金融を取り巻く環境の変化を見据え、安定的で活力ある金融システムの構築及び金融市場の効率性、公正性の確保に向け、金融制度の改善に取り組んでまいります。
 金融機関等の検査・監督行政においては、厳正な検査・監督を通じ、金融機関等の健全性の維持向上に一層の努力を傾注してまいる所存であります。
 また、金融の国際化に的確に対応するため、外国金融当局との連携強化等に努めてまいります。
 最近における異業種による銀行業への参入等、新たな形態の銀行設立の動きへの対応については、今月三日に、パブリックコメント手続を経て、銀行法に基づく免許審査・監督についての運用上の指針を策定し、公表いたしました。当局としては、本指針を踏まえ、新たな形態の銀行による健全かつ適切な業務運営を確保するため、的確に監督してまいる所存であり、こうした銀行の設立の動きが、金融技術の革新、競争の促進等を通じて我が国金融の活性化や利用者利便の向上等に寄与することを期待しております。
 なお、異業種の参入に伴う銀行法等の整備や銀行の他業禁止等に係る規制緩和についても、金融審議会等において早急に検討を開始していただきたいと考えております。
 以上申し述べましたとおり、金融再生委員会・金融庁といたしましては、引き続き市場規律と自己責任原則を基軸とした明確なルールに基づく透明かつ公正な行政を遂行するとともに、金融制度の企画立案においても万全を尽くす所存でありますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。

発言情報

speech_id: 114914361X00120000809_007

発言者: 相沢英之

speaker_id: 33795

日付: 2000-08-09

院: 参議院

会議名: 財政・金融委員会