財政・金融委員会

2000-08-09 参議院 全108発言

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会議録情報#0
平成十二年八月九日(水曜日)
   午前九時三十分開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         平田 健二君
    理 事         岩井 國臣君
    理 事         中島 眞人君
    理 事         寺崎 昭久君
    理 事         海野 義孝君
    理 事         池田 幹幸君
                片山虎之助君
                河本 英典君
                沓掛 哲男君
                世耕 弘成君
                中島 啓雄君
                林  芳正君
                日出 英輔君
                星野 朋市君
                伊藤 基隆君
                久保  亘君
                櫻井  充君
                浜田卓二郎君
                笠井  亮君
                三重野栄子君
                椎名 素夫君
    ─────────────
   委員の異動
 八月七日
    辞任         補欠選任   
     中島 啓雄君     加納 時男君
 八月八日
    辞任         補欠選任   
     加納 時男君     中島 啓雄君
     櫻井  充君     浅尾慶一郎君
 八月九日
    辞任         補欠選任   
     浅尾慶一郎君     輿石  東君
     久保  亘君     勝木 健司君
     寺崎 昭久君     谷林 正昭君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         平田 健二君
    理 事
                岩井 國臣君
                中島 眞人君
                勝木 健司君
                寺崎 昭久君
                海野 義孝君
                池田 幹幸君
    委 員
                片山虎之助君
                河本 英典君
                沓掛 哲男君
                中島 啓雄君
                林  芳正君
                日出 英輔君
                星野 朋市君
                浅尾慶一郎君
                伊藤 基隆君
                久保  亘君
                輿石  東君
                谷林 正昭君
                浜田卓二郎君
                笠井  亮君
                椎名 素夫君
   国務大臣
       大蔵大臣     宮澤 喜一君
       国務大臣
       (金融再生委員
       会委員長)    相沢 英之君
   政務次官
       大蔵政務次官   村田 吉隆君
       大蔵政務次官   七条  明君
       金融再生政務次
       官        宮本 一三君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   政府参考人
       金融再生委員会
       事務局長     森  昭治君
       金融庁監督部長  高木 祥吉君
       法務大臣官房審
       議官       小池 信行君
       大蔵省主税局長  尾原 榮夫君
       大蔵省理財局長  中川 雅治君
   参考人
       日本銀行総裁   速水  優君
       預金保険機構理
       事長       松田  昇君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (概算要求基準及び財政規律に関する件)
 (日本債券信用銀行等譲渡契約に関する件)
 (日本銀行の金融政策に関する件)
 (税制調査会中期答申に関する件)
 (日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく
 通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件
 )
○理事補欠選任の件
○消費税の増税反対、消費税率三%への減税に関
 する請願(第五六号)
○消費税率三%への引下げに関する請願(第五七
 号)
○消費税の減税に関する請願(第五八号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件

    ─────────────
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平田健二#1
○委員長(平田健二君) ただいまから財政・金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨八日、櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として浅尾慶一郎君が選任されました。
    ─────────────
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平田健二#2
○委員長(平田健二君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、財政及び金融等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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平田健二#3
○委員長(平田健二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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平田健二#4
○委員長(平田健二君) この際、宮澤大蔵大臣、相沢金融再生委員会委員長、村田大蔵政務次官、七条大蔵政務次官及び宮本金融再生政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。宮澤大蔵大臣。
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宮澤喜一#5
○国務大臣(宮澤喜一君) 我が国経済の新生へ向け、種々の課題が山積している中、引き続き大蔵大臣の任に当たることになりました。何とぞよろしくお願いを申し上げます。
 以下、今後における財政政策等の基本的な考え方につき所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。
 まず、最近の経済情勢と当面の経済運営の基本方針について申し上げます。
 我が国経済は、平成九年秋以降、四半期ベースで見ますと五期連続のマイナス成長という、戦後初めての厳しい局面を経験いたしましたが、各種の政策効果もあって、昨年来緩やかな改善が続いており、平成十一年度の実質GDP成長率は〇・五%と三年ぶりのプラス成長に転じました。我が国経済の現状を概観いたしますと、依然として雇用情勢は厳しく、個人消費もおおむね横ばいの状態であるものの、設備投資を初めとして、企業部門を中心に自律的回復に向けた動きが徐々に強まってきております。
 政府は、これまで景気回復に向けた諸施策の実施に全力を挙げて取り組んでまいりました。とりわけ、平成十二年度予算においては、経済運営に万全を期すとの観点から、前年同額を確保した公共事業や、金融システム安定化、預金者保護のための施策を初めとする諸措置を講じたところであります。また、景気の下支えに万全を期すため、先般、公共事業等予備費の使用を閣議決定したところであります。
 政府といたしましては、公共事業等予備費を含めた平成十二年度予算を着実に執行することなどにより、公需から民需への円滑なバトンタッチを図り、景気を民需中心の本格的な回復軌道に乗せていくよう、全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 次に、平成十三年度予算編成と財政構造改革について申し上げます。
 平成十三年度予算編成に当たっては、景気を本格的な回復軌道に乗せるよう引き続き全力を挙げつつ、財政の効率化、質的改善に取り組んでまいりたいと考えております。このような基本的な考え方を踏まえ、平成十三年度予算の概算要求に当たっては、日本新生プラン等の施策に特段の予算配分を行うため日本新生特別枠を創設するなど、予算配分の重点化のための措置を講じることとしております。今後の予算編成過程において、予算の内容の大胆な見直しを行い、その効率化を進めることにより、公債発行額をできる限り圧縮し、二十一世紀のスタートにふさわしい予算としてまいりたいと考えております。
 平成十二年度末の国、地方を合わせた長期債務残高が六百四十五兆円に上る見込みとなるなど、我が国財政は危機的な状況にあり、財政構造改革は必ず実現しなければなりません。ようやく明るい兆しの見えてきた我が国の景気回復を一層確かなものとした上で、二十一世紀の我が国経済社会のあるべき姿を展望し、税制のあり方、社会保障のあり方、さらには中央と地方との関係まで視野に入れて取り組んでまいります。
 税制につきましては、先般、税制調査会において中期答申が取りまとめられました。この答申においては、近い将来、税制全般についての抜本的な見直しが避けられないとの認識のもと、国民一人一人が税制論議に参加し、選択を行っていくことが重要であるとの考え方が示されております。政府といたしましては、この答申を今後の税制のあり方を考える際の参考としてまいりたいと考えております。
 財政投融資につきましては、さきの通常国会において、郵便貯金、年金積立金の預託義務の廃止等を内容とする資金運用部資金法等の一部を改正する法律が成立したところであります。平成十三年度財政投融資の編成につきましては、この財政投融資改革の趣旨を十分に踏まえたものとしてまいりたいと考えております。
 次に、世界経済の健全な発展への貢献について申し述べます。
 先般、九州・沖縄サミットが開催され、我が国は開催国としてその円滑な運営に万全を期したところであります。サミット蔵相会合においては、IT革命の経済・金融面への影響、国際金融システムの強化等、多岐にわたる論点について活発な意見交換が行われたところであり、特にIT革命が生産性の上昇等を通じ各国の潜在成長力を上昇させる可能性があるとの認識で一致いたしました。我が国としても、IT革命の一層の推進を通じて世界経済の発展に貢献してまいりたいと考えております。
 また、多角的自由貿易体制の維持強化の観点から、我が国は、WTOにおける新ラウンドの早期立ち上げのため、引き続き努力してまいる所存であります。
 さらに、税関手続について、納税申告の前に輸入貨物の引き取りを可能とする簡易申告制度の円滑な実施に向け準備を進めるなど、適正かつ迅速な通関に努めてまいります。
 以上、財政政策等に関する所信の一端を申し述べました。
 今後とも政策運営に万全を尽くしてまいる所存でございますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
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平田健二#6
○委員長(平田健二君) 相沢金融再生委員会委員長。
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相沢英之#7
○国務大臣(相沢英之君) このたび金融再生委員会委員長を拝命いたしました相沢英之でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 市場及び国民から信頼される金融行政を確立し、我が国金融システムの安定と再生を図るため、微力ながら全力を尽くして任に当たってまいる所存でありますので、当委員会の委員長及び各委員の皆様には御指導のほどよろしくお願いを申し上げます。
 本日は、発言の機会をいただきましたので、現下の金融行政について一言申し述べさせていただきたいと存じます。
 金融再生委員会では、金融再生法に基づく破綻金融機関の迅速な処理及び早期健全化法に基づく健全な金融機関に対する公的資本増強の実施等を通じ、我が国金融システムの安定と再生に全力を挙げて取り組んでおります。
 我が国の金融機関を取り巻く環境は、一時期と比較して確実に安定性を取り戻してきておりますが、平成十四年三月末のペイオフ解禁を控え、さらに揺るぎのない金融システムを構築することが必要であり、引き続き努力してまいる所存です。特に、信用金庫、信用組合等の協同組織金融機関につきましては、新たに優先出資の発行等が認められるとともに、平成十四年三月末までの間、公的資本増強が可能とされたことを踏まえ、適切に対処してまいります。
 特別公的管理下に置かれていた日本債券信用銀行の譲渡に関しましては、本年六月三十日にソフトバンクグループとの間で最終契約書が締結されましたが、その後、特別公的管理銀行に係る譲渡の仕組み、とりわけ瑕疵担保条項については、説明が必ずしも十分ではなかった等の御批判をいただいたところであります。
 こうした状況のもと、金融再生委員会は、ソフトバンクグループの意向をも踏まえ、今国会における御論議や国民の御意見に十分耳を傾けるとともに、その理解を深めていただくために、一カ月譲渡予定日を延期することといたしました。ただし、瑕疵担保条項を見直すことについては、内外からの金融行政への信頼を損なうおそれがある上、契約相手方のソフトバンクグループが合意せず、契約を白紙に戻す意向であること、その場合、かわりの引き受け手が見つからない可能性が高いこと、仮に整理回収機構への譲渡となれば、取引先中小企業の倒産や国民負担の大幅な増加が見込まれること等から困難であると考えております。
 次に、そごう問題について申し上げます。
 金融再生委員会は、去る六月三十日に、金融再生法が定める費用最小化原則を基軸としつつ、さまざまな観点から慎重審議を行った結果、預金保険機構が債権放棄要請を受け入れることもやむを得ないとの苦渋の決断を下しました。その後、そごうは、同社を取り巻く環境の大きな変化等を踏まえ、自主的な経営判断として再建計画を断念し、先月十二日に民事再生法の適用を申請したところであり、今後、こうした法的処理の枠組みの中で適切な再建策が策定されることを期待しております。今回の問題を教訓に、国による債権放棄については、安易に認められるべきでないのは当然との認識のもと、慎重の上にも慎重に対処していくとともに、今後、重要な案件については関係方面や国民から十分な理解を得られるよう努力してまいります。
 委員の皆様方既に御存じのとおり、先月初めに中央省庁等改革の先陣を切って金融監督庁と大蔵省金融企画局が統合され、金融制度の企画立案業務と金融機関等の検査・監督業務が新しく発足した金融庁に一元化されました。
 金融制度の企画立案においては、経済、金融を取り巻く環境の変化を見据え、安定的で活力ある金融システムの構築及び金融市場の効率性、公正性の確保に向け、金融制度の改善に取り組んでまいります。
 金融機関等の検査・監督行政においては、厳正な検査・監督を通じ、金融機関等の健全性の維持向上に一層の努力を傾注してまいる所存であります。
 また、金融の国際化に的確に対応するため、外国金融当局との連携強化等に努めてまいります。
 最近における異業種による銀行業への参入等、新たな形態の銀行設立の動きへの対応については、今月三日に、パブリックコメント手続を経て、銀行法に基づく免許審査・監督についての運用上の指針を策定し、公表いたしました。当局としては、本指針を踏まえ、新たな形態の銀行による健全かつ適切な業務運営を確保するため、的確に監督してまいる所存であり、こうした銀行の設立の動きが、金融技術の革新、競争の促進等を通じて我が国金融の活性化や利用者利便の向上等に寄与することを期待しております。
 なお、異業種の参入に伴う銀行法等の整備や銀行の他業禁止等に係る規制緩和についても、金融審議会等において早急に検討を開始していただきたいと考えております。
 以上申し述べましたとおり、金融再生委員会・金融庁といたしましては、引き続き市場規律と自己責任原則を基軸とした明確なルールに基づく透明かつ公正な行政を遂行するとともに、金融制度の企画立案においても万全を尽くす所存でありますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
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平田健二#8
○委員長(平田健二君) 村田大蔵政務次官。
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村田吉隆#9
○政務次官(村田吉隆君) このたび大蔵総括政務次官を拝命いたしました村田吉隆でございます。
 大蔵行政をめぐります問題が山積する中、大臣の御指示を仰ぎつつ、職務に誠心誠意精励する覚悟でございます。
 委員各位の皆様方の御指導、御鞭撻をどうかよろしくお願い申し上げます。
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平田健二#10
○委員長(平田健二君) 七条大蔵政務次官。
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七条明#11
○政務次官(七条明君) このたび大蔵政務次官を拝命いたしました七条明でございます。
 宮澤大臣を補佐しつつ、一生懸命職務に精励してまいりたいと思いますので、皆様方のよろしく御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げます。
 なお、参議院担当の政務次官という形になっておりますので、この点もあわせて御指導、御鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げるところでございます。
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平田健二#12
○委員長(平田健二君) 宮本金融再生政務次官。
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宮本一三#13
○政務次官(宮本一三君) 金融再生総括政務次官を拝命しました宮本一三でございます。
 金融庁は、制度の企画立案から検査、監督、監視まで一貫して担当するとともに、銀行、保険、証券等の業態を横断的に所管することから、これらの特色を最大限に生かしまして金融を取り巻く環境の変化に的確に対応し、機動的かつ整合的な政策の遂行に努めてまいりたいと思います。
 相沢大臣の御指導のもと、また委員の皆様方に御指導、御鞭撻を賜りまして、全力で頑張ってまいりたいと思います。
    ─────────────
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平田健二#14
○委員長(平田健二君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に金融再生委員会事務局長森昭治君、金融庁監督部長高木祥吉君、法務大臣官房審議官小池信行君、大蔵省主税局長尾原榮夫君及び大蔵省理財局長中川雅治君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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平田健二#15
○委員長(平田健二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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平田健二#16
○委員長(平田健二君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁速水優君及び預金保険機構理事長松田昇君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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平田健二#17
○委員長(平田健二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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平田健二#18
○委員長(平田健二君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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岩井國臣#19
○岩井國臣君 大蔵大臣にまずお聞きいたしますが、その前に、九州・沖縄サミット、大変御苦労さまでございました。森総理もおっしゃっておりますように、今回のサミットは小渕前総理が万感の思いを込めてその開催を決定されたものでございまして、森総理はもちろんでございますけれども、大蔵大臣も随分気を使われたのではないかと存じます。本当に御苦労さまでございました。
 早速、質問でございますけれども、サミットに関連いたしまして質問させていただきます。
 一九九七年から九九年にかけまして、アジア、ロシア、中南米といわゆる金融・通貨危機が地球上を駆けめぐった。それを機にいたしまして、ブレトンウッズ体制を抜本的に改革しなければならないんではないかというふうな大変重い課題がG7に与えられていたのではないかと思うのでございますけれども、その点、どうであったのでしょうかということでございます。
 アジアの景気がかなり好転してきたというふうなこともあるんだろうと思いますけれども、改革の意欲が損なわれてきておって、IMF、国際通貨基金、そして世界銀行の巻き返しが云々というふうなことも言われておるわけでございますけれども、どのような国際通貨体制の改革の方向が打ち出されたのか、その辺御説明を願いたいと思う次第でございます。
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宮澤喜一#20
○国務大臣(宮澤喜一君) このたびのサミット会議につきましては、与野党に属せられます両院の議員の皆様からもいろいろ御支援をいただきましたことを改めて御礼を申し上げます。
 ただいまの通貨危機のことでございますが、お話のございましたように、アジアの通貨危機がタイから起こりましたのが九七年の夏でございますが、それがあちらこちらに蔓延をいたしまして、年を越しました九八年のちょうど九月にIMFの総会がワシントンでございました時期が最悪の事態でございました。
 アジアの通貨危機はなおおさまるところを知らず、しかもロシアに通貨危機が訪れましたし、またニューヨークで大きなヘッジファンドの破綻がございまして、何よりもしかし我が国、日本自身が通貨危機をいかに打開すべきかということで国会で、いわゆる金融国会での長い御議論があり、我が国自身の帰趨というものが、事態によっては世界全体の危機の一番の根源になるというような状況の中であの年の九月のIMFあるいはG7の会合がワシントンで開かれまして、これがいわば最悪の事態、戦後最大の国際通貨の危機であったかもしれないと思われます。結果といたしましては、結局、各国間の協力といったようなことが基本であったと思いますが、IMF等々の活動もございまして、一年たちました九九年にはさま変わりになっておりました。
 その間に、IMFのあり方につきまして、岩井委員の御指摘のようにかねてからいろいろ議論があったところでございましたが、殊にアジア危機の救済に際してのIMFの活動が果たして適当であったか、あるいは妥当であったかというような問題を関係者が認識するようになりまして、殊さらにこういう国際機関のあり方について議論が高まりまして、蔵相会議の中でもいろいろ議論が、従来からありました議論が進められ、さらにそれが今回の沖縄サミット会議で首脳間での合意になったということでございます。
 この危機が一応過ぎ去りました後、こういうような場合にこれを防ぐために今後どのような対処をすべきかということは、アジアにおきましてもいろいろに議論をされておりますことは御承知のとおりでございまして、たまたま我が国が、我が国自身も苦労をしております中で、かなりのこのアジアの危機への解決について努力をいたしましたことが認識され始めておりまして、そういう中から、今後このような危機が起こらないための方策について具体的な取り決めなどが少しずつ行われ始めておるというのが現状であると思っております。
 なお、IMFのあり方につきましてもそのような形で、これは国際的な規模におきまして、殊に発展途上国の立場からいろいろな注文が行われ、それらが実現し始めておりますし、また世界の最貧国への救済ということも具体的に結論が出つつありますことは、これらが、おっしゃいますように、九七年に発生いたしました国際通貨危機から我々が今得つつある教訓である、こう申し上げてよろしいかと思います。
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岩井國臣#21
○岩井國臣君 次に、森内閣の経済新生計画でも一つの大きな柱になっておりますITの問題につきましてお聞きしたいと思います。
 ITの問題が今回のサミットで重点的に議論をされたようでございます。先ほどの大蔵大臣の御発言の中にも、活発な意見交換が行われたということでございますけれども、このITという問題は、もう言うまでもなく二十一世紀における世界経済あるいは世界の繁栄にとって大変大きなかぎを握る、このように一般に理解をされておる問題、しかもこれはもう現下の緊急課題、重要課題というふうに理解されておるかと思います。森総理が特に意を用いて今回のサミットの主要テーマにされた意図もその辺にあろうかと思うわけでございます。
 大蔵大臣は、財政を担当する責任者として、そういう立場でこのIT革命に関する問題をどのように受けとめておられるのか、サミットでの感想とこれからのお考え、一端でも結構でございますので、お話しいただければ幸いでございます。
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宮澤喜一#22
○国務大臣(宮澤喜一君) IT問題が沖縄サミットの主題になるということが決定されましたところから、大蔵大臣が福岡において会合をいたしましたときに、首脳会議に対するレポートを我々の間でつくりました。
 その考え方は、IT技術革命がマクロ経済に非常に大きな影響を及ぼすということ、殊にこの革命によって世界各国の潜在成長力を上昇させる可能性があるという認識で一致をいたしました。と同時にまた、そのようなITの進展に対して金融取引あるいは税制でいかに対応すべきかということ、それから、この革命に乗りおくれそうな各国に対するいわゆるITディバイドをどうするかといったようなことが議論になりまして、それらのことはそのまま首脳会議に報告されまして、首脳会議におきましてそのような認識を肯定するとともに、またディバイドについても考えなければならないという結論が首脳会議の合意として出されたわけでございます。
 我が国としてももちろん、先ほどもごあいさつの中で申し上げかけましたが、来年度の予算編成をただいまいたしておりますが、いわゆる新生政策の中の中心になるITの問題につきましては、特別枠の中核になる四つの一つとして、各省庁におかれても将来に向けての政策をいろいろ予算要求の形で今検討しておられますし、恐らく総理大臣の直接の裁量によって決定されます新生枠の中で大きな項目として予算化されることになるであろうと考えております。
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岩井國臣#23
○岩井國臣君 IT革命というのは金融部門にも大変大きな関心がございますので、次に金融再生委員会委員長にお尋ねをさせていただきたいと存じます。
 もう言うまでもなく、金融部門で今IT革命が猛烈な勢いで進んでおるということでございます。ソフトバンクもそうなんですね。そんなことで、もはやIT革命の進展なしに金融部門の生き残りは考えられないというような状況になってきておるのではないかと存じます。
 そこで、金融再生委員会委員長といたしましてこの問題についてどのようなお考えで今後臨んでいかれるのか、その辺の基本的なお考えをお聞かせいただければ幸いでございます。
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相沢英之#24
○国務大臣(相沢英之君) お話がございましたように、IT革命は産業、経済等あらゆる分野に、まさに革命の名にふさわしいような大きな影響をもたらしていることは申し上げるまでもないのでございます。
 金融分野におきましても、海外のIT革命の動きというもの等と当然関連もございますし、日本が取り残されないためにも金融分野におけるIT革命というものを進めていかなければならないという状態にあることは、今委員御指摘のとおりだというふうに存じております。
 最近の金融分野におきましてのIT分野への取り組み状況を見ますと、銀行業の分野におきましては、インターネットを活用して残高照会、振り込み等を行ういわゆるインターネットバンキングが行われておりますし、証券業の分野では、インターネットを活用して証券取引を行う証券会社が増加をしてまいっております。さらに保険業の分野でも、インターネットを活用して保険募集を行う保険会社もあらわれてきているのでありまして、このように、金融分野におきましてもITを活用して業務展開を行う動きが大変に活発になってまいっております。
 また、一部の都銀や事業会社では、御案内のように、店舗網を持たずにインターネット上でのみサービスの提供を行ういわゆるインターネット専門銀行の設立の動きもあるわけであります。
 このように、金融分野におきましてIT革命の進展に対応した動きが既に猛烈な勢いであらわれておりますが、このような動きは、金融技術の革新、競争の促進等を通じて我が国の金融の活性化、利用者の利便の向上に資する可能性があるものと積極的に受けとめておりますので、我々といたしましても、その流れに沿いまして行政の展開を考えてまいりたい、このように考えております。
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岩井國臣#25
○岩井國臣君 次に、当面の財政運営につきまして大蔵大臣にお聞きいたしたいと存じます。
 先ほどのごあいさつといいますか御説明の中にもございましたけれども、我が国の経済は、これまでの政策運営の効果が徐々に出てまいりまして、平成十一年度の実質経済成長率が三年ぶりにプラスになるなど、明るい兆しが見え始めてきておるというのは先ほどの説明のとおりであろうかと存じます。
 しかしながら、これもちょっと説明がございましたけれども、業種や地域では依然としてばらつきがございまして、また雇用の問題もいろいろと心配な面がございますし、そして個人消費はなお厳しい状況にございます。そしてまた、私などは株価の動向なども大変心配になっております。
 それから、第二のそごう問題、第三のそごう問題が発生する心配はないのか、そんなこともいろいろと心配になってくるわけでございます。
 何と申しましても、小渕前総理のお考えを引き継いでいられる宮澤大蔵大臣でございます。先ほどの御説明で、公債発行はできるだけ圧縮して二十一世紀のスタートにふさわしい予算編成をやっていきたいんだという御説明でございましたけれども、ちょっと私の耳には、中立的なスタンスというよりもやや消極的な感じを、ニュアンスですから、そんな感じを受けるわけでございます。
 そうではなくて、やはり株価の問題、第二のそごうの問題、第三のそごうの問題、そういったものがもう心配ない、そしてデフレ懸念も完全にこれでもう払拭された──デフレ懸念があるのかないのか、払拭されたのかどうかというようなところもいろいろと見方が分かれるところだろうとは思いますけれども、私なんかはいろいろな心配がまだ目の前にあるわけでございまして、そういう心配が完全に払拭されて景気が本当に本格的な自律回復軌道に乗った、そのように断定できるまでは、いろいろと統計上の数字が出てまいりましても、それはともかく、やはり小渕前総理の路線、積極的な財政運営というものを続けていくべきではないかというふうに思うのでございますけれども、先ほどの冒頭の御説明に関連いたしまして、その点、やや突っ込んでちょっとお話いただければ幸いでございます。
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宮澤喜一#26
○国務大臣(宮澤喜一君) 以前から平成十二年の夏あるいは秋ごろに官需から民需へのバトンタッチが行われることを期待しているということを申し上げてまいりまして、ことしの一—三月のQEあたりから幾らかそういう傾向は見えております。九月になりますと四—六がわかるわけでございますが、今、中間期で見ておりまして、企業関係についてはかなり設備投資が出てまいりました。これは予想どおりの動きになっておると思います。
 おっしゃいますように、それが家計なり雇用なり消費なりにすぐ連動していない。むしろ雇用の面ではリストラクチャリングが非常に大きなスケールで進んでおりますし、どうも私は、この不況を乗り切るということは実は、旧に復するということではなくて、二十一世紀に求められる世界的な流れの中で我が国が先進国としてやっていけるかどうかという大きな経済社会の問題に関係していると考えておりますので、ちょっとやそっとで雇用問題というものがうまく解決していくかどうか、かなりのなお苦労をしなければならないんではないかという予感もいたしますものですから、雇用あるいは家計への企業の活動がすぐ簡単には反映していかない部分があるんではないかという心配を実はひそかに持っておりますものですから、家計の盛り上がり、雇用の上昇ということは思ったよりも簡単でないかもしれないということがございます。したがって、民需への転換といいましても、企業サイドは何とかよさそうですが、家計サイドは問題なしとしない、こういうふうに考えますと、この夏なり秋なりのバトンタッチもまだ完全ではないかもしれない。
 その上に、今、岩井委員が大切なことを言われましたが、金融不安というのは一応、金融機関の局面におきましては解消しつつあるわけですけれども、その金融機関が、おっしゃいますように幾つかの業種について相当の、持っている中の不良債権があるのではないかということが現実になってまいりまして、それは債権放棄というような形をとれるかとれないかという、貸出先にとっては生きるか死ぬかというようなことでございまして、その部分は実は今まで金融機関の中でとなっておりましたが、今度、金融機関と貸出先との関連として処理されざるを得ない、その部分が実はここに来て表面化しているということはおっしゃるとおりでございますから、そういう問題もあります。
 それでございますので、四—六のQEというものが仮にややいい姿になるとしましても、その次がどうなるのかというようなことも考えておかなきゃいけない問題がありますから、私自身は、かつてのような、公共事業の積み増しのような非常に大きな補正というよりは、むしろ、先ほども岩井委員が言われましたような、将来における我が国経済社会のあり方を踏んまえたような、そういう将来に向けての幾つかの施策というものを中心にして、入り用であれば補正予算を組むということを考えればいいのではないか。
 それはいずれにしても四—六の出方によって判断をいたすべきだと思いますが、私自身は、日本経済が本当に仮に二%なり三%なりの確かな永続的な成長に入るのには、まだその手前まで来たとちょっと言いがたいところがあるかもしれないので、そこは十分用心をいたすつもりでございます。
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岩井國臣#27
○岩井國臣君 さて、森総理は、二十八日の施政方針演説で経済の新生を政策の柱の一つに挙げられました。金融システム再生の問題にも触れられました。ですけれども、市場の方は冷淡というか、本物ではないんじゃないかというふうな反応を示しておるようにも見受けられるんですね。やや厳しい見方があろうかと存じます。しかし、私といたしましては、森内閣が、金融システムの再生に向けまして、直面する課題を一つ一つ着実に解決していかれるものというふうに思っております。
 そこで、ぜひ相沢金融再生委員会委員長には持ち前のらつ腕を振るってこれからの金融システムの再生に向けて必死の努力をしていただきたいと期待をするわけでございますが、そこで質問でございます。金融再生委員会が直面する課題といたしまして、日本債券信用銀行の譲渡問題、これは先ほどの説明の中にもございました。あるいは、これも説明の中にございましたけれども、そごう問題で見直し論も出てまいっております瑕疵担保条項の問題、そういった問題があるわけでございます。大変難しい問題でございますけれども、そういう問題が目の前に横たわっておると。
 そこで、日債銀の譲渡問題は今後どのように解決すればいいのか、金融再生委員会委員長のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。また、金融再生法改正の是非につきましても、今、金融再生委員会の方ではそういうお考えはないようでございますけれども、その是非についてどのようにお考えになっておるのか、その辺のお考えもお聞かせいただければ幸いでございますが、よろしくお願いします。
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相沢英之#28
○国務大臣(相沢英之君) 日債銀の譲渡に関しましては、既に御案内のように譲渡契約も締結されておりまして、八月一日にそれが実行されるということになったわけでありますが、この問題に関しまして、瑕疵担保条項等をめぐりまして必ずしも国民の間に十分な理解が得られていないというようなことがございましたし、また、当の相手方でありますところのソフトバンクグループからも、そごうと同様に国民の反発が強いまま船出したくないので一カ月延期してほしい、こういうような意向も伝えられましたものですから、八月一日の当初予定を一カ月延長いたしまして、九月一日に実行することにしたわけでございます。
 瑕疵担保条項の問題については、これも再々今まで国会で御答弁を申し上げておりましたが、ソフトバンクグループ等との交渉の過程におきましても、言うなればこれは日債銀を譲渡するところの条件になっているわけでありまして、いろいろな交渉があったわけでありますけれども、御承知のように、金融再生法には住専の法律のようにロスシェアリングの規定もございませんでしたし、また、引当金を積むということになると非常に莫大な金額になるということでありましたので、言うなれば費用最小化の原則にのっとりまして瑕疵担保条項を設定したわけでございます。
 そういうことでありますから、この瑕疵担保条項につきまして今ここで変更を考えるつもりもございませんし、また、もし仮にそのようなことを言い出しましてソフトバンクグループとの契約が破綻をするというようなことになりますと、また果たしてそれにかわるべき相手方が見つかるかという問題もありますので、このような点につきましての条件の変更等を申し出る考え等もございません。
 それから、金融再生法の改正問題でありますが、これは一昨年、私が衆議院における金融安定化に関する特別委員会の委員長を相務めたというので経緯もいささか存じておりますけれども、政府提案が否決をされまして、野党によりますところの案を中心として制定をされたといういきさつもございます。
 後から考えてみればいろいろ問題点がないわけではありませんが、いずれにいたしましても、この問題は現在、与党三党における金融のプロジェクトチームを中心といたしまして検討が行われている段階であります。この法律自体が三月末までということで期限が切られている点もございますけれども、いずれにいたしましても、この与党三党におけるところの審議の経過等を踏まえまして我々としてはその対応を考えたいというふうに思っているところでございます。
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岩井國臣#29
○岩井國臣君 時間が参りました。
 不良債権の処理の問題がまだ解決していなくてこれからの一つの大きな課題としてございますので、宮本総括政務次官にお尋ねするつもりでございましたけれども、時間が参りましたので、また次の機会というようなことでやらさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。これで終わります。
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