宮澤喜一の発言 (財政・金融委員会)
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○国務大臣(宮澤喜一君) 以前から平成十二年の夏あるいは秋ごろに官需から民需へのバトンタッチが行われることを期待しているということを申し上げてまいりまして、ことしの一—三月のQEあたりから幾らかそういう傾向は見えております。九月になりますと四—六がわかるわけでございますが、今、中間期で見ておりまして、企業関係についてはかなり設備投資が出てまいりました。これは予想どおりの動きになっておると思います。
おっしゃいますように、それが家計なり雇用なり消費なりにすぐ連動していない。むしろ雇用の面ではリストラクチャリングが非常に大きなスケールで進んでおりますし、どうも私は、この不況を乗り切るということは実は、旧に復するということではなくて、二十一世紀に求められる世界的な流れの中で我が国が先進国としてやっていけるかどうかという大きな経済社会の問題に関係していると考えておりますので、ちょっとやそっとで雇用問題というものがうまく解決していくかどうか、かなりのなお苦労をしなければならないんではないかという予感もいたしますものですから、雇用あるいは家計への企業の活動がすぐ簡単には反映していかない部分があるんではないかという心配を実はひそかに持っておりますものですから、家計の盛り上がり、雇用の上昇ということは思ったよりも簡単でないかもしれないということがございます。したがって、民需への転換といいましても、企業サイドは何とかよさそうですが、家計サイドは問題なしとしない、こういうふうに考えますと、この夏なり秋なりのバトンタッチもまだ完全ではないかもしれない。
その上に、今、岩井委員が大切なことを言われましたが、金融不安というのは一応、金融機関の局面におきましては解消しつつあるわけですけれども、その金融機関が、おっしゃいますように幾つかの業種について相当の、持っている中の不良債権があるのではないかということが現実になってまいりまして、それは債権放棄というような形をとれるかとれないかという、貸出先にとっては生きるか死ぬかというようなことでございまして、その部分は実は今まで金融機関の中でとなっておりましたが、今度、金融機関と貸出先との関連として処理されざるを得ない、その部分が実はここに来て表面化しているということはおっしゃるとおりでございますから、そういう問題もあります。
それでございますので、四—六のQEというものが仮にややいい姿になるとしましても、その次がどうなるのかというようなことも考えておかなきゃいけない問題がありますから、私自身は、かつてのような、公共事業の積み増しのような非常に大きな補正というよりは、むしろ、先ほども岩井委員が言われましたような、将来における我が国経済社会のあり方を踏んまえたような、そういう将来に向けての幾つかの施策というものを中心にして、入り用であれば補正予算を組むということを考えればいいのではないか。
それはいずれにしても四—六の出方によって判断をいたすべきだと思いますが、私自身は、日本経済が本当に仮に二%なり三%なりの確かな永続的な成長に入るのには、まだその手前まで来たとちょっと言いがたいところがあるかもしれないので、そこは十分用心をいたすつもりでございます。