北川正恭の発言 (国会等の移転に関する特別委員会)

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○北川参考人 どうも皆さんおはようございます。三重県知事の北川正恭でございます。
 本日は、この委員会にお招きをいただき、発言の機会を与えていただきまして、まことにありがとうございました。また、三重・畿央地域を首都機能移転の候補地としてこのように国会において御審議をいただきますことについて、厚く御礼を申し上げます。まことにありがとうございました。
 早速でございますが、まず、国会等の移転につきまして、私どもの考え方を申し述べたいと思います。
 昨年六月にもそれぞれの地域の代表として私、委員会にお招きをいただいたときに、月へ行こうよというような話をしたわけでございます。それで、アメリカのアポロ計画も現実の、どうしても政治も行政も現実対応型にならざるを得ないところはありますが、やはりこの二十世紀末、二十一世紀を迎える、あるいはミレニアムというときに、月へ行こうよというような壮大な夢を国民に持っていただき、そしてそれを実現していく過程の中で、さまざまな社会的あるいは経済的、文化的制度の大改廃をやっていただいたり、あるいは科学技術のさらなる発展を願ったりというようなことから、まさに今閉塞感を取るためには、月へ行こうよというような発想、あるいはかつて大航海時代に船を操りながら世界にどんどん雄飛し、アメリカ大陸を発見するというような、そういった雄々しく前へ向かっていくというようなことがぜひ国政の場でも必要ではないかということを痛切に感じているところでございます。
 ぜひそういった観点から、百三十数年前の明治維新以来あるいは戦後の改革以来、まずその点で、従来の制度的なお互い補完し合った体制というものが本当によかったかどうかということをぜひ御議論をいただいて、せっかく国会で御決議をいただいているわけでございますから、この期間、壮大な夢を語っていただき、それに向かってまっしぐらにこの国が動いていくというようなことをお示しいただくことをまず強く念願をする次第でございます。
 そこで、私どもとしては、そういった時代を切り開く一つの形として、首都機能移転ということについては、すばらしい題材でもあり、そしてそのことをなし遂げることによって今日の閉塞感を取ることがとても重要ではないか、そのように考えているところでございます。
 例えば、経済の分野で、ボーダーレスを前提にしてさまざまな制度が破壊を始めております。例えば金融ビッグバンがそうであるがごとくに、かつて絶対つぶれないと言われていた銀行があっという間につぶれたり、財閥系の金融機関が合体したりということは、明らかに世界の構築する秩序というものの前提が変わってきたからこそ起こったことだと思います。これは単に金融だけではなしに、行政、政治の世界も起こりつつあると思います。
 あるいは、当然、行政、金融、さまざまな分野、これのトータル、社会全体あるいは日本の国のあり方が問われてきていることだと思いますから、ぜひ私どもは、それぞれの部分部分のびほう策だけではなしに大構造改革をするということについて、御決議をいただいたこの国会移転で大議論をしていただければ大変ありがたい、そのように強く願うところでございます。
 そこで、私どもは、今回の首都機能移転につきまして、三地域がそれぞれ立候補し、先生方にお認めをいただいたわけですが、まずこの三地域も、力を合わせて、東京との比較考量をぜひしていただきたい、真剣にしていただきたいということをお願いするところでございます。
 この話になりますと、こういった景気低迷のときですから公共事業云々で語られるときがありますけれども、全くナンセンスだと思っているところでございます。すなわち、現実の対応として、公共事業というとらえ方こそが閉塞感を生んでいることになっていると私は思えてなりません。首都機能移転については、まさにミレニアムなりあるいは百年、二百年の単位で考えていただかなければならないことであって、公共事業に矮小化した議論というのは、あえて言うなら、ためにする議論になりかねないとさえ思っているところでございます。
 すなわち、私どもは、お互いがつくり上げてきた制度、例えば会計制度が、国も地方も税金を、公金を使わせていただく立場でございますから、毎年国民の代表の国会に、県民の代表の県議会に財政状況をお示しするということで、単年度主義でございますし、現金主義になっています。にもかかわらず、起債は発行するわけでございますから、ぼつぼつ発生主義会計へと変わっていかなければいけないことになろうと思うのですね。
 そうしますと、単純に会計でいきますと、公共事業云々という話が出ますけれども、果たして今までずっとつくり上げてきたストックといいますか、資産というものを考えたときに、今のままの東京一極集中で、例えば東京へ一たん来て、そして飛行機も乗りかえて、あるいは情報も全部ここで一たん東京へ集中して、乗りかえて、しかもここで集中して、都市のイメージというのは過密であり、あるいは環境の問題でも大課題があり、一キロ行くのに二十分も三十分もかかる。そういったことのままにおいて、そして東京から移転することに費用が行くということならば、もし今から百年の単位でお考えいただいたときに、どれぐらいのむだが東京にあることによってということを、発生主義会計で国家資産というものをどう活用するかというふうなことは今までほとんど語られてこなかったということが閉塞感をもたらしているのではないかと実は思うところでございます。
 ぜひ百年、二百年の国家大計に基づいて、そしてこの国のありよう、この国の会計制度のあり方、集権官治かあるいは分権自治かというような大議論を巻き起こしていただくことがとても重要であり、そのことこそが、今日日本の閉塞感をもたらしていることに対して打開する大きな道筋をこのことによってつくり上げるのではないか。
 したがいまして、この国のありようというものをぜひ考えていただき、政治は、確かに利害調整することもとても重要でありますけれども、本当は、この国の閉塞感を取るならば、利害調整という枠組みを超えて、目的達成型といいますか、国会の先生方がこの国のありようというものを本当に追求していただき、中央で集権官治がいいのか、あるいは民のそれぞれ国民の力を信用して、その国の国民の一人一人の力が自由に発揮できるような分権自治がいいのかという大議論をまとめていただければ、この首都の移転という問題と必ずひっついていくのではないか、私はそのように考えているところでございますので、ぜひそのようにお考えをいただければ大変ありがたいと思うところでございます。
 ボーダーレスになったこと、前提が変わりました。当然経済は変わりますから、ビッグバンを初めさまざまな変革が起きてきました。ドメスチックな産業というのもこれからどんどんと変わらざるを得ない。最もドメスチックであった地方自治体のあり方も変えていかなければいけないのは必然のことではないか。そのときに、まさにこの首都機能移転ということについて御議論をいただくことが一番いいことではないか、そのように思っているところでございます。
 東京都が発表されたさまざまな意見がございましたが、あれこそまさに、従来の中央集権のままで、そしてこの首都機能移転を公共事業という矮小化したところで見ればああいう表現にもなるでしょうし、一方的な話になっていると私は思っているところでございますので、ぜひこの国のありようということについて国会の先生方の御議論をいただき、そしておまとめいただくように、まずお願いをいたしたいと思います。
 次に、今日、御答申いただいて以来の三重・畿央地域の取り組みについて説明をさせていただきます。
 まず、先月でございますが、関西圏の行政と経済界を中心とする三重畿央新都推進協議会を設立いたしました。これは、首都機能移転の議論が、三重、滋賀、京都、奈良の四府県だけの問題でなく、日本の将来に深くかかわる問題であることを理解していただき、関西圏が一体となって、これを訴え、議論の輪を全国に広げていくことを目的としています。これまでにもシンポジウムなどを開催してまいりましたが、今後もあらゆる手段で情報発信し、世論の喚起に努めてまいります。
 また、本日お手元に配付させていただきました、三重・畿央新都構想を策定いたしました。これは、候補地として、首都機能の移転先となる新都市の姿を具体的に国民の皆さんに御提案することで、首都機能移転の必要性と三重・畿央地域への理解を深めていただくことを目的としております。
 パンフレットの表紙に「「日本創生新都」 未来を拓く三重・畿央」とございますが、まさに三重・畿央地域から未来日本の形と心を創生していくのだという決意でこの構想を策定したものであります。
 三ページに、三重・畿央新都の基本理念を示しておりますが、ここに、あるべき日本の将来への思いを込めております。
 幾つか説明させていただきますと、例えば、「伝統文化を継承し、新たな文化を創造する都市」でございます。
 今日、グローバル化が急速に進行していますが、このグローバル化の時代とは、情報や人、物が自由に、そしてリアルタイムに移動する中で、ボーダーレス化が進んでいく時代であるからこそ、独自性、すなわちアイデンティティーに対する関心が高まる時代であります。我が国は世界に対してどういうアイデンティティーを発信できるかということが重要でありますが、私たちが継承してきた文化は何なのか、伝統的な生活様式は何なのかなどということを再認識し、伝統的な文化、生活様式に根差した新たな文化を創造し、醸成することによって、我が国のアイデンティティーを発信していくべきであると考えています。
 また、「グローバルな交流を拡大する都市」という基本理念がございます。
 二十一世紀は、世界の各地域がIT革命の中で相互にネットワークを構築して有機的に結びつき、活発な交流と連携によって発展していく時代であると考えますが、例えば、現在我が国を訪れる外国人旅行者数一つをとってみても、海外へ出かける人と比べて約四分の一と圧倒的に少ないという状況にあります。今後、新たな文化や技術の創造を通じて、我が国の魅力を磨き、またさまざまなバリアを取り除くことで交流を拡大していく必要があると考えております。
 さらに、私は、二十一世紀に日本は環境先進国として貢献していくべきだと考えておりますが、「多様な機能に支えられた環境と共生する都市」という基本理念には、こういう思いを込めております。生態系が危機に瀕している今、亜寒帯から亜熱帯まで広がっている我が国は、地球環境問題に取り組むのにふさわしい国であり、またこれに取り組み、世界に貢献していかなければならないと考えています。
 三重・畿央地域は、このような国づくり、新都づくりを可能にするさまざまな資源を有しております。
 特に、他の地域にはない特徴として、関西文化学術研究都市に代表される最先端の学術研究機能などの知的資源、人的資源の集積、多くの世界文化遺産に代表される我が国固有の歴史、文化資源の集積を活用することができるとともに、あらゆる機能が充実している関西圏と中京圏の大都市を母都市として、これらの機能を最大限活用し、クラスター方式を採用して、環境への影響を最小限に抑えたコンパクトな都市づくりを目指しています。
 首都機能移転には、あらゆるシステムを改革するという意義だけでなく、新世紀にふさわしい国土づくりを行うという意義もあります。これは、国土構造の再編であり、災害に強い安全な国土づくりであります。
 これを可能にする有力な手段が、中央新幹線であります。すなわち、中央新幹線を整備し、より広い地域を高速交通網に組み入れることで、より高度で多様な地域間交流を可能にし、国土のバランスある発展を可能にするものであります。
 また、東京、大阪、名古屋の三大都市圏は、首都機能の移転先となる新都市とともに二十一世紀も引き続き日本の発展に重要な役割を担うものと考えますが、これらを結ぶ幹線交通の機能が被災時において麻痺することのないよう二重系化してリダンダンシーを確保すれば、首都機能移転による中枢機能の同時被災の回避とあわせて、我が国の災害対応力は飛躍的に向上するものと考えます。このような観点から、この構想では、中央新幹線の整備を提案させていただいています。
 簡単でございますが、以上で三重・畿央新都構想の説明を終わらせていただきます。先生方におかれましては、ぜひ御一読をいただきますようにお願いを申し上げます。
 最後に、私どもは、今後とも首都機能移転の推進に努力をしていく決意でございますので、先生方におかれましては、よろしく御指導のほどをお願いいたします。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 北川正恭

speaker_id: 19536

日付: 2000-11-17

院: 衆議院

会議名: 国会等の移転に関する特別委員会