麻生太郎の発言 (法務委員会)

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○麻生議員 なぜ少年法の改正を急ぐかという点につきましては、さきの国会で、五月、当委員会、当時は武部委員長だったと思いますが、武部委員長を通じて、時の法務大臣、臼井日出男大臣に対して提案がなされておりますのは御存じのとおりであります。その中において、「その健全育成を図る見地から、年齢問題、少年に関する処遇の在り方等を含め幅広く早急に検討すること。」と書いてありますので、これが、まず当委員会としてというか、この国会といたしましてのいわゆる決議をしておられますので、そういう意味での背景の一つです。
 もう一つは、これはもうこの衆議院の選挙を通じて、佐々木先生初めここにお見えの委員の方々は、それぞれに選挙期間中いろいろなところで有権者の意見を聞かれたと思いますし、事実また新聞等の世論調査を見ましても、少年法の改正につきましては事を急いでおられる、早く成立させるべきだという意見の方が多いということも御存じのとおりだと思っておりますので、それが背景であろうと思っております。
 事実、少年の犯罪というのは、決議がされました後も、先ほど大分の話が出ましたけれども、いろいろ出たことも間違いない。しかも、あれは都会の話だと言っておりましたけれども、大分が都会でないと言うと大分の人でひねる人もここになきにしもあらずかもしれませんけれども、なかなかああいったところでも、ああいったところと言うとまた何か言われそうですけれども、大分でもそういった、隣の顔見知りの人であって、全く隣の人は何する人ぞではない、よくよく知っている、子供のときから知っている人を相手にああいった事件が起きておるという事態は、これはゆゆしき事態になっておると理解しないといかぬのではないか、ここらが多分背景だと思います。
 その次に、では、そういったものを受けて直ちにこの少年法を改正したからといって少年非行が減るかと言われれば、私どもとして、少年犯罪というものの背景はそんな単純なものではないということは、少年法関係のことを勉強された方々、これは一様に皆さんよく御存じのとおりだと思っておりますし、その内容も随分異なってきているとは思います。
 少なくとも、少年法ができました当時、これはいわゆる占領中の話でありまして、まだ日本が独立する前にこの法律はできているんですが、その当時の少年犯罪の内容というのは、いわゆる飢え、腹が減っているためにパンだミカンだかっぱらったという話、そのような感じの少年法の感じと、少なくとも今、いわゆる飽食の時代に対して、殺す経験をしてみたかったから殺してみたとかいうような、私どもの常識とはかなり逸脱したようなことが平気で言われるような時代になってきている。そういった状況下において、この法律が今のままで正しいのであろうかという点も改めて考えなければいかぬところだと思っております。
 しかし、だからといって、法律改正ができれば直ちに少年犯罪が減るかといえば、先ほど申し上げましたように、そのようなことは私自身も考えておりませんが、少なくとも、社会的規範というものを守らなければ罰せられるという事実をきちんと知らしめるということは大変大事なことだと私は思っております。
 少なくとも人の命を、いわゆる過剰防衛とか過失によってあやめたのではなくて、故意に、意図的に、確信犯として人を殺すということは、やはりこれはしかるべき罰が与えられて当然なんであって、現行法においては、いわゆる十四歳、十五歳というのは全くその対象になっておりませんから、いかな重大犯罪を犯そうともそれは全く対象にならぬというような状況というのではいかがなものかということであります。
 また、アメリカの点に御指摘もありましたけれども、アメリカも確かに、十七歳を十八歳に引き上げたりしているという点も見れば、そこだけを見れば確かかもしれませんが、その他の法改正につきましては、一九九三年以降、いわゆる重大、殺人以外の犯罪に関しても十歳以上に引き下げたりしておりますので、そういった意味では、いろいろなところで少し状況が、いろいろなものを考えてやっておられるところだと思いますが、アメリカの場合も試行錯誤の最中であろうと思っております。
 ただ、凶悪な点につきましては、NRA、ナショナル・ライフル・アソシエーションと思いますけれども、全米ライフル協会という巨大な協会がありまして、これが銃規制に反対の団体としては多分一番のものだと思いますが、ここら等々の関係から、アメリカにおきましては、銃というものに関する規制に関してはなかなか日本とは意見が違います。こちらは豊臣秀吉以来の刀狩りの歴史ですけれども、向こうはとにかく駅馬車初めすべて自分のことは自分で守るという歴史で、背景が全く違いますので、そういった歴史的な背景を含めましてこの問題は検討されねばならぬところだと思います。
 御指摘のように、法律ができたことによって直ちにとは思いませんけれども、しかしこれは重大な一助になることだけは間違いない、そう思っております。

発言情報

speech_id: 115005206X00520001024_026

発言者: 麻生太郎

speaker_id: 17218

日付: 2000-10-24

院: 衆議院

会議名: 法務委員会