竹下守夫の発言 (法務委員会司法制度改革審議会に関する小委員会)
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○竹下参考人 ただいまの木島議員からの御質問のうち、法曹一元の問題について若干補足をさせていただきたいと思います。
大前提として、議員御指摘のように、日本の司法全体が国民から遊離しているという問題点は私どももよく認識しているところでございます。
この法曹一元の問題を議論いたしました夏の集中審議の取りまとめが不十分ではないかという御指摘をいただきましたが、私どもといたしましては、議員が御指摘になられた冒頭の国民に近い司法というものを実現するというためには、やはり法曹全体が国民から信頼をされ、近づきやすくするということが必要なのではないか。ところが、これは評価は人によって分かれると思いますけれども、従来の議論は、いわば法曹三者の中で、お互いに、キャリアシステムはこういう欠陥がある、いや、あるいは法曹一元にしてもこういう問題点があるというようなことを国民の前でやっている。これでは、法曹三者の間ではそれぞれ理由がないわけではないかもしれないけれども、国民の目から見たら、それは結局内部の争いにすぎない。法曹全体が国民の信頼を失うというようなことになってはいけないというのが一つ私どもが持った認識でございます。
その上で、具体的な制度構築の方向ということを考えたときに、現在の判事補制度というものに全く問題がないわけではないということについては共通の理解が得られている。確かに、司法研修所を出て、場合によればまだ二十代の裁判官が、決定とはいえ単独でできる場合もあるということには、やはり判断の未熟さというものを否定できない面もあるだろうし、また裁判所の部内だけでずっと生活をしているということからくる限界もあるだろう。
しかし、だから現在の制度はトータルにだめなんだという意見は多数ではなかったと私は思います。やはり現在のシステムにもメリットがあるのではないか。我が国の裁判官の公平さ、廉潔さというものは国際的にも高く評価されているし、これはやはり若いときから裁判官として養成されてきたということと決して無関係ではないだろう。それからまた、判断の安定さ、それから、これは必ずしも肯定的な意味でばかり使われるわけではございませんけれども、精密司法と言われるような判断の緻密さ、これは専門家として当然そうあるべきものであって、そういう司法というものを実現するについてはやはり現行制度というものが持っているメリットがあるのではないか。
ただ、先ほど申しましたように、現在のままでいいというわけではございません。そこで、裁判官の経歴の多様化ということを考える必要があるだろう、それからまた、任命方法あるいは人事のあり方ということについても検討すべきところがあるかもしれない、そういう議論の流れになったということでございますので、その点、御理解いただければと思います。