今川正美の発言 (本会議)

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○今川正美君 私は、社会民主党・市民連合を代表して、ただいま議題となりました参議院提出、公職選挙法の一部を改正する法律案に対して、反対の討論を行います。(拍手)
 まず最初に、昨日の特別委員会におきまして、この法案に対し我が党の議員が質問をしている最中に、与党の側から、答弁もないまま、いきなり審議を打ち切って強行に採決をしました。これは正当な採決とは言えず、無効であります。少なくとも、いま一度この法案は特別委員会に差し戻しをして審議をやり直すのが筋ではないでしょうか。
 さて、私が与党案に反対する第一の理由は、選挙制度改革のあり方についてであります。
 そもそも選挙制度は、主権者である国民の代表を選出するルールであり、議会制民主主義の根幹であります。
 しかし、与党は、ことし二月二十五日の参議院各派代表者会議における当面現行制度を維持するという合意を一方的に踏みにじる暴挙に出たのであります。仮に非拘束名簿方式を導入しようというのであれば、なぜ改めて参議院の協議会に諮らなかったのか、いまだに明確な説明はないままです。
 選挙制度は、各政党の合意と一致を基本とするはずです。さきの六月の衆議院総選挙では、自民党、公明党、保守党三党は、こうした選挙制度の変更について国民に一切公約をせず、選挙が終わってから、その結果が悪かったものだから慌てふためいて党利党略で強行しようというのは、主権者である国民を無視するそうしたやり方は、断じて許されないのであります。(拍手)
 反対する第二の理由は、議会制民主主義の否定と立法府の慣行無視であります。
 参議院においては、特別委員会の設置を強行し、前代未聞の特別委員の議長指名、さらに与党単独審議の強行、委員会採決の強行、議長あっせんの拒否、本会議採決の強行と、暴挙に次ぐ暴挙が重ねられ、瑕疵ある法案として衆議院に送付されてきたのであります。私たちは、議会制民主主義を破壊する暴挙に抗議するため、野党四党は抗議の意思を表示するために審議を拒否したのは当然の行為であります。
 その後、衆議院での審議に当たり、十分かつ慎重な審議を要求し、約束し合ったにもかかわらず、昨日の参考人質疑でも四人の参考人の方々から、与党の横暴に対する批判や、法案審議が余りにも唐突で拙速であること、そして何よりも国民の皆さん方の理解が得られていないことが強く指摘されたのであります。しかし、与党三党は何の反省もなく、我が党議員の質疑を打ち切って採決をしたわけであります。こうしたたび重なる暴挙に対して、社会民主党は、満身の怒りを込めて弾劾するものであります。
 国会の土俵を決める選挙制度をルールを破って変えてしまうこうした暴挙は、我が国の議会政治史上、大きな汚点を残すものとして後世まで記憶されるでしょう。
 反対する第三の理由は、与党が一方的に導入を打ち出した非拘束名簿方式自体が、民意にかなうどころかさまざまな問題点を抱えていることであります。
 まず、与党側は、当選の順番を政党ではなくて有権者がつけることになるので民意にかなうと説明していますが、実は、票の横流しによって有権者の民意を踏みにじる制度となっている点であります。
 例えばA候補に投じた票は、A候補個人の順位を上げるだけではなくて、個人名票を政党票に読みかえることで、A候補が大量得票した場合には同じ党のB候補、C候補に票の横流しが行われることになってしまう、そういう制度であります。しかも、与党は来年の選挙で三百五十人以上の立候補者を想定していると言われますが、本当にそんな多くの候補者を吟味できるのでしょうか。
 また、非拘束名簿式は、全国に個人名をアピールしなければならないことから、かつての旧全国区の弊害、すなわち残酷区、銭酷区と言われたものの復活、金権腐敗選挙の再現、拡大につながるおそれが大であります。無名でも有為の人材を国会に輩出するという現行拘束名簿式のメリットを大いに損ない、政党と国民とのきずなを深めるという比例代表制導入で期待された理念をも否定することになります。そして、拘束名簿によってこの間積み上げられてきた女性の政治参画を阻む厚い壁になってしまいます。
 さらに、得票数が他党の落選者に比べて著しく低い候補者が逆に当選してしまう逆転現象の発生、議員定数削減で経費を節約しようとしながら、非拘束式にして多額の公費負担増をしようという大きな矛盾、連座制の適用で失職してもその候補者が得た票が政党票にカウントされるという大変重大な問題、あるべき参議院の姿から見ての妥当性など、与党案の問題点は依然として数多く残されたままなのであります。
 第四の理由は、定数十の削減であります。
 行革やリストラの流れに対して国会議員もみずからの身を削るべきであると与党は訴えていますが、その前提となっている福祉や住民サービスを担う公務員の削減や、企業が安易に人減らしをすること自体に問題があるのじゃないですか。民主主義は効率だけで割り切ることはできません。しかも、衆議院が二十削減したから参議院も十減らしますというような衆議院追随は、逆に参議院の権威をおとしめ、参議院の自己否定につながるのではないでしょうか。
 さて、今回の異常事態のきっかけは、そもそも久世公堯前金融再生委員長の大型やみ献金問題と、ことし六月の総選挙で自民党を初め与党は大きく支持を減らしたため、このままでは来年の参議院選挙で危ない、それには有名人の個人名で票を稼ぐしかない、そのためには拘束式では都合が悪いというものであったはずです。しかも、非拘束式にすれば、補助金交付団体などの支持団体を最後までフルに働かせることができる。まさに動機不純な党利党略そのものであります。
 久世氏の発言と政府答弁の相違、そごも依然として解明されておりません。自民党の比例代表名簿の順位が、業者や業界からの多額の資金提供によって党費の立てかえという形で決められているのは、その後、ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団との関係で明るみに出てきた自民党の村上参議院会長の疑惑でも浮き彫りになっているじゃないですか。
 九月六日の参議院定数訴訟の最高裁の判決は、確かに合憲判決とはいえ、三分の一の裁判官が反対意見を表明するものであり、一票の価値の格差をできるだけ縮小することが待ったなしの課題であることを国会に迫ったのであります。
 私は、参議院の力を最大限発揮するという方向をどう見出すかが大事なことであり、参議院の選挙制度並びに定数は、参議院のあるべき役割に応じた十分な検討が必要であると考えます。

発言情報

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発言者: 今川正美

speaker_id: 20730

日付: 2000-10-26

院: 衆議院

会議名: 本会議