中馬弘毅の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○中馬弘毅君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました野党提出の理不尽きわまりない内閣不信任案に対し、断固反対の討論を行うものであります。
 まず、私は、今国会最大の課題である補正予算が成立していないこの時期に、かかる不信任案を提出し、いたずらに政治的混乱を引き起こそうとする党利党略の野党諸君に対し、心底怒りを覚え、また、野党諸君の良識を疑わざるを得ないのであります。
 ようやく明るさが見えてきた日本経済にとって、この補正予算の重要性は言うまでもありません。
 思い起こせば、日本発の世界恐慌が来るとさえ言われた危機的な状況から二年余り、小渕前総理が文字どおり命をかけて断行してきた諸政策が、今、ようやく実を結びつつあるのであります。経済を本格的な成長軌道に乗せるためには、どうしてもこの補正予算を成立させ、さらには大きな行政改革としての省庁再編、そしてその新体制の予算編成を今年じゅうに完了させ、十三年度予算を年度内に成立させることが不可欠なのであります。
 もし、反対に、ここで改革のプログラムを一時中断せざるを得ないようなことがあれば、もとのもくあみ、大きな行政混乱と再び深刻な経済危機が訪れるのは火を見るよりも明らかであります。まさに今は、日本経済にとって正念場、瀬戸際なのであります。
 ゆえに、私は、同僚議員諸君の良識に訴えたい。今の日本に、そしてこの時期に、このような無益な政争を繰り広げられている余裕はないのであります。一刻も早くこの不信任案は大差をもって否決し、補正予算を初め少年法、警察法、あっせん利得処罰法などの重要法案の審議に戻るべきであります。国民の暮らしを人質に、展望のはっきりしない、政権奪取か何か知りませんが、政治のゲームをもてあそぶ時期ではないのであります。(拍手)
 さて、野党の諸君は、口を開けば政府の経済政策は効果がないと批判いたしています。しかし、経済指標の多くが一時に比べてはっきりと改善し、着実に対策の効果があらわれてきているのは紛れもない事実であります。また、諸君は、もっと効果的なやり方があるとも言っております。それならば、その具体策を示していただきたい。もし、諸君が主張しているように、劇的に失業率を改善させ、消費を伸ばし、さらに財政までも立て直す手だてがあるならば、ぜひ具体的に国会の場に提示していただきたい。
 断片的に聞く民主党の構造改革論は、乱暴にして非現実的、あいまいにして論理矛盾そのもの、私の目には、我が国を破滅に導く議論に映るのであります。その点についてここで詳細を論議する時間はありませんが、今後、大いに政策論争を闘わそうではございませんか。
 皆さん、私はこう言いながら、実は大変むなしさを感じているのであります。国会を活性化させる目玉として導入した総理と野党党首との国家基本政策委員会、そこでの議論を見てほしいのであります。政策論争どころか、言葉狩りにも等しい揚げ足取りに終始しているではありませんか。毎回毎回、一国の総理にばり雑言を浴びせ続け、それが全国に生中継されているのです。いかに主義主張が違い、党利党略であるにせよ、仮にも次の政権を目指すと公言している立場ではありませんか。恥ずかしいとはお思いにならないのですか。そのたびに、私は情けなく悲しい気持ちになります。
 不信任の理由にマスコミ世論調査の支持率の低さを挙げておられます。そもそも支持率は、時により政策課題などで変動するものであり、もし支持率の低下を理由に交代させるのであれば、総理大臣の地位は、世論にばかり気をとられた極めて不安定なものになります。
 総理の失言問題にしても、総理の発言をゆがめたり、報道側の早とちりや誤解が原因であって、発言自体に問題がないことは国会などの説明で明らかであります。さらに、小渕内閣はもとより森内閣も、歴代の内閣にまさるとも劣らない難題を着実にこなしているではありませんか。
 では、森内閣が国益を損なうような失敗をしたかといえば、それもない。むしろ私は、アメリカ軍は日本から出ていくべきだとの民主党党首の発言、北朝鮮の拉致疑惑は根拠薄弱との共産党委員長の発言といった発言の方がよほど国益を損なっていると思うのでありますが、いかがでございましょうか。
 その野党が結託してこの時期に不信任案を提出するなど、正気のさたとは思えないのであります。それゆえ、私は、今回の不信任案を何としても葬り去らなければならないと思うのであります。これは、単に森内閣を信任するのみならず、日本の景気浮揚と構造改革と議会制民主主義を守る闘いなのであります。
 御出席の同僚議員諸君、こんな理不尽を横行させてはなりません。こんな不信任案を通すことになれば、後世の歴史家の物笑いにされてしまいます。絶対に否決しなければなりません。
 最後に、今国会の約半分、一カ月近くを審議拒否や国会欠席をしていた野党諸君に森内閣を糾弾する資格などどこにもないことだけははっきりさせておきたい。諸君は、総理の資質を問う前に、まず自身の政治家としての資質を問うべきであります。(拍手)
 国民の政治不信を招いたという言葉はそのままそっくり野党諸君にお返しした上で、与党三党の力強い連帯のもと、国権の最高機関たる衆議院の名にふさわしい立派な結論が出ることを確信いたしまして、私の反対討論とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。(拍手)

発言情報

speech_id: 115005254X01620001120_008

発言者: 中馬弘毅

speaker_id: 10071

日付: 2000-11-20

院: 衆議院

会議名: 本会議