河野洋平の発言 (外交・防衛委員会)

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○国務大臣(河野洋平君) 各種の世論調査などを拝見しますと、この日朝交渉に対して、今議員が御指摘のように決して急ぐべきではないと、慎重にやれというそういう調査の結果が非常に多い。それから、もっと言いますと、北朝鮮という国に対して何といいますか、好感度は決して高くないというようなことが示されていることは私もよく承知しております。
 私は、若干の反省を込めて申し上げたいと思うんですが、今我々が日朝の国交正常化をやらなければならないと考えている理由は幾つかあります。
 まず申し上げれば、我が国と北朝鮮との間にある歴史的な問題、つまりその結果起こっている不正常な関係というものを正常化する、これはやはり我々はやらなければならない問題だと思っています。それから、それからよって来る問題でもありますけれども、我が国の安全保障上の問題を見ても、やはりこの極めて地理的にも近いところにある北朝鮮との関係をよくしておくと。よくというのは、正常にしておくという必要は私はあると思います。さらに言えば、国際的にも、現下、北朝鮮に対して例えば核の不拡散の問題、こういった問題が、これは国際社会から見ても問題だというふうに指摘をされていると思うんです。
 国交の正常化を我々がなし遂げるということであれば、米朝関係、南北関係と三つのトラックがそれぞれ交渉が成立するとすれば、北東アジアの平和とか安定とかというものはやはり今よりは格段によくなることは間違いがない。そしてそのときには、恐らくミサイル問題というものも何らかの形で解決をしているだろうと思いますから、ということになれば、国際社会が持つミサイルの輸出を初めとする拡散問題についても不安は除去されるという問題があると思うんですね。こういう問題を考えると、やはり正常化交渉というものはやらなければいけない問題だというふうに思うんです。
 しかし一方で、そういう問題があるということを我々がもっと国民の皆様によく説明をするということがあるいは十分でないかもしれないという点に私はある種の反省を持っているわけです。こうした説明責任といいますか、こういう問題があるんですよ、だからやらなければならないのですということを十分に果たして理解されているかどうかということをまず考える必要があると思います。
 しかし、その一方で、今議員が御指摘になりましたように、大変高い世論調査の結果、七割前後の日朝交渉には慎重たるべしという世論というものがあるということもまた我々は承知をしておりますから、この世論というものは決して無視できないというふうにも思うわけです。
 これらを考えて、もう一方、北朝鮮政策については、我々はアメリカ、韓国と政策調整をしながら今日まで来ているということもあって、こうした三カ国間の政策調整というものも考え、これは、韓国は金大中大統領を先頭に南北の交渉をやり遂げて将来の民族の統一という夢を果たしたいという強い気持ちがあるでしょう。そのためには、やはり日本もまた北朝鮮との関係を改善してほしいという韓国には韓国のお考えがある。アメリカには、やはり日本、韓国とともどもにスクラムを組んでミサイル交渉をよい方向に持っていきたいという気持ちもある。我が方には、先ほど申し上げたように、やはり過去の清算ということを初めとしてやっておかなければならない問題があるということでありますから、この三カ国の政策調整ということも考えながら今私は日朝交渉に臨んでいるわけでございますが、この日朝交渉に臨むに当たりましては、先ほど依田議員にも御答弁申し上げましたように、我が方として主張すべきことはきちっと主張をし、決して焦らずに、私は、急がずにというのではなくて焦らずにこの交渉には臨まなければいけない、こんなふうに考えております。

発言情報

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発言者: 河野洋平

speaker_id: 31577

日付: 2000-11-09

院: 参議院

会議名: 外交・防衛委員会