梶原拓の発言 (交通・情報通信委員会)

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○参考人(梶原拓君) お手元にメモ書きで「IT基本法案について」という一枚紙をお渡ししております。このIT時代にこういうメモ、まことに恐縮でございますが、お許しを願いたいと思います。
 第一に、行政の立場から申し上げまして、あるいは地方自治体の立場から申し上げまして、このIT基本法を早く制定をお願いしたいと思います。そして、早く具体策も決めて実行をしていただきたい、かように念願をいたしております。
 今、西垣参考人がおっしゃったように、日本はかなりIT戦略におくれをとりまして、残念ではございますが、おくればせながらでも国の姿勢をこういう形で明確にして、どんどん各種施策を展開していただきたい。それが地域の中小企業だとかあるいは地域住民だとかあるいは地方自治体のためである、こんなふうに思います。
 そこで、岐阜県の取り組みでございますが、もう十年以上前から行政の情報化を進めておりまして、RENTAIという情報システムを構築しまして、さらにインターネットを通じまして県民の皆様にもつながる県民情報ネットワーク、KJNでございますが、それで県民の皆さんにオープンにしている。
 それから、教育の情報化もSMILEという情報システムを構築しまして、学校間とかあるいは図書館とかいろんなところのネットワークを組んでおります。そして、パソコンとかインターネットに接続、そういった面で日本で一番進んでおるという評価をいただいておりまして、この二、三年、私立幼稚園の方もパソコン教育を始めていただいております。
 それから、これからはソフトウエアが大きなかぎになるということで県下大垣市にソフトピアジャパンという拠点をつくりまして、そして物づくりといかに連携させるかということが大事だということで、バーチャルリアリティー、VR技術を活用するVRテクノジャパンというものを県下各務原市に設置してございます。
 国のIT戦略会議に呼応いたしまして、岐阜県もIT戦略会議というものを立ち上げまして、市町村の情報化、中小企業の情報化、こういうものにこれから重点的に取り組むということでいろんな施策を具体的に進めております。
 そして、そういう取り組みをしていく上での岐阜県なりの考え方でございますが、IT革命をどう認識するか、歴史的に大きな流れとして認識をしていく必要があろうかと思うわけでございまして、IT革命は三つの革命から成っておる、こんなふうに思っております。
 一つは、人類第二の頭脳革命である。
 人類が百七十万年前に直立歩行を始めまして、背骨で頭脳を支えることによって脳細胞が大きく進化した、あるいは道具を使ってそれによって脳細胞も刺激された、こういうふうに言われておりますが、現代はコンピューターという人工の第二の頭脳を一部専門家だけではなくて大衆が使える、こういうことになったということで、中国語でコンピューターを電脳と言われておりますが、この電脳をいかに大衆が共有していくかということが課題である。それから、人類は群れをなして進化してきたと言われておりますが、インターネットのネットワークはまさに現代的な人類の群れでございまして、我々これを電群と呼んでおりますが、そういう全く新しい時代に入ったということで、だれでもいつでも安く簡単に電脳を使える、こういうことにしていくことが課題ではないかと思っております。
 それから、人類第三の産業革命が進行中である。
 土地とか太陽エネルギーに依存した農業社会から工場と筋肉労働者から成る生産メカニズムの工業社会、それから今進行中の革命はコンピューターと頭脳労働によって生産をしていく、こういう仕組みに変わりつつあるという認識をしております。
 それから、第四のネットワーク革命が進行中である。
 四百年前ないし五百年前、大航海時代というものがございましたが、船舶と航路の開発によって大きく世界が変わりました。それから次に、機関車と鉄道の整備普及によってこれまた世界が大きく変わった。それから第二次大戦後、自動車が大衆化し、そして道路の整備が進むことによって大きなネットワーク革命が起こった、このように認識しております。
 現在は自動車に相当するマルチメディアと道路に相当するインターネット、このネットワーク革命が進行中でございまして、この三つの大きな革命が重層的に進行している、こういう時代認識を持ってITの諸問題に取り組まなきゃいけないと。単なるパソコンブームだとかインターネットブームだとか、そういう浅はかな認識では取り返しがつかないことになるということで、先ほど申し上げましたように、十年以上にわたって岐阜県はこの情報政策を進めてまいりました。
 そこで、ITを行政の上でどう使うかという行政上のITの役割でございますが、一つは電子政府という課題がございまして、これによって行政サービスを高度化していく。岐阜県は行政改革を早い、安い、ガラス張り、説明責任という四つの柱で進めておりますが、こういうものに大きくITが貢献すると考えております。一例を挙げますと、建設事業、透明性が問われておりますが、建設CALS・ECというものを全国に先駆けて取り組んでおります。
 それから、二番目が非常に重要でございまして、機会の均等化作用というものが極めて重要である。弱い者は強くなるし、小さな者でも大きな仕事ができるという機能をITが持っているということでございまして、障害者も高齢者も若者も女性もひとしく機会を与えられて自己の能力を発揮できる。辺地、過疎地にありましても高度医療の機会を与えられる、あるいは低所得者でも学歴が余りない人でも零細業者でもITを活用することによって大きな恩恵を受けることができる、こういうことでございます。
 それから、格差の防止でございますが、民間活力の活用だとか市場原理ということが言われておりますが、それも限界がある。市場原理のまま放置しますと弱者にしわ寄せが来るということでございまして、やはり公共の論理というものも併存していく必要があろうかと、こんなふうに考えます。特に、インフラ整備、今、西垣参考人がおっしゃったラストワンマイルを含めて、インフラ整備というものに公的に関与していく必要がある。それから、コストを極力低廉にするということも重要な課題である。
 それから、操作性をよくする。これは随分改良が進んでおりますけれども、障害者でもあるいは高齢者でもだれでも簡単に端末を操作できるということが機会均等化作用を高める上で極めて欠くことができないことである、こんなふうに考えております。
 そういう意味におきまして、財政における支援ということも十分考えていただかなきゃいけない。公共事業はだめだとか、そういう単純な論理だけでは大きなひずみをもたらす、かように考えておりまして、私ども全国知事会でもIT戦略会議に対する意見をまとめて提出いたしております。きょうは資料としてお届けしておりませんが、ぜひそういう点も御配慮をお願いしたいと思います。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 梶原拓

speaker_id: 2093

日付: 2000-11-21

院: 参議院

会議名: 交通・情報通信委員会