堺屋太一の発言 (交通・情報通信委員会)
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○国務大臣(堺屋太一君) 山内委員からいろいろ私の過去の著作についても御紹介いただきまして汗顔の至りでございます。今、委員が仰せられたのは、恐らく「世紀末の風景」という小説の中の「下り坂の芝生」というものだと思いますが、十数年前にこういうゆとりある暮らしというのがやはりサラリーマンといいますか勤労者の社会にも重要になってくるだろうと予測したものでございました。
大体、世の中そういう傾向が広まってまいりまして、非常にそういう意味では人々の暮らしは豊かで余裕があるようになったのでございますけれども、その反面、やはり高齢者が増加する、あるいはリストラその他労働の流動性が激しくなるということになりますと、いわゆる職縁社会、職場にさえ属していれば経済的だけではなしに友だち、人脈にも恵まれるし、その都度必要な人々との情報交換ができる、職場中心に生きていればよかったという時代から大分変わりつつあります。
このITの一つの大きな役割は、それぞれの人が情報発信、情報受信という能力を持つ。いわば従来の情報というのは鉄道のようなものでございまして、この鉄道会社が動かしている車両に、一定の線路、一定の時間に決められた列車に個人は乗るか乗らないか、乗らなかったら後はてくてく歩くだけと、こういう仕掛けになっていたのが、このインターネットで自動車を手に入れたようなもので、いつでもどこでもその個人が好む方向に行ける、そういう社会になってくるだろう。政府として必要なのは、それぞれの人が好みの自動車を買い好みの方向に行かれるときに、交通信号がしっかりしている、あるいはその自動車に欠陥車を売っちゃいけないとか、そういうようなルールを定める、そして公共の施設は、必要なもの、道路、橋、駐車場はつくっていくと、こういうような条件になってくるんだろうと思うんです。
今の六つの原則はいずれも重要でございまして、どれを失ってもいいというものではございません。したがって、ここに書いておるわけでございますが、やはり私といたしましては、国際的な最高水準のものをつくる、この進歩ということがまずございまして、その進歩していく段階で格差の是正であるとか価格の問題であるとか、あらゆることが出てくる。だから、まず自由競争、民主導によって進歩させるということが第一にあるのではないか。その中にいろいろな使い方でいろいろな人々の幸せができて、そしてその欠陥をなくして、ディバイドをなくしていくと、そういうような仕掛けで考えております。
まず事を進める、これが今の日本にとっては一番重要なことではないかと思っております。