脇雅史の発言 (国土・環境委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○脇雅史君 そうですか。お考えはわかりましたが、例えば東京周辺におけるとび職の日給が、年収でもいいんですけれども、三割ぐらい一番高いときから今下がっているんです。三割下がってもやめるわけにもいきませんし、大変苦しい生活をされている方がいるんです。それは経済原則でいいんだと言われればそうかもしれませんが、私は、公共事業の考え方は公務員給料に似ているんじゃないかなと。
 公務員の給料だって、国民にとってみれば、よいサービスを安くもらえればいい、そうすると公務員の給料は安いほどいいんだということになるんですね。そして、公務員の給料は安いほどいいんで、来たくなければ来ないんだから、来なくなる目前まで安くしてやれば国民のためだというようなことになってしまうんですけれども、そうではなくて多くの数を占める公務員というのが国民全体の経済活動の中で妥当な、適切という言葉は定義は難しいのかもしれませんが、それなりに国民全体が納得がいくような給与水準にしようという努力を毎年人事院もしているわけです。それと同じような考え方がやはり公共事業を発注する側のセンスとしては要るのではないかなということを私は感じております。これは議論をこれ以上はいたしませんけれども。
 それから、今一番問題が、金本先生も言われましたけれども、丸投げがなぜ起こるかというところで、低価格で施工できる業者は発注から除外すべきだ、排除すべきだということを言われて、なかなかそれが難しい、そこをどうしたらいいかということなんですが、このダンピングという問題が私が今まで申し上げたような中で今一番の我が国の業界の問題なんですね。
 つまり、予定価というのを発注者がつくるわけですけれども、これは誤解を恐れずに申し上げれば、要するに現在やっている工事の実態を調査いたしまして、例えば穴一つ掘るのに何人の人間が何時間かかって掘るのかという、その単価を全国の事例をもとにして決めて、それを積み上げて予定価というのをつくるんですが、予定価というのはいろんなケースがありますからばらつくんですね。そのばらつく中間の平均をとって計算してそれぞれの工事をやりますから、全部の現場で適切な値が出ているかどうかはわからない。全国的には平均的なところへ行っている。
 今、一般に思われているのは、予定価というのは、入札するのに一番高いアッパーの価格で、それ以上高い金で発注したら国民が損をする価格であるというふうに、これは誤解なんですけれども、誤解されているんですが、実態は平均値なんですね。そうすると、その平均値で決めていく予定価、うんとダンピングをする、仕事がいっぱいありますと、ダンピングの現場をもとにまたそれが計算されていきますから、拡大再生産されて予定価というものもだんだん下がってくる。非常に業者にとっては厳しい状態になって、これは市場原理というものに任せておくと、苦しくてもとりたい人は必ずいますからとまらないんです。
 そこで、今一番大事なことは、国民の利益を守るために公共的な仕事の発注者は何をしたらいいかというと、ダンピングを防止する、これはアメリカなんかよくやります。日本から安い鉄鋼がいっぱい行きますと、国内の業者を守るために発動して輸入させない。本当は米国の国民だって品質の高い日本のいい鉄鋼が入ってくればちっとも悪いことではないはずなんですが、国内業者、国内の国民の利益を守るという意味でそれを防止するということをやっているわけです。
 我が国でも公共的な仕事を発注している人は、今一番やらなくちゃいけないのは、そういう意味で市場原理に任せた、どうしても目先のお金が欲しい人が無理やりとってしまうというダンピング、やる能力もないくせにとってしまうというダンピングを防止することなんです、と私は思っているんですが、そういう意味では、意見が一致しそうな栗山先生、いかがでありましょうか。

発言情報

speech_id: 115014314X00420001116_015

発言者: 脇雅史

speaker_id: 16090

日付: 2000-11-16

院: 参議院

会議名: 国土・環境委員会