速水優の発言 (財政・金融委員会)
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○参考人(速水優君) ゼロ金利政策の解除は八月十一日にしたわけでございます。ちょうどここで通貨及び金融の調節に関する報告書の概要説明をいたしました二日後でございましたので、その間の事情につきまして少し説明させていただきます。
ゼロ金利政策を導入いたしましたのは昨年の二月でございまして、それ以降、日本経済は、マクロ経済政策からの支援に加えまして、金融システムの対策、あるいは世界景気の回復、情報通信分野での技術革新の進展、これらを背景にして大きく改善してきたと思います。
八月の金融政策決定会合では、デフレ懸念の払拭が展望できるような情勢に至ったものと判断されました。経済の改善傾向がここまで明確になっているもとでゼロ金利政策のような極端な金融緩和政策を続けてまいりますと、いずれ経済・物価情勢の大きな変動をもたらしたり、あるいはより急激な金利調整が必要となるようなリスクがふえてくる可能性があると思います。そのために、経済の改善に応じて金融緩和の程度を微調整していくということで、長い目で見てこれが健全な経済発展に資する政策ではないかというふうに考えた次第でございます。
こうした判断に基づきまして、八月の金融政策決定会合では、十分慎重な討議を尽くしました上で、ゼロ金利政策を解除することが適当であるという結論に至ったものでございます。ただし、日本経済は、ゼロ金利政策という極端な政策はさすがに必要としなくなったとは申せ、なお景気の回復テンポは緩やかなものにとどまっております。このために、日本銀行としては、引き続き金融緩和スタンスを継続して景気回復を支援していく方針でおります。
ゼロ金利政策の解除をしてからどういうことになったかということでございますが、経済の改善に応じて金融緩和の程度を微調整するということが、解除後も金融が大幅に緩和され、景気回復を支援する役割を果たすという状況は引き続き維持されているわけでございます。
こうしたもとで企業収益の改善とか設備投資の増加が続いておりますし、また、雇用者所得の減少傾向にも歯どめがかかっているといったような状況で、全体として景気は民間需要主導の緩やかな回復が持続されていると判断しております。
金融市場につきましても、ゼロ金利解除の影響が評価されたと考えられます。八月中の動きを見ますと、長期金利や円相場は総じて安定的に推移しておりますし、株価もかなり上昇いたしました。したがって、ゼロ金利政策の解除は総じて冷静に受けとめられたと言っていいのではないかと思っております。
短期金融市場も、あのとき以来、日本銀行の当座預金に準備預金を上回る大きな預金が預けられておりましたけれども、そういうものが最小限に引き出されて市場で運用されていくというような活性化が、市場の活発化が進んできているというふうに考えております。
株価につきまして、九月に入って大きく下落してきておるわけでございますけれども、これにつきましては、市場では、米国ハイテク企業の業績下方修正といったようなことを受けた世界的なIT関連の株価の調整という面が大きいという見方が多いと思います。
先日も、G20、二十カ国の蔵相、総裁が集まってモントリオールでいろいろお話が聞けたわけですけれども、軒並みニューヨークの株価低落をフォローして各地の株価がITを中心にして下がっているということを知らされた次第でございます。
我が国の企業業績自体はむしろ上方修正されてきておりますし、今後、内外の株価を含めまして、金融・為替市場の動向とか、これが企業や金融機関の経営を通じて経済全体に与えていく影響につきましては、引き続き注意深く見てまいりたいというふうに考えております。