佐藤道夫の発言 (選挙制度に関する特別委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○佐藤道夫君 二院クラブの佐藤と申します。
 先ほど前田参考人は、野党議員の姿が一人も見えない、極めて異常であるということをおっしゃいましたが、私は少なくとも与党には属しておりませんので野党という立場でございます。どうか御認識を改めていただきたいと思います。
 そこで、先ほどの清水参考人の御発言の中から、本法案の提案はまことに時期尚早であるというお言葉、それから提案の仕方がいかにもフェアではない、アンフェアであるということ、私、これ大変高く評価したいと思います。多くの国民、やっぱりそういう感じを持っているのではないかという気がいたします。
 これは前にも委員会で申し上げたんですけれども、私、この問題が出てから周辺の人たちに、一般市民でありますけれども、非拘束名簿という言葉を知っているかと、大体が知らない。中身、意味は全然わからない、国民が全然関心を持たない、知識もないようなことをいきなり提案して走り出すというのはいかがであろうかということを、私、大変不信の念を持っておるわけであります。
 もう御案内と思いますけれども、昭和四十七年、田中角栄内閣のときに、田中首相が突然のようにして小選挙区の導入ということを言い出されました。当時、自民党はもう三百近い議席を持っていたんですけれども三分の二には達していない、やっぱり小選挙区を導入して憲法改正を実現しようというのが当時の保守政界の多年の悲願と。田中さんは人気絶頂、おれがやろうということでそれを言い出された。
 これに対して野党が腰を抜かさんばかりに驚きまして、突然そんなことを言い出されても困る、慎重に議論をしようと。マスコミもどちらかというと野党サイドに立ちまして、これだけの大問題はみんなが真剣に議論していくべきではないのか、数に頼って押し切るというのは議会制民主主義に反するということで、マスコミも野党も一体となって猛烈な反対の論陣を張った。
 そのときに、大変おもしろいんですけれども、衆参両院議長があっせんに動き出したんですよね。当時の衆議院議長は中村梅吉、参議院議長は河野謙三、両名ともこれは自民党員なんですね。このお二方が、このままの状態では法案が提案されたら今と同じように野党の姿は一人も見えない、そういう形で選挙法の改正が進んでいく、こんなことは許容されない、院の議長として何とかしなければいけないということで、お二人が話し合われたんでしょう。
 そして、お二人が内閣に対して、提案は慎重に考えてほしい、できるなら見合わせてほしい、そうして時間をかけてこの問題を議論していこう、それだけ大きい問題だからということを申し入れまして、さすが衆参両院議長の申し入れですから、内閣も重く受けとめてこの提案は見合わせたという歴史が残っております。そしてその後、与党、野党、この小選挙区制度について時間をかけて議論をして、つい何年か前にようやくにして実現した。
 これがいいのか悪いのか、結論は私は何も言いませんけれども、そういう経過があるわけでありまして、今回のように、何しろこっちは数が多いんだ、出せばいい、嫌なら出てこなくてもいい、結論を、見え透いているから採決で決めようやと。私、こういう事態になりまして、衆参両院の議長が一体何をしているんだろうかと。
 中村議長、河野議長のあの骨身を削るような、本当にもう国の将来を憂えてああいう行動に出た。これは実は大変非難もされたんですね、立法府の議長がそんなことをやっていいのかと。政治の問題に口を挟む、権限の逸脱だということまで言われたわけですけれども、いやここは我々の出番だということでお二方が出られたということにつきまして、お二方の参考人の御感想を承りたいと思います。

発言情報

speech_id: 115014596X00520001012_023

発言者: 佐藤道夫

speaker_id: 654

日付: 2000-10-12

院: 参議院

会議名: 選挙制度に関する特別委員会