久保博司の発言 (地方行政・警察委員会)
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○参考人(久保博司君) 先ほど申し上げましたように、現在の公安委員会制度というのは全く機能していないというのが私の認識であります。
これは、一つは、戦後、四十何年ですか、この現在の警察制度になってから、ある時期に人選の面で変わりました。というのは、当初この委員の人選に関しては、国家公安委員会の場合は国会の意向がかなり強く反映していまして、各党推薦の委員が出ていたわけなんですけれども、ある時期から全く国会が関与しなくなった、人選に関しては口を出さなくなった。これは具体的な名前を申し上げると差し支えがありますので申し上げませんが、ある人を推薦したときに警察庁がこぞって反対したわけですね。そのときには国会の意向が通ってその委員は実現したんですけれども、その後、国会は何も言わなくなった。つまり、その時点で人選に関しては全く警察庁ベースでなされるようになったということが一つあります。
それからもう一つは、基本的には、例えばロサンゼルス市警察の場合には日本に似たような警察委員会組織を持っているんですが、この場合、人選は、例えば弁護士であるとか、白人、黒人、それから市民運動家とか、そのバランスを考えて人選しております。しかも、警察活動に関して詳しい人を人選しているわけでございます。ところが日本の場合は、功成り名を遂げた人たち、財界の人たちあるいは大学の先生とか、そういった人たちが、警察については全く知らない方々がなっている。これは日本の良識を代表するということでもありますけれども、じゃ具体的な問題があったときにそれにどういうコメントをすればいいのか、恐らくなかなかそこら辺は難しいんじゃないかと思います。
大体週一回、二時間の会合で十項目ぐらいの提案がなされるわけでございます、報告といいますか、提案といいますか。そうすると、一項目を説明するだけで十分、二十分かかりますと、一時間以上はその説明だけで終わるわけであります。そしてその後に、じゃ何をどう質問してどう判断すればいいか、そういう時間が非常に短い、そしゃくできないんじゃないかということが考えられます。しかも素人であるということがあります。
具体的な運営についてはいろいろ細々とありますけれども、そういったことで、今ただ名目だけの機関になってしまっている。もっと悪い言い方をすれば、その国家公安委員会あるいは公安委員会を後ろ盾にして、警察は完全に独立して自由に警察活動をやるような状況になっているというのが私の認識であります。
ですから、今後は、もしこの委員会制度を続けるとすれば人選の面でまず考えるべきです。
例えばイギリスの警察委員会の場合には、市町村長、それから市議会の議員、それに市民の代表、この三つで構成されることになっているわけです。これは、こういう形にしますと政治が非常に大きく関与するということで日本では抵抗があると思いますけれども、警察活動あるいは社会の安全、そういったことにもっと直接的な責任を持っている、あるいはそれに携わった人たちを少なくとも人選すべきではないだろうかと考えております。
以上です。