阿南一成の発言 (文教・科学委員会)

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○阿南一成君 ありがとうございました。
 次に、教科書問題のもう一つの懸案であります教科書採択制度についてお伺いをしておきたいと思います。
 公立の小中学校において使用される教科書の採択については、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第二十三条において教科書採択にかかわる権限が教育委員会にあることを明記しております。しかし、実際上は教育委員会の権限の空洞化ということが言われております。具体的には、教職員の投票によって採択教科書が決められている、あるいは教育委員会のもとに諮問機関として置かれている調査・選定委員会等からの答申の段階で既に教科書が絞られ、教育委員会はその答申どおりに採択教科書を決めているという実態も指摘をされておるところであります。法律によってしっかりと明記されている教育委員会の採択権限が、法的根拠のない投票などによって事実上奪われているのではないかと思うところであります。
 教科書採択制度は、教科書の公正中立を確保するため、教科書検定に続くもう一つの大切な制度であると思うのであります。つまり、人格が高潔で、教育、学術、文化に関し識見を有する者のうちから任命をされる教育委員会の委員が教科書の採択に関する権限責任をしっかりと果たすことにより、仮に不適切な教科書が検定を合格いたしましたとしても、正規の採択過程で選別をされて落とされることが期待されておる制度ではないかと思います。
 文部省は、平成二年及び九年の二度にわたり、各教育委員会に対して、教職員の投票によって採択教科書が決定される等採択権者の責任が不明確になることのないよう採択手続の適正化を図ることを求める通知を出しております。また、本年もその旨の指導を再度行っていることを承知いたしております。しかし、それぞれの通知を読ませていただきますと、問題の核心を単刀直入には指摘しておらず、法の趣旨に反していると思われる教科書採択の実態にかかわる抜本的改善策を明記しているにしては、私から見るならば緩やかな表現であると思うのであります。大臣にも、教科書問題に関しては極めて重要な通知でありまするのでぜひ御一読を願い、いつの機会か当委員会においてでも御見解を賜れば幸いであろうかと思います。
 そこで、大臣にお伺いしますが、教科書採択の改善が遅々として進まない原因をどのように考えておられるのか、また教科書採択におけるいわゆる学校票方式の実態をどのように認識なさっておられるのか、そして大臣はこの実態に対してどのように対応していかれようとしておるのかをお伺いいたします。

発言情報

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発言者: 阿南一成

speaker_id: 27524

日付: 2000-11-02

院: 参議院

会議名: 文教・科学委員会