阿南一成の発言 (文教・科学委員会)

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○阿南一成君 ありがとうございました。
 次に、現在行われている教育改革のキャッチフレーズでもありますゆとり教育について、ちょっと御見解を賜りたいと思うのであります。
 新学習指導要領が平成十四年度から完全実施をされることにより、教育内容の三割が削減をされることとなっています。これに対して、昨今指摘されている学力低下という危機意識から反対意見が多く出されております。京都大学の西村教授等が書かれた「分数ができない大学生」、「小数ができない大学生」が大変な反響を呼んでいることからも、国民の多くの皆さんが教育内容の削減に対して疑問を持っておると思うのであります。
 昭和六十年に出されました臨時教育審議会第一次答申におきまして、教育改革の基本的方向として、個性尊重、基礎、基本の重視が打ち出されました。現在、個性尊重、ゆとりをキャッチフレーズとした教育改革は、この路線をさらに発展させたものだと考えるのであります。
 しかし、教職員の週休二日制の完全導入との関係もあるとは思いますが、このゆとりの名のもとに単に教育内容を削減することに対しては、多くの疑念を国民が持っておるところであります。教育内容の削減に伴い教科書は内容が薄くなり、その教科書をもとに、学校教育と現実として存在する受験を前提とした教育ニーズとの乖離が大きくなっているのではなかろうかと思うのであります。
 現実に塾に通う中学生は約六割にも達しているとの報道がなされております。また、私立学校では、検定教科書では物足りず、私製、独自の教科書を使用している例もあると聞いております。このままでは、検定教科書の存在そのものを揺るがすことになるのではないかと危惧する次第であります。学校教育法によって使用が義務づけられている教科書が使用されないということは制度上あり得ないことでありますけれども、事実上、特に私立学校において使用されていないという実態に対する対策、歯どめがあるのか。
 また、現実問題として、受験に際して求められる知識レベルと教科書の内容との乖離が大きくなり、子供や保護者が憂慮して学校のほかに塾などに通うという現状に対し、親の経済力によってその子供の将来が左右されるようなことになってはゆゆしき事態であるというふうに私は思うのでありますが、大臣の率直なお考えをお聞かせ願いたいと思うのであります。
 本来、学校は勉強をするところであり、学力水準の向上充実は、学校ひいては文部省の責務であります。学歴、受験、偏差値などを取り上げて、勉学に関する一切のものにマイナスイメージが与えられ、ゆとりの名のもとに勉強を否定する空気が学校教育に画一的に広がるようなことがあってはならないと思うのであります。
 このような心配に対して、大臣の御見解を賜りたいと思います。

発言情報

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発言者: 阿南一成

speaker_id: 27524

日付: 2000-11-02

院: 参議院

会議名: 文教・科学委員会