阿南一成の発言 (文教・科学委員会)
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○阿南一成君 これまで政治は教育に直接介入せず外的条件整備に徹するべきであるということが言われて久しいわけであります。例えば、教科書問題についても、あるいは道徳をどう教えるかなどの問題につきましても、学習指導要領の作成に当たっても、政治家は直接的には意見を述べることを控えてきたと私は認識をいたしております。しかし、昨今続発する少年犯罪、いじめ、学級崩壊、さらには先ほど挙げました学力低下というように、我が国の子供たちの状況をとってみても、教育の現状は危機に瀕していると考えるのであります。
こうした現状に目を向けるとき、教育の問題について、総理の私的諮問機関であります教育国民会議の議論も必要でありますが、国のあり方を考えるべき政治家が最も基本的な問題である教育問題についてみずからの信念に基づいて積極的に発言し、世論を喚起する時期が来たのではないかというふうに私は考えるのであります。
そこで、私は五月十六日の当委員会におきまして、危機的状況と言われる教育の現状に対するささやかな対策として四つほど提案をさせていただきました。
第一点目は、心の教育の一環として、全国の小学校低学年、幼児教育を中心とするわけでありましょうが、この全学級が草花を育てることができるよう学校に花壇を設ける予算を確保していただきたいとの提案をいたしました。あわせて、わび、さびの世界の茶道、そしてすばらしい芸術品を鑑賞し情操を高めるため学校外の美術館、博物館の見学も、課外授業としてではなく、小学校低学年の正規の授業カリキュラムの中に組み込むことを提案させていただきました。
二点目は、子供たちが大きな問題行動を起こす前に先生が子供の心や行動の変化を敏感に察知し、子供の相談に乗るなどして心を開かせ、子供を正しく導くことができるよう先生の資質を向上させること。さらには、いじめや不登校などをなるべく穏便に済ませようと閉鎖的に処理をする校長を初めとする管理者があるとするならば、そういう管理者を排し、正義を実現しようとする先生たちの積極的な活動を支援する体制づくりをしてほしいと提案をいたしております。
三点目は、続発する少年事件、自殺、いじめ等に対しまして、運輸省の航空事故調査委員会のような常設の委員会を文部省内に設置し、いじめによる自殺あるいは対教師殺傷事件、黒磯事件のような問題でありますが、のような大きな事件が発生をいたしました場合には、専門的な立場から現地調査を徹底的に行い、克明な原因の究明を多角的に行って、その報告書を文部大臣及び国会に報告するようにしてはいかがかという提案をさせていただきました。
第四点目は、全小中高校へのスクールカウンセラーの配置と二十四時間対応の電話相談、子供の悩み一一〇番の設置を申し上げました。
以上四点について、私は大臣とともに議論をいたしたいと思って提案をいたしました。当時は、当時の大臣はやむを得ない事情で出席がかなわず、そのことについては私も十分に理解をいたしておりまして、かわりに当時の政務次官に御答弁をちょうだいいたした次第であります。しかし、大臣も新しくおかわりになりましたところでありますので、繰り返しでありますが、私の四つの提案を確認させていただきたいと思って申し述べます。
私の四つの提案に対する大臣の率直な御意見をお伺いするとともに、特に第一番目に提案いたしました情操教育の一環としての学校における花壇を充実するために係る予算の八月の概算要求の状況をお聞かせいただきたい。事務当局としては既に多くの小学校においては花壇はありますとの説明ではありますが、私があえてそれを承知で質問させていただきましたのは、中教審の答申の中心に据えられております心の教育の現実の試みの一つとして重要視しているからであります。
これから学校にも完全週休二日制が導入され、土曜、日曜は連続してお休みになります。そうすると、子供たちが精魂込めて育てたお花が、月曜日に来てみますと、しおれて水を欲しがっているかもしれません。そのとき、子供たちが、土曜、日曜、大切な友達であるお花のことを忘れてごめんねとお花と会話をしながら水を上げると、お花は見る見る元気を回復してくると思うのであります。さらに一歩進んで、土曜、日曜の休みに学校にまで出てきてお花にお水をやる子供も出てくるかもしれません。私は、これは子供たちに対する一つの心の教育の実践であろうかと思うのであります。また、その立派に育てたお花を駅や町役場や派出所や消防署に生けに行くという奉仕活動も、子供たちに十分な体験学習の機会を与えることになると確信をするものであります。
どうか大島大臣におかれましては、平成十三年の概算要求の項目立てにもし仮に入っていない場合でも、実行予算で全小学校に充実した花壇を設けていただくことを切望するものであります。ぜひとも大臣の前向きな御答弁を期待いたす次第であります。