有馬朗人の発言 (文教・科学委員会)
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○有馬朗人君 ありがとうございました。
私は加速器であるとか天文台であるとか、そういう巨大科学ということをずっとやってまいりましたので、お金の要る科学であります。そうなりますと、今、位田先生がおっしゃられたように、小国ではできないと思うんですが、しかし先進諸国より規制の弱いところにいつでも移転してやれるという心配が私はあるのです。それはなぜかというと、一般論としてクローン技術という生物科学は先ほど申しましたような巨大科学ではない。ですから、比較的お金なしでもやれるのではないかという点では非常に心配していて、ぜひとも国際的にきっちりと全世界の国々がこのクローン人間を抑えるように御努力賜りたいと思っているわけです。
物理学者は原子力を発電のような平和利用だけに限るべきであったと私は思っているわけです。しかし、原子爆弾を発明してしまったということは大変人類にとって不幸なことでありました。私も原子核物理学者の一人として非常に残念だと思っています。その原子爆弾というものを考えますと、戦時中であったということが一つ、そして世界じゅうがこの競争をした、軍備としてやろうとしたことが大きな問題であったかと思っております。万やむを得なかったと言う人も多いのですけれども、私は残念に思っています。幸い今日は平和な時代でございますので、どの国もクローン技術を軍備というふうなことに直接結びつけようとは考えていない、これはすばらしい幸いなことだと思います。
しかし、私が非常に心配をしているのは産業界でありまして、産業界が動くモチベーションというのはもうかるかもうからないかということであって、これが大きな産業になるよとなると市場原理でどんどん進んでいくおそれがあると思うのです。ですから、その意味でどの国も同じような厳しい法律や規制を持つべきだと考えております。
特に私がお聞きしたいと思っておりますのは、一番大きな国でありますアメリカあたりは規制がどうも弱いように思いますけれども、その辺についてもっと厳しい国際的な合意はできないものでしょうか。位田参考人にお聞きいたしたいと思います。