佐々木知子の発言 (法務委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○佐々木知子君 被害者の方が真実を知りたいという気持ちは、私は検事をやっておりましてもう痛感いたしております。そして、何物にもかえがたい人命が失われた場合に匹敵するものとして、植物人間になった場合とかもう二度と治らないような重傷を負った場合というのもございます。そういうものも含めまして、真実を知りたいという被害者の叫びというのをぜひ刑事司法はこれから取り上げていかないといけないというふうに思っております。
 それから、先生も言われましたけれども、殺人だとか傷害致死だとかいいましても、いろんな情状がございます。例えば親殺しをやったとか、そういうような場合もございます。嬰児殺の場合もあります。それはケース・バイ・ケースで、原則は逆送だけれども、そうじゃなく保護処分になる場合も多々運用としてはあるということで、それはもう実務の感覚で私は適正になされるものだというふうに考えております。
 それから、もう一人の犯罪被害者である山口由美子さん、この方は御自身バスジャックによって重傷を受けた方でございました。御自身、多分非常に優しい方なのだろうと思いますし、また御自身の娘さんが不登校で悩んでおられたという現実の体験もございまして、加害者の少年に対しては厳罰は望んでいませんと優しいことをおっしゃっておられました。少年が心から反省して、一生かけて贖罪してくれることを望んでいるという御趣旨だったと思います。
 我が子をもう二度と取り返しのつかない形で惨殺されたような場合は別といたしましても、あるいはそういう寛大な気持ちになられる被害者の方も世の中には山口さんに限らずきっとおられることだろうと私は思っておりますが、ただ問題は、成人、少年に限らず犯罪者が真に更生するためには、みずからが犯した事実に率直にまず向き合うことがスタートだというふうに思っております。
 検事のときもそうでしたけれども、私たちが自白をとりたい、警察もそうですが、それはもちろん真実を究明する実体的真実主義ということはもちろんあります。それは第一次的なものだと申し上げても過言ではございませんが、ただ第二次的に、また並列的にありますのは、本当に心から反省をして立ち直ってもらうためには自分がやったことに向き合ってもらわなければならない、だから自白をとらないといけない、だからあなたのために本当のことを言いなさいよと。今の時点で、例えば自分がこういうことをやったのは被害者が挑発したからで、おれは悪くないんだとどこかに思っているとか、それとか共犯のAとかB、あいつが誘ったからで、おれは誘われてやったわけで悪いことはやっていないんだと。もしそういうふうな後ろ向きに思ったままでいるとすれば、成人も、もちろんこれは立ち直れずに再犯を犯すだろう、少年であれば、ましてや可塑性に富んだ今成長期なんですから、そういうふうなずるずるとした状態でこれから成長を続けていくようではまともな大人になれようはずがない、そしてまた必ずや再犯を犯すだろうと、私はそういうような気持ちで刑事司法に取り組んでまいりました。
 ですから、武さんの話にありましたけれども、被害者の少年は謝罪もしない。これは親もそうです。いろいろと弁解を繰り返している。それは親の立場としてはとてもいたたまれないでしょう。そして、彼らは恐らくそういうような形であっては更生などできようはずはないと。私はそれを非常に悲しいことだというふうに思いました。
 つまり、私は、事実認定の必要性というのは、厳罰化だなどとか非常に適切でない言葉をマスコミ等を初め使っていると思いますけれども、そうではなく、少年自身の改善更生のためにも必要不可欠だと確信しているんですが、それでよろしゅうございましょうか。

発言情報

speech_id: 115015206X00920001124_007

発言者: 佐々木知子

speaker_id: 33745

日付: 2000-11-24

院: 参議院

会議名: 法務委員会