津島雄二の発言 (本会議)

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○国務大臣(津島雄二君) まず、諸外国と比べて人口当たりの病床数が多いこと及び平均在院日数が長いことに関するお尋ねがございました。
 これらの理由として、長期にわたる療養を必要とする患者がそれ以外の患者と混在した状態で入院医療を受けていること、次に、介護提供体制の整備がおくれていたことから主として介護サービスを必要とする患者の入院が見られること、さらには、診療報酬制度が出来高払いを基本としていることから病院、病床の効率的な運用のためのインセンティブが働きにくいこと等が指摘されているところであります。
 こうした問題を改善するため、今回の医療法改正案においては、現行のその他の病床を療養病床と一般病床とに区分いたしまして、それぞれの病床の機能に応じた構造設備基準及び人員配置基準を設定することにより、個々の患者の病態に応じた医療サービスを適切に提供するための体制を整備することといたしております。
 また、本年四月から開始された介護保険につきましては、その定着に向けた取り組みを進めるとともに、診療報酬についても包括払い制度の拡大や医療機関の機能に応じた点数設定等の対応を行ってきたところでございます。
 今後とも、これらの施策を総合的に進め、良質で効率的な医療サービスの提供を推進してまいりたいと存じます。
 次に、看護職員の配置基準を諸外国並みに引き上げるべきとの御質問でございました。
 今回の医療法改正に伴い、一般病床の看護職員の配置基準を現行の患者四人に対して一人以上から患者三人に対し一人以上に引き上げることとしております。これは、医療審議会の審議におきまして、医療法における人員配置基準は最低基準であること、看護職員の地域的な偏在に配慮する必要があること、半世紀にわたる基準の変更に対する慎重な配慮が求められることといった議論があり、望ましい夜勤体制とされている複数職員による夜勤月八回という、いわゆる二・八体制を何とか確保するために必要な配置として設定したものでございます。
 医療法における基準は最低基準として設定するものであり、各病院に実際に配置される看護職員の数につきましては、病院の管理者が入院患者の病態や看護職員の業務量等に基づき適切に判断していくことが望ましいと考えており、そのために必要な診療報酬上の対応も行っているところでございます。
 なお、医療法に基づき定められた人員配置基準を大幅に上回る看護職員が配置されていた病院でも医療事故は発生しており、人員配置基準が医療事故の主要な原因とは考えにくいのでございます。
 いずれにせよ、続発する医療事故への対応につきましては、専門家による対策会議の開催や事例分析に基づく防止対策など総合的な対策を進め、国民の医療に対する信頼の確保に努めてまいります。
 いわゆるDRG—PPSの導入と医療保険財政についてのお尋ねがございました。
 欧米の状況を踏まえ、我が国では、平成十年十一月から、国立病院等の十病院におきまして診断群分類に応じた定額払い方式の導入による入院期間や診療内容の変化等を把握するため試行調査を実施しているところでございます。
 試行後一年間の調査結果では、平均在院日数などについての有意な変化は見られなかったことから、現在、調査対象や診断群分類等の見直しについて中央社会保険医療協議会で御議論いただいているところでございます。
 この御議論の結果も踏まえ、今後とも診断群分類に応じた定額払い方式について試行調査を進めてまいりたいと考えておりますが、いずれにしても明確なデータに基づき結論を出すべきものと考えております。
 カルテ等の診療情報の活用に関する検討会の提言を法制化する意思があるかというお尋ねでございました。
 カルテ等の診断記録の開示につきましては、検討会の提言を受け医療審議会で御審議いただいたところでありますが、その結果、今後インフォームド・コンセントの理念に基づく医療を一層推進するためには診療情報の患者への提供を積極的に行っていくことが必要とされたところでございます。
 一方、診療記録の開示につきましては、早急に法制化するべきであるとの意見と、医療従事者の側の自主的な取り組みにゆだねるべきであり法制化するべき性格のものではないとする意見があったことから、法制化については、今後の患者の側の認識や意向の推移、医療従事者の自主的な取り組みの状況、診療情報の提供及び診療記録の開示についての環境整備の状況を見つつさらに検討すべきとされたところでございます。
 厚生省としては、この医療審議会の審議結果を踏まえまして、医療従事者の自主的な取り組みを支援し、診療情報の提供等の普及、定着に向けた環境整備を推進するとともに、今回の医療法改正案におきましては、医療機関が広告できる事項として診療録その他の情報を提供することができる旨を追加したところでございます。
 今後、これらの取り組み等を通じて、さらに診療情報の積極的な提供や診療記録の開示を普及、定着させていきたいと考えております。
 最後に、改正案では急性期病床という概念が消失している、また病床区分があっても目標比率が見られないという御質問でございました。
 急性期病床という概念が消失しているとの御指摘につきましては、今回の医療法改正案においては、現行のその他の病床を、主として長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるための療養病床と、それ以外の患者を入院させるための一般病床に区分することといたしました。これは、医療審議会においても指摘されたように、仮に急性期、慢性期という厳格な形で区分を行い、患者を峻別すべきものとした場合に、患者の病態に対応できないおそれがあるためでございます。
 厚生省としましては、今回の改正により、患者の病態の変化に対応しながら適切な医療を提供できる体制が整備できるものと考えております。
 また、療養病床と一般病床の目標比率が見られないとのお尋ねにつきましては、患者をいずれの病床に入院させるかは主治医の判断によるべきものであること、両者の機能に一定の代替性が認められることから、医療計画上の基準病床数の算定に当たりましては、療養病床、一般病床を一体として算定することとしており、目標比率を設定することは適当でないと考えております。
 なお、今回の改正案による病床区分が定着した後に作成される医療計画におきましては、療養病床及び一般病床の種別に応じた算定を行い、その目安により都道府県が指導を行うことといたしておりまして、これにより適切な地域医療提供体制の確保が図られるものと考えております。(拍手)
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発言情報

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発言者: 津島雄二

speaker_id: 34474

日付: 2000-11-06

院: 参議院

会議名: 本会議