山本保の発言 (本会議)
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○山本保君 私は、自由民主党・保守党、そして公明党を代表して、健康保険法等の一部を改正する法律案と医療法等の一部を改正する法律案について、総理大臣、厚生大臣並びに文部大臣に質問をいたします。
さて、我が国はかつてない少子高齢社会を迎えております。この状況は今後ますます深刻になり、ちょうど私のような昭和二十年代生まれの団塊の世代が老後を迎えるころがそのピークであると言われ、二十年、三十年後を見据えた政策の策定と実行が求められているのであります。
では、どうしたらよいのか考えてみたい。
少子化を防ぐために、もっと子供を産みましょうというキャンペーンを張るのか。これは子供を産んではいけませんよというキャンペーンと同じように、実はおせっかいであって危険で、国がやってはならないことであると思います。そうではなくて、生まれてきた子供が健やかに育つ環境を整備することが本当の少子化対策であります。
同様に、高齢社会にならないように、お年寄りを少なくしましょう、これも冗談であり、ナンセンスであります。つまり、生きていてよかった、長生きしてよかったと心から感じられる社会づくりの政策こそが本当の少子高齢化対策と言えるでありましょう。ぜひこうした視点を忘れずに盛り込んでいただきたいと総理にお願いする次第であります。
そこで、先ごろ総理大臣の私的諮問機関である社会保障構造のあり方に関する有識者懇談会から答申が出されましたが、総理御自身から、この改革に向けた方向性をお示しいただき、その実行の決意のほどをお伺いしたく思います。
また、今回の改正法案はそうした一連の社会保障改革の一つであると評価いたしますが、医療分野におきましては、診療報酬、医療提供体制、薬価及び高齢者医療制度を中心とした抜本的な改革を進める必要があり、場当たり的な当座の対症療法にとどまってはいけないことは言うまでもありません。
そこで、今回の改正法案は、その中でどのように位置づくのか、また今後どういった方向で改革を進めていかれるのか、厚生大臣にそのスケジュールと決意のほどをお聞きいたします。
次に、健康保険法等の改正法案について、厚生大臣にお伺いいたします。
景気回復に幾分明るさが見え始めてきたとはいえ、依然、経済は低迷状態から抜け切らずにおります。その一方で、国民医療費は毎年一兆円程度の規模で増加を続けており、経済成長と医療費の伸びとの不均衡は拡大しております。特に、国民医療費の三分の一強を占める老人医療費は、急速な高齢化の進行に伴い、毎年九%前後の伸びを示している状況であります。また、医療技術の進歩は医療費の高額化を進めております。
こうした中、政府管掌健康保険が三千億円以上の赤字を出し、また組合健保でも全組合の半数が赤字を出しているなど、医療保険財政は非常に厳しい状況にあります。今回の改正では、この点についてどういった対応がなされているのでしょうか、お尋ねいたします。
また、これまでの厚生省の施策は、何年後には寝たきり老人が何万人になると予測して、その対応策を出すばかりで、本来最も必要である寝たきり老人の予防のための計画がなされていないと私も以前に申し上げました。昨年策定されましたゴールドプラン21によって、初めて元気なお年寄りづくりのための方針が明確にされたところであります。また、健康日本21を打ち出し、積極的に健康をつくり出す施策を実施してきております。そこで、これらの施策の展開と医療費の抑制との関係につきましても御説明いただきたいと思います。
さらに、改正法案には、国民すべてが支え合うとして高齢者医療費の一割負担が盛り込まれております。ただ、すべての高齢者が弱者であるとは言えない。そうではありますが、経済的に余裕のない高齢者の方々も数多くいらっしゃるのもまた事実であります。今回の改正案の中でこうした方々への配慮はどのように盛り込まれているのか、お聞かせいただきたいと思います。
次に、医療法等の改正法案について、総理、厚生大臣、そして文部大臣に質問させていただきます。
現在、多様かつきめ細かな医療提供体制の実現が求められております。しかしながら、実際の医療現場では病床当たりの看護婦数や病床面積の不足が指摘されております。また、療養型病床群が制度化されているにもかかわらず、長期療養者とそれ以外の患者が混在して入院しており、平均入院日数は諸外国に比べ長いとの問題も指摘されております。この点につきまして、今回の改正によってどのような改善が図られるのか、厚生大臣に御説明いただきたいと思います。
次に、本改正案には医師の臨床研修の義務づけが盛り込まれておりますが、この研修に当たっては財政支援など身分保障措置が必要ではないかと思いますけれども、これについての御所見をいただきたいと思います。また、専門分化した医師の養成のための研修、これだけではなく、どんな病気も見逃さない安心できる町のお医者さんと、こういうプライマリーケアの専門家も一方重要ではないかと思います。この点について、厚生大臣の見解をお伺いいたします。
さらに、医療の高度化に伴い、医師以外の医療従事者の専門性の向上が大変重要になっております。そういった観点から、例えば保健婦、助産婦、看護婦、ソーシャルワーカー、歯科技工士、歯科衛生士など各医療職種についても、大学院のマスターコースを資格取得の前提にした医療教育体制の構築に努めるべきであると思いますけれども、この点につきまして、厚生大臣と文部大臣にお伺いいたします。
最後に、本法案に関連して二つ質問をいたします。
まず、現在、障害者の欠格条項の見直しがさまざまな資格において進められております。これは、障害者への差別をなくし、さらに社会参画を進める上で大変重要なことであると考えます。そこで、医師の資格における欠格条項の見直しとその意義、さらにその決意のほどを障害者施策推進本部長でもある総理大臣にお伺いいたします。
また最後に、最近、医療ミスが多発しており、国民は安心できる医療提供体制を求めております。この点について、厚生大臣から医療事故防止対策の推進についての決意をお伺いし、私の質問を終わります。
どうもありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣森喜朗君登壇、拍手〕