津島雄二の発言 (本会議)

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○国務大臣(津島雄二君) 山本議員にお答えを申し上げます。
 まず、医療制度の抜本改革と今回の改正の関係はいかんというお尋ねでございましたが、医療制度の抜本改革は、急速な高齢化の進展する中で制度を将来にわたって安定的なものにするために行うべきものであります。
 今年度は、その一環として、薬価差の縮小を図るとともに、診療報酬の包括化を推進するなどの措置を講じたところであります。
 また、今回の健康保険法や医療法の改正は、若年者と高齢者の負担のバランスなどの観点から、高齢者の定率一割負担制を導入するとともに、患者の病態にふさわしい医療を提供する観点から病床区分の見直し等を行うものであり、抜本改革に向けて第一歩を踏み出すものであります。
 残された主要な課題としては、高齢者医療制度の見直しの問題がございますが、これにつきましては平成十四年度に向け引き続き精力的に検討を進めてまいります。
 次に、厳しい医療保険財政の状況を御指摘の上で、今回の健保法改正ではどういった対応をされるのかという御質問でございました。
 医療保険財政については、御指摘のとおり、賃金が伸び悩む一方で老人医療費が大きく伸びており、医療保険財政は大変厳しい状況にございます。
 今回の健康保険法等の改正法案は、高齢者の一部負担について、高齢者にも負担を分かち合っていただくとともに、コスト意識を喚起するという観点から定率一割負担制を導入することなどを内容とするものであり、医療制度の抜本改革の第一歩であるとともに、当面の医療保険制度の安定的な運営にも資すると考えております。
 次に、ゴールドプラン21及び健康日本21と医療費抑制の関係についての御質問でございました。
 国民の健康上の最大の課題である生活習慣病の予防及びその原因となる生活習慣の改善を図るために、厚生省といたしましては、本年三月に健康日本21を策定したところでございます。この健康日本21の推進によりまして、自立して健康に生活できる期間である健康寿命を延ばし、生活の質の向上を図るということが、二十一世紀の我が国を明るく活力ある社会とするために必要であるとともに、痴呆や寝たきりの方々に要する医療費等の社会的負担の増大を抑制する上でも重要であると考えております。
 また、ゴールドプラン21に基づく各種施策の推進によりまして、高齢者ができる限り若々しい高齢者、ヤングオールドと言ってもいいと思いますが、として健康で生き生きとした生活を送れるようにすることは、医療や介護に要する社会的負担を軽減することにもつながると考えております。
 今回の健保法改正における低所得の高齢者への配慮はどういうことをしてあるかというお尋ねでございますが、今回の改正案における高齢者の定率一割負担の導入に当たりましては、定額の月額上限を設け、高齢者の方々に無理のない範囲で、現行制度とほぼ同水準の負担をお願いすることとしたものでございます。
 また、低所得者の方々の入院時の負担につきましては、現行制度よりも負担の限度額を引き下げることとするなど、多様な高齢者の生活実態に配慮したきめ細かな措置を講ずることとしております。
 次に、医療提供体制につきまして、病床当たりの看護婦数や平均入院日数が諸外国に比べて長いというような問題が指摘されておりますが、今回の医療法改正案ではどのような改善がなされているかの御質問でございました。
 議員御指摘のように、我が国の入院医療につきましては、病床当たりの看護職員数や病床面積が必ずしも十分でないということ、長期療養の患者がそれ以外の患者と混在した状態で医療を受けており、諸外国に比べ平均在院日数が長いというような問題点が指摘されております。
 このため、今回の医療法改正案におきましては、病院の病床区分を見直しまして、現行のその他の病床を療養病床と一般病床に区分することによりまして、長期にわたり療養を必要とする患者とそれ以外の患者との混在を防ぎ、それぞれの患者にふさわしい医療を効率的に提供できる体制を整備することといたしております。
 より具体的に申しますと、療養病床におきましては、充実した療養環境のもとで、医学的管理下における介護、機能訓練などに重点を置いた医療を提供する一方で、一般病床におきましては、手厚い看護基準を定めることにより、手術などにより傷病を治癒させることに重点を置いた医療を提供することとしており、これにより御指摘の問題点の改善が図られるものと考えております。
 次に、医師の臨床研修の必須化に際して身分保障が必要ではないかというお尋ねでございました。
 従来より、研修医のための図書購入費など臨床研修病院の経費につきましては、国の補助により手当てするとともに、研修医の給与につきましては、診療行為の対価として診療報酬が支払われているところでございます。
 研修医の給与水準のあり方につきましては、さらに実態把握をした上で、関係審議会等で議論を深めてまいりたいと考えております。
 また、町のお医者さんという形の専門家も重要との御指摘はまことに卓見でございまして、私も二十一世紀の高齢社会の到来を控え、診療に従事しようとするすべての医者が、将来の専門性を問わず、患者を全人的に診る基本的な診療能力を身につけることが重要であると考えております。
 このような観点から、さらに研修内容の充実が図られるよう、施行までの間、十分に検討を行ってまいりたいと存じます。
 次に、医療従事者の専門性を高めるため、大学院のマスターコースを資格取得の前提とした医療教育体制を構築すべきとのお尋ねでございますが、医療の高度化に伴い、医療従事者の資質の向上が重要であり、大学院の修士課程を修了することなどにより、医療従事者が高い専門性を身につけることは望ましいと考えております。
 その一方、現状では、医療従事者の養成にはさまざまな課程が混在しており、大学院の修士課程を資格取得の前提とすることには課題が多いと考えられます。
 厚生省としては、御指摘の趣旨も踏まえ、それぞれの職種の特性に応じて養成課程を充実するなどにより、引き続き医療従事者の資質の向上に努めてまいりたいと考えております。
 最後に、医療事故防止対策の推進についての決意を問うということでございます。
 続発する医療事故により、国民の医療に対する不安が高まっていることは否定することはできません。私は、この状況を謙虚に、また真摯に受けとめ、医療の安全性向上と信頼回復のために、行政はもちろん、医療関係者が一体となって取り組んでいくことが求められていると認識しております。
 このため、医療従事者一人一人が安全に十分に配慮するとともに、医療の高度化や分業化に対応した組織的な取り組みが進められるよう、これまで、個人がミスをしても事故につながらないフェールセーフの考え方を取り入れることとし、医薬品、医療用具等について医療事故を起こしにくいものに改める仕組みを構築するとともに、国立病院等における事故防止マニュアルの作成指針の策定などを行ってまいりました。
 また先般、森総理の御指示を踏まえ、医療関係者に対し取り組み強化のための緊急要請を行いますとともに、高度医療を行う特定機能病院の病院長会議を開催し、文部大臣と私から安全管理体制の強化等を要請し、関係者の連携強化や具体的方策の協議のため連絡会を設置したところでございます。
 引き続き、国民の医療に対する信頼を確保するため、専門家による対策検討会議の開催や事例分析に基づく医療事故防止対策など、総合的な対策を進めていく決意でございます。(拍手)
   〔国務大臣大島理森君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 津島雄二

speaker_id: 34474

日付: 2000-11-06

院: 参議院

会議名: 本会議