三重野栄子の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○三重野栄子君 三重野栄子です。
私は、社会民主党・護憲連合を代表して、さきに行われた財政演説に対し、森総理大臣並びに宮澤大蔵大臣に質問いたします。
まず、具体的な質問に先立ち、森内閣の基本姿勢について伺います。
本年四月、小渕前総理の後を受けて発足した森内閣は、発足当初こそ御祝儀相場で四〇%の支持率を得ましたが、その直後の神の国発言や衆議院総選挙中の無党派層は寝てくれ発言など、国民感情を逆なでする軽率きわまりない発言が相次ぎ、国民の間からは失望と落胆の声が急速に高まりました。
加えて、その後も、一九九七年、訪朝した際の拉致疑惑者の第三国発見発言の露呈に続き、みずからの置かれた状況もわきまえないスポーツ観戦等々およそ信じられないような軽挙妄動が次々と明らかとなり、森内閣の支持率は政権維持の危険水域と言われる一〇%台にまで急低下しております。その場の雰囲気だけで発言し、深い思慮と冷静な判断に基づく発言や行動が全くできない森総理の救いがたい軽さは、一国の指導者とは到底思われないのであります。
加えて、内閣のかなめである中川官房長官が右翼団体との交際や警察情報を漏らしていた疑いで辞任に追い込まれたことは、事の重大性にかんがみて、総理の中川官房長官の任命責任は明らかであり、それゆえに森内閣が政権担当の資格に欠けることは言うまでもありません。この上は一刻も早く森内閣が退陣することこそ、地に落ちた政治の信頼回復とともに、景気の回復につながるものと確信するものであります。総理の所見を伺います。
それでは、補正予算について伺います。
さて、そもそもなぜ今回補正予算を編成する必要があるのか、政府の説明は納得することができません。昨年四月に景気は底を打ち、その足取りは重いものの、今、景気は回復途上にあると言われています。GDPはこの二期連続のプラス成長となり、景気動向指数は五〇%を十七カ月連続して超え、バブル期に並ぶ長さを記録しております。経済は企業の設備投資が伸びているなど、回復の歩みを続けております。政府においても、経済企画庁が平成十二年度の実質成長率を一・〇%増から一・五%増に上方修正の試算を示しているほか、日本銀行も二%程度の成長見通しを発表しております。
宮澤大蔵大臣は、さきの通常国会において、本年度当初予算が最後の積極型予算であると明言されるとともに、四月には、森総理と当面の財政運営方針を協議した際、我が国経済は既に回復軌道に乗っており、景気回復のための補正予算は必要はないと述べておりましたが、今回補正予算を編成したところを見ると、これは食言だったのですか。宮澤大蔵大臣、御答弁願います。
今回の補正予算を編成した本当の理由は、景気対策というよりも、来年に迫った参議院選挙を念頭に置いた、まず大型の補正予算ありきだったのではないですか。
景気の持ち直しによる税収増が一兆二千億円、昨年度の純剰余金が一兆四千億円あるにもかかわらず、さらに二兆円もの国債が追加発行されようとしておりますが、ムーディーズの格下げがさらに危惧される最悪の状態にあることを考えれば、今こそ貴重な自然増収と剰余金は国債発行の削減にこそ充当すべきであり、ばらまき以外の何物でもない従来型公共事業の追加は全く誤った政策であると言わざるを得ません。
自由民主党の加藤紘一元幹事長でさえ、過日のテレビの報道番組において補正予算には批判的発言をしており、今回のばらまき予算が財政悪化をさらに助長することを考えれば、今、補正予算を撤回することこそが政府のとるべき措置と思いますが、いかがですか。
今回の補正予算によって二兆円の国債の追加が予定され、地方債も九千億円の発行が見込まれます。しかし、最近の公共投資の動向を見れば、地方公共団体は財政再建型の財政運営に移行しており、国が期待しているような公共事業の契約、発注は行われず、借金による公共投資の追加は単に財政悪化を招くだけではありませんか。総理のお考えをお伺いします。
次に、本補正予算が財政法第二十九条に抵触する疑いがあることについてお尋ねします。
財政法第二十九条は、予算の作成後に生じた事由に基づき補正予算を編成することができると規定しています。財政制度審議会においても、年度当初から予想されるような恒例的な補正要因を残して予算を編成することは適当でないと指摘し、安易な補正予算の編成を戒める答申を出しております。
しかるに、近年、景気対策に名をかりた大型補正予算編成が常態化しており、これが財政法の精神に反することは明らかであります。特に、今回の補正予算の重点分野と言われるIT革命の飛躍的推進、環境問題への対応、少子高齢化対策、都市基盤整備は、当然当初予算に組み込まれるべきものばかりで、財政法第二十九条の趣旨を逸脱していると考えますが、いかがですか。
森内閣は、今年六月早々、衆議院選挙目当てに公共事業等予備費五千億円の使用を決め、ばらまき財政を行いましたが、本補正予算によるばらまきもその延長線上にあることは明白であります。その結果、国と地方を合わせた政府債務残高は六百四十兆円を超えてGDPの一・三倍に達し、国の債務だけでも、EU諸国が統一の目標とした国、地方の債務残高の対GDP比六割を大きく超える状況になっています。こうした財政運営をいつまで続け、子孫に負担を残すおつもりですか、伺います。
このような政府の安易なばらまき財政に加え、低金利政策が続けられている中にあって、昨今、経済に数々のひずみが生じており、その最たるものが不良債権問題です。現在に至るもその処理は遅々として進まず、銀行、証券に加え、最近では生損保の経営破綻が続き、その結果、そごう問題に見られるように国民負担が増大するなど、国民の間には不安が渦巻いています。金融機関を含めた不良債権問題の処理はいつめどがつくのですか。
また、中小企業金融安定化特別保証制度をめぐっては、旧債振りかえ問題やブローカーによる融資あっせん、政治家による口ききという重大な問題が指摘されております。連立与党、保守党の西川議員秘書が特別保証制度をめぐるあっせん利得によって逮捕されましたが、これは極めてゆゆしきことであり、政府の施策がずさんきわまりないことを如実に示しております。総理の見解を伺います。
最後に、我が社会民主党・護憲連合は、今なお国民の間にわだかまっている将来への不安を解消するためには、高齢社会の進展を見据えた骨太な施策こそが必要と考えており、今回の補正予算に関しては、駅舎等のオールバリアフリー化、バリアフリー住宅の大幅な整備などを当面の最優先課題とした取り組みを進めることこそが喫緊の課題であると考えていることを申し述べまして、私の代表質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣森喜朗君登壇、拍手〕