平沼赳夫の発言 (経済産業委員会)

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○平沼国務大臣 景気の現状の認識と今後の取り組み、こういうことでございますけれども、日本の景気というのは、バブル崩壊後、いろいろな努力によってプラスに転じてきたやさきでございました。企業の収益でありますとか設備投資というのが堅調になってまいりまして、経済の成長率というのもようやくプラスになってきたわけでございますけれども、一つは、GDPの六〇%を占めている個人消費に火がつかない。それは、先行きがどうも不透明だということ、一方においては、金融資産というのが千四百兆近くあるんですけれども、やはり国民の皆様方がそういう先行き不透明感というのを持っていて、財布の方が非常にかたく締まってしまっている。
 そういうことで、個人消費に火がつかないというようなことで停滞をしていたところに、御承知のように、アメリカのいわゆる九〇年代ずっと続いていた好景気というのに大変ブレーキがかかった。それが、輸出立国の我が国にやはり輸出減という形ではね返ってきて、さらにそれが生産減。こういうことで、昨今の株価の下落に見られるように、ようやく回復の基調が見えてきた経済に、今言ったような形でブレーキがかかって、やはり踊り場に立ち入った。
 それからもう一方、消費者物価というのが、これも戦後、先進国の中では初めてのケースでありますけれども、二年連続マイナスになった。ですから、さきの月例経済報告の中でも、政府の認識として、これはやはり緩やかなデフレのような状況である、こういうことに相なりました。
 そういう中で、今の日本の景気というのは、やはり十分警戒をしていかなきゃいけない。ですから、このまま放置しておくと大変厳しい状況になるんじゃないか、このような認識を私は持っております。
 一方、私は、日本のやはりポテンシャリティーというのは非常に高いものがあると思っています。今、数字で申し上げましたように、例えば個人金融資産というのは千三百九十兆もありますし、また貿易立国の日本として非常に心強いことは、いわゆる外貨の準備高というのも圧倒的に大きい。そういう力、技術、ポテンシャル等いろいろ考えてみると、やはり非常にポテンシャリティーはあるわけですから、適切な対策、経済対策、そういうものを講じていけば、私は、必ず日本の経済を持続的に安定軌道に乗せることができる。
 そういうことで、昨年七月から始まりましたけれども、産業新生会議、これは先生も御承知のように、経済界のそれぞれの分野の代表の方や有識者にも入っていただいて、かんかんがくがく議論をしながら基本的な行動計画がまとまりました。
 その中で、やはりどうしてもやっていかなければならないことは、この国の経済構造改革をやらなきゃいけない。そういう形で、二百六十項目、それをリストアップいたしまして、そして、今ドッグイヤーと言われているような、非常に時のたつのが早い。そういう中で、リストアップするだけではだめだから早くこれを達成しようということで、タイムを区切りまして、二百六十のうちの百三十は三年以内に達成する、そしてその百三十のうちの百は、これはことしじゅうにとにかくめどをつけよう、こういうことで、今具体的にもう行動が始まっています。
 また、さらに言わせていただくと、やはりアメリカの九〇年代の繁栄というのは、ITを中心とした情報通信の分野が非常にアメリカという国の経済にインセンティブを与えて、新産業の創出でありますとか、あるいは雇用の拡大ですとか、全体の経済が膨らむ、そういう原動力になっておりましたので、やはり日本も、昨年のこれも七月からでございましたけれども、IT戦略本部、IT戦略会議というのを立ち上げまして、基本方針をつくりまして、この一月からe—Japan構想、こういう形でITというものをこの国にしっかりと根づかせて、それによって経済的な発展を図る、こういうことで構想もできてまいりました。
 二〇〇五年までには、ある意味では気宇壮大な一つの計画かもしれませんけれども、IT先進国のアメリカをキャッチアップして、それに追いついて追い越そう、こういうことで、これもきめ細かな、時間を区切った、そういう一つの方針を出させていただいて、法整備でありますとかあるいは規制の緩和でありますとか、そういうことも今着実に進めつつあるわけであります。
 もう一つ、これは先生もよく御承知だと思いますけれども、やはり日本の経済を安定化させていくに当たってどうしても一つの大きな障害になっているのは、不良債権の問題でございます。
 こういう不良債権の問題も、我が経済産業省は、やはり中小企業を抱えておりますから、ソフトランディングということを一つ大きな受け皿にしなければならないと思っています。そういう中で、不良債権というものを、あくまでも民間主導でやらなきゃいけませんけれども、政府としてそれをいかに円滑に手助けしていくか。そういう対策を講じて、ネックになっている不良債権の処理の問題もあわせて進めていく。
 そういうことを総合的にやっていけば、今、冒頭申し上げたように厳しい経済状況でありますけれども、しかし日本はポテンシャリティーがありますから、必ず安定的な、そういう持続的な回復基調に乗せることができる、私はこういうふうに思っておりまして、全力で取り組んでいるところでございます。

発言情報

speech_id: 115104080X00520010328_005

発言者: 平沼赳夫

speaker_id: 2022

日付: 2001-03-28

院: 衆議院

会議名: 経済産業委員会